組み込みエンジニアの副業は稼げる?週2日・土日稼働案件を獲得する方法

組み込みエンジニアとして働く中で、「空いた時間を活かして副業に挑戦したい」「スキルを活かして収入を増やしたい」と考える方は少なくありません。
近年ではIoT機器の普及やロボット開発の加速により、組み込み技術へのニーズは高まり、副業市場でもその専門性が注目を集めています。
本記事では、組み込みエンジニアの副業市場の実態をはじめ、案件単価や仕事内容、案件獲得の方法、メリット・デメリット、必要なスキル、収入を増やすコツまで幅広く解説します。
実際の案件例も紹介していますので、副業を検討している組み込みエンジニアの方はぜひ参考にしてください。
目次
組み込みエンジニアの副業は稼げる?

結論からお伝えすると、組み込みエンジニアの副業は「十分に稼げる」仕事のひとつです。
組み込み技術は、IoT機器や産業用ロボット、自動車、医療機器、家電製品など、私たちの生活や産業のあらゆる領域で不可欠な存在です。
そのため、専門的なスキルを持つエンジニアの需要は高く、限られた稼働日数でも高い報酬を得られる案件が数多く存在しています。
副業案件の多くは、週2日稼働や土日・夜間対応可といった柔軟な働き方に対応しており、本業と並行しながらでも無理なく取り組める点も魅力です。
また、開発工程の一部分(たとえばテストやデバッグのみ、ドライバ実装のみなど)に特化した案件も多いため、専門領域を活かしながらピンポイントで関われるのも組み込み副業の特徴です。
案件の報酬相場としては、スキルと経験にもよりますが、週2〜3日の稼働で月20万円〜30万円程度を稼ぐことも可能です。高度な制御技術やRTOS、FPGA、Linuxカーネルなどの知見があれば、さらに高単価の案件も狙えるでしょう。
クラウドソーシングやエージェントを通じて案件を探せば、在宅やリモートで対応できる仕事もあり、地方在住のエンジニアでもチャンスを掴めます。
副業を通じて得た収入を自己投資や将来の準備に活用できるため、金銭的にも精神的にも余裕を持った働き方を実現できるのが、組み込み副業の魅力といえます。
組み込みエンジニア副業の単価相場

組み込みエンジニアの副業案件は、その専門性の高さから比較的高単価な傾向にあります。案件の種類や稼働時間、担当する開発フェーズ、保有スキルによって報酬は変動しますが、一般的な単価の目安を以下に示します。
・初級レベル(経験1〜2年未満)
時給:2,000円〜3,000円
月収目安:5万円〜15万円(週1〜2日稼働)
・中級レベル(経験3〜5年程度)
時給:3,500円〜5,000円
月収目安:15万円〜30万円(週2〜3日稼働)
・上級レベル(経験5年以上、制御系やRTOSに強みあり)
時給:5,000円〜8,000円以上
月収目安:30万円〜50万円以上(週3日以上)
たとえば、RTOSを使った制御ソフト開発や、Linuxカーネル周辺のドライバ開発、画像認識処理などを扱う案件では、より高い単価が設定される傾向があります。
特定メーカーの開発ボード(Raspberry Pi、Jetson、Renesas、STM32など)に関する実務経験があると、マッチング率や単価アップに直結することもあります。
副業案件は、月額固定報酬制のものも多く、契約単位で報酬が決まっているケースも少なくありません。
とくにエージェント経由で紹介される案件では、スキルレベルに応じて柔軟に報酬が設定されるため、適切に自己PRすることで想定以上の報酬を得られることもあります。
クラウドソーシングで見つかる案件の中には、単価が低めに設定されているものもあるため、単価だけで判断せず、業務内容・期間・稼働量・報酬形態を総合的に確認することが大切です。
自分のスキルに対して適正な価格で契約できるよう、複数の案件を比較・検討してから応募するのがおすすめです。
組み込みエンジニア副業の主な仕事内容

