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ITエンジニアがフリーランスになるには?案件獲得方法を解説

ITエンジニアがフリーランスになるには?案件獲得方法を解説

「自分のスタイルで働きたい」「働く場所や時間に囚われたくない」と考えたことはありませんか。

ITエンジニアは需要が高く、フリーランスという働き方と非常に相性が良い職種です。そのため、フリーランスで働くことも十分可能です。

今回はITエンジニアがフリーランスになるための方法を解説します。働き方や収入事情、独立するまでのステップ、案件獲得方法までご紹介しているため、フリーランスの一歩を踏み出す際にお役立てください。

目次

ITエンジニアがフリーランスとして仕事をすることはできる?

結論からお伝えすると、ITエンジニアがフリーランスになり、仕事をすることは十分可能です。なぜなら、専門性の高いスキルを保有するITエンジニアは需要が高く、どの企業も即戦力を求めているためです。

過去に内閣官房日本経済再生総合事務局が調査した『フリーランス実態調査結果』によると、フリーランスという働き方を選択した理由について、半数以上の方が「自分の仕事のスタイルで働きたいため」「働く時間や場所を自由とするため」と回答しています。

リモートワーク案件も増えたため、自身の裁量で仕事を進めたいと考えるエンジニアにとって、フリーランスは理想的な選択肢となってきています。

フリーランスITエンジニアの働き方や収入事情

フリーランスITエンジニアとして独立を検討する上で、働き方の自由度や収入事情は気になることでしょう。ここでは、働く場所や労働時間、そして案件単価や年収相場について解説します。

働く場所・労働時間

フリーランスITエンジニアの働く場所と労働時間は、会社員と比較すると柔軟性に富んでいます。

クライアントのオフィスに常駐する案件も多いですが、近年はフルリモートや在宅勤務が可能な案件も増えています。つまり、自宅をはじめ、コワーキングスペースなど好きな場所で働くことが可能です。

労働時間についても、納品期限さえ守れば問題ない案件もあります。そのため、朝型であれば早朝に集中して作業をするなど、ライフスタイルに合わせて働くことができます。

(※プロジェクトの状況によってはクライアントの定例会議に参加するなど、時間に制約がある場合もあるため、案件選びの際には確認しておくことをおすすめします。)

案件単価や年収相場

フリーランスITエンジニアの案件単価や年収相場は、職種、使用する技術(言語)で大きく異なります。フリーランスエージェントの案件単価は40~90万円/月で年収相場は480~1080万円となる見込みです。

近年では機械学習やAI、Webアプリ開発の需要が高く高単価の案件が見込めます。技術の希少性が高まるほど得られる報酬も高くなる傾向にあります。 フリーランス市場では即戦力が求められるため、経験を積み重ねた30代~40代のエンジニアが人気です。

フリーランスITエンジニアの強みやメリット

フリーランスITエンジニアという働き方には、会社員にはない大きな魅力があります。ここでは、フリーランスITエンジニアの強みやメリットについて解説します。

好みの案件を選べる

フリーランスITエンジニアのメリットは、案件を自由に選択できることです。

会社員は基本的に割り当てられた業務をこなしますが、フリーランスは「興味」「習得したいスキル」などキャリアプランに沿った案件を主体的に選べます。つまり、専門性を効率的に高めることが可能です。

また仕事相手を選べるため、組織の文化、人間関係に縛られることもありません。そのため、パフォーマンスを発揮しやすい快適な環境で働けます。

収入アップが期待できる

フリーランスITエンジニアは実力と成果が収入に反映されるため、収入アップを目指しやすいこともメリットです。

会社員時代は、給与テーブルや年功序列で給与が決まることが一般的ですが、フリーランスになればスキルや経験、実績に応じて報酬額が決まります。勤務先から報酬を中抜きされることもありません。特に市場価値が高く、高いスキルを持つエンジニアであれば、会社員時代よりも年収が高くなる傾向にあります。

フリーランス協会の『フリーランス白書2024』によると、フリーランスで年収が1,000万円以上と回答した人が9.7%のため、努力次第で1,000万円以上も視野に入れられます。

