RPAエンジニアがフリーランスになるには?単価相場や案件を獲得する方法を解説

近年、企業のDXが加速する中で、RPAエンジニアは業務効率化を支える人材として注目を集めています。
副業向け案件やフリーランス向けの案件も増えてきているため、「より高い収入を得たい」「自由な働き方を実現したい」と考えてフリーランスエンジニアを目指す方も増えてきています。
本記事では、フリーランスRPAエンジニア向け案件の単価相場や仕事内容、求められるスキルといった基本情報から、案件の獲得方法、おすすめのエージェントまで、独立前に知っておきたい情報をまとめました。
目次
RPAエンジニアがフリーランスになるには?
RPAエンジニアがフリーランスになるためには、RPAツールの開発スキルはもちろん、業務分析や改善提案といった上流工程の経験が必要です。
そのため、まずは企業でRPA導入プロジェクトに関わり、設計から運用まで一通りの流れを経験しておくことが大切です。
また、フリーランスになるためには自ら案件を獲得するための営業力も必要です。自身のスキルを証明できるポートフォリオの作成やエージェント登録、人脈構築を早い段階で進めるのがおすすめです。
フリーランスRPAエンジニアの単価相場
フリーランスRPAエンジニアの単価相場は、スキルや経験、担当する業務範囲によって大きく変動しますが、一般的には月額60万円〜100万円程度が目安です。
例えば、単純なシナリオ開発や保守・運用が中心の案件であれば月額60万円〜80万円になることが多いです。一方で、業務分析や要件定義といった上流工程から関わるコンサルティング要素の強い案件では、月額100万円を超えることも珍しくありません。
また、複数のRPAツールを扱えるスキルや、Pythonなどのプログラミング言語を組み合わせた高度な開発経験、プロジェクトマネジメントの経験などがあると、より高単価の案件に参画しやすいといえます。
フリーランスRPAエンジニアの仕事内容
フリーランスのRPAエンジニアは、以下のように、開発だけでなく業務効率化に関する幅広い工程を担います。
- 業務分析と自動化設計
- RPAシナリオ(ロボット)の開発とテスト
- 導入したロボットの運用・保守・改善
それぞれ詳しく説明します。
業務分析と自動化設計
RPA導入の最初のステップとして、クライアントが抱える課題をヒアリングし、どの業務を自動化すれば最も効果的かを見極める「業務分析」があります。現状の業務フローを詳細に把握し、自動化に適した業務とそうでない業務を切り分けていきます。
業務分析で自動化する業務が把握できたら、次はどのような手順でロボットを動かすかという具体的な仕様を固める「自動化設計」を行います。
業務分析と自動化設計は上流工程と呼ばれ、プロジェクトの成否を左右する非常に重要な役割を担います。クライアントの業務に関する理解、RPAの技術的な知見、高いコンサルティング能力が要求されるため、単価も高くなりやすいです。
RPAシナリオ(ロボット)の開発とテスト
設計フェーズで作成された仕様書に基づき、UiPathやPower AutomateといったRPAツールを用いて、実際に業務を自動化するシナリオ(ロボット)を開発します。
単純なデータ入力作業から、複数のアプリケーションをまたぐ複雑な処理まで、クライアントの要望に応じてさまざまなロボットを構築します。データの形式が異なる場合の処理や、通信エラー発生時の対応など、現場の実務を想定した設計が求められることもあります。
開発が完了したら、ロボットが設計通りに正確に動作するかを検証する「テスト」工程に移ります。想定されるあらゆるパターンを試し、エラーが発生しないか、処理速度に問題はないかなどを細かくチェックします。品質の高いロボットを納品するためには、クライアント側の確認やフィードバックを踏まえながら、調整・修正を重ねるのが重要です。
導入したロボットの運用・保守・改善
PAロボットは、一度導入して終わりではありません。導入後も安定して稼働し続けるためには、定期的なメンテナンスや監視を行う「運用・保守」が必要です。
例えば、連携しているWebサイトの仕様変更や、社内システムのアップデートなど、外部環境の変化によってロボットが停止してしまうことがあります。その際は、原因を特定して迅速にシナリオを修正する必要があります。
また、実際にロボットを運用する中で見えてきた課題をもとに、さらなる業務効率化を目指して機能を追加したり、処理方法を見直したりする「改善提案」までできると、フリーランスとしての評価があがりやすいです。
フリーランスRPAエンジニアに求められるスキル
- UiPathやPower Automateの知識
- プログラミングスキル
- システム開発・運用・保守の全体知識
