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2019/07/09

RPAエンジニアとは?気になる仕事内容、年収相場・求人状況からスキル、将来性まで

RPAは「Robotic Process Automation」の略で、ロボットを使った業務の自動化ツールを指します。バックオフィスで行うようなホワイトカラーの事務作業を自動化して負担を軽減したり、業務効率化に役立つソフトウェアとしての役割が期待されています。

そのようなRPA導入やロボット開発の仕事を担当する職業が「RPAエンジニア」です。SEやプログラマーとして働くIT技術者のなかでも、RPAエンジニアへの転職やキャリアチェンジをお考えの方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、そんなRPAエンジニアの仕事内容・必要スキルを紹介するとともに、年収や給与相場について解説します。今後の求人需要や将来性についてもみていきましょう。

RPAエンジニアとは

RPAエンジニアは、ITエンジニアのなかでも特にRPAを導入する際に活躍する技術者です。RPAロボットの設計から運用、サポートまでを行うスペシャリストといえます。

RPAは、別名で仮想知的労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれていて、人間が行う作業をソフトウェア上で働くロボットが代替するものとして近年急速に利用が拡大しています。事業所内での事務処理を多く抱える企業から特に強い引き合いが持たれています。

RPAエンジニアは企業がRPAを利用するにあたり、導入時、開発時、導入後など、さまざまな場面でクライアントを支える役割を担います。担当業務は、所属する企業により異なりますが、クライアントとの要件定義・設計といった調整、実際の開発、保守・運用などRPA活用のさまざまなシーンで活躍します。具体的な仕事については、以下で解説します。

RPAエンジニアの仕事内容

RPAエンジニアの仕事内容は、フェーズによって分けられます。同じRPAに関する業務でも、フェーズによって内容に大きな違いがあるため、これからRPAの仕事を検討している人は違いを知っておくことが大切です。導入、開発、保守フェーズの順に紹介します。

導入フェーズ

導入フェーズでは、まずは方向性を練るために、クライアントが行なっている業務プロセスの洗い出しを行います。経理処理、給与といった人事・総務やデータ入力、計算処理といった定型的なパターン作業。そして、大量データを扱う作業は重点的にヒアリングをしておくポイントです。そのうえで、RPAを適用する範囲・内容を確定させます。

RPAを大まかに分けると、基本の型が決まっているパッケージ色の強いものと、クライアントの要望に応じて柔軟に構築する場合の2種類です。どちらの場合であっても、まずはクライアントが抱えている問題を理解することが決定的に重要で、初めの時点で顧客ニーズを誤解してしまうと後々の工程にも引きずってしまうような痛手になります。

導入フェーズはコンサルタントが担当することもありますが、上流工程から参加するエンジニアは、RPAそのものについて精通していることが必須です。また、クライアント業務への理解や、困りごとを読み取るコミュニケーション能力、そして、方向性を導く設計力も求められます。

開発フェーズ

開発フェーズは、導入フェーズを経てRPAを適用する業務が決まり、システム構築の方向性が確定した後に行います。開発の際は、RPAツールを使用しながら、現実の業務に近い形でロボットを構築していきます。このとき、クライアントのもとめるアウトプットとなるようRPAの動作シナリオを作成することが特に重要です。

シナリオとはクライアントが実際に行なっている業務に沿った形でデザインされたPRAの動作プロセスのパターンを指します。このシナリオがしっかり設計されているかどうかで、業務効率化やクライアント側スタッフの業務負担を軽減できるかが決まるため、それを担うRPAエンジニアの責任は重大です。

クライアントによって、RPAを経理に活用したい企業もあれば、人事に使いたい企業もあるように目的は異なります。また、業種もコールセンターやECサイト運営などさまざまです。そこで、RPAエンジニアは業務プロセスをしっかり把握しているかどうかが求められます。

保守フェーズ

RPAの導入が完了しクライアントの運用が始まると保守フェーズに移ります。RPAエンジニアは、稼働させてみてエラーなどの不具体が出た場合に、ロボットの修正対応やクライアントへの指示を行うのが仕事です。

また、保守・運用業務では、ロボット構築作業についてより効率化・高品質化することを目的にマニュアル作成を行うこともあります。専門家として導入に伴う調整・社内説明などの場に参加することで、RPA業務を定着させるサポートを担当するエンジニアもおり、保守・運用は重要な仕事のひとつです。

あるいは、実際に一定期間使った結果、クライアントの希望で業務プロセスを変更したいという場合もあります。もちろん、RPAツールはクライアント側でプログラミングを使用せず操作できるケースがほとんどです。しかし、機能の拡張や大幅なメンテナンスを行う場合は、エンジニアの力に頼るしかありません。その場合は、ヒアリングを行ってシナリオを作成し直すことになります。

RPAエンジニアの年収相場・求人状況

日本国内の求人サイトによると、RPAエンジニアの年収相場は、未経験者で400万〜500万円程度、経験者の場合は600万〜1000万円の求人が多く目立ちます。2018年11月のビズリーチの調査によると、求人数は前年同月比6.4倍の1961件に増加。最高提示年収は3000万円で、これは前年同月比1.5倍の数字だそうです。他のIT系エンジニアの平均年収と比較しても、同じレベルか、それ以上になるケースもあるとわかります。

