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ABAPのフリーランス案件を獲得するには?案件単価や単価アップの方法を解説!

ABAPのフリーランス案件を獲得するには?案件単価や単価アップの方法を解説!

現在、ABAPエンジニアとして活躍中の方の中にはフリーランスへの転身を検討している方もいるのではないでしょうか。

本記事ではフリーランスABAPエンジニアの仕事内容や案件例や将来性などを解説していきます。

フリーランスのABAPエンジニアになることは可能?

結論からいいますと、フリーランスのABAPエンジニアになることは可能といえるでしょう。 ABAPエンジニアは不足傾向にあり、フリーランスとしてやっていけるだけの需要があるためです。

SAPを導入・改善をおこないたい企業・組織は多い一方で、導入や改善に必要なABAPエンジニアが不足傾向にあります。 需給のミスマッチがABAPエンジニアへのニーズの高騰に拍車をかけており、フリーランスとして成立する環境になっています。

フリーランスのABAPエンジニアの需要は高い

ABAPエンジニアがフリーランスとして成立するのは、ABAPエンジニアへの需要が高いためです。 今後もフリーランスとして働くためには、ABAPエンジニアへの需要が高い理由を見極める必要があります。

本章ではフリーランスのABAPエンジニアへの需要が高い理由を解説します。

ABAPエンジニア自体が少ない

ABAPエンジニアへの需要が高い理由を解説する前に、前提としてABAPエンジニア自体の数が少ない点は留意すべきポイントです。

ABAPエンジニア自体が少ない理由としては、SAP以外にテクニカルスキルが生かせないためです。

ABAPはSAP以外に使えないことから、学習のハードルが高くなり、ABAPエンジニアの習得者やなり手を減少させる要因となっています。

2027年問題に向けて需要が高まる

ABAPエンジニアへの需要が高まっている大きな要因は、2027年問題です。 2027年にSAPのメインストリームのサポートが終了するに伴い、SAP S/4 HANAへの移行が必要です。

一方で移行にはmABAPエンジニアを始めとしたSAPエンジニアが必要になります。 移行期限まで残り時間が少ないため、ABAPエンジニアへの需要は高まる状況にあります。

ABAPフリーランスエンジニアの案件内容

フリーランスの案件といえば、開発・コーディングのイメージがありますが、ABAPエンジニアの場合は開発以外にも設計や検証の案件があります。

本章ではABAPフリーランスエンジニアの案件内容を解説します。

設計フェーズの案件

設計フェーズの案件では、要件定義で決まった内容を基本設計書や詳細設計書に落とし込んでいきます。 作業の流れ自体は一般的なシステム開発と同様ですが、SAPの特徴を理解してなければ、適切な設計はできません。

たとえば、SAPはインメモリデータベースを採用することから、データ保持の方法が異なります。 設計書には、データ保存先やデータ保持形式を指定するケースもあることから、SAPの基本的な知識を押さえている必要があります。

開発フェーズの案件

開発フェーズの案件では、SAPのプログラム言語であるABAPを利用して、機能の新規開発や追加開発をおこないます。

開発する機能の主な種類は以下のとおりです。

  • レポートプログラム:SAP内のデータを収集・加工して、レポート形式にするプログラム
  • バッチインプットプログラム:大量データをSAPに登録するプログラム
  • Dynpro:ユーザーの操作に従って画面を表示する対話型プログラム

検証フェーズの案件

検証フェーズの案件では、作成済みのプログラムに対してテストを実施して、仕様や品質要求を満たしているのか確認をします。

既にテストケースが作られて実施するだけの案件もあれば、テストケースの作成から担当する案件もあります。 テスト内容によっては、テスト実施者がテストデータを用意することも必要です。

エンジニアとしての経験が浅い場合は、検証フェーズの案件から入ると実績を作りやすくなります。 設計・開発フェーズより案件の単価は安い可能性はありますが、フリーランスとして働くには実績が何より必要です。

「急がば回れ」の言葉があるとおり、検証フェーズで経験と実績を重ねることは無駄にはなりません。

ABAPフリーランスエンジニアに必要なスキル・経験>

ABAPフリーランスエンジニアになりたい方の中には、どのようなスキル・経験があれば、フリーランスとしてやっていけるか気になる方は多いでしょう。

本章ではABAPフリーランスエンジニアに必要なスキル・経験を解説します。

ABAPでのプログラミングスキル

ABAPエンジニアは文字どおり、ABAPを扱えるからこその名称です。 ABAPエンジニアと名乗るうえでは、プログラミングスキルは必須といえるでしょう。

求められるプログラミングスキルは一般的なプログラマーと共通していますが、エラーハンドリングの部分を考慮して作成できる経験は求められます。

SAPは業務で利用するため、基本的には滞りなく処理を進めなくてはなりません。 できるだけ処理を止めずにエラーを捌きつつ、ユーザーにアクションを促すような作りにする必要があります。

