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2021/10/05

優良ホワイトなSES企業はある?ブラックSESの見分け方・選び方のポイント

客先常駐のエンジニア派遣が中心のIT企業というとブラックなイメージが強いですが、そんなSESの会社でもホワイトな優良企業はあるのでしょうか?また、入社前にブラック企業を見分ける方法や求人からホワイト企業を選ぶ方法はあるのでしょうか?

この記事では、就職・転職で内定先となるSES企業の見極め方や選び方について紹介します。面接や入社前にチェックすべきポイントについてもみてきましょう。

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SESがブラックと言われる理由

SESの評判や口コミを検索すると「ブラック」や「やめとけ」という記事をよく目にします。偽装請負や多重派遣といった法律違反は明確にアウトですが、客先常駐そのものは合法のためグレーゾーンも多い業界です。ここからは、SESがブラックと言われる背景や理由について解説していきます。

下請けのため利益が薄く待遇が悪い

SESでブラックな労働環境が多いとされる理由のひとつに、多重下請け構造による格差問題があります。IT業界では、ユーザー企業から仕事を受注した元請け企業が必要な人員を調達するために、業務の一部や大部分を下請け企業に再委託してプロジェクトを進めるケースが一般的です。

元請けから下請け、孫請け、ひ孫請け、やしゃご請けと、商流が深くなるほどエンジニアの人月単価が安くなり会社の売上や利益が少なくなります。

例えば、元請けで人月150万円の見積もりなら、2次請けで80万円、3次請けで50万円、4次請けで40万円といった具合です。このように下流になるほど企業の利益は中抜きされるのですが、SES企業は4次請け、5次請けのような末端の階層に位置する会社も多く、そのような会社ではエンジニアに支払える報酬が減っていく仕組みとなっています。

スキルが身に付きにくい職場も多い

SES企業では、簡単な作業ばかりでエンジニアの技術が身に付かず、成長の機会が少ない会社も散見されます。そのように、給料などの待遇面だけではなく、能力開発やキャリア面でブラックとされる職場も存在するのです。

SESだからといって一概にスキルが身に付かない労働環境とは言えませんが、本人の希望よりも稼働率や現場に入ることが優先する傾向にあるため、システム監視やテストなど誰でもできる単純作業にまわされるケースも多いです。

新卒や未経験で入社してすぐ一人で客先に常駐になる、書類整理や事務作業など技術に触れる機会がない、などの配属先に当たったら注意しましょう。

長時間労働やパワハラでイメージが悪い

中小企業や零細企業の多いSES業界では、ごく少数ですが休日出勤やサービス残業を強要する会社も存在します。偽装請負が横行し、コンプライアンス意識が低く、労働法規が守られないことも日常茶飯事です。

なかには社員を恫喝してパワハラをおこなったり、経歴書を偽造したり、長時間労働が常態化している職場もあります。そのようなイメージからひと昔前のIT企業のようにブラックな印象を持つことも多いでしょう。

客先常駐の仕事が辛い

客先常駐がよくないという意見もあります。SESではプロジェクトが切り替わる毎に派遣先が変更になります。新しい現場に入る度に環境がリセットされ、人間関係を1から作る必要がありますし、通勤する場所も変更になるため、それをストレスに感じることもあるでしょう。クライアントの社員に囲まれて仕事をするため気を使いますし、待遇の差を感じたり、自社への帰属意識が薄まることも多いです。

実際にプロジェクトに配属されてみると納期がタイトで長期労働を求められたり、職場の人間関係が悪いといった問題が発生するケースもあります。客先常駐は当たり外れが大きく、現場によって仕事が辛いと感じるエンジニアも少なくありません。

ホワイトなSES企業は存在する?

