機械学習・AI

機械学習入門のためのロードマップを初心者向けにわかりやすく解説!

AI開発に欠かせない技術である機械学習について注目される中、機械学習のスキルを持つ人材は多くの企業で求められており、需要が高い状況が続いています。

こうした背景から、機械学習を学び、将来的に機械学習のスキルを持つ人材として活躍したいと考えている人が増えてきています。

しかし、機械学習を入門レベルから学びたいと思っても、何から手をつけたらよいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。

この記事では、機械学習の初心者に向けて、機械学習入門のためのロードマップをわかりやすく解説していきます。

機械学習入門のためのロードマップ

機械学習の学習範囲は多岐にわたるため、学ぶ順序や学習すべき内容がわからない、と悩んでいる機械学習入門者は多いと思います。実際に、機械学習を入門レベルから学び、実用レベルで使いこなせるようになろうとしても、途中で挫折しやすいものです。

機械学習を学ぶためには、学習の順序が重要になってきます。機械学習入門者のために、この記事で説明する学習ステップは以下の通りです。

  • STEP1:機械学習について理解する
  • STEP2:機械学習の学習方法について知る
  • STEP3:機械学習について段階を踏んで学習する

それぞれのステップについて、順を追って解説していきます。

STEP1:機械学習について理解する


まずは、機械学習とはどのような技術なのかをあらためて整理し、具体的な手法や活用方法とともに理解していきましょう。

そもそも機械学習とは

機械学習とは、経験を通して物事を学習し、学習した結果に基づいて判断するという人間の知的行動を、コンピュータに行わせようとする手法です。

コンピュータは与えられた学習データをもとに、データの持つ規則性や法則性を学習し、学習した結果に基づいて予測や分類、最適化などのタスクを行います。

機械学習は、金融、製造、小売、医療など多くの分野でビジネスや研究開発に活用されています。

機械学習とAI(人工知能)の違い

AIとはartificial intelligenceの略で、人工知能とも呼ばれます。

AIは人間の知能を模したコンピューターシステムのことを指す用語で、経験から学び、新たな情報の入力に対して順応するなど、人間が知的であると感じる行動をとります。

AIは機械学習を含む広義の概念であり、機械学習はAIを実現するための主要な技術の1つという関係性になります。

機械学習の種類

機械学習のアルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習という3つの種類に分けられます。ここでは、それぞれの種類について説明していきます。

教師あり学習

教師あり学習とは、機械学習のアルゴリズムに学習データを与える際に、正解のラベルも一緒に与えて学習させる手法です。

例えば、複数の果物の写真を学習データとして与える場合、その写真がミカンなのか、バナナなのかといった答えも一緒に与えるということです。この手法により、正解なしのデータが与えられた時に、高い精度で正解を導くことができるようになります。

教師あり学習は、株価や売上などの予測や、スパムメール判定などのデータ分類を行いたい時に使われます。

「教師あり学習」については、下記の記事でも詳しく解説しています。

教師あり学習とは?機械学習入門者が理解したい基礎知識を解説


教師なし学習

教師なし学習は、教師あり学習とは反対に、正解なしの学習データを与えて学習させる手法です。

コンピュータは、与えられた学習データの類似点や規則性をもとに、データのグループ分けや、データ同士の関連性の導出などを行います。

教師なし学習は、自社の顧客を、購買傾向などの類似点に基づいてグループ分けする際などに利用されます。教師なし学習は、あらかじめ正解のパターンを人間が決める教師あり学習とは異なり、人間がデータを見ただけでは気づけない、未知の法則性を導くことができるのが特徴です。

