フリーランスの年収を徹底解説!報酬相場・平均年収、会社員より稼ぐ方法とは

「フリーで仕事をしているけど、他のフリーランスはどれくらい稼いでいるんだろう」「正社員より独立したほうが稼げるっていうけど本当?」「フリーランスの将来性は大丈夫?」などなど この記事にたどり着いたあなたは、少なくとも同じような疑問について考えたことがあるのではないでしょうか。
会社員として現在の職場での給料や人間関係が不満だったり、フリーランスになればもっと稼げるはずと思ってひそかに起業・独立を志している方もいるかもしれません。独立を考える際、不安なことのひとつに年収や収入の問題があります。
フリーランスになれば、誰しもが今よりも多くのお金が手に入るということはありません。「いざ独立してみたら会社員時代の方が稼げていて時間もあったなんてことにはならないだろうか」など未知への挑戦に不安はつきものです。また、「フリーランスが稼げる」という情報そのものに対しての不信もあるでしょう。
今回の記事では、フリーランスの年収の相場や会社員との収入比較、手取りを増やすためにはどうしたらいいかなどについて書いていきます。
目次
フリーランスの平均年収は高い?低い?会社員より稼ぐには
まずは、個人事業主として働く際の目安を知るためにも年収相場や収入について見ていきましょう。
フリーランスの年収相場
ランサーズ社の「2018年度版フリーランス実態調査」によると、副業も含めた全体のフリーランス年収の平均は186万円。全体での個人年収に占める比率は平均49%のため、2倍すると本業も含めた収入は372万円ほどになりそうです。フリーランスの収入比率が平均80%である自営業系フリーランスの平均年収も356万円、本業も含め445万円程度という驚きの結果です。年間500万円以上の収入があるフリーランスは、全体のわずか1割~1.5割程度にとどまります。
この結果だけからみると、フリーランスの収入は会社員に比べけして高いとはいえません。むしろ、フリーランス全体の平均でいうと一般的な会社員の年収よりも低いといえるでしょう。 捕捉の説明をすると「フリーランス」と言っても、仕事内容や報酬はさまざまです。ランサーズの調査データでは、フリーランスとして働くワーカー全体をまとめた情報になっているため、年収の幅がかなり広くなっています。
稼げるフリーランスの職種については、後でもう少し詳しく書きます。
フリーランスの平均年収
フリーランス全体の年収相場の次は、平均年収についてみていきましょう。フリーランス全体の平均年収は、350万円程度になります。この数字から単純に12等分して計算すると、フリーランスの平均月収は30万円程度といえるでしょう。
ちなみに、年齢別にみた場合の年収カーブにもフリーランスと会社員の収入傾向の違いが現れます。年功賃金を採用している会社はいまだに多く、会社員は年を経るごとに給料が上がっていくのが一般的です。
しかしながら、フリーランスの場合に年齢による年収アップは見込めません。ITエンジニアやデザイナーなどで常駐して働くフリーランスでは一定以上の年齢になると逆に年収が下がるケースも見受けられます。 フリーランスに仕事を依頼する会社や人は、年齢を見て仕事を依頼するわけではないからです。
フリーランスの平均年収が低い理由
ここまで、フリーランスの年収相場・平均年収を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「想像よりも低い」そう思った方も多いのではないでしょうか。ちなみに国税庁の調査によると、給与所得者、つまりサラリーマンの年間平均給与額は420万円です。(平成27年民間給与実態統計調査)
フリーランスよりもサラリーマンの方が平均年収が高いのです。ただし、平均年収はあくまで全体の傾向でしかありません。「プロ」であるはずのフリーランスの年収が低い理由は、いったい何なのでしょうか。
フリーランスは、何らかのプロフェッショナルとして仕事を個人で受ける働き方のため、高報酬なイメージがあります。実際に、フリーエンジニアなどはプロとして正社員よりも高い報酬を受け取っています。一方で、副業や在宅ワーク、引退したシニア層向けの仕事も存在します。
