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2019/06/12

データサイエンティストに役立つ資格6選!資格取得のメリット、難易度、スキルを解説

データサイエンティストに役立つ資格6選!資格取得のメリット、難易度、スキルを解説

企業のデータ活用を推進する上で大きな役割を果たす「データサイエンティスト」。統計学、コンピュータ科学、機械学習などの手法を用いて、ビッグデータと呼ばれる膨大な量のデータを構造化・整理・分析し、企業の新たなアクションにつなげていく仕事です。それらデータサイエンスの実務では直ぐに分析が可能なデータとは限りません。ほとんどの場合にクレンジングや前処理と呼ばれるデータを分析目的にあわせて抽出したり整形したりする作業が必要です。

データサイエンティストとして認められるためには、ビジネスそのものやITアーキテクチャに関する深い理解のほか、統計解析、機械学習、数学などの幅広い知識が要求されます。最近ではエンジニア寄りの立ち位置を求められるデータサイエンティスト求人も増えており、ビッグデータ分析やAI・統計モデルなどのアルゴリズム構築のほか、IT開発やプログラミングに精通している人材の需要も高まっています。

今回の記事では、注目職種である「データサイエンティストに役立つ6つの資格」を紹介します。未経験からキャリアチェンジを目指す方やスキルアップを考えている方は必見です。データサイエンティストに資格は必要ありませんが、取得により知識の体系的な学びや実力の証明に取り組みましょう。

データサイエンティストにおすすめの資格6選

データサイエンティストには、「ビジネス」「データサイエンス」「データエンジニアリング」の3つのスキルが必要です。ここでは、スキルや知識の証明となるおすすめの資格を6つ紹介します。

1.情報処理技術者試験/情報処理推進機構(IPA)

日本のITエンジニアであれば取得しておきたい資格が、情報処理推進機構(IPA)が実施している情報技術者試験です。難易度に応じてレベル1~4の試験に分かれており、自分のレベルにあった試験を受験できます。特に基礎となる「基本情報技術者試験」は、情報の基礎理論からプロジェクトマネジメント、データベースに関する知識まで、名称通り情報の基本を体系的に幅広く学べるため、技術者を目指す人であれば取得しておきたい資格となっています。

市販のテキストが多数販売されているのでそれを活用しながら勉強できます。午後の試験では実技などもあるので対策が必要となります。

情報処理技術者試験
資格種類 国家資格
試験日程 春期(4月第3日曜日) 秋期(10月第3日曜日)
受験料 5,700円
試験の難易度(合格率) レベルによって異なる 基本情報技術者試験が23~30% 上位資格は15%前後
受験資格 特になし
公式サイト https://www.ipa.go.jp/index.html
運営団体 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

2.データスペシャリスト試験/情報処理推進機構(IPA)

データスペシャリスト試験は、経済産業省が認定する国家資格です。IPAの提供する情報処理技術者試験のなかでも、主にデータベースの設計や管理に関する試験内容となっています。システム開発の上流工程に位置するスキルが重視されるため、データサイエンティストに求められるデータアーキテクトとしてのスキル認定を受けることが可能です。また、企業がビジネスに活用できるデータベース管理やインフラ系のエンジニアを目指すうえでも欠かせない資格です。

国家資格という性格上、特定のデータベース製品に依存した機能やSQLに関しての出題はされず、業務分析に関する知識が問われます。また、「データスペシャリスト試験」は難易度が高い試験として有名です。情報処理技術者試験制度のなかでも最難関「スキルレベル4」となっています。

試験は、四択式の問題が出題される午前I、IIと記述式問題が出題される午後I、IIの4つにわかれており、それぞれ、データベース技術の包括的な知識や運用、保守に関する能力などが求められます。

合格率は13.9%(平成30年)と今回紹介する他の試験と比べかなり低いですが、各年度の参考書や教科書が市販されているので、これらを活用して独学での学習が可能です。

データスペシャリスト試験(DB)
資格種類 国家資格
試験日程 春季、秋季開催
受験料 5,700円
試験の難易度(合格率) 13.9%(平成30年実績)
受験資格 特になし
公式サイト https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html
運営団体 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