強化学習

強化学習は、正解なしの学習データをもとにした計算結果の良し悪しに報酬を与えることで、報酬を最大化する行動を取れるように学習させる手法です。

行動に対する報酬をもとにコンピュータは試行錯誤を繰り返して学習し、知能を向上させていきます。

囲碁や将棋などのゲームや、エレベータ制御、株式売買などでよく用いられる手法です。

機械学習の主な手法

機械学習にはさまざまな手法がありますが、ここでは代表的な手法を5つ紹介します。

クラス分類

クラス分類は、あらかじめ人間が定めたクラスのうち、入力データがどこに属するのかを予測し、振り分ける手法のことです。

クラス分類は、迷惑メールの分類、画像に写っている果物や動物の判定、銀行の不正取引の検出などで用いられます。

回帰

回帰とは、入力データをもとに、予測したい結果を数値で出力する手法のことです。

例えば売上予測や株価予測のように、過去のデータをもとに学習をさせ、得られたモデルで未来の数値を予測したい場合などに利用されます。

クラスタリング

クラスタリングは、与えられたデータ同士の類似度をもとに、データを複数のクラスに分ける手法です。

分類はあらかじめ振り分けたいクラスを人間が決めておくのに対し、クラスタリングはコンピュータによって自動でクラスが作られるという違いがあります。

ECサイトの顧客データから、ユーザのグループ分けを行う際などに用いられます。

フィルタリング

フィルタリングは、ユーザーの購買履歴や行動履歴などから、ユーザが関心のありそうな商品や情報を推測する手法です。

ECサイトにおいて、おすすめの商品をレコメンド(推薦)する際などに用いられます。

ユーザ同士の類似度を計算し、似ているユーザが関心を持っているアイテムを抽出する手法を協調フィルタリング、商品などアイテム同士の類似度を計算する手法をコンテンツベースフィルタリングと呼びます。

次元削減

次元削減とは、多次元で表現されるデータについて、データの特徴を残しながら次元数を減らす手法です。

例えば、身長と体重の値で表されるデータの次元数を削減し、体格の良さという値のみで表現する場合などに利用します。

次元削減をすることによって、データの持つ特徴を把握しやすくできるという利点があります。

機械学習の活用方法

機械学習はさまざまな分野で活用されています。機械学習が活用されている代表的な分野を4つ紹介しますので、機械学習の利用方法についても理解を深めておきましょう。

画像認識

画像認識とは、画像や映像に何が映っているのかを自動でコンピュータに判別させる技術です。

機械学習を用いた画像認識では、物体の認識・検出をはじめ、顔認識や文字認識なども可能となります。具体的には、画像に何が映っているかの判別や、人物の特定、文字の識別や類似画像の分類などをすることができます。

自然言語処理

自然言語とは、人間が使用している言語のことです。自然言語処理は、文章データをもとにコンピュータが文章の意味を理解し、人間のように文章要約や会話応対をできるようにする技術です。

チャットボットや機械翻訳、文章の感情分析(ポジティブ・ネガティブの分析)などの分野で活用が進んでいます。

音声認識

音声認識とは、人の話し声をもとに、話されている内容をテキストとして出力する技術です。音声の特徴から、声の主を特定する技術も音声認識に含まれます。

先述の自然言語処理と組み合わせて、音声の内容を理解し、コンピュータが自動で応対するという部分まで含めて機械学習が活用されることもあります。

売上予測・需要予測

売上予測・需要予測とは、特定の店舗や商品の売上がどのくらい見込めるか、将来の需要がどのくらいあるかなどを、過去の売上や商圏データなどを元に予測することです。

売上予測・需要予測は、商品の生産計画や販売計画だけでなく、企業の経営戦略にも使われる重要なデータです。機械学習によって、精度の高い売上予測や需要予測を行うことができます。また、過去データの存在しない新商品についても、予測を行うことが可能となります。

STEP2:機械学習の学習方法について知る

ここまでで、機械学習とはどのような技術で、何ができるのかという大枠を理解することができたと思います。

次のステップでは、機械学習の学習方法の選択肢について知っていきましょう。

機械学習の学習本を活用する

機械学習の学習本は多数出版されているため、入門レベルからでも書籍を活用して学ぶことが可能です。

機械学習の概要を広く押さえた本や、後述のPythonなど機械学習の実装に使われる言語の教本、機械学習のアルゴリズムについて数学や統計学の観点で詳しく書かれている本など、複数の学習本を使って基礎から実践・応用レベルまでの知識を身につけていくとよいでしょう。