副業や複業のため本業が別にある
フリーランスは時間や場所について自由な働き方が可能です。そのため、フルタイム以外で働く方も多くおりフリーランス全体の平均年収を引き下げています。専業で取り組むフリーランスのほかに、副業や在宅ワーカーも含まれるのです。
本業やメインの収入が別にある場合はフリーランスだけで稼ぐ必要はありません。会社で雇用されて働きながらも副業として業務委託で仕事を受けている方や業務を掛け持ちしている場合がこのケースに該当します。働き方改革の影響で、複業やパラレルワークといったキーワードも注目されています。
すきま時間で本業以外にも収入を得ることができるため、高単価の案件を見つければ稼げますが、そもそもの本業収入が少ない場合や単価の低いフリーランス案件を受注してしまうと、労働時間の割に収入が少ないといったことになってしまうため注意が必要です。逆に、企業と交渉して単価や仕事内容を調整すれば短い労働時間で600万円以上の年収を目指すことも可能です。
シニア世代や未経験などで単価が低い
フリーランスの中には、定年退職を機にサラリーマンを引退してフリーランスになったシニアも含まれます。定年後も同じ会社で働きつづける場合とは異なり、特定の会社に所属せず、独立した個人として仕事をします。
そのようなシニア世代はアルバイトに近い働き方をしていることが多く、単価が低かったり、そもそもの労働時間や日数が少なかったりします。そのため、フリーランスとしての収入が低くなりがちです。
また、年齢のほか、未経験からスタートした場合やスキルレベルが低いなど低単価の仕事を行うフリーランスは、会社員と異なり昇給などの年収アップがないため、収入が低くなりがちです。
フリーランスとして稼ぐためには、単価をあげていくという考え方が必要です。
子育てや介護などで労働時間が短い
収入が低くなる理由として、単価のほか労働時間があります。短い労働時間で高い報酬を得られる仕事につけられればよいですが、世の中そのような仕事ばかりではありません。
また、フリーランスの場合でも労働時間を短く抑える代わりに休みの時間を増やすような自由度の高い働き方を目指す方も多くいます。たとえば、子育てや介護を行っている場合などは、働きたくても充分な時間をとることが難しくなります。
職種別のフリーランス年収相場

ここまで、フリーランス全体の平均年収や副業や在宅ワークも含めた年収相場の実態についてみてきました。次に、職種別にフリーで働く場合の年収相場を紹介します。
Web系フリーランスとして働く場合だけでも、ライター、デザイナー、ディレクター、エンジニア、マーケター、コンサルタントなど職種は様々です。また、職種によってフリーランスで稼ぎやすいものと稼ぎにくいものがあります。
まずは、最も稼ぎやすいとされるITエンジニアについて紹介します。
エンジニアはフリーランスのなかでも稼ぎやすい
稼ぎやすいフリーランスの代表として、システムエンジニア・プログラマといったIT系職種があります。ソフトウェアエンジニアやプログラマは実務経験があればフリーランスとして独立しやすく、ITエンジニア経験を積むことで、特に年収が高いPM(プロジェクトマネージャー)やITコンサルタントなどの上位職種にキャリアアップすることも可能です。
また、エンジニア職の年収が高くなっている理由として、ライターやデザインなどの業界に比べ案件の単価が高いこと、業界経験がある人が独立することが多いことが挙げられます。
独立するまでに仕事をもらえる人脈や必要とされるスキルを持っているとさらに稼ぎやすいです。具体的な年収としては、高収入を得ている場合で1,000万円以上の年収を得ているフリーランスも存在します。
フリーエンジニアの平均年収
フリーエンジニアの年収について、もう少し詳しく見てみましょう。 以下は首都圏のソフトウェア開発系のフリーエンジニアの年収相場です。
※SE HACKhttps://se-hack.com/freelance-engineer-marketpriceより転載
