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2020/03/04

新卒でデータサイエンティストになるには?就活のポイント、年収・初任給、勉強方法など

就活生から人気の職業としてデータサイエンティストが注目されています。AI(人口知能)やビッグデータを扱う先端IT分野の仕事のため理系学生の就職先というイメージですが、文系や学部卒からでも「データサイエンティスト」を目指すことはできるのでしょうか。

この記事では、新卒採用でデータサイエンティストになる方法、初任給・新卒一年目の年収例、就職活動のポイント・勉強法などを解説します。データ分析職の人材タイプや適性についてもみていきましょう。

新卒でデータサイエンティストになるには?

新卒でデータサイエンティストになりたい場合、適した専門分野はあるのでしょうか。職種別採用でデータ分析職として採用されるには、就職前に統計やデータ処理、プログラミングに関する知識や経験があるとよい点は間違いないでしょう。ここでは、新卒でデータサイエンティストを目指すうえで前もって知っておきたいことを紹介します。

理系が有利、文系からも不可能ではない

ポテンシャルを重視する新卒採用では、スキル重視のキャリア採用枠と異なり知識がない状態からデータサイエンティストでの就職を目指すこともできます。ただし、研究職やデータ分析などの職種別採用では応募するために大学院での研究が前提となる募集内容や、選考過程で課題の提出をもとめられるなど知識や実績が必要とされる求人も多くみられます。

機械学習の理論を学ぶうえでは、理系の大学で数学やデータ処理の授業を専攻しておくほうがよいといえます。データサイエンティストが行う仕事内容の基礎ができているとみなされているためです。

文系からデータサイエンティストを目指す場合は、データ分析企業のコンサルタントや調査会社のマーケティングリサーチャーなどでの選考も視野に入れて就職活動を進めるとよいでしょう。採用試験で理系のみと制限がないため、文系からデータサイエンティストになるのも不可能ではありません。

研究者を目指すなら大学院への進学を視野に

データサイエンティストは主にデータの分析や統計知識に基づく課題解決を行う職業です。統計モデリングや最新の論文調査などをする研究者を目指す場合には、修士・博士課程へ進学することを視野に進路を決めましょう。データサイエンスを専攻するには「機械学習」「深層学習」などを研究できる情報科学系の大学を調べるべきです。

大学院には、特定の分野に特化した研究室もあり、それを詳しく学べるのです。就職活動や就職後の仕事内容・給与なども関係してくるため、修士や博士課程は有利になります。

プログラミングスクールやオンライン学習を利用

文系学生の場合はプログラミングスクールやオンライン学習講座でデータサイエンスの基礎になる統計やPython、数学、機械学習などの勉強をしてもいいでしょう。

例えば、未経験でも約半年でデータサイエンティストになるための知識や経験を積めるスクールがあります。通学式もありますが、オンライン形式でできるスクールも多いです。マンツーマン指導や就職指導を充実させ、新卒の就職をサポートしています。

新卒採用でデータサイエンティストを目指す注意点

新卒がデータサイエンティストを目指す際には、「会社によって使い方やレベルが異なる」「将来的な給料」「継続的な学習意欲が必要」について理解しているといいでしょう。これから、データサイエンティストを目指す時の注意点をご紹介します。

データ分析の使われ方やレベルが会社によって異なる

データサイエンティストのレベルや統計スキルの使われ方は会社により異なります。当たり前といえば当たり前ですが、就活生からすると見落としがちなポイントであるため注意が必要です。OB・OG訪問など就職活動と並行しての情報収集は必須でしょう。仕事内容の範囲や求められる技術についてイメージできるようになることが大切です。作業をする前のヒアリングやデータ分析をした上での提案など、コミュニケーション能力が求められる場合もあります。

データの収集と加工・集計をしてから、分析を行いレポートを作るなど基本的なアナリスト業務を必要とする職場、エンジニアとして開発や実装をメインで担当する会社、売上予測や人員の最適化を行うなど高度な分析力がもとめられる職場など同じデータサイエンティスト職でも担当業務に幅があります。

また、精度の高い予測モデルの作成やデータを活用してビジネス上のインパクトを出すためには、一定以上のデータ量が必要な点にも留意しましょう。

今は給料が高いが、将来も高給とは限らない

現在データサイエンティストの給料は、一般的な賃金の相場と比較して比較的高いとされています。ただし、将来的にも高給が続くとは限りません。今後データサイエンティストの人数が増えたり、需要が低くなったりしたら、給料が下がる場合もあるでしょう。

