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フィールドエンジニアとは?きついって本当?仕事内容、適性、キャリアパスも紹介

仕事や日々の生活の中で、ITシステムや電子製品が欠かせない存在になってきました。こうしたITシステムや電子製品の導入支援や保守点検を行うのが「フィールドエンジニア」です。今回は、このフィールドエンジニアについて、その仕事内容ややりがい、厳しさについても紹介していきたいと思います。

フィールドエンジニアとは?主な仕事内容

フィールドエンジニアは、製品を購入した顧客の元へ向かい、製品の設置や保守点検、修理や復旧作業などを行います。フィールドエンジニアという呼び方だけでなく、企業によっては「サービスエンジニア」「カスタマーエンジニア」「サポートエンジニア」と呼ぶこともあります。ここでは、フィールドエンジニアとはどういう仕事なのか、具体的にどんなことを行っているか、メインとなる3つの業務をみてみましょう。

製品の設置サポート・トラブル解決

フィールドエンジニアの大きなウエイトを占める仕事の一つが、製品の設置やトラブル解決です。フィールドエンジニアは、パソコンやプリンタ、システムや医療機器などの電子機器や製造設備を設置したり、使用を開始してからトラブルに見舞われた顧客の元に行き、再び正常稼働できるよう助けます。設置サポートやトラブル解決では、顧客に状況を説明したり、業務に支障が出ないよう短時間でやるべき仕事を行わなければなりません。顧客の製品に関する知識やリテラシーはまちまちなので、顧客に寄り添った対応とともにレベルに合わせた説明や使い方の指導を行う必要もあります。

製品の定期メンテナンス・保守点検

顧客が使っている製品は、契約に基づき、定期的なメンテナンスを行ったり、保守点検を実施する場合があります。それらの業務も、フィールドエンジニアが担います。電子機器類や製造機械は年々性能が向上する傾向にありますが、定期的なメンテナンスや保守点検によりトラブルを未然に防いだり、予期せぬ故障を回避できる可能性が高まります。特に、企業が使う機器類にトラブルが生じると、その会社の損失に直結します。フィールドエンジニアが事前に故障が起きそうな部分を見つけ、前もって部品を交換するなどの処置をしておくと、担当している企業の利益に貢献できるということです。製品を末永く、かつ安全に使い続けるためのお手伝いをしているのが、フィールドエンジニアといえるでしょう。

製品の説明や営業

フィールドエンジニアは直接営業に携わることもあれば、技術的なサポートという位置付けで、営業を支援する側に回る場合もあります。自社製品に興味を持つ顧客に製品の説明を行ったり、購入を検討している人に向けて、どのように製品を活用すればよいか提案し、導入を促進することもフィールドエンジニアの仕事です。顧客への製品説明業務がメインとなるフィールドエンジニアは、企業によっては「セールスエンジニア」と呼ぶこともあるようです。

フィールドエンジニアのやりがい

IT関係の仕事の中でも、フィールドエンジニアの認知度は低いようです。一方、フィールドエンジニアの求人は意外に多く、未経験者の応募を歓迎している企業も少なくありません。では、フィールドエンジニアのどんなところにやりがいを感じられるのでしょうか。

困っている人の役に立てる

フィールドエンジニアに求められていることの一つが、顧客のお困りごとの解決です。フィールドエンジニアの対応一つで、トラブル解決までの時間が短縮されるケースがあり、問題をいち早く収束できれば、困っていた顧客の顔は明るくなるに違いありません。ピンチの場面を救ってくれたフィールドエンジニアに感謝を述べる顧客も多く、役に立てた実感や充実感を得ることができます。

コミュニケーション能力を磨ける

フィールドエンジニアがトラブル対応したり、修理や復旧作業を行う際には、製品を使用している顧客にポイントを絞ってヒアリングし、原因や問題を明らかにする必要があります。フィールドエンジニアは、いつも現場にいるわけではないので、顧客と円滑なコミュニケーションを取り、状況を正確に把握することが重要になります。最短の時間で原因を追究し、いち早く正常な状態に戻すには、顧客との信頼関係が欠かせません。そのためには、ファーストコンタクトであるあいさつから始め、顧客の印象に配慮しつつ、クレーム時にも冷静に対応するといった立ち振る舞いやコミュニケーション能力が求められてきます。このように、他のエンジニア職と比較しても各段にコミュニケーション能力が磨ける仕事だと言えます。

フィールドエンジニアは「きつい」と言われる厳しさがある

フィールドエンジニアは、やりがいを感じられる仕事であるものの、時として「きつい」と耳にすることがあります。どの仕事でも、スキルや適性の有無で、仕事が楽しく感じられたり、逆にきついと思うことはありますが、フィールドエンジニアの「きつさ」はどこから来るのでしょうか。