年齢 最高年収 平均年収 最低年収 正社員平均年収 25~29歳 900万円 696万円 420万円 378万円 30~34歳 960万円 780万円 420万円 475万円 35~39歳 1080万円 816万円 480万円 572万円 40~44歳 1,140万円 840万円 660万円 635万円 45~49歳 1,080万円 876万円 600万円 670万円 50~54歳 1,200万円 660万円 540万円 690万円 55~59歳 1,200万円 600万円 540万円 684万円
上記データでは、25歳から44歳の世代で、正社員平均年収よりもフリーエンジニアの平均年収が高いです。また、20代など若い世代の年収が、正社員と比較して特に高くなっていることがわかります。
言語別 単価相場
次に、プログラミング言語別にフリーエンジニアの年収を見てみましょう。 先ほどと同様に首都圏のソフトウェア開発系の年収相場です。
※SE HACKhttps://se-hack.com/freelance-engineer-marketpriceより転載
スキル 最高年収 平均年収 最低年収 アセンブラ 600万円 540万円 480万円 PL/1 636万円 600万円 480万円 COBOL 780万円 636万円 480万円 VBA 720万円 636万円 456万円 VB 720万円 660万円 480万円 VC++ 840万円 720万円 600万円 PL/SQL 960万円 720万円 420万円 C++ 840万円 720万円 660万円 JavaScript 840万円 720万円 540万円 ASP.NET 876万円 780万円 600万円 C# 912万円 780万円 660万円 Java 960万円 780万円 600万円 Android 960万円 804万円 720万円 Objective-C 1,080万円 840万円 600万円 swift 1,140万円 840万円 600万円 Unity 1,020万円 840万円 600万円 PHP 960万円 840万円 540万円 Ruby 996万円 852万円 720万円 Scala 960万円 876万円 720万円 Cocos2d-x 1,020万円 876万円 756万円 Python 1,080万円 960万円 900万円 SalesForce 1,080万円 960万円 780万円 Go 1,020万円 960万円 900万円 SAP 1,200万円 1,080万円 960万円
最も平均年収が低いアセンブラでも540万円、逆に最も平均年収が高いのは1,080万円のSAPです。
職種別 単価相場
次に、エンジニア以外の職種の単価相場を見ていきます。
デザイナーの場合は、バナーやロゴ制作の単価が5,000~10万円。ランディングページ制作は5万~10万円。年収の目安は350~450万円程度です。
イラストレーターの場合は、10×10cmのモノクロで3,000〜5,000円、カラーで5,000~1万円です。年収は300~500万円が目安になります。
ライターの場合は、2,000字の記事で1,000~6,000円、専門性が高くなると4,000~2万円ほどになります。年収は300~400万円程度です。
翻訳の仕事は、どの言語を扱うかで単価が変わってきます。英語から日本語への翻訳で1ワード7~8円程度、日本語から英語に訳す場合で1文字5円程度です。英語から日本語の場合は、1文字単位ではなく、1ワード単位で単価が決まることに注意が必要です。
映像制作の場合は、動画のジャンル、長さ、企画からか編集だけか、など依頼内容によって単価が決まります。1本3,000円程度のものから、30万円以上の高単価の案件まで幅広くあります。
フリーランスの手取り年収、会社員との違い
フリーランスと会社員では手取り年収の計算方法が違います。 これを知っておかないと、「思ったよりも手元にお金が残らなかった」ということが起こってしまいます。
フリーランスの手取り年収は会社員より低い?
