フリーランス

2019/12/02

フリーランスエージェントのメリット・デメリット|利用上の注意点と相談のコツ

エンジニアやデザイナーなどのフリーランスを対象に、スキルや経験にマッチした案件獲得や契約手続きなどを代行するエージェントサービスが浸透してきました。エージェントを利用すると安定的に仕事を受注できるなどメリットがある反面、マージンが発生したり、常駐案件が多く在宅案件が少ないなどデメリットもあります。

この記事では、エージェント経由でフリーランスの仕事を受注するメリットとデメリット、注意点や相談の方法などを紹介します。

フリーランス向けエージェントとは

フリーランス向けのエージェントは、フリーランスと企業が案件の受発注をスムーズに行えるよう仲介するサービスです。エージェントは、普段からさまざまな企業にアプローチしてフリーランス求人を開拓しておき、登録したフリーランス人材のスキルや希望条件をヒアリングしてマッチした案件を提案します。そのため、個人で動くよりも案件の獲得が容易となり、フリーランスは安定的に仕事をこなせるようになるのです。

フリーランスにとって、新たな仕事の受注を期待できる営業代行のほか、契約の締結を始めとした事務処理の手続き代行、会社員からの独立サポート、キャリアカウンセリングなどがエージェントのサービス内容といえます。

フリーランスは個人事業主なので、本業だけでなく営業活動や煩雑な経理まで同時に行わなければいけません。しかしエージェントを利用すると、それらの業務に時間と労力を割く必要がなくなるため、本業に集中できるのです。

クラウドソーシング・マッチングサイトとの違い

フリーランスエージェントの中には、フリーランス向けの求人情報サイトやマッチングサイトを運営する会社も多くあります。仕事のマッチングという意味でエージェントと求人情報サイトには大きな違いはありません。ただし、フリーランス向けの求人情報サイトのなかでも、ログインして自分のプロフィールを登録できたり、企業とフリーランスが直接やりとりを出来るタイプのマッチングサイトやプラットフォームもあります。

マッチングサイトのなかで代表的なものが、「ランサーズ」「クラウドワークス」「コデアル」などのクラウドソーシングサイトです。フリーランス・副業のためのプラットフォームとも呼ばれるこれらのマッチングサイトはフリーランスエージェントと同じように、クライアントとの橋渡し役になってくれるサービスです。ただ、エージェントと大きく異なる点は、営業活動を自分で行う必要がある点です。

フリーランスがクラウドソーシング経由で仕事を探す場合は、案件や募集内容を自らで見極める必要があります。また、そこから仕事を獲得するためにスキルや実績をアピールしていかなければいけません。

全体的にエージェントに比べ単価相場は低めですが、在宅の案件が豊富にあり、未経験者が副業にチャレンジする際や、在宅や週1日などで制約に縛られず、自由に活動したい方にはマッチングサイトの方が適していると言えるでしょう。

フリーランスエージェントのメリット

ここからはフリーランスがエージェントを利用した場合、どのようなメリットがあるのかについてご紹介します。フリーランスエージェントへの依頼を検討している方は参考にしてみてください。

仕事選びの幅が広がる

フリーランスとして仕事選びの選択肢が増える点はエージェントを利用する大きなメリットといえるでしょう。エンジニアとして新しい技術をキャッチアップしたいというニーズもあるでしょうし、得意分野や言語、環境などの技術や開発フェーズ、役割などから案件を探せ、紹介をうけられる点は魅力があります。

家から近いなど常駐する場所の希望や週3日の稼働など働き方の条件についても同様です。単純に自分のつてや紹介のみで仕事を探す場合と比べ、エージェント経由でも案件の紹介を受けることで候補となる見込み案件が増え、より条件のよい仕事や条件に近い仕事を探しやすくなります。

単価の高い案件が受注できる

フリーランスが収入をあげるうえで、受注する仕事の単価や稼働する際の時給をあげていくことが重要です。ウェブサイトやブログなどでの情報発信や自ら営業活動をすることで得られる仕事も多くありますが、独立したばかりの個人では獲得が困難な案件も少なくありません。

しかしエージェントに依頼すれば、通常では獲得できない非公開の案件を受注できたり、個人事業主として直接契約が難しい大手企業の業務を請けることも可能です。ITエンジニアは特に人材不足のため、単純にエージェント経由で案件を受注するだけで、20万、30万単価があげるケースも珍しくありません。

また、フリーランスとクライアントとの間に商流がエージェント1社のみしか介在しない「エンド直請け」と呼ばれるような案件では、複数の企業が介在し商流が深い案件よりも手数料が減る分単価が高い傾向にあります。エージェントは案件の単価交渉も行うため、個人で交渉するよりも高額な報酬を期待することができます。