組み込みエンジニアの副業では、開発工程の一部に特化した業務を任されることが多く、スキルや経験に応じてさまざまなフェーズで活躍できます。
以下に代表的な5つの工程と副業としての関わり方を簡潔にご紹介します。
製品の企画
副業でも、IoT機器やスマートデバイスなどの新製品開発において、仕様検討や要件定義といった初期フェーズから関与することがあります。
技術的な助言や実現可能性の検証など、実務経験を活かした支援が求められます。
システムの設計
設計フェーズでは、通信仕様や制御ロジックの設計、周辺デバイスとのインタフェース整理などが業務対象です。
副業では短期的な改修や部分的な再設計の依頼が多く、C/C++やRTOSの設計経験があると重宝されます。
システムの実装
CやC++によるドライバ開発や周辺機器制御、Linuxベースの実装など、開発実務に直接関わる案件が多く見られます。
JetsonやRaspberry Piなどの開発ボード経験があると、リモートでも対応できる柔軟な案件に参画しやすくなります。
テスト・デバッグ
テスト工程では、単体・結合テスト、バグ修正、ログ確認などが中心です。
限られた時間で不具合を見つけて修正できるスキルが求められ、デバッグツールやテスト環境の使用経験があると評価されやすくなります。
運用・保守
製品リリース後の不具合対応やファームウェア更新、セキュリティパッチ適用なども副業の対象です。
仕様の再確認やログ分析などを通じて、安定稼働を支える業務に継続的に関わることができます。
組み込みエンジニアの副業案件例

組み込みエンジニアの副業では、画像認識AIの組み込みや遊技機の制御、航空機関連の制御システムなど、非常に専門性の高い案件が多数存在します。
以下では、BIGDATA NAVIに掲載されている実際の副業案件をもとに、仕事内容・必要スキル・稼働条件などを比較できる表形式で紹介します。
NVIDIA製品(Jetson)に対して画像認識AIの組み込み
内容 | |
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職種 | エンジニア |
単価目安 | 〜¥250,000 /月 |
業務内容 |
・今回のエンド様が大手メーカー企業となっており、NVIDIA製品(Jetson)に対して画像認識AIの組み込みを行っていただきます。 ・具体的には、NVIDIA製品(Jetson)に対して、YOLOv8を使った画像認識Pythonプログラムの組み込みを行い、プログラムの最適化・高速化をしていただきます。 ・また、エンドの社員様(3~5名)に対して手順やノウハウのスキルトランスファーもご担当していただきます。 ■主な開発環境・ツール ・使用言語:Python、Java、JavaScript(React) ・インフラ:AWS(QuickSight) |
必須スキル |
・NVIDIA製品(Jetson)に携わったご経験 ・機械学習(YOLO)を用いた開発のご経験 ・Pythonを利用されたご経験 |
遊技機の組み込んだ演出のバグ対応
内容 | |
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職種 | エンジニア |
単価目安 | 〜¥570,000 /月 |
業務内容 |
遊技機組み込みエンジニアとして、下記業務をご担当いただきます ・組み込んだ演出のバグ対応 ※C言語でプログラムは組んでいますが、専用のツールを使用する可能性有 ・その他付随業務 |
必須スキル |
・C言語での開発経験1年以上 ・遊技機開発経験またはゲーム開発 |
飛行制御システムの開発と技術選定
内容 | |
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職種 | エンジニア |
単価目安 | 〜¥700,000 /月 |
業務内容 |
ドローン自立飛行システムの開発において、飛行制御に関する ミドルウェア/ソフトウェアの開発と技術選定をご担当いただきます。 技術的な領域が中心となりますが、場合によってはマネジメント領域をご担当いただく場合がございます。 ◆主な開発環境・ツール ・C、C++、C#、Python ・Windows ・Linux Ubuntu ・ROS ・ArduPilot ・OpenCV ・GitHub ・Slack |
必須スキル |
・C言語及びC++を用いた組み込み開発のご経験5年以上 ・リアルタイム物体制御に関する実務経験 |
これらの案件に共通するのは、「高度な専門知識を求められる分野」でありながらも、「副業・週2日から参画可能」「高単価」という魅力を備えている点です。フルリモートに対応している案件もあり、本業と両立しながら収入を増やすことが可能です。
また、いずれの案件も技術要素が明確で、事前に自分のスキルセットとマッチするかどうか判断しやすいため、応募のハードルが比較的低い点もポイントです。
組み込みエンジニアの副業を始めるメリット

