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Go言語エンジニアの平均年収は?年収アップの方法を解説

Go言語エンジニアの平均年収は?年収アップの方法を解説

Googleが開発したプログラミング言語のGo言語。今、将来性がある言語の一つとして注目を集めています。しかし、エンジニアとしてキャリアを考える上で、やはり気になるのはお金の面ではないでしょうか?

「Go言語エンジニアの年収は本当に高いのか?」「年収1,000万円を超えるには、どのようなスキルが必要なのか?」といった疑問に答えるべく、Go言語エンジニアの平均年収について詳しく解説します。年収アップを実現するためのロードマップも紹介しているため、ぜひお役立てください。

Go言語とは?

Go言語は、2009年にGoogleがリリースしたオープンソースのプログラミング言語です。大きな特徴は、コードがシンプルで読みやすく並行処理に強いことです。 C++に匹敵する処理速度とコンパイルの速さを兼ね備えており、Webサービスやアプリ開発をはじめ、ドローンやIoT分野など幅広い領域で活用されています。

GoogleやNetflixといったグローバル企業だけでなく、Yahoo! JAPANやメルカリなどの国内企業も採用しており、大規模なシステム開発にも適していることから、将来性が高いプログラミング言語として注目を浴びています。

Go言語の特徴

Go言語には3つの特徴があります。

(1) 圧倒的なコンパイル速度

コンパイラ言語の中でもGo言語は、ソースコードを一気に機械語へ変換するシングルパス方式を採用しています。他の言語と比べて大規模なコードベースでもコンパイルが速いという特徴があります。

(2) 並行処理に強い

Go言語は軽量スレッドであるゴルーチンとチャンネルによって複数のタスクを同時にこなすことができるプログラミング言語です。マイクロサービスやクラウドネイティブアプリケーションなど大量のデータを扱うシステムで活躍します。

(3) 優れた拡張性

Go言語は豊富なライブラリやコマンドツールが提供されているため、高い拡張性を誇ります。プロジェクトの進行に伴って要件変更や機能追加が発生しても、Go言語であれば柔軟に対応できます。

Go言語で開発できるもの

Go言語は汎用性が高く、Webのバックエンドからインフラ周りまで幅広い領域をカバーできます。具体的には、3つの分野で強みを発揮します。

Webサービスの設計開発

Go言語は、メルカリのようなマッチングサービスなど大規模なWebサービス開発で多く採用されています。その理由は、Go言語が大量のアクセスをさばく高速処理と並行処理を得意としているためです。対応範囲は広く、Webシステムの設計・実装から、サーバー構築、データベースと連携したAPI開発まで多岐にわたります。

スマートフォン向けのアプリ開発

Go言語はスマートフォン向けアプリ開発の分野でも活用されています。エラーの検出性が高く改修がしやすい点に加え、「Go Mobile」などのツールキットを使えばAndroid/iOS両方のコードを共通化できるため、開発効率を重視する現場で選ばれています。

データベース開発

Go言語は、データベース開発にも採用されています。なぜなら、Go言語はメモリ消費を抑えながら大量のデータを高速に処理でき、多数のアクセスを同時にさばく並行処理に強いためです。開発現場では、大量のログデータを処理するための基盤構築や、クラウド環境に適した分散型データベースシステムの設計・実装などを担当します。

Go言語エンジニアの平均年収

Go言語エンジニアの平均年収は700万円前後です。雇用形態や経験年数で平均年収は変動します。

Go言語エンジニアの雇用形態別平均年収

雇用形態別のGo言語エンジニアの平均年収相場は以下の通りです。

【会社員】Go言語エンジニア平均年収

正社員の平均年収は350万円~1,500万円と幅があります。その理由は、個人のスキルだけでなく所属企業の業績や給与テーブルに強く依存するためです。

仕事内容 年収
Webサービス 600万円
アプリ開発 500万円
組み込み 600万円

【アルバイト】Go言語エンジニア平均年収

アルバイトの場合は、時給2,000円〜3,000円が相場です。フルタイム換算で年収300~500万円程度になります。専門職のため一般的なアルバイトより高額です。バックエンドのAPI設計や環境構築ができるレベルであれば、さらに好待遇で採用される可能性があります。