仕事の受注が安定する

フリーランスとして個人で仕事の受注を行う場合のデメリットとして、生活の不安定さや将来の不安があります。会社員の場合は、企業に所属する限り毎月収入が途切れることはありませんが、フリーランスは仕事が途切れると収入がゼロになってしまうこともありえます。複数のクライアントから定期的に受注があったり、顧問契約のような契約形態で仕事があれば心配は少ないですが、そうとばかりも限りません。

案件を完了したあとに、次の案件を獲得するまでに空白が生じてしまった場合や、仕事が途切れてしまった場合、新しい仕事が見つかるまでは当然ながら収入も入ってこないので、生活が不安定になる恐れがあるのです。そのような状態でもエージェントを使えば、案件の紹介を受けることができます。

また、案件が終わる時期を見越して新しい仕事を取ってきてくれるため、継続的な受注や収入の安定性が高まります。

営業に時間を取られず本業に集中できる

フリーランスとして仕事を獲得するために、エージェントの登録面接やエンジニア人材に興味のある企業担当者との商談など営業活動や案件開拓に関するリソースはエージェントを介した場合でも必要になります。

フリーランスの営業活動では、ある程度のコミュニケーションスキルやセンス、実績などが求められます。スキルや実績に乏しいと、案件を獲得するまでに時間を要するなど、営業でつまずいてしまう可能性があります。

そんな営業に苦手意識のあるフリーランスこそ、エージェントを利用すると安心です。スキルシートや職務経歴書の準備や面接の日程調整、書類事務などを代行してくれるため、案件をこなすことのみに集中することができます。

事務・入金など手続きのサポートがある

エージェントは事務手続きも代行してくれるので、その点もメリットといえるでしょう。契約書への捺印や契約後に必要となる稼働報告書や請求書の作成などフリーランスが行う書類手続きもありますが、ひな形や書面はエージェントが用意してくれるため、独立したばかりや初めてでも安心して仕事をおこなえます。

また、報酬に関する手続きも代行するため、個人でクライアントとやり取りするよりも入金トラブルが発生しにくく、安心してフリーランスの業務に取り組むことができます。

キャリアプランを相談できる

エンジニアやデザイナーなどのフリーランスはキャリアについての情報や客観的な評価が不足しがちです。同じ職種でのスキルレベルや収入などを確認しながら、将来的なキャリアプランについても考えなければなりません。

エージェントに登録することで、業界の案件動向や単価相場を聞き、自身の市場価値を把握することもできますし、将来的に需要が伸びる分野や現在引き合いの多いスキルなども確認できます。

エージェントは案件を取ってきたり、契約を締結したりすることだけが業務ではありません。希望する条件やスキルに合わせて案件を探し、提案してくれる「コンサルタント」や、キャリアプランに関する相談に乗ってくれる「カウンセラー」などが、フリーランスを全面的に支援します。

他にもスキルを上げるために役立つセミナーの情報を教えてくれたり、契約締結後の状況まで確認してくれたりと、キャリア面での不安を打ち消すような強力サポートを受けることができます。

福利厚生を受けられることも

フリーランスは企業に属さないため、基本的に福利厚生は受けられません。しかしエージェントを通せば、正社員と遜色のないサービスを受けられる場合があります。具体的な福利厚生を挙げると、健康診断における優遇やスポーツクラブ、ホテルの優待利用、就業不能時の所得保障保険サービスなどがあります。

受けられる福利厚生はエージェントによっても変わってくるので、依頼する前によく確認しておくことをおすすめします。

フリーランスエージェントのデメリット

ここまでメリットだらけのフリーランスエージェントでしたが、かといってデメリットが一切ないわけではありません。エージェントを利用したことによって損をすることがないよう、デメリットもしっかりと頭に入れておくことが大切です。

自由度が制限される

フリーランスの良さは自由に働けることですが、エンジニアやプログラマーがエージェントを利用して案件を受注する場合は、基本的に会社へ出社して業務をおこなう常駐の仕事がほとんどになります。

また、稼働日数も週5日の案件が多くなるため、自由度が低いと感じることもあるでしょう。特にエンジニア系であれば、社内機密の面から在宅での業務を禁止している企業もあるようです。

ただし、デザイナーやWebエンジニアなどでは出社する曜日や勤務時間は交渉で変更できるケースもあり、契約も短期間で結ぶ場合が多いため一般的な会社員ほど縛られることはないともいえるでしょう。

直接案件を獲得するよりも収益性が下がる

エージェントはさまざまな業務を代行してくれるので、マージンとしてそれなりの手数料を徴収される点には注意が必要です。自分で直接案件を獲得するよりも収益性が下がるという見方もあります。それでも営業活動や煩雑な事務手続きをやらなくて済むと考えれば、ある程度の出費は妥協できるはずです。

エージェント経由で仕事を獲得する際は、提示された金額が希望金額よりも高いか低いか、単価相場と乖離がないかに注意したうえで契約しましょう。

自分で獲得する案件よりも単価が高ければエージェント経由で案件を受注するメリットはあるでしょうし、低ければ直接案件を獲得したほうが特になります。

登録の手間がかかる

フリーランスエージェントへの登録はWebサイトから無料でおこなうことができます。ただし、案件の紹介前に職務経歴書やスキルシート、ポートフォリオなどの提出が必須のエージェントや対面での面談が求められることもあります。そのため、それらの書類作成や面談などに時間や手間がかかってしまう点はエージェント利用のデメリットといえるでしょう。