3. OSS-DB技術者認定試験/エルピーアイジャパン(LPI-Japan)

オープンソースデータベース技術者認定試験は、LIP‐JAPANが運営する民間資格です。オープンソースのデータベースソフトウェアであるPostgreSQLを基準とした試験で、データサイエンティストに欠かせないデータベースの設計・開発・導入・運用といった基本的な技術についての認定を受けることができます。

難易度はそれほど高くないといわれており、この資格を足掛かりにIPAのデータベーススペシャリスト試験や後述するるデータスペシャリストの取得をする人も多くなっています。

市販の教材のほか、LIP‐JAPANのウェブサイトから無償で教材のダウンロードも可能です。

OSS-DB技術者認定試験
資格種類 民間資格
試験日程 CBTで随時開催
受験料 15,000円
試験の難易度(合格率) 合格率は非公開
受験資格 受験は可能だがGold資格の取得にSilverの取得が必要
公式サイト https://oss-db.jp/
運営団体 特定非営利活動法人 エルピーアイジャパン(LPI-Japan)

4.統計検定(準1級)/統計質保証推進協会

日本統計学会が認定する統計学に関する知識や活用力を評価する資格試験です。データサイエンティストの核となる「分析力」に直結していく統計の知識を確認できます。レベルは5段階に分かれており、準1級が「統計学の活用力 ― データサイエンスの基礎知識」とされています。 統計学会から公式のテキストが販売されているほか、統計学の本を利用して学ぶことが可能です。

統計検定
資格種類 公的資格
試験日程 6月中旬、11月下旬 CBTでも随時開催(2、3級のみ)
受験料 1級 6,000円(2科目あり1科目料金) 準1級8,000円 2級 5,000円 3級 4,000円 4級 3,000円
試験の難易度(合格率) 準1級:29.7%
受験資格 特になし
公式サイト http://www.toukei-kentei.jp/
運営団体 一般財団法人 統計質保証推進協会

5. G検定・E資格/日本ディープラーニング協会(JDLA)

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するAI技術に関する試験です。事業を活用する人材(ジェネラリスト)用のG検定とエンジニア向けのE資格があります。データサイエンティストの核ともいえる機械学習・深層学習(ディープラーニング)の知識・技能を測ることが可能です。E資格の受験をするためには、JDLAが指定する認定プログラムの講座を受講する必要があります。講座はハンズオン・オンライン共に開講されています。

公式テキストが販売されているほか、ウェブサイトに推薦図書などが掲載されています。

G検定・E資格
民間資格 公的資格
試験日程 G検定:3月、7月、11月(2019年) E検定:2月、8月(2019年)
受験料 G検定:12,960円(学生割引あり) E検定:32,400円(学生・JDLA会員割引あり)
試験の難易度(合格率) 72.8%(G検定:2019年3月開催) 63.31%(E検定:2019年2月開催)
受験資格 E資格はJDLA認定プログラムの講座受講が必要
公式サイト https://www.jdla.org/
運営団体 一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)

6. Python 3 エンジニア認定基礎試験/Pythonエンジニア育成推進協会

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間試験です。Pythonはデータの整形整理など幅広い用途で活躍してくれるため、データサイエンティストは学んでおきたい言語となります。このエンジニア認定基礎試験はどちらかと言えば初学者向けの試験で、それほど難しくはありませんが、Pythonを学ぶ入り口として受けておいて損はありません。また、2019年夏からは、「データ分析試験」も開始される予定です。

教材は市販されており、公式ウェブサイトでタイトルを確認できます。

Python 3 エンジニア認定基礎試験
資格種類 民間資格
試験日程 CBTで通年開催
受験料 10,000円(税別・学生は半額)
試験の難易度(合格率) 78%
受験資格 特になし
公式サイト https://www.pythonic-exam.com/
運営団体 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会

データサイエンティスト関連資格に挑戦するメリット

IPAをはじめとした、データサイエンティストに有利な資格の取得は、スキルの証明になるだけではなく、試験対策の勉強で参考者などを用いて知識を蓄えていくため、高度情報処理スキルを体系立てて学べるというメリットがあります。

