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2019/10/24

データサイエンティスト案件の単価は?フリーランス求人動向

データサイエンスやAI案件の開発需要が増加するなか、プロジェクト全体を俯瞰でき、統計、IT、ビジネスなど幅広い知識を持つ「データサイエンティスト」の需要が高まっています。正社員として働くデータサイエンティストも多いですが、独立してフリーランスの道を選ぶデータサイエンティストも増加しています。

未経験からデータサイエンティストを目指す方や、ITエンジニアからの転職、分析職として独立を検討中の方も多いのではないでしょうか。この記事では、単価相場やフリーランス求人動向について解説し、仕事内容や求められるスキルなども紹介します。

データサイエンティストのフリーランス求人動向

フリーランスのデータサイエンティスト求人には、どのような傾向があるでしょうか。データサイエンティストという人材が企業に求められる背景と、求人募集の多い業界について説明します。

データサイエンティストが求められる背景

これまで企業にとっての経営資源には、「ヒト」「モノ」「カネ」の3つがあるといわれてきました。近年ではさらに「情報(データ)」も重要な経営資源とみなされるようになってきています。その背景には、AIをはじめとするIT技術の進化により、ビッグデータをビジネスに活用可能になったことが挙げられます。多くの企業は自社が保有する大量のデータを分析することで、収益向上の新たな糸口にしたいと考えるようになったのです。それを可能にするスキルを備えた人材が、データサイエンティストです。

機械学習やディープラーニングのアルゴリズムを駆使した解析案件やPoC(概念実証)、AIモデルを利用した開発の案件も増えており、機械学習エンジニアのようなITスキルを持つデータサイエンティストの需要も高まっています。

データサイエンティストの求人を募集している業界

データサイエンティストの活躍の場は、特定の業界にとどまるものではありません。実際に、アパレルやヘルスケアのような身近なものから金融、電力、広告にいたるまで、さまざまな業界でニーズがあります。データサイエンティストを求める企業の多くには、「データに基づく合理的な判断」や「マーケティングでのデータ利用」を重視しているという共通点がみられます。

実際のフリーランス求人:データサイエンティストの求人・案件一覧

自社でデータを保有する事業会社や、それら企業のデータ分析業務を受託するIT企業のほか、外資系のコンサルティング会社、広告代理店、グローバル展開している上場企業などで、特に求人が多くなっています。

データサイエンティスト案件の単価相場

データサイエンティストは非常に市場価値の高い職種です。そのことはフリーランス求人の相場単価からも確認することが可能です。月の報酬単価は作業時間によって左右されますが、一般的なデータサイエンティストの単価相場は、週に5日常駐して月に140から180時間勤務した場合に、100万円から150万円程度です。単価が100万円の場合、年収に換算すると1,200万円を超えてくることになるため、いかに高収入を得られる仕事であるかが分かるのではないでしょうか。

ただし、データサイエンティストが行う業務は幅広いため、案件によって単価も難易度もバラバラです。また、年齢や経歴、保有するスキルレベルによって適正な単価報酬も異なります。正社員のデータサイエンティストでも駆け出しレベルでは、450〜950万円、契約社員なら350~650万円が平均年収といわれています。

経験豊富なデータサイエンティストや企業によっては、年収1000万円以上のデータサイエンティストも少なくありません。独立することで、さらに高収入を目指すことも可能でしょう。

データサイエンティストの仕事

ここからは、データサイエンティストが行う仕事内容について説明します。会社員もフリーランスもデータを扱う職業であることは共通ですが、フリーランスの場合は特定分野の知見や即戦力である点が強く求められます。

課題把握と分析設計

データサイエンティストの仕事はデータ分析がメインだと思われがちですが、最終的には分析に基づいた提案を行うことが目的です。したがって、まずは何のためのデータ分析なのかを明確に定義しなければなりません。そのため、データサイエンティストの仕事は経営やビジネス運営上の課題把握からはじまります。企業が抱えている現状の課題を洗い出し、ビジネス上のインパクトなどから優先順位をつけるのです。

分析目的を明確にした後は、事業部門の担当者と協力して利用できるデータや解析手法、施策などについても検討します。実施する分析内容や施策によっては、目標達成にどのような戦略が必要となるかなどの仮説を立てていきます。

データ取得・収集環境の構築

課題解決のための仮定を検証するには、データの収集が必要です。しかし、企業のデータは社内のいたるところに存在しているため、いつも簡単に収集できるわけではありません。具体的には、MySQLなどのデータベースやHadoopに格納されたビッグデータ、独自のAPIでしかアクセスできない社内システムのデータなどがあります。これらのデータを取得できるような環境を構築する必要があるのです。

分析をおこなうにあたり、前処理やクレンジングと呼ばれる業務もデータサイエンティストの仕事の一部です。SQLでデータを抽出・加工したり、Pythonのライブラリで可視化したデータから特徴を把握するなどデータに触りながら作業を進めます。