フリーランスエージェント利用の注意点

エージェントにはメリットが多い反面、デメリットもあることがわかりました。ここからは、エージェントを利用する上で注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

年齢の壁がある

すべての方にフリーランスエージェントが役立つというわけではありません。年齢によっては案件の受注が困難になる場合もあります。その代表例がシステムエンジニアやプログラマーなどのエンジニア系職種です。

ITエンジニアの需要は20代・30代の若年層の人気が高く、40代、50代と年齢が上がるにつれて需要が低くなり、エージェント経由で受注できる案件の数も50代以降は一気に減っていきます。

この年齢の壁を乗り越えるには、40代以上が求められている年相応のスキルを身に付けることです。例えば講師としてフリーランス業界を渡り歩けるほどのスキルを持っていたり、経験が豊富で若者をまとめるのに長けていたりする場合です。

20代、30代にはない武器を持っていれば、シニア世代でも活躍することは十分に可能です。

利用できるエリアは限定される

エージェントが扱っている案件の多くは、関東圏や関西圏、中部圏などの大都市が中心です。出社が前提となっている場合が多いので、首都圏から離れて暮らしている方にとっては、利用できるエリアが限定されているのはやや不便に感じられるかもしれません。

現在は地方に在住でも仕事探しを東京などの首都圏で希望している場合は、対応するエージェントも増えるため相談してみるとよいでしょう。

エージェントによっては首都圏以外の都市をカバーしているケースもあるため、自分の住んでいる地域と照らし合わせて、通いやすいかどうかを確認することが重要となります。

担当によって対応に差が出ることがある

大半のエージェントは誠実かつ丁寧に対応してくれますが、中にはいい加減な対応をする担当者も存在します。エージェントは常に数多くのフリーランスとクライアントを管理しているため、そのキャパシティが溢れてしまうと対応が雑になったり、後手に回ったりしてしまうのです。

利用する側も案件の受注がスムーズに進むよう、エージェントへ自分のセールスポイントを明確に伝えるように意識しましょう。

もしどうしても対応が改善しないのであれば、思い切って担当者を変えてしまうのも一つの手です。

健康管理に注意が必要

フリーランスがエージェントを介して受注した案件は、決められた稼働時間を超えて働いた場合に超過分の報酬が支払われるようになっています。そのためか、プロジェクトの進行度合いによっては契約と違う形での勤務を強いられることもあります。

人によっては1ヶ月の勤務時間が300時間を超えてしまい、体調を崩すケースも見られるようです。

いくら給与が得られるとはいえ、体調を崩すほどの労働は避けなければいけません。無茶な案件には引っかからないよう、信頼性の高いエージェントを選ぶようにしましょう。そして健康管理には十分注意してください。

エージェント相談時のコツ

少しでも興味を抱いたエージェント会社があれば、気軽に相談することをおすすめします。多くのエージェントは無料での事前相談を受け付けているので、疑問に思ったことは遠慮なく尋ねてみましょう。そこでここからは、フリーランスエージェントに相談する際のポイントをご紹介します。

希望する条件や報酬単価を伝える

エージェントを利用する際は、希望する収入の金額や勤務地、稼働時間、技術などの条件ををはっきりと伝えることが大切です。希望収入が曖昧だと、紹介してもらえる仕事の単価にもばらつきが出てきてしまいます。高単価の案件を継続的に受注するためにも、どの程度の報酬を求めているのか明確にしなければいけません。

ただし、相場とかけ離れた報酬やあまりにも高い収入を求めすぎると自分のスキルレベルとの間にギャップが生まれてしまい、受注がスムーズに進まなくなる可能性があるので注意が必要です。

連絡頻度やスケジュールについて確認を行う

フリーランスの仕事探しを円滑に行うためにも、エージェントとの連絡頻度や今後のスケジュールの確認はきちんとしておきましょう。意思疎通が取れていないと、必要ではないのに多くの案件情報がメールで届いたり、たくさんの電話が来てしまったりして本業に支障をきたす恐れがあります。

エージェントも善意で案件を紹介しようとしてくれるので、その気持ちを無駄にしないよう、自分の希望する連絡頻度は必ず伝えるようにしてください。

複数のフリーランスエージェントに話を聞く

病気を治療するときにセカンドオピニオンを受けるのと同じように、フリーランスエージェントも複数のエージェントに話を聞きに行くことは重要です。というのも一人の意見だけだと、本当に正しい情報を話しているのかが判断できないからです。

偏った意見を持っているエージェントがいることも否定できないので、物事を多角的に見るためにも、複数のエージェントに相談することがベストと言えます。

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