参考:フリーランス協会

働く場所や時間に囚われない

フリーランスITエンジニアになることで、働く場所や時間に囚われない自分の理想の働き方を実現できるようになることもメリットです。

会社員は、勤務時間や場所、仕事の進め方などルールに従う必要がありますが、フリーランスになれば制約から解放されます。例えば、早朝に仕事をこなし、午後は自分の趣味や家族との時間に充てるといった過ごし方も可能です。

また、働く場所についても自宅をはじめ、カフェやコワーキングスペースなど好きな場所で働くことができます。このように、働く場所や時間をコントロールできるため、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できます。

フリーランスITエンジニアの悩みやデメリット

フリーランスITエンジニアという働き方はメリットがある一方で、会社員時代にはなかったデメリットも存在します。

収入が不安定になることも

フリーランスITエンジニアとして独立すると、収入が不安定になる可能性があります。

会社員と異なり、フリーランスは営業活動をして案件を獲得していかなければなりません。また案件を受注できたとしても、クライアントの求める成果を出せなかったり、スキルが不足していたりすれば、契約を更新してもらえません。さらに、案件と案件の間(待機期間)で収入が途絶えることもあります。つまり、フリーランスエンジニアとして独立すると、収入は不安定になりがちです。

体調やスケジュールの管理を徹底する

フリーランスITエンジニアになると、心身のバランスを崩しやすいといった悩みを抱えがちです。

会社員は上司やチームメンバーがサポートしてくれますが、フリーランスは全ての業務を一人で行わなければなりません。個人作業で完結することが多く、孤独を感じやすくなります。

また、働く時間や場所が自由な反面、厳密に管理しないと働き過ぎてしまうという事態を招きがちです。過労で体調を崩してしまえば、理想の働き方や収入アップを叶えられたとしても、意味がなくなってしまいます。

事務作業を自分で行う

フリーランスITエンジニアになると、事務作業が発生することもデメリットです。

会社員であれば、営業活動、契約書の作成・締結、請求書の送付、確定申告は別部署が担当してくれます。しかし、フリーランスは全ての業務を一人でこなさなければなりません。

これらの事務作業は、時間と労力を要するため、本来集中したい開発業務の時間やスキルアップの時間が削れてしまいます。事務作業の負担を軽減するためには、会計ソフトの導入や専門家への依頼などの工夫が必要となります。

未経験からフリーランスのITエンジニアになるまでのステップ

未経験からフリーランスITエンジニアを目指すのは簡単な道のりではありませんが、適切な手順を踏めば実現可能です。ここでは、未経験からフリーランスのITエンジニアになるまでのステップをご紹介します。

ステップ1:IT企業やプログラミングスクールでスキルを身につける

未経験からフリーランスのITエンジニアになりたい場合は、最初にスキルを身につけましょう。なぜなら、フリーランス案件は即戦力を求めており、未経験者の育成環境が用意されていないためです。

また、フリーランス案件を獲得するためには、クライアントが求めるレベルのスキルを保有していることが必須となります。そのため、スキルを学ぶためにプログラミングスクールに通うか、またはIT企業に就職して実務経験を積むのが一般的なルートとなります。

ステップ2:ITエンジニアとしての実務経験を積む

次にITエンジニアとしての実務経験を積みましょう。なぜなら、多くの企業が即戦力を求めており、「実務経験3年以上」といった応募条件を設けているためです。

実際の開発現場で求められるチームでの協業、納期の管理、予期せぬトラブルへの対応力といったスキルは現場で働かないと身につきません。そのため、単にコードを書くだけでなく、要件定義からテスト、リリースまでの開発プロセス全体の経験を積んでおくことをおすすめします。

ステップ3:副業しながらフリーランスへの独立を目指す

実務経験を積んだら、副業しながらフリーランスへの独立を目指しましょう。なぜなら、いきなり独立すると収入が途絶えたり、事務作業の負担に疲弊したりするためです。

本業で安定した収入を確保しながら副業することでフリーランスとしての働き方が合っているかを試すことができます。 安定的に副業案件を獲得し、本業の収入を超えられる見込みが立った際に独立することで、リスクを最小限に抑えられます。