フリーランスは、会社員より多く稼ぐ必要があるということをよくいわれます。フリーランスとして独立後の手取り収入が正社員として働いていたときの3~5割増し程度の場合、トータルで考えると会社員時代よりも収入がマイナスになる可能性があります。 以下では、その理由を説明していきます。
フリーランスの年収計算・税金・経費
まずはフリーランスの年収を計算する方法や税金・経費についてみてみましょう。
サラリーマンの給与とは違う年収の計算方法
会社員の場合も、フリーランスの場合も、収入に対して税金を納めなければならない点は共通です。会社員は、源泉徴収により給与から税金が惹かれますが、フリーランスの場合は確定申告を行う必要があります。また、売り上げから税金のほか、経費を支払わなければなりません。
社会保険など会社員が有利な点については、後半で解説します。
フリーランスの売上
個人事業としての売上の考え方は、どのような事業を営むかにより異なります。フリーランスの場合は、シンプルにクライアントから受け取る報酬金額を売上と考えるとよいでしょう。
そのため、売上は、仕事数×単価という計算式で求めることができます。
フリーランスの経費
フリーランスの場合、オフィスの賃料や光熱費、ネット環境、交通費など仕事を行う際にかかる経費は自分で負担しなければなりません。経費として計上した部分に対して税金はかかりませんが、費用自体がかからないわけではありません。
こういった費用は会社員のときには会社が負担してくれるので、フリーランス特有の出費と言えます
フリーランスの税金
フリーランスの場合、所得税、住民税、消費税、個人事業税などを売り上げの中から自分で納税する必要があります。また、会社員の場合は支払いの必要がない個人事業税や、仕事で使う道具を買うなどした際にかかる消費税についても、支払わなければなりません。
さらに、すべて会社が代行してくれる会社員と違って、フリーランスの場合は時間と手間をかけて自分で確定申告をしなければならなりません。この時間と手間もコストと言えるでしょう。
会社員の手取り年収の考え方・計算方法
次に会社員の手取り年収についてみていきましょう。会社員の場合、額面といわれる基本給や交通費などを合算した給与の総支給額から税金や保険料などを引いた金額が手取りです。手取りの給与は、一般的に額面の75~85%になるといわれています。
また、正社員で働く際の実際の収入は、額面給与の3~5割増しであると言われています。これは会社員の立場で得ているものに給与に含まれない部分があるためです。
そう言われてもなかなかピンと来ないと思いますので、具体例を挙げて説明していきます。
源泉徴収
先ほども書きましたが、フリーランスと比較した際の会社員のメリットとして、税金の計算と納税を会社が代行してくれるという点があります。つまり、源泉徴収です。

社会保険
会社員の給与額面には記載されないものとして社会保険料があります。
実は、会社員は本来の保険料の半分しか給与から引かれていません。残り半分は会社が負担しているのです。
実際の社会保険料は給与の約3割程度です。そのため社会保険料の分で、給与額面に記載されない収入が約1.5割あることになります。
残業・休出手当
残業や休日出勤に対する手当がつく報酬形態を除き、フリーランスの多くは契約した仕事内容の完成や請け負った契約内容の履行が報酬につながります。定時の概念がなく、労働時間に対して報酬が保証されるわけではありません。 定時の概念がなく、労働時間に対して報酬が保証されるわけではありません。
そのため、会社員の場合には当然存在する残業代や休日出勤手当など時間外労働の概念がありません。
有給休暇
会社員には有給休暇があります。これは独立前に働いていた会社で、どの程度有給が消化できていたかにもよりますが、フリーランスには有給休暇という制度はありません。
有給休暇の日数を20日として。完全週休2日制の会社の場合に、有給を最大限利用すると12ヶ月分の給料を約11ヶ月分の労働で受け取れることになります。
有給休暇の消化が利用できる会社の場合は、実際の労働時間よりも多く報酬を受け取っている計算です。
退職金
会社員には退職金もあります。これも給与額面には記載されない収入です。
大学卒・高校卒、管理・事務・技術職、勤続35年以上の場合、定年退職した際の退職金は平均2,000万円です。 (厚生労働省調査より)