企業に就職した場合、データサイエンティストも部署のリーダーや先輩、上司からOJTを通して知識を養っていく傾向にありますが、この教育方法では、業務に必要な知識しか学べない、その会社独自のノウハウでしか学べない、理屈から学べず応用力が身につかないといった弊害があります。

ですが、資格習得のために、高度情報処理スキルを理論的に学ぶことで、より実践的かつどの会社でも重宝される知識が養えます。また、データアナリストなどの分析職やITエンジニア以外の職種からデータサイエンティストを目指す場合にも、勉強を通して理論や実務を学習することができます。

データサイエンティストが仕事で担う役割、必要な知識・スキル

データサイエンティストは、企業の研究開発部門や機械学習・統計などのコンサルティング、アナリティクス専任部署などに所属しデータサイエンス実務に取り組みます。そのため、統計に関する知識のほか、プレゼンテーション・ドキュメント作成といったビジネススキル、R・Pythonなど分析を行うプログラミングなどITスキルが必要です。 ここからは、「データサイエンティストが仕事で担う役割」と「データサイエンティストに求められるスキルセット」を詳細に見ていきます。

データサイエンティストが仕事で担う役割、必要な知識・スキル

データサイエンティストが仕事で担う役割

データサイエンティストは、基本的には統計分析やデータ分析を専門とするアナリストとして配属されます。ただし、機械学習のスキルなどを活用し、情報の分析基盤そのものを整えるエンジニア分野の業務に従事することもあり、必ずしも最初から経営判断に直接関わるアナリストとしてのキャリアを積めるとは限りません。

データサイエンティストに必要な知識・スキルセット

それでは、データサイエンティストに求められるスキルセットはどのようなものでしょうか。 情報処理系の資格試験などを行う情報処理推進機構(以下IPA)は、データサイエンティストに求められる一般的なスキルを「ビジネス」「データサイエンス」「データエンジニアリング」の3分野にまとめています。[注1]

ビジネス : 課題の背景を把握してビジネスにおけるテーマを整理して解決する データサイエンス : 情報処理、人工知能といった情報科学の知識を把握して駆使する データエンジニアリング : データサイエンスを活用して運用する

このような一般的なスキルを運用するためには、統計や確率といった数学の知識、プログラミングや機械学習などの知識に加えて、データ収集・加工のためのデータベースの知識やデータ可視化といったスキルが必要になります。具体的には、次のような技術的スキルです。

  • Python
  • R
  • SQL
  • Hadoop
  • Tableau

アメリカの求人サイトを用いた調査によれば、データサイエンティストに求められるスキルは多い方から順に「分析」「機械学習」「統計」「コンピュータサイエンス」、技術的なスキルとしては「Python」「R」「SQL」「Hadoop」「Spark」となっています。[注2]

データサイエンティストに有利となる資格は、一般的なスキルを確認するものと、このような言語・フレームワークの知識・技能を認定するものといえます。

希少価値の高いデータサイエンティストになるために

希少価値の高いデータサイエンティストになるために

マッキンゼー社の調査によると、データ分析に係る才能を有する大学卒業生の数は、日本では平成20年で3,400人程度と、大きく不足している状況です。ただし、データサイエンスが「大衆化」して、人材不足の解消に向かうとの報告もあります。[注3、4]

まだ新しい職業のデータサイエンティストですが、得意分野や専門領域による分業化が進みつつあります。機械学習を専門とするソフトウェアエンジニア、統計の専門家であるアナリストなどとチームを組むこともあれば、全体を指してデータサイエンティストと呼ぶこともあります。

いずれにせよ、テクノロジーや環境は常に変化するため将来のデータサイエンティストに求められるスキルが現在と同じである可能性は低いといえるでしょう。今後もデータサイエンスの一線で活躍しつづける人材になるためには、常にスキルをアップデートしていく必要があります。

これからデータサイエンティストを目指す方は、資格取得を足掛かりにしてITエンジニアになることもおすすめです。

WriterAI drops編集部
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