機械学習を学べるサイトを活用する

機械学習について、オンラインで学べるWebサイトも多数存在します。

テキスト形式の教材で学べるサイトや、動画を視聴しながら学習できるサイト、簡単なプログラミングを行いながら学習を進められるサイトなど特徴もさまざまです。

無料のサイトと有料のサイトがありますが、有料でも入門レベルの内容を無料公開しているサイトもあります。サービス内容を比較検討し、自身の学習スタイルに合ったサイトを活用するのがおすすめです。

機械学習のオンライン講座を活用する

機械学習のオンライン講座を提供しているサービスもあります。特に、機械学習を入門レベルから学び、実務に活かすことを目指したいのであれば、「AIジョブキャンプ」がおすすめです。

AIジョブキャンプとは、機械学習に関する知識をオンラインで学べるAI教育講座と、案件紹介のエージェントサービスがセットになった、AI人材としての活躍を支援するサービスです。

AIジョブキャンプの無料カウンセリングに参加すると、機械学習の無料講座を受講することができます。

無料講座は、機械学習の基本的な知識から実務への応用までを体系的に学べるカリキュラムとなっており、機械学習をより深く、実践的に理解することができます。

STEP3:機械学習について段階を踏んで学習する


学習の準備が整ったら、いよいよ本格的に機械学習の学習に進みます。

ここでは機械学習入門者が、実際に機械学習を学んでいく流れを段階を追って説明します。

段階(1)プログラミング言語「Python」を学習する

まず最初の段階として、プログラミング言語のPythonを学習しましょう。

Pythonはデータ分析、Webアプリケーション開発、ゲーム開発など、多くの分野で用いられている汎用性の高い言語です。

機械学習の開発言語はPythonが主流となっているため、機械学習について学ぶのであれば、Pythonの習得は必須と考えてよいでしょう。Pythonは文法がシンプルで、開発を効率化するためのフレームワークやライブラリも充実していることから、プログラミングを初めて学ぶ人でも学習しやすい言語です。

段階(2)数学や機械学習アルゴリズムについて学習する

機械学習を学ぶうえで、機械学習の考え方の基礎となる数学や統計の知識も欠かせません。特に微積分、線形代数、確率統計などの分野についてはしっかり理解しておきましょう。

また、機械学習を実務レベルで使いこなすためには、機械学習のアルゴリズムについても理解しておく必要があります。まずは理論を学び、次にPythonを使って手を動かしながら例題を解いていくと理解が深まります。

段階(3)機械学習ライブラリについて学習する

ライブラリとは、特定の処理を行うためのプログラムがあらかじめ準備され、部品化されたものです。Pythonは機械学習に関連するライブラリが充実しており、実際に機械学習モデルを構築する際にはライブラリを活用していくことになります。

機械学習でよく使われるPythonのライブラリについて、代表的なものを4つ紹介します。

代表的なライブラリ「scikit-learn」

scikit-learn(サイキット・ラーン)は、機械学習の分野ではもっとも有名なライブラリです。

scikit-learnは、機械学習で使われるアルゴリズムをほぼ網羅しており、幅広い用途に活用することができます。他の機械学習関連のライブラリと比べて使い方もシンプルで、公式ページの解説もわかりやすいため、初心者でも扱いやすいライブラリとなっています。