そのため高収入な面のみをモチベーションにデータサイエンティストを目指すことはおすすめしません。AI技術が進化すると、コンピューターがデータを処理して、最適な提案まで行う可能性があります。そのような状態になると、データサイエンティストが行う仕事内容は減ってしまうという予測もされているのです。

学術・技術への継続的な学習意欲が必要

AI技術や統計理論、データ処理に関するテクノロジーは、日々進化をしています。データサイエンティストはそれらの理論をもとに課題解決に取り組むため、定期的な知識のアップデートが必要です。場合によってはマーケティングや経営、マネジメントといったビジネスサイドのスキル習得が必要になることもあるでしょう。

データサイエンスの最前線で仕事をつづけるには継続的に学術や技術への学習意欲が必要です。古い知識のまま仕事をしていると、効率的に仕事ができない場合もあります。

専門の書籍やインターネットのサイト・海外論文・学会・データサイエンティスト協会主催の講習会など、常に新しい情報を取得できるといいでしょう。キャリアアップを視野にいれて、資格取得するのも手段です。

データサイエンティストに向いている人・適性

データサイエンティストに向いているのは、どのような人なのでしょうか。これから、向いている人の特徴を具体的にご紹介します。

数学やプログラミングが好き

主な仕事内容がデータの収集と分析になるため、データサイエンティストは常に数値計算やデータを扱う職業といえます。また、統計理論をもとにデータ分析やモデル構築をする時には、データを処理するためにPython・Rなどで効率的にプログラミングをおこなう技術も必要です。そのような仕事の特性があるため、数学やプログラミングが好きと思える人は、データサイエンティストに向いているといえます。

データ分析や統計では、予測や整理をすることだけでなく、解釈や分析などの要素も大切です。繰り返し数値を使うのも苦にならず、データから意味を読み取ったり論理的思考ができる人は仕事の習得も早いでしょう。

客観的な根拠から解決策を導く

数値やデータなどの客観的な根拠から、解決策を導くのが得意なひとは、データサイエンティストとしての仕事がしやすいでしょう。データサイエンティストは、分析したデータをもとに、企業にとって最適な提案をおこなう側面もあるからです。ただし、単純に数値から解決策を導くのが好きというだけでは務まらない仕事がデータサイエンティストです。数値やデータは見せ方次第で誤った結論を導くことも可能です。

データサイエンスの実務では、そのような点をふまえたうえで客観性や事実のみを第三者的な立場で冷静にあつかえるメンタリティも必要とされます。つまり、モラルや倫理的な正しさも重要になるということです。

データに対する好奇心が旺盛な人

データサイエンティストへの適性を考えるうえで、データに対する好奇心も重要な要素の一つです。データに興味が持てないと、収集や分析をし続けるのが苦痛になってしまいます。データサイエンティストに向いている人は、これらのデータと向き合い、好奇心を持って仕事ができる人なのです。「このデータはどのような意味があるのか」「データをどのように活用すれば、ビジネスに利用できるか」など、常に好奇心を持ちながら仕事ができるといいでしょう。

新卒データサイエンティストの初任給・年収例

新卒のデータサイエンティストの年収相場を知っておくことも大切です。学部卒か修士・博士などで基本給が変わる場合もありますが、おおよその金額が分かれば、やる気もでるでしょう。そこで、「LINE」「ブレインパッド」「ALBERT」の3社のデータサイエンティストの初任給をご紹介します。

LINE

「LINE」の新卒採用では、データサイエンティストを若干名募集しています。学歴や学部・学科は不問ですが、採用試験で知識などを問うテストと面接が必要です。新卒の年収は、約528万円となっています。年収の内訳は基本給が390万円前後、業務手当が138万円前後です。

ブレインパッド

「ブレインパッド」の新卒年収は、約380万円~425万円です。専門学校や短期大学・大学卒業の場合は、年収が380万円前後になります。大学院を修了している場合は、425万円前後になるのです。よって、学歴によって年収に違いがあるでしょう。

ALBERT

「ALBERT」のデータサイエンティストの新卒採用では、文系や理系・出身学部・実務経験などは問いません。応募要項によると大学卒業者が新卒で採用された時の年収は、約450万円です。大学院の修士課程修了者は約500万円、博士課程修了者は約530万円以上となっています。

企業で働くデータサイエンティスト人材のタイプ

企業で働いているデータサイエンティストの人材は、どのようなタイプがあるのでしょうか。これから、「研究開発タイプ」「アナリストタイプ」「エンジニアタイプ」の3つについてご説明します。

