キャリア

2021/05/12

ITアーキテクトとプロジェクトマネージャーの違い

IT業界で働くキャリアパスとして「プロジェクトマネージャー(PM)」と「ITアーキテクト」があります。どちらの職種も高い専門性やスキル、豊富な経験が求められる仕事ですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、役割や仕事内容、スキルの面から、ITアーキテクトとプロジェクトマネージャーの違いについて紹介します。

役割の違い

IT・情報システム関連のプロジェクトにおいて、重要な存在となるのがITアーキテクトとPM(プロジェクトマネージャー)です。双方にどのような違いがあるのかを知るためにも、まずは役割の違いから見ていきましょう。

ITアーキテクトの役割

ITアーキテクトの役割は、顧客の課題やシステムの要件を考慮した上で、要求に適するシステムアーキテクチャの構築・設計をしていくことがメインになります。例えば「新たな基幹システムを開発する」といったプロジェクトがあった場合、既存のシステムでは何が問題なのか、連携するデータや情報基盤には何が求められているのか、実務でどのように使用されるのかを考えながらシステム構造や運用体制の在り方を模索していくわけです。

クライアントに対してコンサルティングや提案を行うこともあれば、システムの設計や開発作業に直接関わることもあります。数あるIT関連の職業の中でも、上流に位置する業務を行うのがITアーキテクトです。

PMの役割

一方、PM(プロジェクトマネージャー)は、納期や品質を管理して、プロジェクトにおいて期待される成果を実現する役割を担います。参加するメンバーの選定から始まり、チーム内での情報共有や進捗管理、予算の承認、トラブル対応など多種多様な業務に対応して、プロジェクトがスムーズに進むように全体のサポート・管理をおこないます。

システム構成、インフラストラクチャなどを理解するITスキルが必要ですが、開発などの手を動かす作業は現場スタッフがおこないます。進捗管理やツール選定、開発の優先順位などを判断して、プロジェクトの方針を決めるなどのリーダーシップも求められます。当然ながらコストの管理を行うのも、重要な役割です。

仕事内容の違い

ITアーキテクトとPMは役割も違えば、仕事内容にも違いがあります。一言で表すなら「構想や企画」がITアーキテクトの仕事で、「マネジメント」がPMの仕事です。では、具体的にどのような仕事をするのか、その内容について詳しく見ていきましょう。

ITアーキテクトの仕事内容

ITアーキテクトの仕事は、ビジネスや経営の枠組みを理解して最適なシステム構成を設計することです。具体的な仕事内容ですが、ITアーキテクトはシステムの構想に関わることになります。まずプロジェクトが始動する前に発生するのが、顧客の業務フローを理解するタスクです。どの業務でどのようなデータを利用しているのか、どのような要望があるのかビジネスの観点からヒアリングしていき、それらの要求をまとめます。それを形にするため、プロジェクトの初期段階でシステムの設計作業を行うのです。

システム全体の設計を行うはもちろんですが、利用する外部サービスや導入するハードウェア類の選定、ネットワークの構築・動作検証などもITアーキテクトが行う仕事になります。

また、プロジェクトの途中で顧客からの追加要求が発生した場合に、追加要求の影響度を確認、明示化するというのも仕事の一つです。こういった仕事の数々はそれぞれの領域ごとのITスペシャリストが代替することもありますが、そうでない場合はITアーキテクトが一括して行います。

PMの仕事内容

PM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクトの管理が主な役割のため、設計や開発に関するタスクを直接には行いません。そのため、仕事内容もプロジェクトの円滑化に関するものがほとんどになります。PMがまず初めに行う仕事が、プロジェクトの方針決定です。「このプロジェクトは何を目標とするのか」を明確化し、プロジェクトに関わるメンバーの意思統一を図ります。

また、それと合わせて進捗の管理方法策定や計画策定、プロジェクトに存在する課題などの検知も行っていきます。当然ながら、プロジェクト始動後のマネジメントを行うのもPMの仕事です。

例えば開発されているシステムが一定の要求・要件を満たしたものであるのかといった「システムの品質・領域」を管理したり、コスト・スケジュールに問題がないかを確認したりします。

スキルの違い

どちらも役割・仕事内容に違いがあるため、求められるスキルも当然異なります。ここからは、具体的にどういったスキルが必要になるのかを解説していきます。

ITアーキテクトのスキル

ITアーキテクトに必要となるのは、「システムに関わるさまざまな高度な知識・技能」というスキル。漠然とした内容ですが、ITアーキテクトは多岐にわたる仕事およびタスクを担当するため、まさに情報システムへの理解や知見が必要となるのです。また、知識と合わせてシステムの要件定義・開発、プログラミングなど、ITエンジニアとしての技能も必要とされます。

顧客からの要求をヒアリングする能力、およびそれらをもとに指揮を執るリーダーシップも必要ですが、システムに関する知識・技能はITアーキテクトの前提とも言えるスキルであり、最も重視される点です。

PMのスキル

PM(プロジェクトマネージャー)に必要とされるのが、プロジェクトを体系的に管理できるマネジメント能力です。予算内で品質水準を一定に保ちつつ、プロジェクトの進行・スケジュール管理を実施します。プロジェクトの目的を理解した上で最適なマネジメントを行うには経営やビジネス面の知識も必要です。それに加え、プロジェクトメンバーや開発スタッフとの意思疎通、予算やトラブル対応などでの顧客との折衝に関する対人スキルも求められます。

また、インフラやセキュリティ、AI・IoTなど専門技術に関するプロジェクトをマネジメントする場合は、関連する経験を持っていると、品質の評価やタスク管理をスムーズに行うことができるでしょう。

まとめ

この記事では、ITエンジニアのキャリアパスとして人気のある「ITアーキテクト」と「プロジェクトマネージャー」の違いについて紹介しました。

ITアーキテクトは設計や企画などの構想段階でシステムの開発を支援していくのに対して、PMはシステム導入や開発から納品、稼働開始までの一連のフェーズにおいて一般してプロジェクトを監督する役割を担うでしょう。

プロジェクトを成功に導くためには、メンバーのモチベーションを維持し、品質や予算・スケジュール・タスクの管理をするPMと、システムの構築・設計などの精度を高めるITアーキテクトの双方の役割が重要です。もちろん現場で働くプログラマーやシステムエンジニアも開発プロジェクトの進行には欠かせない存在ですが、希少価値という点でITの上位職種に挙げられると言えるでしょう。

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