RPAエンジニアの求人件数は増えていますが、この傾向は今後も上昇することが見込まれるでしょう。背景としては、人口減少とそれに伴う慢性的な人手不足の深刻化です。2015年の国勢調査では、初めて国内人口の減少が確認されました。国立社会保障・人口問題研究所によると、2017年の生産年齢人口は7596万人、2040年には5978万人にまで減少することが推計されています。このような状況では、人材派遣やアウトソーシング事業を手がけるうえで省人化を考えざるをえません。そのような背景において、RPAは役立つ解決策のため、RPAエンジニアの活躍の場も増えていくことが予想されています。

RPAエンジニアに必要な知識・スキル

RPAエンジニアに必要な知識やスキルはさまざまですが、なんといっても関連する業務の経験があれば活躍できる可能性が広がります。ここでは、RPAエンジニアを目指す際に役に立つ経験を紹介しましょう。

システム開発の経験

どのような種類であれ、システム開発の経験はRPAエンジニアの仕事に役立ちます。一般的にシステム開発はクライアントと方向性をすり合わせて要件定義で方針を確定。次に、設計を行ってから開発に入り、リリースが済んだ後に保守・運用やサポートを行うという流れです。

システム開発のなかでも上流の経験があって、クライアントの要望を聞いたうえでシステム全体の方向性をすり合わることに強みを持っていたり、下流工程で製造やテストの納期・品質管理に長けているなど、さまざまなスキルが考えられます。RPAでも、このような基本的な工程の流れは似ており、開発経験があればその知見や能力を存分に生かすことが可能です。

Access、Excel VBAなどの経験

Microsoft AccessやExcel VBAの経験も役立ちます。RPAは事務作業を効率化するためのものです。そのため、データベースの集計や分析業務を定型化することは重要な役割の1つです。Accessは従来からデータベースを扱うための定番ツールの1つで、大量のデータを収集・保存・利用する際に便利な機能を備えています。Accessを使って何らかの業務を行ったことがある経験や、あるいは、Accessを業務に活用できるようにするための設定を行った経験があれば、RPAエンジニアとして吸収が早く活躍しやすいでしょう。

Excel VBAとは、Excel上でデータを組み合わせて一連の処理を行うマクロを記述するためのプログラムです。RPAはマクロともよく比較されます。Excelでは、データベースを使わなくてもシート上に入力されたデータを組み合わせて処理を行うことができます。Excel VBAを扱えば、このような一連のデータ処理を設計・構築についての知識が身につきますが、これはRPAツールの業務プロセス理解やシナリオ作成の際に、すぐに応用ができるのです。Excelでマクロを組んだ経験があり、VBAの知識があれば武器になります。

RPAツールの経験

もちろん、RPAツールの提供に携わった経験があれば、即戦力として活躍できます。有名なツールとしては、WinActor、UiPath、BizRobo!、Blue Prismなどがあります。一方、RPAの提供側(ベンダー側)として関わったことがなくても、ユーザー側としての利用経験があれば、最低限の知識が身についているかもしれません。また、ユーザーとしてのメリット、要望や不満などの蓄積があるはずです。基本的な仕組みを理解しやすいだけでなく、クライアントとコミュニケーションを取る際も、相手の発言意図を読み取りやすいでしょう。

RPAエンジニアのキャリアパス

RPAエンジニアのキャリアパスには、大きく分けると上流工程を中心に担当するキャリアと、技術力・管理能力を生かした開発などの下流工程をメインに行うパターンに分かれます。

上流工程をメインに携わる場合は、実際に開発や保守にはあたることは少なくなるでしょう。むしろ、クライアントからの引き合いや導入、方向性について顧客とのコミュニケーションを取ることがメインの仕事です。そのような上流を担当する仕事にRPAコンサルタントがあります。

一方、RPAエンジニアには、技術力を磨きながらシステム開発に特化する技術者のパターンもあります。このようなエンジニアは、言語やシナリオ構築の力を備えて開発に当たるスペシャリストです。実務経験を積めばフリーランスとして独立することも可能です。日進月歩で進んでいく新技術も取り入れながらRPA導入をサポートする、プロジェクトに不可欠な存在といえます。

もう1つが、保守・運用に特化するエンジニアです。RPAは導入が済んだ後でも、エラー対応、バージョンアップ、業務プロセス変更に伴う修正対応などが発生します。このような要望が出た場合にクライアントの窓口になり、対応にあたるのが仕事です。クライアントとは長期的な付き合いになるため顧客業務を把握し、周辺の業界事情や最新の技術動向もチェックしながら対応にあたります。

RPAエンジニアの将来性

RPAエンジニアは将来にわたって需要が伸び続けていくことが予想されます。先述したように、日本は人口減少に転換しており、2017年時点の生産年齢人口は2040年には20%減少するのです。有効求人倍率は2018年12月の有効求人倍率は1.63倍であり、幅広い業種で人手不足が深刻化。オフィス作業の効率化は待った無しの課題になっています。

そのようななかで、RPAとは業務負担軽減の有効なツールであり、企業からのニーズは強いのです。今後も人手不足の傾向は継続することが予想されますから、RPAの知見を持っているエンジニアは求められていくでしょう。

また、RPA市場の拡大により、あらゆる場面でさまざまなスキルを持ったエンジニアが必要とされる可能性もあります。PRA導入のコンサルティングスキルを持った上流に強い人材や、新しいサービスを生み出すことのできる技術力を持った開発人材など、さまざまなスキルが求められるでしょう。RPAエンジニアの将来性は明るい可能性が高いといえます。

WriterAI drops編集部
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