ヘルプデスクのフリーランスの単価相場は?必要なスキルや資格を解説

ヘルプデスクの仕事は、専門知識を活かして企業のIT環境を支える重要な役割です。近年、働き方の多様化に伴い、フリーランスとして活躍するヘルプデスク人材も増えています。
この記事ではヘルプデスクのフリーランス単価相場がどのくらいなのか、そして案件獲得に役立つスキルや資格について詳しく解説します。
目次
フリーランスヘルプデスク案件の単価・年収相場

ヘルプデスク業務はIT業界の中でも安定した需要があり、正社員としてだけでなくフリーランスとしても活躍できる分野です。働き方の多様化が進む中で、会社に所属せずに自由なスタイルで働きたいと考えるエンジニアが増えており、ヘルプデスクの仕事も例外ではありません。
ここでは、フリーランスのヘルプデスクとしての案件単価や年収相場、そして会社員としてヘルプデスク業務に従事する場合の年収相場について説明します。
フリーランスの単価・年収相場
フリーランスとしてヘルプデスク業務に携わる場合、その報酬は案件内容や経験・契約形態により大きく異なります。月額単価は約50~55万円が中心で、案件によっては60万円以上も珍しくありません。
そのため、これらを年間収入に換算すると、約600万円前後が目安となります。さらに、経験を積み、リモート案件や高度な業務をこなせば、フリーランスとしての年収は600~700万円程度も期待できるでしょう。
会社員の年収相場
会社員としてヘルプデスク業務に従事する場合、平均年収はおよそ 360~390万円程度が一般的です。業界や企業環境によっては年収400万前後となるケースもあり、都市部やIT系企業では若干高い傾向があります。
しかし、IT職種中では年収が低めであるヘルプデスク職は、日本の平均給与とされている460万円と比較すると、やや下回ります。以上を踏まえると、会社員としてのヘルプデスク業務における年収は、経験・働く環境にもよりますが、おおむね360~420万円の範囲が現実的な目安です。
出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
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フリーランスヘルプデスクの案件例
実際にどのようなフリーランスヘルプデスクの案件があるのか、気になる人もいるでしょう。いくつかご紹介していきます。
案件例|社内ツールのトラブルシューティングやサポート
内容 | |
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職種 | ヘルプデスク |
単価目安 | ~¥500,000/ 月 |
業務内容 | 社内ツールのトラブルシューティングやサポート 社員からの問い合わせ一次対応 社内向け手順書作成(上述の問い合わせが増えた際に都度作成) PCキッティング MDMによるゼロタッチ環境(WinはAuotpilot)へリプレイス中 デプロイメントがうまくいかなかった際のフォローと調査 |
必須スキル |
・Saas中心環境のヘルプデスク経験 ・MDMによる端末管理の経験(端末のゼロタッチデプロイ含む) ・IDaasによるID管理の経験 ・チャットコミュニケーションの経験 |
案件例|ヘルプデスクチーム管理業務
内容 | |
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職種 | ヘルプデスクマネージャー |
単価目安 | ~¥470,000/ 月 |
業務内容 | ・顧客企業様IT部門での週次ミーティングのレポート作成、発表 ・ユーザからのインシデントおよび問い合わせのチームメンバへのアサイン ・ユーザとのメール、対面、電話、チャットでのサポート(顧客企業様先常駐) ・エグゼクティブ向けオンサイトサポート ・ハードウェア、ソフトウェア、周辺機器全般のサポート、管理 ・モバイルデバイス(iPhone、iPad、MDMツール)セットアップ、管理 (新規回線手配、故障・紛失時の手配等含む) ・ハードウェアインストレーション、ソフトウェアインストレーション ・PCマスタイメージ作成 ・ユーザアカウント、コンピュータアカウントの作成および管理 ・リージョンおよび海外本社IT部門へのエスカレーション(主にメール) ・IT部門他チームへのエスカレーション(主にメール) ・ベンダーへの問題のエスカレーションとインシデントコントロール ・ライセンスおよび資産管理 ・購買業務(PCおよび周辺機器、ライセンス等) ・会議室設備、Web会議ツール(Zoom)のサポート |
必須スキル |
・法人社内デスクサイドサポート経験1年以上) ・小規模チームの管理能力) ・リモートツール(Remote Desktop, Team Viewerなど)を使用してのサポート経験) ・モバイルデバイス(iPhone、iPad等)セットアップ、サポートおよびモバイル回線管理経験) ・PCイメージ作成、リストア、展開経験) ・Helpdeskツール(インシデントトラック)使用経験) ・会議室設備およびWeb会議ツールサポート経験(Zoom等)) ・購買および資産管理経験) ・エグゼクティブ対応経験 |
案件例|外資系の小売業におけるヘルプデスク・キッティング
内容 | |
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職種 | ヘルプデスク |
単価目安 | ~¥370,000/ 月 |
業務内容 | ・顧客企業様でのエンドユーザサポート、主にデスクサイドでの問題対応 ・Zoom Room等、会議室設備のサポート ・ハードウェア、ソフトウェア、周辺機器全般のサポート (修理手配、購買業務含む) ・ハードウェアインストレーション、ソフトウェアインストレーション ・ユーザアカウント管理 ・ベンダーへの問題のエスカレーションとインシデントコントロール |
必須スキル |
・Active Directory アカウント管理経験 ・Mobile Device サポート経験 ・Zoom Room等の会議システムおよび会議室設備のサポート経験 ・Helpdeskツール(インシデントトラック)使用経験 ・リモートサポートツール(Remote Desktopなど)を使用してのサポート経験 |
ヘルプデスクのフリーランス案件獲得に必要なスキル