ステップ4:ポートフォリオを準備してフリーランス案件に応募する

独立の準備が整ったら、ポートフォリオを準備してフリーランス案件に応募していきましょう。

ポートフォリオはクライアントが保有するスキルと実績を判断するためのものです。クライアントは過去にどのような成果物を作り、どのような課題を解決してきたかといった情報に基づいて、誰を採用するかを決めます。
そのため、ポートフォリオを作成しておくことが大切です。ポートフォリオに「成果物」「技術」「担当範囲」「目的と結果」を記載しておきましょう。

フリーランスITエンジニアの案件獲得方法

フリーランスとして独立した後、安定して収入を得るためには、案件を獲得する戦略が必要です。ここでは、フリーランスITエンジニアの案件獲得方法をご紹介します。

フリーランスエージェントサイトを利用する

フリーランスエージェントサイトを利用すれば、複数の案件を紹介してくれます。Webサイト上で公開されていない優良な非公開案件を保有しているため、大企業やスタートアップ企業などの高単価な案件に参画できる可能性が高まります。

また、エージェントがスキルや希望条件をヒアリングした上で最適な案件をマッチングしてくれるため、案件探しの手間が省けることがメリットです。企業との間の契約更新やトラブル時の交渉もサポートしてくれるため、強力なパートナーとなります。

SNSの求人に応募する

XやFacebookなどのSNSで企業の経営者や採用担当者とつながれば、案件を獲得しやすくなります。なぜなら、SNS上で企業がエージェントを介さずに「人を探している(求人情報)」という投稿がされているためです。こうした求人に応募することで、仲介手数料が発生しない直請け案件を獲得できます。

ただし、SNSで案件を探す際は違法業者も潜んでいるため、クライアントが信頼できるかを慎重に見極めるようにしましょう。また、ポートフォリオをプロフィールに掲載しておくことで、企業側からのスカウトを受けられることもあります。

企業サイトから直接営業する

企業サイトから直接営業することで、案件が獲得できる場合があります。受注できれば、フリーランスエージェントやクラウドソーシングを利用する際の仲介手数料が発生しないことが魅力です。

技術力があり、企業の課題解決に役立つと確信できる場合はアピールしてみましょう。営業活動や条件交渉は全て自分で行う必要がありますが、直取引につながりやすいです。手間はかかりますが、中長期の取引を希望したい方におすすめの手法です。

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BIGDATA NAVI

ITエンジニア向けの案件紹介サービスとして、BIGDATA NAVI(ビッグデータナビ)があります。ビッグデータ関連の求人サイトでは業界最大級の案件数を誇り、機械学習・AIなどの先端案件が豊富であることが魅力です。

ITエンジニアやプログラマー、データサイエンティスト、コンサルタント・PM・PMOといったIT系人材は一度登録して案件紹介を受けてみるとよいでしょう。

ITエンジニアのフリーランス案件例

実際にどのようなITエンジニアの案件があるのか、気になる人もいるでしょう。ここからは、フリーランスの案件例をいくつかご紹介していきます。

システムエンジニアの案件例|社内システムの開発や運用、保守

内容
職種 システムエンジニア
単価目安 ~¥500,000/ 月
業務内容 AISaaSサービスを展開されている企業様にて社内システムの開発や運用、保守
必須スキル ・社内SEや情シス、コーポレートエンジニアとしての経験
・ISMSの運用の経験
・Webサービス、業務システムの開発による何かしらの業務効率化の経験
・業務システムの設計、構築、運用の経験

インフラエンジニアの案件例|広告代理店向けインフラ環境の刷新・運用

内容
職種 インフラエンジニア
単価目安 ~¥450,000/ 月
業務内容 サーバの構築・設定、AWSマネジメントコンソールでの各種設定
必須スキル ・Windowsサーバ設計、構築、運用
・Linuxサーバ設計、構築、運用
・AWS・Azureなどのクラウドサービスに関する理解
・各種公式ドキュメントの読解