- コンサルティングやコミュニケーション能力
それぞれ詳しく解説します。
UiPathやPower Automateの知識
代表的なRPAツールである「UiPath」や、Windowsに標準搭載され導入しやすい「Power Automate」、国内企業で広く使われている「WinActor」などの主要ツールに関する深い知識と開発経験は、RPAエンジニアには必須といえます。
それぞれに特徴や得意分野があり、企業によって導入しているツールが異なるため、複数のツールを扱えるエンジニアは対応できる案件の幅が広がりやすいです。
プログラミングスキル
RPAツールは、プログラミング知識がなくても開発できる「ローコード」「ノーコード」が特徴ですが、複雑で高度な自動化の実現にはプログラミングスキルが役立ちます。
例えば、Excelやスプレッドシートの複雑な操作を自動化する際には「VBA」、Webサイトから情報を収集するスクレイピングやAIとの連携を考える際には「Python」の知識があると、RPAツールだけでは対応が難しい処理も実装可能です。
システム開発・運用・保守の全体知識
RPAは、既存の業務システムやアプリケーションと連携して動作することがほとんどです。
そのため、RPA単体の知識だけでなく、システム開発のプロセスや、ネットワーク、データベース、サーバーといったITインフラに関する全体的な知識を持っておくと、トラブル発生時の原因究明や再発防止に役立ちます。
また、セキュリティ対策やアクセス権限の設定など、企業のITポリシーを理解したうえで設計を行えると、信頼できるエンジニアとしてクライアントから評価されやすくなります。
コンサルティングやコミュニケーション能力
フリーランスのRPAエンジニアは、単に開発を請け負うだけでなく、クライアントの課題を整理し、最適な自動化の方向性を提案するコンサルティング力も求められます。
また、プロジェクトはクライアントの担当者や他部署のメンバーなど、多くの関係者と協力して進めるため、円滑な人間関係を築くコミュニケーション能力も不可欠です。
特にリモート案件では、進捗報告や要件調整をオンラインで行うケースが多いため、テキストや口頭で情報を正確かつ分かりやすく伝えるスキルがより一層重要になります。
フリーランスRPAエンジニアにおすすめのエージェント
フリーランスが安定して案件を獲得するためには、エージェントの活用が効果的です。フリーランスRPAエンジニアにおすすめのエージェントは以下の通りです。
- BIGDATA NAVI
- レバテックフリーランス
- ITプロパートナーズ
- ギークスジョブ
それぞれ詳しく紹介します。
BIGDATA NAVI
引用元:『BIGDATA NAVI』
BIGDATA NAVIは、AIやデータサイエンスといった最先端領域に特化したフリーランスエージェントです。
RPAエンジニアに関しても、UiPath・Automation Anywhere・Power Automateを扱う企業との取引実績が豊富で、データ分析基盤と連携するような高度なRPA開発案件を多数保有しているのが特徴です。
また、専門知識が豊富なコンサルタントが、スキルやキャリアプランをヒアリングした上で最適な案件を提案してくれるため、未経験からRPA領域に参入するエンジニアでも安心して活用できます。
レバテックフリーランス
引用元:『レバテックフリーランス』
ITフリーランスエージェントとして業界トップクラスの知名度と実績を誇るのがレバテックフリーランスです。
長年の実績と信頼から企業との太いパイプを持っており、条件の良い非公開案件も豊富に扱っているのが特徴です。
専任の担当者による手厚いサポート体制も整っており、契約交渉や参画後のフォローも万全なため、初めてフリーランスになる方でも安心して利用することができます。
ITプロパートナーズ
引用元:『ITプロパートナーズ』
ITプロパートナーズは、週2〜3日の稼働やリモートワークといった、柔軟な働き方を実現できる案件を多く取り揃えているフリーランスエージェントです。
成長意欲の高いスタートアップやベンチャー企業の案件が豊富なので、新しい技術に触れるチャンスが多いのが特徴です。
特に、プライベートの時間を大切にしたい方や、複数の案件を並行して進めたい方に向いているといえます。
ギークスジョブ
引用元:『ギークスジョブ』
ギークスジョブは、RPAエンジニアを含むITフリーランス向けの案件紹介サービスです。
業界でも長い実績を持っているため、安定した企業案件が多数登録されているのが特徴です。
報酬が高く、長期間継続しやすい安定した案件も多いため、安定した収入基盤を築き、腰を据えてフリーランスとして活躍したい方におすすめです。
フリーランスRPAエンジニアが案件を獲得する方法