設計書を読み解く文章理解力

詳細設計やプログラミングをする上で、設計書を読み解く力は欠かせないスキルです。 設計書に記載された内容を曖昧なまま進めると、バグの要因となることから深く理解する能力は必要不可欠です。

設計や開発が企業内部だけでおこなわれている場合、設計書の記述が足りないことは少なくありません。 実装された機能やシステムと比較・補完しつつ、設計書を読み取るスキルが必要になるケースもあります。

SAP内における各モジュールの基礎知識

SAPの開発はモジュールを利用することで開発効率やコスト削減ができることから、モジュールへの理解は欠かせません。

理想論をいえば、すべてのモジュールへ理解があることですが、モジュールの種類は財務会計や管理会計、販売など種類が多く、現実的ではないといえるでしょう。

またモジュール自身の構造も複雑になっていることから、一つのモジュールでも理解は簡単ではありません。

現実的な路線を考えると、モジュールへの大まかな理解を進めて、必要に応じて深いレベルで学ぶとよいでしょう。 適切なコストと開発効率を実現するためにも、モジュールへの基本的な理解は必要です。

ABAPフリーランス案件の単価・年収相場

「BIG DATANAVI」「ITプロパートナーズ」で、ABAPが使える案件の検索をかけると案件単価の相場は50〜120万円前後になっています。

50〜120万円の案件単価で1年間稼働し続けると、ABAPエンジニアの年収は600~1,440万円前後になります。 ABAPエンジニアでは、高年収の証ともいえる1,000万円プレーヤーも夢ではありません。

また日本人の平均年収が460万円であることを考慮すると、ABAPエンジニアの年収は高額な年収といえます。
※案件単価の相場は2025年3月上旬時点の調査結果です。

参考:『BIGDATA NAVI』

参考:『ITプロパートナーズ』

フリーランスの案件例

実際にどのようなABAPエンジニアのフリーランス案件があるのか、気になる人もいるでしょう。ここからは、フリーランスの案件例をいくつかご紹介していきます。

案件例|ABAP設計、実装、単体テスト計画書作成

内容
職種 開発エンジニア
単価目安 ~¥450,000/ 月
業務内容 ABAP設計及び開発作業詳細設計、実装、単体テスト計画書作成、実施、 結合テスト計画書作成、実施、各種レビュー
必須スキル ・詳細設計から自立して対応できる方

案件例|ABAPプログラム機能改修検討

内容
職種 開発エンジニア
単価目安 ~¥450,000/ 月
業務内容 運用中のABAPプログラム機能改修検討
SD⇒FI⇒I/F⇒請求書発行システムに置換作業
必須スキル ・SDモジュールの知見をお持ちであること
・ABAP設計開発に関する設計開発のご経験をお持ちであること

高単価のABAPフリーランス求人案件を獲得するには

フリーランスとして働くのであれば、できるだけ高単価の案件で働きたいと考えるでしょう。

一方でフリーランスとして働く方の多くが同じことを考えるため、高単価の案件を確保することは簡単ではありません。 本章では高単価のABAPフリーランス案件を獲得する方法を解説します。

ABAP以外のプログラミング言語の習得

スキルの豊富さやスキルレベルの高さがエンジニアの単価の高低につながっています。 ABAP以外にも、複数のプログラミング言語が扱えると、スキルの幅に応じて単価が高くなる傾向にあります。

またABAP以外のプログラミング言語を扱えることが、応募条件となっている案件も少なくありません。 実際の案件では、ABAP以外に以下のプログラミング言語ができることで募集されています。

  • SQL
  • JavaScript
  • Python
  • Java

SAPやABAP案件に強いエージェントを選ぶ

同じ案件を扱っているにも関わらず、利用するエージェントによって単価が異なるケースは存在します。

高単価の案件に参画したい場合は、SAPやABAP案件に強いエージェントを選ぶとよいでしょう。 SAPやABAPに強いエージェントは、過去の実績からクライアントから有利な条件を引き出せるため、他のエージェントより良い条件の提示が可能となっています。

初めて取引するエージェントの場合、利用者側からはエージェントの得意分野はわかりづらくなっています。 最初はエージェントを一社だけに頼るのではなく、複数社とコンタクトをとって比べるとよいでしょう。 利用したエージェントがSAPやABAP案件に強いとわかれば、頼る割合を増やしていっても問題ありません。

SAP認定資格の取得

ABAPエンジニアとして働くために、SAPの認定資格は必要ありません。 一方でABAPエンジニアはERP製品を扱う立場上、信頼感で案件獲得や単価が決まるケースは少なくありません。

認定資格を取得しているとスキル・知識の証明となるため、高単価が提示されやすくなります。 ABAPエンジニアとしての実績も重要ですが、SAP認定資格があるとエージェントは企業と単価交渉がしやすくなります。