35年間の年収の平均を400万円とした場合、退職金を含めた年収は457万円になります。
つまり、退職金の積立分が毎月約1.4割あるのです。
フリーランスは3~5割増しの売上で会社員と同等
まとめると、会社員の実際の収入は、給与額面に記載されている金額より多いということです。上で紹介した「有給休暇」「社会保険」「退職金」や事務手続きの手間などを加味すると、額面給与の3割増し程度の価値があることがわかります。
さらに、健康診断や住宅手当、家族手当、社員食堂などの福利厚生もお金に換算することができますが、これらも給与の額面には記載されない要素です。 そういった点も踏まえて考えると、フリーランスは会社員よりも多く稼ぐべきという意見には賛成です。会社員と同等の生活を送るためには1.5倍の収入を目指しましょう。
フリーランスのリスク
ここまでフリーランスと会社員の収入面の違いについて見てきました。次に、会社員にはないフリーランス特有のリスクについて説明していきます。
仕事がないと収入がなくなる
クライアントと契約して報酬を得るフリーランスの場合、仕事が途切れた時に収入がなくなります。本業のほかに定期的な収入がある場合や複数の案件を掛け持ちしている場合は別ですが、ひとつしかない仕事が終了して次の仕事が決まらないと、その期間は無収入になります。
当たり前のように仕事があって、毎月同じぐらいの金額が口座に振り込まれる会社員と大きく異なります。
当然多くのフリーランスはそのような事態にならないよう、複数の収入源を確保したり、SNSやWebサイトから定期的に案件を確保できる仕組みを持っています。また、エンジニアの場合はフリーランスエージェントに登録して案件紹介を受けるなどリスクヘッジは可能です。
また、独立初期は定期的に依頼を貰える取引先も少ないことが多いです。対策として、収入がゼロの期間分の生活費も稼いでおく、独立前に所属していた会社から仕事を回してもらうなどがあります。
50代以降は単価が下がる
40代50代の会社員の年収は平均で600~640万円(国税局実施の2015年民間給与の実態調査より)と20代30代の若手よりもかなり増加します。一方で、フリーランスは年齢による収入上昇は見込めません。
フリーエンジニアの年収相場で紹介したとおり、40代まではフリーランスのほうが高かった平均年収も、50代以降になると同世代の会社員よりも収入が低い傾向にあります。さらには、国民年金と厚生年金の両方に強制加入になる会社員と違って、フリーランスは国民年金にしか入ることができません。
そして、40代50代になると、以前はできていた徹夜や新しい知識の吸収など、肉体的な無理ができなくなってくることもあります。フリーランスは、このような年齢を重ねたときのリスクが会社員よりも大きいです。 そのため、フリーランスのメリットをいかして20代30代のころにいかに稼げるかがポイントとなります。
フリーランスのメリットは自分次第で年収をあげられること
ここまで書いてきたようにフリーランスには、収入・税金面のデメリットや高齢時のリスクがあります。その一方で、会社員では実現できないフリーランスならではのメリットも存在します。
働く時間や場所を自分で決められるということのほか、収入を自分次第で大きく増やせる点はフリーランスで働くメリットです。会社員の年収は、会社のルールや決定に従って昇給、昇格するため上限がありますが、フリーランスで働く場合の収入の上昇幅は青天井です。
そのため、会社員より稼げる可能性がある点が一番のメリットといえそうです。実際に会社員より高年収のフリーランスも沢山存在します。
独立後の売上は会社員時代の2倍を目安に
先ほども書いたように、会社員からフリーランスになる際には、最低でも会社員時の収入の1.5倍を稼がなければ、会社員時代と同等の収入にはなりません。
ただし、独立後に仕事がない収入ゼロ期間や50代以降の仕事を考え、実際には独立前の2倍以上の収入を得ることを目標にすることをおすすめします。
フリーランスが年収をあげる方法
それでは、フリーランスとして独立後に年収を増やしていく方法としては、どのようなものがあるのでしょうか。フリーランスの収入は自分次第とは言っても、実際に自分が稼げるフリーランスになれるかどうか不安に思うのではないでしょうか。