フリーランスは会社員と違い、自ら仕事を探さなければなりません。
フリーランスRPAエンジニアが案件を獲得する方法は、以下の通りです。
- 副業エージェントサービスの利用
- クラウドソーシングサービスの利用
- 知人からの紹介
それぞれ詳しく説明します。
副業エージェントサービスの利用
副業エージェントサービスに登録しておけば、自分のスキルや希望条件を伝えるだけで、エージェントが最適な案件を探して紹介してくれます。
個人では見つけられない大手企業の高単価案件や非公開案件はもちろん、「週1〜2日稼働」や「リモート限定」といった副業向けの案件も多く、本業を続けながらRPA案件を経験することもできます。
また、手間や時間のかかる営業活動や単価交渉を代行してくれるため、エンジニアは開発業務に集中できる点も、副業エージェントサービスを利用する大きなメリットです。
クラウドソーシングサービスの利用
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサービスには、小規模なシナリオ作成からデータ収集の自動化まで、幅広いレベルのRPA案件が日々掲載されています。
エージェント経由の案件に比べると単価は低い傾向にありますが、場所や時間を選ばずに手軽に始められるため、独立前の実績作りには最適といえます。
知人からの紹介
前職の同僚や上司、取引先といった個人的な繋がりから仕事を紹介してもらう方法もあります。
知人間の依頼であれば、既にお互いのスキルや人柄を理解しているため、ミスマッチが少なく、スムーズに話が進みやすいのが特徴です。
また、間に仲介業者が入らないため、手数料がかからず高い報酬を得やすいのも、直接依頼を受ける大きなメリットといえます。
フリーランスRPAエンジニアの案件獲得に役立つ資格
フリーランスRPAエンジニアに必須の資格はありませんが、持っていると優位性をアピールでき、案件獲得で有利になることもあります。
フリーランスRPAエンジニアの案件獲得に役立つ資格は、以下の通りです。
- RPA技術者検定
- VBAエキスパート
- UiPath Certified Professional
- RPA技術者検定(WinActor)
- Automation Anywhere RPA認定試験
それぞれ詳しく紹介します。
RPA技術者検定
一般社団法人RPA協会が認定する、RPAの体系的な知識を問う資格です。
特定のツールに依存しないRPA全般の知識が問われるため、RPAエンジニアとしての基礎力を証明するのに役立ちます。
VBAエキスパート
RPA案件では、Excelを用いた業務を自動化するケースが非常に多いため、ExcelマクロやVBA(Visual Basic for Applications)のスキルを証明するVBAエキスパートの資格を持っていると、案件獲得で有利になりやすいです。
また、RPA導入前の段階で「VBAで業務を自動化したい」という企業ニーズにも対応できるようになるため、受注できる案件の幅も広がります。
UiPath Certified Professional
世界的に利用されているRPAツール「UiPath」の公式認定資格です。
市場にはUiPathの案件が豊富にあるため、この資格を取得していれば、即戦力として活躍できることが証明できます。
RPA技術者検定(WinActor)
国内シェアが高いWinActorに特化した資格です。
WinActorは、日本の多くの企業、特に金融機関や官公庁で広く導入されているため、RPA技術者検定を取得していると、国内企業からの案件を獲得しやすくなります。
Automation Anywhere RPA認定試験
UiPathと並んでグローバル市場で高いシェアを持つ「Automation Anywhere」の公式認定資格です。
外資系企業やグローバルに事業展開する大企業で導入されているケースが多いため、グローバル企業の案件や、海外システムと連携するプロジェクトを目指したい人に特におすすめです。
まとめ
本記事では、フリーランスのRPAエンジニアになるための具体的な方法、単価相場、仕事内容、必要なスキルについて解説しました。
RPA市場の拡大に伴い、高い専門性を持つフリーランスエンジニアの需要は今後も高まっていくと予想されます。
フリーランスとして成功するためには、RPAツールの開発スキルに加えて、業務分析などの上流工程のスキルや、クライアントと円滑にやり取りするコミュニケーション能力を磨き続けることが重要です。まずは実務経験を積み、ポートフォリオを需実させるところから始めてみてください。
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