組み込みエンジニアにとって副業は、収入を増やすだけでなく、キャリアの幅を広げる絶好の機会です。ここでは代表的な3つのメリットを簡潔にご紹介します。
入アップに繋がる
組み込み副業は高単価な案件が多く、週2〜3日でも月15万円以上を得られることがあります。
とくに、RTOSやLinux制御、AI系の開発経験がある場合は、さらに高い報酬が見込めます。得た収入は生活の補助だけでなく、技術書や機材への再投資にも活用できます。
フリーランスとして独立の足掛かりとなる
副業を通じて案件対応やクライアントとのやり取りに慣れることで、将来の独立に向けた準備が整います。
実績やポートフォリオが増えることで信用力も高まり、独立後の案件獲得がスムーズになるケースも多く見られます。
エンジニアとしてのキャリアを積める
副業では、本業では経験できない技術領域や業種に触れることができます。
例えば、IoTや画像処理、量産前の試作開発などに関わることでスキルの幅が広がり、自身の市場価値も高まります。
組み込みエンジニアの副業を始めるデメリット

副業にはメリットが多い反面、注意すべき点もあります。
ここでは特に重要な2つのデメリットを紹介します。
本業との兼ね合いが難しい
副業と本業のスケジュールが重なると、どちらにも影響を及ぼすリスクがあります。
急な対応や納期プレッシャーが本業に支障をきたさないよう、事前に稼働時間や作業量を調整し、自分の限界を把握することが大切です。
休暇が取りづらい
副業により土日や夜間も作業が必要になると、心身の疲労が蓄積しやすくなります。
継続して副業を行うためには、あらかじめ「休む日」を明確にし、オーバーワークを避ける工夫が必要です。
組み込みエンジニアの副業に求められるスキル

組み込みエンジニアの副業案件は、専門性が高く即戦力を求められる傾向にあります。
そのため、特定のスキルを備えていないと案件の獲得や継続が難しくなることもあります。
一方で、ニーズに合ったスキルを持っていれば、高単価かつ継続的な仕事を得るチャンスが広がります。
ここでは、組み込みエンジニアとして副業を行う際に特に求められる代表的なスキルを6つご紹介します。
プログラミング言語のスキル
組み込み開発で主に使われる言語はC、C++、アセンブリですが、最近ではPythonやRustといった言語も特定用途で使われ始めています。
副業では「仕様書を見てコードをゼロから書ける力」や「既存コードを読み解いて修正できる力」が重要です。
C言語での低レベル制御や、C++によるクラスベースのモジュール構築経験があれば、幅広い案件に対応できます。
また、Pythonによる画像処理やデータ収集の自動化なども、AI組み込みやIoTデバイスの開発案件で重宝されます。
組み込みエンジニアリングの基礎知識
組み込み開発は、ソフトウェア単体ではなく「ハードウェアとの連携」が不可欠です。
そのため、リアルタイム性、メモリ制約、省電力、割り込み処理といった、組み込み特有の設計思想や制約を理解していることが前提となります。
副業では、短期間で成果を出すことが求められるため、仕様に沿った動作を設計・実装・検証できるだけの「応用力」が求められます。信号処理、通信制御、タイミング調整といった物理層の知識があると、即戦力として重宝されます。
マイクロコントローラやマイクロプロセッサに関する知識
多くの組み込み機器では、**マイコン(Microcontroller)やプロセッサ(SoC)**が中核を担っています。
副業案件でも、特定のチップに精通しているエンジニアは非常に需要が高く、たとえば以下のような実務知識が求められることがあります。
- STM32やRenesas RXシリーズなどのマイコン設定・制御
- ・GPIO、PWM、ADC、UART、SPI、I2Cなどのインタフェース制御
- ・データシートの読解力、レジスタ設定
経験のあるマイコンに特化した案件を狙えば、開発効率が上がり、報酬交渉にも有利になります。
組み込みOSの知識
近年の組み込み機器は複雑化しており、組み込み用OS(RTOS)や軽量Linuxディストリビューションが使われることも増えています。
たとえば、FreeRTOS、μITRON、VxWorks、Yocto Linux、Buildrootなどを使用した開発経験は非常に評価されます。
OSのタスク管理、スケジューリング、メモリ管理、割り込みハンドリング、マルチスレッド制御などの知識があると、設計から保守まで幅広く関与できるようになります。RTOS上での実装や、Linux上でのドライバ開発経験は特に歓迎されるスキルです。
ソフトウェアやハードウェアの知識
組み込み副業では、ソフトウェアだけでなくハードウェアにも理解があるエンジニアが重宝されます。
たとえば以下のようなスキルがあると、より高度な案件に対応できます。
- ・回路図の読み取り・簡単な修正
- ・デバッグツール(JTAG、ロジアナ、オシロスコープ)の使用
- ・センサー、モーター、ディスプレイなど周辺機器の制御
ハードウェアの仕様に即したコード設計ができることで、開発の信頼性が向上し、継続案件につながりやすくなります。
コミュニケーションスキル
副業では、限られた時間内で業務を進める必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。
たとえば以下のような対応力が重視されます。
- 仕様の曖昧な点を確認できる質問力
- ・進捗状況をわかりやすく報告する能力
- ・トラブル発生時に冷静に状況を共有する姿勢
特にリモート案件では、チャットやビデオ会議、ドキュメントベースでのやり取りが中心となるため、端的に状況を伝えるスキルは必須です。技術力だけでなく、信頼される対応ができるエンジニアが、リピート契約を勝ち取っています。
組み込みエンジニアの副業案件を獲得する方法