ここまでSESにブラック企業が多い理由について解説してきましたが、SES・客先常駐がメインの会社でもホワイト企業や優良企業は存在するのでしょうか。

客先常駐でもホワイトな優良企業はある

ブラック企業が多い印象のSES業界ですが、実際には客先常駐の勤務形態のなかでも労働条件がホワイトな職場も存在します。上場企業の子会社や大手SESではコンプライアンスが求められますし、エンジニア出身の社長が経営するSES企業などは、技術者の目線で運営しているため優良な職場もあると言われています。

客先常駐とは、クライアント先にエンジニアが常駐してシステムの開発や運営を行うことですが、大手SIerやコンサル会社など上流工程を担当する企業でも常駐型のサービス提供をおこなう会社は存在します。個人情報保護やセキュリティの観点からオフィスの外に情報を持ち出せないというクライアントも多いのです。

HPや面接などで見極めが必要

そのSES企業がホワイトかブラックかは、最終的に働いてみるまで分からないのが実情です。ただし、入社前の面接や雇用条件の確認時、企業ホームページや求人情報への記載内容など公開されている材料をもとに事前に判断できるポイントもあります。

会社を辞め離職してからの転職では、次を決めようと焦ってしまうこともありますが、入社した後に思ったのと違ったとならないためにも、できるだけ情報収集して、職場の労働環境を見極めるようにしましょう。

ホワイトなSES企業の条件

ホワイト企業で働くためには、その特徴を理解しておく必要があります。ここからは、ホワイトな労働環境のSES企業にあてはまる条件を解説します。

給料・ボーナスが多い

ホワイト企業の条件として給料が良いことが挙げられるでしょう。ボーナスがきちんと出て残業代や交通費が満額支給されることもポイントです。SESのなかでも資金力がある大手企業は、福利厚生が充実していて待遇がよい傾向にあります。資本金や従業員数がある程度の規模に達していれば、それだけ継続的に利益をだしている会社と判断できます。

また、中小のSES企業でもエンジニアを大切にしている会社は、給料やボーナスが多い傾向にあります。エンジニアの離職率が低く、技術力が高ければ、エンドユーザーに近いところで仕事ができます。商流もそれなりに浅く、元請けやプライムベンダーと取引することも多いでしょう。

逆に、商流が深く末端の下請けばかりしているSES企業は利益が少なく、エンジニアの給料も低くせざる負えません。求人や内定の際の給与金額が低い会社は注意しましょう。

残業時間が少ない

優良なSES企業は、残業が少なく、ワークライフバランスに優れています。ブラックな印象のあるSES業界ですが、クライアントとの契約や法令を順守する企業も多くあるのです。SESでは、準委託契約と呼ばれる契約形態で技術者を派遣し、提供した労働力の対価としてクライアントから報酬を得ます。

そのため、プロジェクトの納期や品質に関しては責任を負いません。派遣先でエンジニアが稼働しただけ費用が請求されるため、基本的に無理な働き方を要求するクライアントもそう多くはないのです。予算も決まっていますし、契約で決められた以上の時間を働かせることは難しいでしょう。

常住先での仕事を終えた後に、自社に戻って開発作業をおこなったり、サービス残業を推奨するSES企業もありますが、ホワイトなSES企業は契約内容をきちんと守っているため、残業時間が少なくなっています。

技術力がある

SESでもスキルアップや能力開発につながる職場はあります。そのようなSES企業では、客先にエンジニアを派遣するだけでなく、自社開発や受託開発を手掛けており、技術力のある社員が所属していることも多いです。SESエンジニアは契約中のプロジェクトが終了すれば、次の仕事に移ります。マネジメントやリーダーなどを任される職場もありますし、プロジェクトごとに異なる種類の技術を経験できれば、幅広いスキルが身に付けられます。

得意な領域を持つ企業では、専門性の高い技術を必要とする仕事が回ってくる可能性もあるでしょう。そのため、SES企業で働く際は、どのような技術要素を使ったプロジェクトに関われるのかを確認することをおすすめします。

研修や教育制度が整っている

ホワイトなSES企業は給料やボーナスの金額が高いだけでなく、新入社員や中途入社からの教育制度が充実していたり、技術に関するイベント参加費や研修費用を負担してくれたりするところも多いです。社員が働きやすい環境を作るために、書籍の購入補助や資格取得の費用などにしっかり予算を取ってくれる会社もあります。特に未経験でIT業界を目指す際は、研修制度が整っている会社を選ぶと良いでしょう。

