キャリア

2021/08/23

WebプロデューサーとWebディレクターの違い

WebディレクターとWebプロデューサーはどちらもWeb業界のキャリアパスとして代表的な職種です。仕事や役割に重複する点もみられ混同されがちなポジションとも言えますが、業務ではどのような点で区別されるのでしょうか。

この記事では、仕事内容、スキル、年収、キャリアパスの点からWebプロデューサーとWebディレクターの違いを解説します。Webプランナーとの違いもみていきましょう。

仕事内容の違い

WebプロデューサーとWebディレクターという職種を耳にしたことのある人も多いでしょう。Web関連の求人などでもよく見かける職種ですが、この二つには具体的にどんな違いがあるのでしょうか。まずはそれぞれの仕事内容について見ていきます。

Webプロデューサー

プロデューサーとディレクターという職種名は、テレビ業界の用語として聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。プロデューサーは番組の企画立案と予算管理を含む制作統括を行う人、ディレクターはその企画を元に現場で指揮を執って実際に番組制作を行う人です。Webの場合もプロデューサーとディレクターの違いはほぼ似たようなイメージになります。

WebプロデューサーはWebサイトの企画立案と制作統括を行う職種です。クライアントからサイト制作の依頼を受けたらヒアリングを行い、クライアントの希望をよく理解したうえでサイトの要件定義と企画書作成を行います。サイトを制作するには予算と人員が必要ですが、これらの管理もWebプロデューサーの仕事です。

また、クライアント企業のイメージアップや知名度向上、サービスの宣伝などの目的を果たすためにはコンセプト設計やマーケティングといった作業も必要ですが、これもWebプロデューサーの担当です。

UI/UX設計や情報設計などのサイト要件のチェックからマネタイズの企画までWebプロデューサーが行うことは多岐にわたります。実際に制作が始まったらスケジュールや成果物の品質確認などを行い、途中必要に応じてクライアントとの調整も重ねながら完成を目指します。Webプロデューサーの仕事を一言で表わせば「計画立案」ということになりますが、それを実現するために必要な様々な管理業務もまたWebプロデューサーの重要な責務となるわけです。

Webプランナー

Webプロデューサーに類似した職種で「Webプランナー」というものがあります。プランナーという言葉の意味するところは「企画立案を行う人」なので、Webプロデューサーと重なるように思えるかもしれません。実際にWebプランナーが担当するのは、Web制作の仕事の中でも主に企画やプランニングに関する部分です。

目的に応じたWebサイトを作るためにアンケートやインタビューなどの調査を行ってユーザーの特性を分析し、それに適した画面設計やコンテンツ案を提案します。時には集客対策などプロモーションの企画をすることもあります。

Webプランナーという職種は必ずしもすべての制作会社に置かれているわけではありません。広告業界の職種としてプランナーという言葉をよく耳にすることがあるかもしれませんが、Webプランナーは販促施策やキャンペーンを手掛けることもあり、どちらかというと広告会社系の企業によく見られる職種です。

Webディレクター

Webプロデューサーが企画や予算編成を担当するのに対し、実務の遂行に当たるのがWebディレクターです。テレビディレクターが現場で番組制作にあたるように、Webディレクターは実際のサイト制作を手掛ける現場スタッフに指示を出しWebサイトを形にしていきます。

Webプロデューサーの作成した企画を元にワイヤーフレームを作成し、そこからWebデザイナーがデザインを起こし、コーダーがコーディングをします。さらに文章作成はライター、システム構築はWebエンジニアと様々なスタッフが参加しますが、これらすべてを束ね、進捗と品質の管理をするのもWebディレクターの重要な役割です。

完成したサイトに対し運用管理を行っていくのもWebディレクターの担当です。アクセス解析や売上の状況を見てコンテンツの追加・修正を行ったり、広告を効果的に運用したりしてさらなる売上アップを目指します。

実はWebプロデューサー、Webプランナー、そしてWebディレクターといった3つの職種はその区分が明確でない部分もあります。実際にWebプロデューサーとWebプランナーは職務の一部が重なっていますし、Webディレクターが企画立案やマーケティングを行うケースもあるのです。したがって、それぞれの仕事内容についてはある程度柔軟に考えておく必要があります。