研究開発タイプ

研究開発タイプは、企業内の開発部門や研究所に所属しています。基盤技術や分析アルゴリズムにおける研究と開発をする仕事です。研究開発タイプに求められるスキルは、「学術論文の理解力」「アルゴリズムを実装する能力」「機械学習と統計学の知識」などがあります。

アナリストタイプ

アナリストタイプは、企業や商品・サービスが抱える問題の抽出と分析をして、解決策まで考える仕事です。分析対象について、しっかりと理解する必要があります。また、業界や職種の市場傾向なども理解し、ビジネスの素養も求められています。アナリストタイプに必要なスキルは「仮説構築力」「マーケティングの知識」「機械学習と統計学の知識」「スクリプト言語」などです。

エンジニアタイプ

エンジニアタイプは分析できる環境の構築をしています。また、大きい範囲のデータ処理やアルゴリズムの実装など、既存サービスの分析をする場合が多いです。エンジニアタイプに求められるスキルは「プログラミング技術」「運用できるレベルの実装力」「機械学習と統計学の知識」などがあります。

新卒でデータサイエンティストになるために

新卒でデータサイエンティストになるためには、就職活動で職種別採用を目指すのが望ましいです。また、事前に準備できることはしておくといいでしょう。これから、新卒でデータサイエンティストになるためのポイントをご説明します。

総合職ではなく職種別採用で就職活動を進める

新卒でデータサイエンティストに採用されたい場合、総合職ではなく、職種別採用を受けるといいでしょう。募集要項では学歴や学部などを問わない場合も多く、意欲や将来性があれば採用される可能性もあります。また、職種別採用では、採用後に育成プログラムなどで研修をしてくれる場合も多いです。よって、職種別採用で就職活動を進めれば、正社員で採用されやすくなります。

学生なら理系大学院への進学を検討する

学生の場合、理系大学院に進んでから新卒採用を受ける方法もあります。理系大学院では、データサイエンティストに必要な知識が学べ、研究室で知識を深めることも可能です。また、大学院の修士・博士課程を修了している人の方が、就職後の年収も高い傾向があります。

就職活動の前に準備すると役立つこと

データサイエンティストでの採用を目指す時には、就職活動をする前に知識や経験を取得するのも手段です。書類や面接審査でアピールでき、本人の自信にも繋がります。準備しておくと役立つものとして、「Python・Rの勉強」「数学の勉強」「機械学習の勉強」「Kaggle・SIGNATEなどのコンペに参加」「データサイエンス系の企業でインターン」が具体例です。

Python・Rの勉強

Python言語やR言語は、プログラミング言語の一種です。プログラミングをする時には、さまざまな言語を理解していることが必要になります。就職活動をする前からプログラミング用語の知識があれば、採用試験でのアピールポイントになるでしょう。また、仕事の内容によって需要があるプログラミング言語は異なります。データサイエンティストの場合、機械学習やAI学習で必要なPython言語、データ解析や統計で使うR言語の需要が高めです。

数学の勉強

数学の勉強をしていると、データサイエンティストで働く際の基礎知識ができています。基本的にはコンピューター上で計算しますが、データサイエンティスト自身の頭で考える場合もあるでしょう。その際、数学の知識があると、データ処理や解析に役立つのです。

機械学習の勉強

機械学習とは、データをコンピューターに読み込んで、アルゴリズムに基づいた分析をすることです。データサイエンティストの仕事で必ず必要な知識になります。よって、機械学習の知識や経験があれば、就職活動でアピールできるでしょう。

KaggleやSIGNATEなどのコンペに参加

実績作りの場として、データサイエンスコンペへの参加が推奨されています。KaggleやSIGNATEといったプラットフォームが有名です。大手企業が協賛してデータサイエンティスト向けに頻繁にコンペを実施しています。Kaggleは機械学習のプラットフォームとして、世界中のさまざまな個人が参加しています。また、SIGNATEは国内企業が運営しており、日本語でだされた課題のコンペがあります。コンペでの実績があれば、本人の知識と経験が評価されるでしょう。メダルなどの受賞歴があると、さらに有利です。

データサイエンス系企業でのインターン

在学中に行うインターンで、データサイエンス系の企業へ行くのも手段です。インターンでさまざまなことを学べば、採用後の即戦力になる知識と経験が積めます。インターンで企業の人と顔見知りになるのもいいでしょう。採用者が新卒者の実力や人柄を理解しているため、採用に近づきやすくなります。

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