予期せぬトラブルに対応しなければならない

フィールドエンジニアの業務には、予期せぬトラブルへの対応が含まれます。こうしたトラブルには早急に事態を収束させる必要があり、製品の重要度が高ければ高いほど、定時までの時間帯に限らず、深夜・早朝対応が求められるケースが増えます。休日出勤や、退社後に連絡が来て対応しなければならないこともあります。このように予期せぬトラブルに早急に対応しなければならないため、フィールドエンジニアは「きつい」と言われているのです。

エンジニアとして高度な知識やスキルが必要

フィールドエンジニアは多くの場合、一人で顧客の元に向かい、トラブル解決をします。そのため、製品に関する知見とともに、ハード・ソフトのIT知識やスキルが求められます。ベースとなる知識や技術の程度により、すぐに対応可能かどうかが決まりますし、復旧にかかる時間も違ってきます。製品を長く使ってくれる顧客の信頼を裏切らないためにも、日々の研鑽が欠かせません。常に向上していく姿勢が大切になることが、きついといわれる理由です。

「会社の顔」としての責任がある

フィールドエンジニアは、会社を代表して顧客の元に行き、仕事をする立場にあります。フィールドエンジニアの接客や対応一つで、会社の良しあしが判断される場合があり、「会社の顔」としての責任が生じます。時として、故障や修理が発生したことで、自社が提供した製品に不信感を持ったり、信頼性に疑問符を持たれる状況での対処も必要になります。フィールドエンジニアの対応により、継続して自社製品を導入してもらえるか、契約が打ち切られるかが決まることもあります。こうしたプレッシャーを感じるフィールドエンジニアが多いのも事実です。

フィールドエンジニアの適性、向いている人

フィールドエンジニアは、やりがいときつさの両面を持ち合わせている仕事です。では、どんな人に向いているのでしょうか。フィールドエンジニアの適性について見ていきましょう。

ヒアリング力やコミュニケーション能力がある

フィールドエンジニアは、ヒアリング力やコミュニケーション能力が磨かれる仕事といえますが、もともとそれらの資質を備えている人は、いち早くやりがいを見いだせるでしょう。クレームを受けている時でも冷静に対処し、必要な点をもれなく聞くことができれば、解決の糸口を見つけやすくなります。製品について顧客に説明したり、操作方法などを伝えるケースでは、正確でわかりやすい言葉をチョイスすると、今後発生しうるトラブルの数や頻度を軽減できる可能性があります。

機械が好きで知識やスキルのアップデートができる

「好きこそものの上手なれ」ということわざもありますが、フィールドエンジニアは顧客の元で製品を修理したり、調整する作業が多いので、機械好きの方に向いています。機械いじりが好きな人は、「この製品はどのような仕組みで動いているのだろう」「どういう構造になっているのだろう」と興味を持ちながら、自然に製品知識やスキルをアップデートできるに違いありません。意欲をもって身につけた知識やスキルを総動員して製品に向き合うことが、フィールドエンジニアの仕事に活きていきます。

臨機応変に対応できる

フィールドエンジニアが対応する製品の設置場所や状況は多種多様で、場合によっては作業時間が制限されることも多くあります。そのため、どんなケースでも臨機応変に対処できるスキルが必要です。ハードやソフトの知識を持ち合わせていない顧客と向き合うケースでは、情報を収集するのに時間がかかったり、対応に必要な部材が自社の都合で届かないなど、さまざまな状況が発生します。どんな場合でも平常心で接客をし、限定された状況で最善の手を打てる人は、フィールドエンジニアの適性があるといえるでしょう。

トラブルにも動じないタフなメンタルがある

顧客が困っていて、早急に対応してほしい時にこそ、フィールドエンジニアの出番となるため、期待に沿う対応ができるメンタルが必要になってきます。自分が悪くなくてもトラブルが続き、顧客がいら立っている状況では、なおさら強靭なメンタルが求められます。どんな場面でも焦らず、顧客に対して真摯に向き合える人は、フィールドエンジニアの素質を持っているといえます。

フィールドエンジニアのキャリアパス

フィールドエンジニアは、製品知識や技術に加え、接客スキルも身につき、会社の顔としての責任感も求められます。テクニカルスキル・ヒューマンスキル両面を多角的に、かつ同時に磨けるので、目指せるキャリアパスも広いと考えられます。このままフィールドエンジニアとして経験を深めていき、新人の育成にも携われるかもしれません。また、新たにプログラミングを学び、SEとして活躍することも可能です。対面での接客に面白さを感じる方は営業職を目指すこともできるでしょう。

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