ヘルプデスク業務においては、クライアントの期待に応えるためにも、実務に役立つスキルをしっかりと身につけておく必要があります。特にフリーランスは即戦力が求められるため、スキル不足では案件を獲得することすら難しくなるケースも考えられるでしょう。
ここからは、フリーランスとしてヘルプデスク案件を獲得し、継続的に活躍していくために欠かせない基本的なスキルを3つにまとめて解説していきます。
- PCの基本操作とITスキル
- トラブルシューティングのスキル
- ビジネスコミュニケーションスキル
PCの基本操作とITスキル
フリーランスのヘルプデスクとして活躍するには、PCの基本操作の理解が欠かせません。WordやExcelなどのオフィスソフトの使い方はもちろん、OSの設定・アプリケーションのインストール・ネットワーク設定といった、日常的なIT環境の管理に対応できるスキルが求められます。
また、IT業界では新しい技術やソフトが次々に登場するため、常に最新の情報を学び続ける姿勢も大切です。基本的なスキルが備わっていれば、信頼されるフリーランスとして安定した案件の受注にもつながります。
トラブルシューティングのスキル
PCやネットワーク機器に不具合が生じた際、原因を素早く特定し、適切な解決策を導き出す力は、信頼されるヘルプデスクの証です。フリーランスの場合、現場に常駐せずリモートで対応することも多いので、限られた情報から原因を特定し、的確に対処するスキルは重宝されます。
トラブルシューティングには、トラブルの根本原因を探るための論理的な思考力や、複数の要因を検証する柔軟な対応力が必要です。このようなスキルを身につけていると、クライアントからの評価も高まり、継続案件を獲得できる可能性も広がります。
ビジネスコミュニケーションスキル
ヘルプデスク業務では、技術的な知識だけでなく、利用者との円滑なコミュニケーションも重要なスキルです。具体的には、問題の内容を正確に聞き取る「ヒアリング力」、専門用語を使わずにわかりやすく説明する「伝える力」、そして迅速かつ丁寧な対応を意識した「ビジネスマナー」があげられます。
高い技術力があっても、話し方や態度が悪いとクライアントからの評価は下がってしまいます。相手の立場に立って対応できる姿勢は、信頼関係の構築に役立ち、仕事の継続や新しい案件紹介といった、次のチャンスを生み出すポイントです。
ヘルプデスクのフリーランス案件獲得に役立つ資格

フリーランスとしてヘルプデスク案件を獲得する際、実務経験やスキルはもちろん重要ですが、客観的な証明として資格を保有していることも強みになります。資格はスキルレベルを裏付けるだけでなく、信頼性を高める要素としてクライアント側から高く評価されるからです。
本章では、フリーランスのヘルプデスクとして案件を獲得しやすくするために役立つ代表的な資格を3つ紹介します。
- 基本情報処理技術者
- マイクロソフトオフィススペシャリスト (MOS)
- ITILファンデーション
基本情報処理技術者
基本情報処理技術者は、IT業界の登竜門的な国家資格であり、ITに関する基礎知識を幅広く身につけている証明が可能です。試験では、コンピュータシステムの仕組み・プログラミング・ネットワーク・データベース・セキュリティなど、業務に直結する内容が出題されます。
ヘルプデスクの業務では、PCやネットワークに関する基本的な対応が求められるので、この資格を持っていると「最低限のITリテラシーがある」と判断されやすくなります。クライアントからの信頼を得やすい点は、大きなメリットであるため、未経験からIT業界に入りたい人にもおすすめの資格といえるでしょう。
マイクロソフトオフィススペシャリスト (MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Word・Excel・PowerPointなど、Microsoft Office製品の操作スキルを証明できる資格です。ヘルプデスク業務では、これらのアプリケーションの使用に関する問い合わせ対応が日常的に発生するため、MOS資格を持っていると即戦力として評価されやすくなります。
初心者でも比較的取得しやすく、履歴書にも書きやすい点から、IT業界未経験者が最初に目指す資格としても人気があります。試験内容も実務に直結した操作問題が多く、取得を通じて業務効率の向上にもつながるので、価値の高い資格です。
ITILファンデーション
ITILファンデーションは、ITサービスマネジメントに関する国際的なフレームワークであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)の基礎を学べる資格です。ヘルプデスク業務では、インシデント管理や問題管理といったITILの考え方が日常的に活用されており、体系的な知識を持つことで、より効率的で質の高いサポートを提供することが可能になります。
この資格を保有していれば、ITサービス全体の流れや改善手法を理解していると評価され、クライアントからの信頼度も高まります。さらに、フリーランスとして上流工程のサポートや、マネジメント的な視点が求められる場面でも役立ち、キャリアの幅を広げるための大きな武器となるでしょう。
リーランスのヘルプデスクとは?