代表的なライブラリ「pandas」

Pandas(パンダス)は、データ分析を効率的に行えるようにするライブラリです。機械学習においては、おもにデータの前処理のフェーズで使われます。

Pandasは、データの結合や取り出し、データの集約や演算、欠損値の削除など、データの操作・加工を実現するための便利な関数が多数準備されています。

機械学習のアルゴリズムへの入力データを作成するためには、こうした前処理は欠かせないため、非常に役立つライブラリです。

代表的なライブラリ「Matplotlib」

Matplotlib(マットプロットリブ)は、Pythonのグラフ描画用のライブラリです。

機械学習では、モデル構築の際にデータを可視化することで、数値だけでは理解しづらいデータの分布や関係について、視覚的に把握することが可能となります。さまざまな種類のグラフ描画が可能となっており、折れ線グラフや散布図など基本的なものに加えて、3Dグラフやアニメーションも作成することができます。

代表的なライブラリ「SciPy」

SciPy(サイパイ)は、数学や統計などの高度な科学的計算を行うことができるライブラリです。

積分や線形代数などの基礎的な計算から、分散、標準偏差など統計処理で扱われる計算まで幅広い計算を行うことができ、機械学習のアルゴリズムを実現するための基礎となる機能が提供されています。

段階(4)実践で理解を深める

機械学習の手法やモデル構築の方法を一通り学んだら、実践を通して理解を深めていきましょう。

機械学習は、実務ベースで課題を設定し、実際にモデルを作ってみることでスキルが身についていきます。最初は解答が準備されている例題を解き、慣れてきたら興味がある分野の課題を自身で設定して試行錯誤しながらモデルを構築してみるのがよいでしょう。

機械学習入門者がおさえておきたいキャリアパス

ここまで説明してきたロードマップに沿って学習を進めていけば、機械学習のスキルを着実に身につけていくことができるでしょう。

では、機械学習のスキルを活かして仕事をしていくためには、どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。機械学習入門者がおさえておきたいキャリアパスを4つ紹介します。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、機械学習の技術を活用したシステムや製品を開発する仕事です。

開発のコアとなる機械学習モデルの構築・検証をはじめとして、機械学習の実行環境の構築・運用・保守や、新しい技術の検証、新たな機械学習モデルの研究開発などを行うこともあります。

機械学習エンジニアについて、下記の記事でも詳しく解説しています。

機械学習エンジニアとは?仕事内容と必要スキル、需要や将来性を徹底解説


データサイエンティスト

データサイエンティストは、企業に収集・蓄積されたデータを分析し、ビジネスに活用していく仕事です。

データサイエンティストはさまざまなデータ分析の手法を用いて、企業にとって有益な分析結果を導きます。その主要な手法の1つとして、機械学習は必須のスキルとなります。また、データサイエンティストの仕事内容はデータ分析のみにとどまらないケースもあり、分析に必要なデータの収集・蓄積環境の構築を行うこともあれば、ビジネスの課題解決に向けたコンサルティングを行うこともあります。

データサイエンティストについて、下記の記事でも詳しく解説しています。

データサイエンティストとは?仕事内容や年収事情、なる方法や必要スキル、適性まで解説


機械学習コンサルタント

機械学習コンサルタントは、企業に対して機械学習を利用したシステムを提案し、構築・導入までの支援を行っていく仕事です。

機械学習エンジニアは開発を担当するのに対し、機械学習コンサルタントは、機械学習をいかに企業のビジネスやサービスに活用していくかを検討し、実現に向けたサポートをする仕事となります。

そのためには、機械学習の幅広い知識に加えて、企業のビジネス課題を抽出し、解決まで導くコンサルティング能力も身につけておく必要があります。

プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーは、プロダクト開発において全体の舵取りを担う職種です。

機械学習を活用したプロダクト開発を推進する際には、機械学習について深い知見を持っていることが求められます。また、プロダクトマネージャーには、企業のビジネス戦略やマーケティング、顧客視点でのニーズの理解、プロジェクト管理能力なども必要となります。

プロダクトマネージャーについて、下記の記事でも詳しく解説しています。

プロダクトマネージャー(PDM)とは?役割・仕事内容・スキル・年収・将来性


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