ブラックなSES企業の特徴

ここからは、入社を避けたほうがよいブラックSES企業の特徴を解説していきます。ここでご紹介する特徴に当てはまる企業は、働くかどうかを慎重に判断した方が良いでしょう。

従業員の平均年齢が若い

その会社に所属するエンジニアや営業社員が20代中心で平均年齢が若いSES企業には注意が必要です。必ずしも平均年齢が若い会社は全てブラックという訳ではありませんが、年配や中堅社員が少なく若い社員が多いということは、離職率が高く社員が長期間働けない職場環境とも考えられます。

また、安く使える未経験の若い人材だけを集めている可能性もあります。そのような企業は技術力が未熟で、スキルアップできる機会も少ないでしょう。

商流が深く下請けの仕事が多い

商流が深く下請けの仕事が多い会社は避けたほうがよいでしょう。社員数の割にオフィスが小さかったり、取引先が同業のSES企業ばかりという会社は注意が必要です。同じSESでも元請け企業や2次請け企業から発注を受けるSES企業のほうが職場環境は良いケースが多いです。

多重下請け構造のピラミッドのなかで底辺に位置するSES企業で商流が深い契約しかとってこれないと中間マージンで利益が中抜きされ、どんどんエンジニアの報酬が低くなってしまいます。

SESのみで自社開発をしていない

SESによるエンジニア派遣のみが収益源で自社での製品開発をしていない企業には気をつけましょう。過去の自社開発実績のみをアピールしているSES企業も要注意です。現在進行形で自社開発していない場合、開発した製品が売れなかった可能性が高いと言えます。

そのような場合、開発費用を捻出できないケースも多く、エンジニアの技術力も低いと推測できます。求人に応募する際は、自社開発の比率やエンジニアとして望めるキャリアパスなどを確認するようにしましょう。

評価基準があいまい

人事評価の基準があいまいできちんと定まっていないSES企業もブラックな可能性が高いです。長く同じ職場で働くには、評価の仕方が公平で昇給していく環境であることが重要です。そのため、エンジニアが働きやすい職場では人事制度や評価項目が明確に考えられています。

逆に昇降格や査定の基準があいまいなSES企業は、自社の人材を大切にしていない可能性もあります。面接などでエンジニアの評価基準を詳細に教えてくれるか確認してみると良いでしょう。

ホワイト優良なSES企業の見分け方

ここまでブラックSES企業の特徴をご紹介してきましたが、事前にSES企業がホワイトかブラックかを見分けるにはどのようなポイントをチェックすれば良いのでしょうか。ホワイトな優良企業かどうかを判断するポイントについて、詳しく見ていきます。

取引先を確認する

そのSES企業が優良企業かどうかを見分けるうえで収益性が重要です。まずは、SES企業の取引先やメインの商流について確認しましょう。具体的な内容は次の通りです。

実績を具体的に公開しているか

まずは、企業ホームページや求人に具体的な実績を公開しているか確認しましょう。その会社がどんな案件に対応しているか、営業力がある会社なのかが分かります。インターネット上で実績を確認できなくても、優良なSES企業なら面接時に隠さず教えてくれるでしょう。逆にブラック企業の場合は実績が公開されていなかったり、面接で質問してもあいまいにお茶を濁して答えてくれないことがありますので注意が必要です。

ユーザー企業と直接取引があるか

採用の選考を受ける際に、応募先のSES企業がエンドユーザー企業と直接取引しているかも確認したいポイントです。優良なSES企業は、下請けとしての仕事以外も受注できるはずです。商流が深く下請けばかりの会社より、エンドユーザー企業をクライアントに持っている会社の方が、担当できる業務内容が幅広く給与も高いことが多いです。

元請け企業と取引があるか

ユーザー企業との直節取引はなくとも、大手SIerやコンサルティングファームなど元請け企業と取引があるかも重要な判断材料です。エンドユーザー企業から発注をうけた元請企業と取引があるSES企業なら、商流が浅い仕事が多いという一つの指標となるでしょう。逆に、同業者であるSES企業との取引ばかりだと間に入る企業が多く、利益が少ない仕事のみ扱っている可能性が高いと言えます。