スキルの違い

企画・管理業務に特化したWebプロデューサーと、実務を行うWebディレクター、それぞれにどんなスキルが必要とされるのかを解説します。

Webプロデューサー

Web制作のすべてを統括するWebプロデューサーは、Webに関する知識と経験を網羅している必要があります。WebディレクターやWebプランナーからWebプロデューサーになる人が多いのはそのためです。また、クライアントとの交渉や社内スタッフ・外部スタッフの統括など人との関りが多いのがWebプロデューサーの特徴です。そのため、コミュニケーション能力はWebプロデューサーに必須の能力といえます。

そしてスタッフのモチベーションを維持し、スケジュールを管理しリスク回避をする、トラブルに対応する、といったマネジメント能力も重要なスキルです。

さらに結果を出すサイトを開発するためにはマーケティングの知見も必要です。クライアントの要望をかなえるためには柔軟な発想も必要ですし、それを形にしてクライアントに伝え、納得してもらうためのプレゼンテーション能力も磨いておく必要があるでしょう。

Webディレクター

Webディレクターに必要なスキルはより実務的なものとなります。現場の取りまとめ役としてリーダーシップを発揮するのはもちろん、WebデザイナーやWebエンジニアなど多彩な職種のスタッフに指示を出さなくてはならないので、HTML/CSSでのコーディング、デザインや配色、We b開発に関する技術的なトレンドなど、それぞれの分野に関する知識も一通り持っておく必要があります。SEOやWeb広告などの集客施策についても知っておくと良いでしょう。

現場監督としては決められた予算の中でスケジュール通りに進行させるというのも重要な役割になってくるため、予算管理や進捗管理などプロジェクトマネジメントのスキルも求められます。

とはいえスタッフにプレッシャーをかけてモチベーションを落とすわけにはいきませんから、管理業務は自身でしっかり行いつつ、スタッフとは適切にコミュニケーションをとって士気を上げていくことが大切です。したがって、Webディレクターにとってもコミュニケーションスキルは必須のものとなります。

年収の違い

仕事の内容的にはWebプロデューサーの方がWebディレクターより上位に位置します。では、年収にその違いは表れているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

Webプロデューサー

Webプロデューサーの平均年収は20代で377万円、30代で516万円となっており、大体428万円から711万円の間におさまっています。男女差は若いほど少なく、年齢が上がるほど男性の方が高年収となる傾向にあります。Webプロデューサーの年収が高めなのは、企業内で管理職にあることが多いためです。

Webディレクター

一方、Webディレクターの年収レンジは396万円から651万円でWebプロデューサーに比べると少し下がります。平均年収は20代が377万円、30代が516万円ですが、これにはWebプロデューサーを兼ねる人も含まれているためで、特に30代になるとWebプロデューサーの割合が多くなります。

キャリアパスの違い

今後のキャリアを考えたとき、WebプロデューサーとWebディレクターにはそれぞれどんな道筋があるのか見ていきましょう。

Webプロデューサー

WebプロデューサーはWeb制作の業界において、現場を統括する最上位ともいえる職種です。これ以上を目指すとなると、経営層や役員、部長といったマネジメントを目指したり、独立したり、といった選択肢が考えられます。

逆にいえば、むしろWebディレクターやWebプランナー、Webデザイナーといった職種の人がキャリアアップする際に目指すポジションが「Webプロデューサー」ともいえます。経験後に、やはり制作の仕事がしたいというのであれば、Webプロデューサーからこれらの職種に戻ることも不可能ではありません。

制作会社や広告代理店などの受託企業で勤務することが多い仕事ですが、事業会社へ転身して活躍するケースも増えています。

Webディレクター

一般的にWebディレクターの上位職種となるのがWebプロデューサーです。WebデザイナーからWebディレクターにキャリアチェンジした際は、あらたに覚えることも多いですが、同じビジネス職種であるWebプロデューサーの仕事はWebディレクターと重なる部分も多いです。

デザイナーやコーダーから一足飛びにWebプロデューサーになることは殆どなく、Webディレクターとして経験を積んでからWebプロデューサーを目指すという形になります。

Web業界で働きながら、年収アップやより高いレベルでの仕事を目指してWebプロデューサーになるというのは、Webディレクターの一般的なキャリアパスといえるでしょう。また、事業会社に転職して自分でWebサイトを運営するWebマスターを目指すという道もあります。

関連記事Related Posts