フリーランスになって会社員時代の2倍以上の年収を稼ぐための具体的な方法についてみていきましょう
年収を増やす方法を知る
ここでは、フリーランスが年収を増やす方法を紹介します。どうすれば年収が増えるのかについて一緒に考えてみましょう。
売上を増やす
もっともシンプルな方法として、売り上げを増やすという方向があります。売上から経費や税金、保険料などを引いた金額がフリーランスの収入です。 ではどうすれば売り上げを増やすことができるでしょうか。クライアントからの報酬を売上と考えるフリーランスの場合は、労働を対価に報酬をえます。そのため、売上を増やす方法は、おおきくわけて「単価を上げる」「仕事を増やす」の2つがあります。
単価をあげる
さきほども書きましたが、売上を構成する要素は「単価」と「稼働率」 です。独立当初は実績作りのため、あえて単価を下げ受注件数や稼働率をあげる動きをすることもありますが、基本的にフリーランスの場合は単価をあげていくほど年収が増えると考えて問題ないでしょう。
単価をあげる方法は様々ですが、シンプルなの方法は単価の高い案件を受注する方法を考え実践することです。受注までのストーリーが明確であれば、再現性は高いでしょう。例えば、特定技術を使用した案件や今後需要が急増しそうな案件に対して、受注の要件を知り、自分がキャッチアップできるかどうかを判断します。
また、現在受けている案件の単価が適正かどうかも重要なポイントです。相場に対して高い単価で受注できているのであれば、ブランディングがうまくいっているということですが、相場に対して安い場合は、単価を交渉する。新規に受注して適正単価の案件に比率を移していくなどの対応が必要です。 そのようななかから、まずは自分ができそうな方法を考えてみてください
稼働率をあげる
売上を増やすための、もうひとつの方法として単純に仕事数を増やすことが考えられます。単価が同じであってもこなす件数や稼働率をあげることで、収入が増えます。しかしながら、この方法は薄利多売の発想です。仕事をしている時間が長くなると勉強やスキルアップに時間がとれなくなり、単価向上の機会を逃してしまうと本末転倒です。
さきほども書いた通り、フリーランスとしての実績が少ない独立後間もない時期や案件をこなして技術を身につけたいなどの理由があれば、このような方法を取らざるを得ないかもしれません。また、そもそも仕事数が少ない場合や手があいているなどの状況であれば収入を増やす手段として非常に有効です。
コストを下げる
仕事数を増やしたり、単価向上の交渉もすぐには実を結ばないかもしれません。その場合に、コストを下げることで手元に残る利益を増やす方法を考えてみましょう。つまり、経費削減、節約です。
光熱費や事務所の賃料、広告費等の見直し、クライアントとの打ち合わせに使用する交通費、業務ツールを買わずに自作するなど、出ていくお金を減らすためにできることを考えます。
また、確定申告などの方法を変えることで還付をうけることなども同じ考え方です。
計画をたてて実行に移す

フリーランスとして年収を増やす方法がわかったところで、これまでの総復習として計画の立て方も考えてみましょう。
売上目標をたてる
まず計画を立てる際は、売り上げ目標を立てます。会社員時代の年収の2倍が目安でした。
目標売上から逆算して、目標単価を算出する
目標単価を算出したら、実際の単価と比較してみましょう。過去の受注実績と目標単価のギャップを埋めるためには、なにかしらの手を打つ必要があります。その際に重要になるのが計画です。
Webサイトや広告をつかって、直接案件を受注するやエージェントに相談してみるなど、単価をあげる方法を洗い出しましょう。 技術を身につけるための勉強に時間がとられたり、時間がかかる施策を実施する際は、目標や計画を見直す必要が出てくるかもしれません。
計画を実行する
計画できたらあとは実行するのみです。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のPDCAに則って事業を回していきます。
年収別の時給目安
計画を立てる際に、目標年収からどの程度の時給を目安とすればよいのでしょうか。参考までに、年収別の時給について目安となる金額を載せておきます。
年収1,000万円
労働時間 | 時給 |
---|---|
8時間 | 5,187円 |
9時間 | 4,610円 |
10時間 | 4,149円 |