仕事内容 年収
Webサービス 500万円
(時給3,000円)
アプリ開発 400万円
(時給2,500円)
組み込み 500万円
(時給3,000円)

【フリーランス】Go言語エンジニア平均年収

フリーランスの平均年収は700~1,000万円です。Go言語は需要が高いため、他言語と比較して高単価になりやすい傾向があります。リモートワーク可の案件も多く、働きやすい環境が整っています。社会保険料や税金を考慮しても、手取り額で正社員を大きく上回るケースが多いです。

仕事内容 年収
Webサービス 900万円
(単価60~90万円)
アプリ開発 780万円
(単価50~80万円)
組み込み 1,000万円
(単価70~100万円)

Go言語エンジニアの経験年数別平均年収

経験年数別のGo言語エンジニアの平均年収は以下の通りです。

経験年数 会社員 フリーランス
1~2年 300〜550万円 350~480万円
3~4年 500〜750万円 600~840万円
5年以上 700〜1,000万円 960~1,440万円

【1~2年】Go言語エンジニア平均年収

1~2年目はジュニアエンジニアとして扱われます。

・会社員(年収300~550万円)

完全未経験からのハードルは高いものの、採用されれば高水準の給与でスタートできる可能性があります。

・フリーランス(年収 350~480万円)

フリーランスとしての選択肢はまだ狭いのが現状です。指示を受ければ実装できるレベルでは高単価は望めず、テストコードの作成や軽微な改修などのタスクが中心となります。年収換算では350~480万円と正社員と変わらないか、リスクを考慮すると割安になる傾向があります。

【3~4年】Go言語エンジニア平均年収

現場で最も人数が多く、かつ需要が高いゾーンです。設計書に基づき一人で機能を実装し、コードレビューも行えるレベルが想定されます。

・会社員(年収500〜750万円)

経験3年を超えると年収中央値は700万円台に到達します。この時期に転職を行うことで、年収を100〜150万円アップさせるエンジニアも少なくありません。Go言語特有の並行処理のパターンや、パフォーマンスチューニングの勘所を理解していることが高く評価されます。

・フリーランス(年収600~840万円)

月単価60万円〜70万円の案件がボリュームゾーンとなり、年商720万〜840万円が見えてきます。週3〜4日稼働で正社員時代の年収を維持しつつ自由な時間を作る、といった柔軟な働き方も可能になります。

【5年以上】Go言語エンジニア平均年収

Go言語の実務経験が5年以上あるエンジニアの市場価値は極めて高いです。

・会社員(年収700〜1,000万円)

スペシャリストとして1,000万円を超えるオファーが出るほか、CTOやVPoE候補としてスカウトされる機会も増えます。

・フリーランス(年収960~1,440万円)

実装だけでなく、AWS/GCPを含めたアーキテクチャ設計、マイクロサービスの切り出し戦略、若手メンバーのメンタリングなどが業務に含まれます。月単価80万円(年商960万円)がボトムラインとなり、月100万円(年商1,200万円)以上の案件も十分に狙えます。

Go言語エンジニアが年収を上げる方法

Go言語エンジニアが年収を上げる方法は5つあります。

Go言語以外の開発スキル

Go言語エンジニアとして市場価値を高めたい場合は、モダンな開発現場で求められるスキルを習得しておきましょう。

具体的には、DockerやKubernetesを用いたコンテナ環境の構築や運用、AWSやGCPなどのクラウドインフラをコードで管理するIaCの知見、そしてマイクロサービス間の高速通信を実現するgRPCなどのプロトコル設計力などが挙げられます。