組み込みエンジニアとして副業を始める際に最初の壁となるのが「どうやって案件を見つけるか」という点です。
専門性が高い分野であるがゆえに、一般的な求人サイトや案件募集掲示板では自分に合った仕事を見つけづらいと感じることもあるかもしれません。
ここでは、組み込みエンジニアが副業案件を獲得するために効果的な3つの方法をご紹介します。それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることで、効率よく案件を見つけることができます。
副業エージェントサービスの利用
副業エージェントは、エンジニアのスキルや希望条件にマッチした案件を紹介してくれるサービスです。
とくにBIG DATA NAVIやHiPro Techなどは、組み込み系やハードウェア連携に特化した案件を取り扱っており、経験者にとって非常に心強い味方となります。
エージェントを活用するメリットは、以下の通りです。
- 自分で探す手間が減る
- 単価交渉を代行してくれる
- 案件参画後も稼働状況や契約をサポートしてくれる
- 非公開の高単価案件が多い
特に副業初心者にとっては、契約面のトラブルを避ける意味でもエージェントのサポートは安心材料になります。
「週2日稼働可」「リモート可」といった条件付きの案件も多いため、自分の働き方に合った案件を見つけやすいのも特徴です。
クラウドソーシングサービスの利用
クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどのクラウドソーシングサービスでは、小規模で短期の組み込み開発案件が見つかることもあります。
たとえば、「既存機器にI2C通信でセンサーを追加したい」「LED制御プログラムを修正してほしい」といった比較的軽量な案件が掲載されています。
この方法の利点は、以下のような点にあります。
- 登録や利用が無料で始められる
- 実績ゼロでも応募可能な案件がある
- 自分の好きなタイミングで提案できる
ただし、クラウドソーシングは競争が激しいため、スキルの見せ方や提案文の書き方が重要になります。
また、報酬が比較的安く設定されていることも多いため、継続的な収入を得るには工夫が必要です。
まずは経験値を積むステップとして活用し、実績ができたらより単価の高いエージェント案件へと移行するのも良い方法です。
知人からの紹介
意外と多いのが、前職の同僚や技術コミュニティでのつながりを通じて案件を紹介してもらうケースです。
開発現場では「信頼できる人に直接声をかける」という文化も根強く、紹介ベースの案件は交渉や条件面でも柔軟に進みやすい傾向があります。
たとえば、以下のようなネットワークからの紹介がよく見られます。
- 前職の上司が別企業で開発チームを立ち上げた
- 勉強会・ハッカソンで知り合った仲間が新規案件を抱えている
- 技術ブログやSNSで発信していたところ、問い合わせが来た
紹介での案件は、書類選考や形式的な面談を省略できる場合もあり、スピーディに案件に参画できるのが利点です。
ただし、金額や納期の取り決めを曖昧にせず、契約や稼働条件を明確にすることが、トラブル回避の鍵となります。
組み込みエンジニア案件の副業で収入を増やすコツ