ヘルプデスクと一口に言っても、その業務範囲や働き方にはさまざまな違いがあります。特にフリーランスとして活動する場合、自分がどのような領域に関わるのかを正しく理解することが大切です。
ここでは、ヘルプデスクの基本的な定義をはじめ、社内外での位置づけの違いや関連職種との比較を通じて、フリーランスのヘルプデスクという働き方を多角的に解説していきます。
- ヘルプデスクとは
- 社外ヘルプデスクと社内ヘルプデスクの定義
- 社内SEとヘルプデスクの違い
- コールセンターとヘルプデスクの違い
ヘルプデスクとは
ヘルプデスクとは、主にPC・ソフトウェア・ネットワークなどITに関するトラブルや質問に対応するサポート業務を担う職種です。ユーザーからの問い合わせを受け、問題の内容を確認し、解決策を提供、さらに対応履歴を管理するのが主な役割です。
問い合わせ内容は「パスワードを忘れた」「プリンターが動かない」などの初歩的なものから、ネットワークの不具合やシステムの不調など、より専門的な内容まで多岐にわたります。ヘルプデスクはユーザーとIT部門をつなぐ窓口であり、業務の正確さと迅速さ、そして丁寧な対応力が求められるポジションです。
社外ヘルプデスクと社内ヘルプデスクの定義
ヘルプデスク業務には大きく分けて「社外ヘルプデスク」と「社内ヘルプデスク」の2種類があります。社外ヘルプデスクは、企業が提供するサービス・製品に関して、外部ユーザーからの問い合わせに対応する部門で、ソフトウェアメーカーや通信会社のカスタマーサポートがこれにあたります。
一方、社内ヘルプデスクは、自社の従業員に向けてPCや社内システム・ネットワーク環境のトラブル対応を行う部門です。このように、対応する相手と業務の性質が異なるため、必要とされるスキルや対応方法にも違いがあります。
社内SEとヘルプデスクの違い
社内SE(システムエンジニア)とヘルプデスクは、どちらも社内のITに関わる職種ですが、その役割には明確な違いがあります。ヘルプデスクは、主にPCやソフト・ネットワークに関する「使い方のサポート」や「トラブル対応」など、ユーザーからの問い合わせに対して迅速かつ丁寧に対応することが中心です。
一方、社内SEは、社内システムの設計・開発・運用を担う技術者であり、業務効率化のためのツール導入やサーバー管理、セキュリティ対策など、より技術的で上流工程の業務に携わります。つまり、社内SEはシステムの「作り手・管理者」、ヘルプデスクは「支援者・サポーター」として、それぞれ異なる角度からIT環境を支えているのです。
コールセンターとヘルプデスクの違い
一見すると似たような業務に思われがちなコールセンターとヘルプデスクですが、その役割や目的は異なります。コールセンターは主に電話での顧客対応を専門とし、商品やサービスに関する問い合わせへの回答・注文受付・クレーム対応など幅広い業務をこなし、ITスキルよりもコミュニケーション力が重視されます。
一方、ヘルプデスクはIT関連の技術的な問題解決が主な業務であり、PCやネットワーク、ソフトウェアに関する深い知識が必要です。したがって、コールセンターが「一般的な問い合わせの窓口」であるのに対し、ヘルプデスクは「専門的な技術サポートの窓口」といえるでしょう。
フリーランスヘルプデスクの将来性

近年、テレワークの普及やITインフラの高度化に伴い、ヘルプデスク業務はますます重要になっています。なかでも、企業に所属せず柔軟に働くフリーランスのヘルプデスクは、リモート対応やスポット支援などを通じてニーズが高まっています。
さらに、AIチャットボット・自動化ツールを導入する企業も増えていますが、まだまだ人間によるサポートが必要なことから、経験豊富な技術者への需要は根強いです。そのため、フリーランスとして経験と信頼を積めば、将来的にも高単価案件の獲得が期待できる分野といえるでしょう。
まとめ
フリーランスのヘルプデスクとして働くという選択肢は、IT業界での経験を活かしながら、柔軟な働き方を実現できる魅力的なキャリアパスです。会社員と比較して収入面での伸びしろもあり、自分のスキル次第で高単価の案件を狙うことも可能です。
しかし、フリーランスで活躍するためには、ITスキルだけでなく、問題解決能力やビジネスコミュニケーション力が重要になります。これからフリーランスのヘルプデスクを目指す人は、まず自分の現在のスキルを見直し、必要な知識と資格の取得に向けて準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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