11時間 | 3,772円 |
12時間 | 3,458円 |
年収800万円
労働時間 | 時給 |
---|---|
8時間 | 4,149円 |
9時間 | 3,688円 |
10時間 | 3,320円 |
11時間 | 3,018円 |
12時間 | 2,766円 |
年収600万円
労働時間 | 時給 |
---|---|
8時間 | 3,112円 |
9時間 | 2,766円 |
10時間 | 2,490円 |
11時間 | 2,263円 |
12時間 | 2,075円 |
1年間は365日です。そこから休日を引くと労働日数が計算できます。上記の表では、年間休日数を124日とした場合に、8~12時間労働した場合で時給を計算しています。計算式は 年収÷労働時間×労働日数 です。
稼ぐフリーランスの特徴
会社や店舗などの経営を行う起業家と異なり、フリーランスはプロフェッショナルとして個人で働くワークスタイルをとります。そのため、自身の経験や知識、スキル、人脈などの個人資本や労働力を対価として収入を得るのが一般的です。
フルコミッション制の歩合で働く営業マンなどは典型例ですが、プロとしてお金に換金できるだけの高い能力を持っていることは稼ぐフリーランスの多くに共通する要素です。美容師や調理師、庭師といった職業では、技術や熟練が収入に直結するため、その点がわかりやすくフリーランスという働き方が成立します。
技術を身につけたり能力をあげるには、業務を通して学ぶことが基本です。そのため、いきなり独立をするよりは何年か実務経験を積んだり、修行を経てから独立するパターンがほとんどです。また、稼ぐフリーランスは自己研鑽に余念がありません。業務中や業務外での自己投資を何年も続けることでスキルや知識の面で他のフリーランスとの差別化に繋がっています。
また、稼ぐフリーランスの特徴として、オンリーワンになることや自身のポジションを意識していることも重要です。システムエンジニアやプログラマー、デザイナーなどのITフリーランスの場合、稼いでいるフリーランスは単純に技術力が高い場合や時代の波に乗れるかどうかという要因はありますが、多くはその人にしかできないことを顧客へと提供しているものです。
とはいえ、ひとつ点で勝負すると他のフリーランスとの競争になってしまう場合もあるでしょう。その際は、複数スキルの組み合わせや、さまざまな要素の掛け合わせで差別化を図ります。
掛け合わせるスキルには文章作成や語学、営業経験など一般的なビジネス知識も含まれます。特定の業界では一般的な事柄が他の業界では希少すきるになりえたりもするものです。また、技術やスキルで差別化が難しいこともあるでしょう。そのような場合は、謙虚さや話しやすさといった人間力・人に好かれる能力で勝負するのも一つの方法です。
フリーランスの将来性と今後の年収
最後に、これからフリーランスを目指す方や今現在フリーで働いている方にとって気になる「フリーランス」の将来性と今後の年収についてお話します。フリーランスの将来性についてお話すると、日本でもフリーランスは増加傾向にあります。それにより良い点も、悪い点もあります。
デザイナーやライターのような職業は、ライバルが増え単価が下がると予想することもできますし、能力のある方は市場が大きくなることでより高給を得やすくなるとも考えられます。働き方改革により会社員の副業や引退後のシニアが市場に出てくることで、これまではフリーランスとしての働き方が一般的でなかった職業でも個人事業が一般的になるかもしれません。
年収については、どうでしょうか。ここまでお話しした通り、フリーランスという生き方は良くも悪くも「自分次第」といえます。多くの方は会社員のように収入が保証されていないことを不安に思うかもしれませんが、そのような心配があるうちは独立や起業は控えたほうがよいでしょう。
逆に、収入が決まっていないことをチャンスだと前向きに捉えられる方は、フリーランスに向いているといえます。しっかりと計画を立てて実行し、技術を磨き、経験を積んでいく。会社員よりも「自分の力で稼ぐ」という実感を味わいたい場合や、給料を自分で決めたい方にとってフリーランスは会社員にはない達成感や面白さを味わうことができる働き方です。

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