せっかく副業を始めるのであれば、効率よく収入を伸ばしたいと考えるのは自然なことです。組み込みエンジニアの副業では、案件の選び方や交渉の仕方を工夫することで、同じ作業時間でも収入を大きく伸ばすことができます。
ここでは、組み込み副業で収入アップを目指すために実践すべき3つのコツをご紹介します。
単価が安い案件は控える
副業を始めたばかりの頃は、「まずは実績を作りたい」と考えて、低単価の案件に手を出してしまうことがあります。
しかし、労力に見合わない報酬の案件を続けていると、時間を浪費するばかりでモチベーションが低下しやすく、結果的に副業の継続が困難になります。
たとえば、1時間あたり2,000円以下の案件を請け続けていると、週2日稼働でも月10万円前後の収入にしかならず、報酬より疲労の方が大きくなりがちです。
こうした事態を避けるためには、自分のスキルや経験に見合った報酬が支払われる案件を選ぶことが重要です。
過去に似た業務を経験したことがある案件や、使用するデバイス・OSに慣れている案件であれば、少ない工数で高い成果を出せるため、結果的に高時給につながります。自分の得意分野に特化した案件を選ぶことが、高収入への第一歩です。
複数のエージェントに登録して自分のスキル感の相場を確認する
収入を伸ばすためには、現在の自分のスキルが「市場でどの程度の価値があるか」を正しく把握することが欠かせません。
そのためには、複数の副業エージェントに登録し、紹介される案件内容と報酬を比較することが有効です。
たとえば、同じようなスキルセット(C言語+FreeRTOS+UART制御)でも、あるエージェントでは月額40万円、別のエージェントでは60万円と、報酬に大きな差があることも珍しくありません。
複数の視点から提示される案件を見ることで、自分の市場価値に対する客観的な感覚が磨かれ、無理なく単価交渉を行えるようになります。
また、紹介される案件の種類を通じて、「どんな分野が今需要があるのか」「どんなスキルが求められているのか」という業界動向を把握することもでき、今後のキャリア形成にも役立ちます。
エージェントを利用する場合はマージン率の確認を忘れない
エージェントサービスを通じて案件を獲得する場合、必ず確認しておきたいのがマージン(手数料)率です。エージェントは、クライアントから支払われた報酬の一部をサービス運営費として差し引いており、その割合はエージェントによって異なります。
一見すると高単価に見える案件でも、マージンが40〜50%に達している場合、実際に手元に残る報酬は大幅に減ってしまうことになります。
たとえば、クライアントから月80万円支払われていても、マージン50%であれば実際の報酬は月40万円にしかなりません。
マージン率が明示されていない場合は、契約前に必ず確認するようにしましょう。
近年では、マージン10〜20%程度の透明性の高いエージェントも増えてきており、こうしたサービスを利用することで手取り額を増やすことができます。
組み込みエンジニアの副業におすすめのエージェント
副業を効率的に始めるためには、自分に合ったエージェントを活用することが非常に重要です。
特に組み込みエンジニアの場合、案件数が多く、技術要件が明確で、交渉や契約周りのサポートが手厚いエージェントを選ぶことで、ストレスなく副業を進めることができます。
ここでは、組み込み副業に強く、エンジニアからの信頼も高い4つのエージェントを紹介します。
BIGDATA NAVI

引用元:『BIGDATA NAVI』
BIGDATA NAVIは、AI・IoT・組み込み系に特化したエンジニア向けのエージェントサービスで、組み込みエンジニア案件も豊富に取り扱っています。
JetsonやRaspberry Piを用いたAI搭載機器の開発、マイコン制御、Linuxベースの機器開発など、先端分野の案件が多いのが特徴です。
また、週2日〜の低稼働案件やリモート対応案件も多数掲載されており、副業との相性が抜群です。登録後は専任の担当者がヒアリングを行い、希望にマッチした案件をスピーディに提案してくれます。
高単価かつ技術的なやりがいのある案件が多いため、専門性を活かしたいエンジニアに最適なプラットフォームです。
レバテックフリーランス

引用元:『レバテックフリーランス』
レバテックフリーランスは、IT系の独立エンジニア向けエージェントとして非常に知名度が高く、案件の網羅性・対応の丁寧さに定評があります。
Web系やアプリ系のイメージが強いですが、実は組み込みや制御系の案件も安定的に保有しており、特にメーカー系の案件に強みを持っています。
技術者専門のコーディネーターが在籍しているため、組み込み系特有のスキルや経験を正確に理解し、希望に沿った案件を提案してもらえるのが魅力です。
週3日〜常駐型案件が中心ですが、副業としての相談にも柔軟に対応してくれるため、まずは相談してみる価値があります。
ITプロパートナーズ