これらはGoが得意とする高負荷・分散処理のパフォーマンスを最大限に引き出すために不可欠です。単にコードが書けるだけでなく、これらの技術を掛け合わせて使いこなせるスキルこそが、現場で高く評価されます。

関連資格の取得

関連資格を取得すると、Go言語エンジニアとしての市場価値を客観的に証明でき、年収アップにつながります。 正社員の場合は資格手当が支給されるケースも多く、転職やフリーランスとしての案件獲得においても有利に働きます。ぜひ、関連資格の取得を検討してみてください。

(1)CKA / CKAD

Linux Foundationが認定するKubernetesの難関資格です。CKA / CKADを保有していると、コンテナ運用ができる高度なスキルを証明できます。インフラも分かるアプリケーションエンジニアであることを証明したい場合におすすめです。

(2)AWS Certified Solutions Architect

AWSのスキルを証明する資格です。インフラの設計・構築に関する知識が問われるため、Go言語を用いたバックエンド開発におけるアーキテクチャ設計能力をアピールできます。

(3)Google Cloud認定

Googleのクラウド資格です。Go言語はGoogle発の言語であるため親和性が高く、Google Kubernetes Engine (GKE) や Cloud Run といったモダンな環境での開発知識を証明するのに役立ちます。

年収の高い会社への転職

前述の通り、正社員の年収は個人のスキルだけでなく、所属企業の業績や給与テーブル(給与水準)に強く依存します。 そのため、手っ取り早く年収を上げたい場合は、Go言語の需要が高く、元々の給与水準が高い以下の3つの領域へ転職するのがおすすめです。

タイプ 年収目安 代表的な企業例
メガベンチャー 年収1,000万円~ メルカリ、LINEヤフー、DeNAなど
フィンテック(金融×IT) 年収800万円~ インフキュリオン、Moneytreeなど
外資系テック企業 年収1,500万円〜 Google, Amazon, Microsoftなど

高年収を目指し管理職やエンジニアとしてスペシャリストを目指す

Go言語エンジニアとしての経験を積み、スペシャリストやエンジニアリングマネージャーを目指すことで、さらなる年収アップが期待できます。

(1)スペシャリスト

現場でコードを書き続けたい場合におすすめです。Go言語のランタイム内部挙動や、分散システムのコンセンサスアルゴリズムといった特定技術に精通し、組織全体の技術課題を解決します。技術選定やアーキテクチャ設計の責任を持つことで、CTOと同等の待遇を得られる場合があります。

(2)エンジニアリングマネージャー

開発チームの生産性向上、採用活動、評価制度の設計などを担います。技術がわかり、かつマネジメントができる人材は不足しているため、年収1,000万円の壁を超えるための、最も確実なルートの一つです。

:副業を始めたりフリーランスとして独立する

会社員として働きながら年収を上げたい、あるいは一気に年収アップを狙いたい場合は、副業を始めたりフリーランスとして独立したりするのもおすすめです。

(1)副業

Go言語の案件は単価が高く、週1〜2日のリモート稼働で募集されているものも多いです。時給3,000円〜5,000円程度が相場で、月10〜20万円の安定した副収入を得ることができます。

(2)フリーランス

Go言語の開発経験があり、スキルに自信がある場合はフリーランスへ転身するのもおすすめです。フリーランスエージェント経由であれば、月単価80万円(年収960万円)を超える案件も豊富にあります。税金等を考慮しても、会社員時代より自由に使えるお金が増えるケースが大半です。

Go言語エンジニアのフリーランス案件ならBIGDATA NAVI

BIGDATA NAVI

Go言語エンジニア向けの案件紹介サービスとして、BIGDATA NAVI(ビッグデータナビ)があります。ビッグデータ関連の求人サイトでは業界最大級の案件数を誇り、機械学習・AIなどの先端案件が豊富であることが魅力です。