データ分析と検証・業務利用

データを取得するための環境構築ができたら、実際にデータを収集し、分析を行います。データ分析とは、統計的手法などを駆使して、大量のデータの中から意味のある情報を拾い出す作業のことです。分析結果に基づいて考察すれば、仮説が正しかったのかどうかの検証やトレンドの把握ができます。これにより、経営課題が生じていた原因が何であったのかや、どうすれば解決できるのかがデータによって説明できるようになります。

画像処理、音声処理、自然言語処理などの目的でAIモデルを開発する仕事も増えており、データマイニングや従来の統計処理に加え、機械学習(Machine Learning)の知識も求められる傾向にあります。

提案・実行

仮説が検証されたら、今後どのような施策を行えば経営課題を解決できるのかについて、戦略や開発の提案を行います。そのためには、データの分析結果をわかりやすく整理して、納得できる内容のレポートにまとめる必要があります。このとき、重要なデータについてはKPI(Key Performance Indicator)を設定するのが一般的です。KPIとは、「重要業績評価指標」とも呼ばれるもので、組織目標の達成に役立てるための特に重要な計測値のことです。

精度の高い予測モデルやAIモデルを開発した場合は、必要に応じてビジネスへの適用や本番環境へのリリースを行うこともあります。データや統計モデルに加え、システム全体を俯瞰しながらプロジェクトを完了に導きます。

データ分析の種類

データサイエンティストにとって、データ分析のスキルは非常に重要なものです。データ分析には、大きく分けて2つの手法があります。

仮説検証型

仮説検証型は、あらかじめ立てた仮説が正しいかどうかをデータに基づいて判定する手法です。判定を行うために、「仮定が正しいとしたらデータはどのような特徴を示すはずか」を考えておきます。そして、データを分析した結果想定通りの特徴がみつかれば、仮定は正しかったといえるのです。反対に、想定と矛盾する特徴が発見された場合は、仮定は誤っていたということになります。

知識発見型

知識発見型は、データそのものから新たな発見を行おうとする手法です。さまざまな角度からデータを分析して、その中に潜んでいる特徴をあぶり出します。データに何らかの特徴がみつかれば、その理由を考察することで新たな知見を得ることができるというわけです。知識発見型の分析では、あらかじめ仮説を立てることをせず、先入観なくデータと向き合うことが大切です。また、統計的手法のほかに、AIによる機械学習も頻繁に活用されます。

データサイエンティスト案件の参画に必要なスキル

データサイエンティストは、さまざまなスキルを必要とする職種です。ここでは、ジュニアとシニアの2つの場合に分けて、どのようなスキルが求められるのかについて説明します。フリーランスのデータサイエンティストとして働く場合は、シニアレベルの経験を持っていることが望ましいです。

ジュニアレベルのスキル要件

ここでは、新卒や、他の職種からデータサイエンティストになるなど、駆け出しのデータサイエンティストとして最低限みにつけておくべきスキルについて説明します。まず基本となるのは、データを分析してレポートにまとめる「アナリスト」としてのスキルです。

これに加えて、統計学と機械学習に関する基本的な知識、データ分析の手助けをしてくれるBI(Business Intelligence)ツールやPython、Rといったプログラミング言語を使いこなせるITスキルが求められます。

また、Webに関するデータを扱う場合には、アクセス解析や、A/Bテストによるグロースハックなどのスキルが必要になることもあります。

シニアレベルのスキル要件

熟練したデータサイエンティストと認められるには、ジュニアレベルのすべてのスキルに加えて、より高度なスキルが求められます。まず、ビジネスについて深く理解し、複雑な問題を紐解いていくための論理的思考力が必要です。統計学と機械学習についても、より学術的な知識があるとよいでしょう。

また、シニアレベルになると、ITについて幅広い知識が求められる場面も多くなります。要件定義から開発・運用の流れを把握したうえで、データベース、クラウドなどの知識も必要でしょう。

機械学習を利用した業務改善の経験やデータ分析チームのマネジメント経験などを身につけておけば、活躍できる場面はさらに広がります。

未経験でデータサイエンティストになることはできる?

全くの未経験で統計の知識・IT技術のない人がデータサイエンティストになるのは難しいです。クライアントとなる企業が求めているのは、即戦力として仕事を受注してくれる統計解析の専門家となっています。案件の内容によっては、経験の浅いエンジニアが受注できるものもありますが、データ分析に関する最低限の知識・技術は求められます。ただし、これまでデータサイエンス以外の分野であってもエンジニアとして活躍してきた経験があれば、仕事を受注できる可能性はあります。

分野は違ったとしても、開発スキルを習得したエンジニアがデータサイエンティストの仕事を受注してきたケースは少なくありません。最初は、機械学習やデータ分析のインフラ周りを担当するデータエンジニアからキャリアをスタートする方法もあるでしょう。

また、IT関連の開発経験が半年以上ある人を対象としたスクールもあります。このようなスクールでは、機械学習の実務が未経験でも専門知識・技術を教えてくれるほか、将来的にはフリーランスエンジニアとして仕事を受注できるレベルになることも可能です。