引用元:『ITプロパートナーズ』
ITプロパートナーズは「週2日から参画できる案件」に特化しているのが最大の特長です。
もともとWeb系・スタートアップ企業向けの印象が強いエージェントですが、近年ではIoT、ハードウェア連携、ロボット開発などの組み込み系案件も増加しています。
特に「平日は本業で忙しいが、週末に副業をしたい」「フルリモートで自分のペースで働きたい」というニーズに応えてくれる柔軟な案件が多く、ライフスタイル重視のエンジニアに人気があります。
将来的に独立や事業開発を考えている方にもマッチしやすく、自由度の高い働き方を模索する方におすすめです。
HiProTech

引用元:『HiProTech』
HiProTechは、パーソルキャリアが運営するハイクラス向けのフリーランスエージェントで、高単価かつ高度な専門性が求められる案件を多数取り扱っています。
組み込み分野では、車載機器、医療機器、産業用ロボットのファームウェア開発など、精度の高い開発経験が求められるプロジェクトが豊富です。
副業というよりは「プロフェッショナル人材による準常駐型支援」という色が強いですが、週2日〜から相談可能な案件もあり、スキルと経験に自信のあるエンジニアには非常にマッチします。
これまでのキャリアを活かして高単価案件に挑戦したいという方には、選択肢のひとつとしてぜひ検討してみてください。
組み込みエンジニアの副業を始める際の注意点

組み込みエンジニアとして副業を始める際には、あらかじめ確認しておくべきポイントがいくつか存在します。
これらを見落としてしまうと、本業に支障が出たり、法的・税務的なトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
副業を安心・安全に継続するためにも、以下の注意点をしっかり押さえておきましょう。
勤務先の就業規則を確認する
まず最初に確認すべきは、現在勤めている会社の就業規則に副業禁止や制限の条項があるかどうかです。近年は副業を認める企業も増えてきましたが、まだまだ「事前申請が必要」「競合企業との副業は禁止」といった制限を設けている企業も少なくありません。
副業を無断で行っていた場合、就業規則違反となり、懲戒処分などのリスクを負う可能性もあります。たとえ勤務時間外や休日に行う業務であっても、企業の名誉毀損や業務影響につながると判断されれば、思わぬ問題に発展することもあります。
そのため、副業を始める前に就業規則や就業契約書を確認し、必要に応じて人事・総務部門に相談しておくと安心です。申請が必要な場合は、業務内容・稼働時間・取引先などを明示して、トラブルのない副業スタートを心がけましょう。
本業とのバランスを考える
副業をするうえで最も大切なのは、本業に悪影響を及ぼさないことです。
特に組み込み系の副業は、設計や実装、テストといった工程で集中力が必要になることが多く、無理なスケジューリングをすると、心身の負担が大きくなります。
たとえば、平日夜に毎日作業を詰め込んでしまうと、睡眠不足になり本業のパフォーマンスが低下する可能性があります。
また、納期の迫った副業案件がある場合、本業中もそちらが気になってしまうという精神的な圧迫感が生まれることもあります。
そのため、週に何日・何時間まで副業に充てるかをあらかじめ明確にし、スケジュール管理を徹底することが大切です。必要に応じて、稼働時間の少ない案件を選んだり、土日中心の稼働に絞ったりするなど、自分の働き方に合った案件選定を心がけましょう。
確定申告を行う
副業によって年間20万円を超える所得が発生した場合、原則として確定申告が必要になります。申告を怠ると、後から延滞税や加算税が課される可能性があるため、早めの準備が重要です。
また、業務に使用したパソコン・開発ツール・技術書籍などの費用は「必要経費」として計上することができ、節税にもつながります。
帳簿をきちんと付けておけば、収支を明確に把握できるだけでなく、経理的な信用力も高まります。
副業を継続する予定がある方は、開業届の提出や青色申告の申請を行っておくと、控除を活用できるようになり、手取り収入がさらに増える可能性があります。
副業をビジネスとして成立させるためにも、税務処理を含めた「責任ある個人事業者」という意識を持って取り組むことが大切です。
組み込みエンジニアの副業についてよくある質問