ネットワークエンジニアの案件例|ネットワーク回線設計構築運用

内容
職種 ネットワークエンジニア
単価目安 ~¥600,000/ 月
業務内容 ・Cisco全般設計構築
・お客様と折衝、営業連携
・新規サービス導入の要件整理
必須スキル ・Cisco全般NW設計構築知識
・ISDN回線、光回線など詳しい方
・お客様のニーズをくみ取りながら、提案する能力
・NTT系の回線(申し込み、解約、問い合わせなどの対応)
・NW設計から構築、試験の知識経験者
・Cisco全般知識

セキュリティエンジニアの案件例|仮想通貨取引所のセキュリティ刷新

内容
職種 セキュリティエンジニア
単価目安 ~¥850,000/ 月
業務内容 AWS上でのインフラ再設計・構築、ログ集積/解析環境の整備、SIEM運用を通じてセキュリティ体制を刷新
必須スキル ・AWS基盤構築経験
・ログ集積・解析環境の設計/運用経験
SIEM(例:Splunk、Wazuh など)の導入・運用経験

フリーランスITエンジニアが年収アップするためのポイント

案件獲得方法と併せて年収アップするためのポイントも理解しておきましょう。フリーランスITエンジニアが年収アップするためのポイントは3つあります。

クライアントと良い信頼関係を作る

年収アップを目指す上で、クライアントと信頼関係を築き、「また依頼したい」と思われる人材になることが大切です。信頼されることで、継続案件が獲得しやすくなったり、条件交渉がしやすくなったりします。そのため、以下のようなことを心がけましょう。

<信頼関係を作るためのポイント>

  • クライアントについて理解を深める
  • クライアントからの連絡には速やかに返信する
  • 業務上で問題が発生したら相談する
  • 納期や期限を厳守する
  • 品質の高い成果物を納品する
  • 必要に応じて現場の課題に対して解決策の提案を行う

需要の高いスキルを習得する

年収アップの近道は、需要の高いスキルを習得することです。IT技術は日進月歩で進化しているため、フリーランスITエンジニアは技術を勉強し続けていく必要があります。

広く浅く学ぶのではなく、企業からの引き合いが多い需要が高い技術を習得することがポイントです。例えば、クラウド技術やAI/データ分析、特定のプログラミング言語(Python, Goなど)といった、市場価値が高い分野のスキルを磨き続ければ年収アップしやすくなります。

営業力・交渉力・提案力を磨く

フリーランスが年収を上げるために、技術力だけでなく「営業力」「交渉力」「提案力」を磨きましょう。

より良い条件でフリーランス案件を受注するためには、自分の持つ価値を正しく伝え、適切な報酬を引き出すための営業力や交渉力が欠かせません。

また、品質の高いシステムを構築するための提案力も必要です。クライアントに対して、「何が」「いつ」「なぜ」「必要なのか」を説明できれば、相手は安心して仕事を依頼しやすくなります。 これらのビジネススキルが、高単価な案件の継続的な獲得に欠かせないため、磨いておきましょう。

案件を厳選して受注する

年収アップを目指したい場合は、単に案件をこなすのではなく、厳選して受注するようにしましょう。案件選びでは自分自身の市場価値を高められそうな案件を受注することが大切です。

キャリアアップを狙うなら、開発やテストといった下流工程よりも、要件定義や設計といった上流工程の案件を探すのがおすすめです。また現場をマネジメントできる人材が不足しているため、プロジェクトマネージャーやテックリードの経験を積むのも良いでしょう。このような案件を選び経験を積んでおくと好条件の案件が見つかりやすくなります。

まとめ

ITエンジニアは、専門スキルを活かしてフリーランスとして活躍でき、理想的な働き方と高収入を実現できる可能性を秘めています。しかし、案件獲得の難しさや、収入が不安定になるリスクといった課題もあります。

安定して高単価案件を獲得し、年収アップを確実に実現したいなら、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。一般には公開されない優良な非公開案件を多数保有しており、あなたのスキルに最適な案件を紹介してくれるため、ぜひ相談してみてください。

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