35歳以下のプログラミング経験者には、機械学習・ディープラーニング講座が全額無料で受講できる「AIジョブカレPRO」もおすすめです。

データサイエンティストに必要な知識・資質

ここからは、データサイエンティストとして活躍するために必要な知識や資質について、もう少し詳しくみていきましょう。

分析・統計に関する知識

データサイエンティストにとって、統計的手法を用いた分析を行う能力は非常に重要です。また、統計について深く理解するためには、数学全般の知識も必要になってきます。大学などで得られる学術的な知識が大いに役立つでしょう。

ただし、膨大な量のデータと向き合いながらビジネスに活用していくためには、学術的な知識だけでは足りない部分もあります。戦略的思考力やロジカルシンキング、分析ツールに関する知識などと組み合わせて、ビジネスで通用するスキルにしていくことが大切です。

IT・システム開発に関する知識や技術

データサイエンティストは、社内に散らばっている分析対象のデータを集めるために環境構築を行いますが、その際にはITに関する広範囲な能力が求められます。データベースやビッグデータにアクセスして情報を取り出したり、収集した大量のデータを整形するためのプログラミングを行ったりしなければなりません。

機械学習によるデータ分析を行う場合には、そのためのプログラミングも必要です。プログラミング言語としては、「Python」や「R」がよく使われるので勉強しておくとよいでしょう。

問題解決能力

経営課題を明らかにして解決のための戦略立案を行うというデータサイエンティストの仕事は、問題解決にほかなりません。そのため、問題点を正しく理解し、解決のために適切な行動をとることが重要になってきます。問題点を明らかにするには、現状をビジネスの視点から捉える能力が必要です。

問題を解決に導くには、データとばかり向き合うのではなく、キーパーソンを巻き込んで積極的に行動していく資質やコミュニケーションスキルも求められます。

高単価のデータサイエンティストを目指すために

企業にとってより価値の高いデータサイエンティストになるためには、何を身につけていけばよいでしょうか。そのためにおすすめのスキルを紹介します。

マネジメント力・リーダーシップ

経営課題は企業の収益にも大きく関係するものなので、「いつまでに解決しなければならないか」という期限がついているのが通常です。目標とする期限までに課題を解決するためには、スケジュールを立てて計画的に行動していくことが必要になります。これは、自らの行動をマネジメントするということであり、マネジメント力は信頼できるデータサイエンティストになるために必須の能力だといえます。

十分なマネジメント力が身につけば、チームの責任者としてほかのスタッフの行動もマネジメントできるようになるでしょう。また、チームを率いる立場になると、リーダーシップも重要になってきます。リーダーシップとは、組織の中で自らが推進力となり、周囲のスタッフの行動を引っ張っていく能力のことです。

コンサルティング能力

データサイエンティストの仕事には、コンサルティングのような面もあります。経営層などの関係各所から経営課題に関するヒアリングを行い、解決のための戦略を考えて提案するためです。コンサルティングには、「聴く」「伝える」といった基本的なコミュニケーション能力や、業界の動向などに基づいてビジネス状況を理解する力、新たなモデルを構築してわかりやすく説明するプレゼンテーション能力などが求められます。

英語力

データサイエンティストは、自社製品をグローバル展開している企業からのニーズが高い傾向にあります。英語力を磨いておけば、活躍の場が広がるでしょう。また、データサイエンティストという職種の新しさから、英語力が役立つ場面も多々あります。データ分析に使うツールの情報や、IT技術とプログラミング言語に関する最新ニュースなどは、英語でしか提供されないことがほとんどです。

データサイエンティスト案件の今後の動向

最後に、データサイエンティスト案件の今後の動向について説明します。

データサイエンティストは消える?なくなる?

データサイエンティストは、企業の経営課題を解決に導くことで利益拡大に貢献できる仕事です。大手企業からの注目度も非常に高いものがあり、欠かすことのできない職種として今後も認知が広がっていくと考えられます。AutoMLなどAIの発展により、データサイエンティストという職業がなくなってしまうという懸念もありますが、完全な自動化はまだまだ先とみられています。人材が不足しているという現状もあり、当面の間はニーズがなくなることはないでしょう。

データサイエンティストの求人需要は今後も増大する

AIをはじめとする先進的なテクノロジーが実用的になってきたことで、今後はIT人材の需要が指数関数的に伸びると予測されています。AIの活用に欠かせないデータサイエンティストのニーズも、IT人材の需要に比例するように高まっていくと考えられます。データサイエンティストの求人数は、これから増大していくでしょう。

統計学より機械学習が重視される

AIを用いた機械学習の成果がさまざまな製品に組み込まれ、爆発的な普及・進化を続けています。そのため、データサイエンティストにとっても、今後はAIを活用する機会が増えていくと考えられます。統計学が不要になるというわけではありませんが、機械学習がこれまで以上に重視されるようになっていくことは間違いないでしょう。

WriterAI drops編集部
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