ITエンジニアやプログラマー、データサイエンティスト、コンサルタント・PM・PMOといったIT系人材は一度登録して案件紹介を受けてみるとよいでしょう。

年収アップを目指すフリーランスのGo言語エンジニア向け案件例

実際にどのようなGo言語エンジニアのフリーランス案件があるのか、気になる人もいるでしょう。ここからは、案件例をいくつかご紹介していきます。

案件例|金融SaaSサービス開発

内容
職種 バックエンドエンジニア
単価目安 ~¥750,000/ 月
業務内容 AIを活用した経理サービス開発
必須スキル ・Go言語を用いたバックエンド開発の経験
・TypeScript(Node.js等)を用いたバックエンド開発の経験
・GitHub Copilot や Cursor 等、AIコーディング支援ツールを活用した開発の経験

案件例|労務系SaaSプロダクトの機能拡充および新規開発

内容
職種 フルスタックエンジニア
単価目安 ~¥950,000/ 月
業務内容 労務系SaaSプロダクトの機能拡充および新規開発
必須スキル ・エンジニアの経験
・Goを用いた開発の経験
・React / TypeScripyを用いたフロントエンド開発の経験
・Webアプリケーションの設計・実装経験
・労務系システム開発のご経験

案件例|ホテル予約サイトのバックエンド開発・リプレイス

内容
職種 エンジニア
単価目安 ~¥700,000/ 月
業務内容 ホテル予約サイトにおけるバックエンド開発・リプレイス
必須スキル ・PHPを用いた開発経験
・Goを用いた開発経験
・技術選定の経験
・自社開発企業でのtoBtoC向けWebサービス(Saas・ECサイトなど)の開発経験
・要件定義〜テストにおけるドキュメント作成の経験
・システムリプレイスの経験

Go言語エンジニアの年収に関するよくある質問

最後に、Go言語エンジニアの年収に関してよくある質問をご紹介します。

Go言語エンジニアのフリーランス案件の単価相場はいくらぐらいですか?

全体の相場としては、月額70万円〜85万円がボリュームゾーンです。 スキルや経験年数別の目安は以下の通りです。

経験年数 単価相場
実務1〜2年目 単価30~40万円
実務3〜4年目 単価50~70万円
実務5年以上 単価80~120万円

未経験からでもGo言語エンジニアとして仕事をすることは可能ですか?

可能です。ただし、戦略的なアプローチが欠かせません。Go言語は経験者採用が主流のため、JavaやPHPと比べて未経験歓迎の求人は極めて少ないです。

そのため、クリーンアーキテクチャやDocker、CI/CD、テストコードの実装などをポートフォリオに掲載し、ポテンシャル枠を狙いましょう。 まずはPHPなどでWeb開発の基礎を固めてから、Goエンジニアへステップアップするのが王道ルートです。

Go言語エンジニアは年収1,000万円も目指せる?

結論から言えば、十分に目指せます。むしろ、現在のITエンジニア市場において、Go言語は年収1,000万円の大台に最も近い言語の一つと言っても過言ではありません。

メガベンチャーやフィンテックなど、資金力のある企業がメイン言語として採用しているため、年収1,000万円を目指しやすいです。フリーランスでも月単価80万円以上の案件が豊富にあり、年収換算で1,000万円に届きやすい傾向にあります。

まとめ

今回は、Go言語エンジニアの平均年収の実態や、年収を上げるための方法について解説しました。 Go言語は、Webサービスの大規模化やクラウドネイティブ開発の普及に伴い、今後も長期的な需要が見込まれるプログラミング言語です。特にフリーランス市場における評価は高く、実務経験を積み、アーキテクチャ設計などの周辺スキルを磨くことで、年収1,000万円も十分に射程圏内に入ります。

「今のスキルで通用するのか知りたい」「具体的にどんな案件があるのか見てみたい」という方は、まずはフリーランスエージェントに相談してみることをおすすめします。

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