エンジニアの待遇を確認する

そして、実際に働くSESエンジニアの待遇を確認することも重要です。ここでは、どういった点に注目したら良いか見ていきましょう。

残業代・交通費の支給

まず確認すべき点が、所属するエンジニアに残業代・交通費をちゃんと支給しているかという点です。社員として雇用され働く以上、残業代や交通費が支給されるのは当たり前のことに思えますが、中には全額支払われないケースもあります。例えば、残業代の場合はみなし残業代が給与に含まれているケースが少なくありません。

また、SES企業がクライアントの顔色を伺い、エンジニアにサービス残業を求めることもあります。他にも交通費の上限金額が決められており、全額支給しないSES企業もあります。

評価・昇給の仕方が公正か

ホワイトなSES企業は評価や昇給の指標が公正です。そのため、SES企業での面接では評価制度の内容やエンジニアの給与体系、昇給の回数について確認することをおすすめします。面接時に明確に回答してもらえなかったり、入社して数年経っても昇給しない場合は社員を正当に評価してくれない企業だと考えられます。スキルアップの仕組みが機能しておらず、成長を見込めない職場である可能性も高いと言えます。

社員の定着率

社員の定着率も入社前に確認するポイントの一つです。離職率が低く、社員が定着しているということは、働きやすい職場で満足度が高いと考えられます。企業側に質問して定着率について明確な回答を得られない場合は、社員の平均年齢について聞いてみましょう。若手社員とベテラン社員がバランス良く活躍している企業は、平均年齢が高くなる傾向にあります。

技術力を確認する

きちんとスキルが身に付く会社かどうかを見分ける場合には、技術力を確認することも大切です。具体的に、次の2点を確認しましょう。

自社開発の売れ行きや運用体制

そのSES企業が自社で開発した製品があるようなら売れ行きや成長性、開発体制を確認しましょう。少人数でも専門の開発チームが社内におり、継続して開発を続けているなら最低限の技術力があると判断できます。

また、自社開発は人件費や広告費といったコストがかかる事業です。自社開発にコストをかけられるということは、開発に投資できる余裕がある企業だと考えることもできます。

SESと自社開発の比率

会社の売上におけるSESと自社開発の比率も重要な指標となります。自社開発をしている企業は技術力がある可能性が高いですが、単に自社開発を行っているかどうかだけでなく、SESと自社開発の比率もしっかり確認しておきましょう。

エンドユーザー企業や元請企業と契約するには技術力があると示せる自社開発の実績が重要ですが、SES業務と自社開発の比率がどちらかに傾きすぎていないかは確認しておきたいポイントと言えます。

SESでも優良企業に就職するために

優良・ホワイトなSES企業に就職・転職するためには、どのような方法があるのでしょうか。詳しく見ていきます。

求人の技術情報や企業に関する口コミ・評判を確認する

まず、求人を探す際は、募集する技術要件や仕事内容を確認しましょう。求人票のなかで技術に関する情報が豊富だったり、しっかりと要件が決められているなら、技術を重視する職場だと言えます。また、応募先のSES企業で実際に働いた人の口コミや評判を確認すると、リアルな職場環境が分かります。

検討している企業の口コミや評判が見つからないときは、面接時に出てきた採用担当者の印象を参考にしたり、エンジニアと話す機会を設けてくれる会社を探すと良いでしょう。

転職エージェントを利用する

業界の事情に詳しいIT系の転職エージェントを利用するのもおすすめです。IT/SI業界に特化した転職エージェントは、どの企業がブラックなのか知っていることが多いです。また、求人サイトを利用するよりも高額な手数料がかかるため、ブラック企業のなかには転職エージェントの利用を好まない会社も多いのです。

一方、採用コストの安い求人広告や転職サイト、ハローワークは安価で採用をおこなうことができるため、利用する企業が多く、より沢山の求人から職場を探すことができます。

ただし、応募の際は自分で直接企業とやり取りが必要なため注意しましょう。それらの求人情報サービスを使ってはいけない訳ではありませんが、同時並行で転職エージェントと一緒に活用するのがおすすめです。ホワイト企業に転職したいなら、転職のプロに相談できるエージェントを上手く利用しましょう。

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