ABAPエンジニアが高単価で、案件を獲得するためにおすすめの資格は以下のとおりです。 自身のスキルや知識、目指す方向性にあわせて資格を取得していきましょう。

  • アプリケーションコンサルタント:SAP導入の提案・支援をおこなうコンサルタント向けの資格
  • デベロップメントコンサルタント:SAPの設計・開発をおこなう開発者向けの資格
  • テクノロジーコンサルタント:SAPの設計・構築をおこなうエンジニア向けの資格

SAPコンサルタントにシフトする

ABAPエンジニアの単価は決して低くはありませんが、SAPコンサルタントにシフトすれば、より高い単価で案件に参画ができます。

SAPコンサルタントの業務は、SAPの導入前の課題抽出や導入支援、導入に伴うカスタマイズ開発のリーディングなどが主な業務となります。

SAPコンサルタントにシフトするには、ABAPエンジニアとして培ったスキル・経験に加えて、以下のスキル・知識が必要です。

  • クライアントのビジネス・経営への分析スキル
  • 提案力
  • プロジェクトマネジメントスキル

ABAPのフリーランス案件の獲得におすすめのエージェント

フリーランス案件を扱うエージェントは数多くいることから、どの案件を選べばよいのかわからない方は多いでしょう、 本章ではABAPのフリーランス案件を獲得する際に、おすすめのエージェントを解説します。

レバテックフリーランス

レバテックフリーランス

引用元:『レバテックフリーランス』

レバテックフリーランスは、IT専門のエージェントサービスです。

IT系の案件が数多く集まっており、豊富な選択肢があることが魅力です。 レバテックフリーランスでABAPエンジニアとして稼働できる案件を検索すると、以下の案件が該当します。

  • 【SAP/コンサル】機械器具製造業向けS/4HANA新規導入の求人・案件:1,200,000円/月(週に5日)
  • 【SAP】自動車メーカー向け外国送金対応支援の求人・案件:950,000/月(週に4日)

とにかく数多くの案件から、自分に合う案件を探したい方におすすめです。

ITプロパートナーズ

ITプロパートナーズ

引用元:『ITプロパートナーズ』

ITプロパートナーズは、エンジニアやマーケター、デザイナーなど幅広い職種に対応しているエージェントサービスです。 週2・3日の副業案件を数多く扱っているため、バランスよく働きたい方におすすめです。

ITプロパートナーズでABAPエンジニアとして稼働できる案件を検索すると、以下の案件が該当します。

  • SAP S/4HANA 新規導入プロジェクト案件!:600,000円/月(週に5日)

単価や稼働日数もさまざまな条件の案件があるため、ITプロパートナーズを一度は訪れて損はありません。

BIG DATANAVI

BIGDATA NAVI

引用元:『BIGDATA NAVI』

BIG DATANAVIは、AI・データ分析の案件を数多く取り扱うエージェントサービスです。 AI・データ分析系をメインに据えていますが、他のエンジニア案件も数多く扱っており、ABAPエンジニアの案件も取り扱っています。

BIG DATANAVIでABAPエンジニアとして稼働できる案件を検索すると、以下の案件が該当します。

  • 【開発エンジニア】石油販売業様請求書発行システムアドオン再開発/検討の求人・案件:500,000 /月(週に5日)
  • 【運用・保守】不動産基幹システム運用保守支援業務の求人・案件:1,250,000 /月(週に5日)

同じABAPエンジニアの案件でも多種多様な案件を扱っていますので、気になる方はBIG DATANAVIを訪れてみてはいかがでしょうか。

ABAPスキルを備えたフリーランスSAPエンジニアの将来性

ABAPスキルを備えたフリーランスSAPエンジニアの将来性ですが、直近の未来でいえば、安泰といえるでしょう。 2027年問題が控えていることから、2027年まではSAPエンジニアの需要が高い状態にあるためです。

一方で、問題が解消される2027年以降は需要の減少が予想されます。

SAP案件が全てなくなるわけではありませんが、案件の減少から獲得競争の厳しさを増すでしょう。 ABAPスキルを備えたフリーランスSAPエンジニアとしての今後は、直近の案件獲得をおこないつつ、別のスキルセットを身につけるなど、対策が必要です。

まとめ

今回はABAPのフリーランス案件を獲得する方法や案件単価、単価アップの方法を解説しました。 今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。

  • 2027年問題があることからABAPエンジニアの需要は高まっている
  • ABAP以外のスキルを身につけるとキャリアの拡張性が上がる
  • フリーランスとしては活動を続けるにはSAP・ABAPに強いエージェントを利用する

ABAPのスキルを身につけているエンジニアは数が少なく、貴重な存在です。 SAP・ABAPに強いエージェントを利用すれば、フリーランスとして活躍していくことは十分に可能といえるでしょう。

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