組み込みエンジニアとして副業を始めるにあたって、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。実際に副業を検討されている方が抱えがちな不安や関心を解消できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
週1〜2日・土日・平日の夜などのみといった低稼働で参画できる副業案件はある?
あります。
近年は副業解禁や働き方の多様化が進み、週1〜2日や夜間、土日だけといった柔軟な稼働条件に対応した組み込み案件も増えてきています。
とくにエージェント経由の案件やPoC(概念実証)フェーズのプロジェクトでは、ピンポイントで特定のタスクを依頼したいというニーズも多く、短時間の稼働でも受け入れられることが珍しくありません。
「週2日稼働からOK」「在宅メイン」「成果物ベースで納品」など、条件が明示されている案件を選ぶことで、本業と無理なく両立することが可能です。
在宅・フルリモート可能な組み込みエンジニアの副業案件はどのように探す?
組み込み開発はハードウェアとの連携が前提となるため、出社必須の案件が多いと思われがちですが、開発環境をローカルに構築できるケースや、開発ボード一式を貸与して自宅で作業可能な案件も増えてきています。
在宅・リモート可能な案件を探す際は、以下のポイントに注目しましょう。
- エージェントの案件検索で「リモート可」「在宅OK」の条件を絞る
- JetsonやRaspberry Piなどのボード貸与案件をチェックする
- 開発の初期フェーズよりも、実装・テスト工程が中心の案件を選ぶ
特にBIG DATA NAVIなどでは、組み込み系でも在宅対応可能な案件が掲載されており、フルリモートで完結する業務も見つけやすくなっています。
組み込みエンジニア未経験で副業できる?
未経験者がいきなり高単価な組み込み副業案件を受注するのは難しいですが、準備次第では副業参入のハードルを下げることは十分可能です。
たとえば、以下のようなステップを踏むことで、実績がなくても案件獲得のチャンスは広がります。
- ArduinoやRaspberry Piを使って自作プロジェクトを開発し、ポートフォリオ化する
- C言語・RTOS・マイコン制御などを学び、GitHubにサンプルコードを公開する
- 経験者向けの案件ではなく、PoCやテスト支援などのサポート業務から入る
実務経験を問わない案件や、ドキュメント作成や検証作業などの補助業務からスタートすれば、ステップアップも可能です。まずは小さく始めて、徐々に実績を積み重ねていくことが成功の近道です。
組み込みエンジニアの副業からフリーランスとして独立するには?
副業からフリーランスへの移行は、リスクを抑えつつキャリアの幅を広げる合理的な選択です。
副業で得た案件対応の経験、ポートフォリオ、顧客との信頼関係が、独立時の強力な資産になります。
独立を見据えて副業に取り組む場合は、以下の点を意識しておくとよいでしょう。
- 1件でも長期継続案件を経験しておく(信頼性の証明になる)
- 契約内容や報酬交渉に慣れておく(ビジネススキルの習得)
- 複数のエージェントと関係を築いておく(案件供給源の確保)
副業を通じて「自分の市場価値」を客観視できるようになれば、独立後も安定的に仕事を獲得し、理想の働き方を実現しやすくなります。
まとめ
組み込みエンジニアの副業は、専門性の高さと需要の多さを背景に、非常に実現性の高い働き方です。
週2日や土日限定、在宅対応など、柔軟な稼働条件に対応した案件も豊富にあり、本業とのバランスをとりながら収入を増やすことができます。
また、副業は収入面だけでなく、最新技術へのキャッチアップやキャリアの幅を広げるチャンスでもあります。
将来的にフリーランスを視野に入れている方にとっても、実務経験を積みながらリスクを抑えてステップアップできる貴重な機会といえるでしょう。
副業を成功させるには、信頼できる案件紹介サービスの活用が欠かせません。組み込みエンジニア向けの副業案件が豊富な「BIGDATA NAVI」に登録しておけば、希望条件に合った高単価案件に出会える可能性が格段に高まります。
まずは無料登録から始めて、自分のスキルにマッチする案件をチェックしてみましょう。あなたの技術力が活かせるフィールドは、きっとすぐそこにあります。

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