VB.NETスキルでフリーランスになるには?単価相場や必要なスキルを解説

VB.NETは、長く企業の業務システム開発で使われてきた実績あるプログラミング言語です。現在でも、金融機関や製造業などではVB.NETで作られたシステムが多く稼働しており、保守や改修・追加開発のニーズがあります。
フリーランスとして活動する場合、これらの案件に対応できれば、一定の収入は十分に見込めます。また、VB.NETの人材は徐々に少なくなりつつあるため、経験やスキルがある人は重宝されやすく、条件の良い案件を獲得しやすい状況です。
目次
フリーランスのVB.NETエンジニアの案件単価や年収相場

VB.NETを扱うフリーランスエンジニアの案件単価は、経験やスキルによって大きく異なりますが、平均で約60万円とされています。これを年収に換算すると、約720万円となり、会社員エンジニアの平均年収である約520万円と比較して高い水準です。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、フリーランスとして安定した収入を得るためには、継続的な案件獲得とスキルアップが求められます。また、税金や社会保険料の自己負担も考慮する必要があることを覚えておきましょう。
フリーランスのVB.NETエンジニアの主な仕事内容

主に企業の業務システムや社内アプリケーションの開発に利用されることが多いVB.NETは、フリーランスとして活動するエンジニアにも豊富な仕事があります。既存システムの改修や運用保守・新規システムの構築など、さまざまなフェーズでの案件が存在するため、VB.NETに精通していれば、長期的に安定した案件を受注できる可能性が高いです。
ここでは、実際にどのような業務に携わることが多いのか、具体的な仕事内容について詳しく見ていきましょう。
Windows向け業務システム・アプリケーション開発
Windowsアプリケーションの開発に適した言語として、VB.NETは広く利用されています。そのためフリーランスのエンジニアは、企業の業務を効率化するための社内システムや、特定の部門向けアプリケーションの構築を担当することが多いです。
具体的には、在庫管理システム・営業支援ツール・受発注管理システムなどがあげられ、クライアントのニーズに応じたカスタマイズにも対応が必要です。GUI設計からデータベース連携、保守・運用まで幅広い工程に携わる案件もあり、技術力だけでなく業務理解力も重要とされます。
業務システムの開発
VB.NETを使った業務システムの開発は、フリーランスエンジニアの主な仕事のひとつです。企業内の業務を効率化・自動化するためのシステムであるため、ニーズや業務フローに合わせたオーダーメイドが基本であり、ユーザーが直感的に操作できるUIの設計も重要です。
既存システムの改修や機能追加にくわえ、新たな要件に基づいたシステムの新規開発も多く、要件定義や設計といった上流工程に関わる機会もあります。クライアントとのやり取りが必要なこともあり、コミュニケーション能力も欠かせないスキルです。
VB.NETのフリーランス案件例
実際にどのようなVB.NETのフリーランス案件があるのか、気になる人もいるでしょう。ここからは、案件例をいくつかご紹介していきます。
案件例|福祉システム保守開発
内容 | |
---|---|
職種 | エンジニア |
単価目安 | ~¥650,000/ 月 |
業務内容 | 福祉システム保守開発 |
必須スキル |
・VB.net ・SQL ・コミュニケーション良好な方 |
案件例|検査センターのシステム開発~導入
内容 | |
---|---|
職種 | エンジニア |
単価目安 | ~¥470,000/ 月 |
業務内容 | 検査センターのシステム開発~導入 |
必須スキル |
・C#またはVB.netの経験 ・画面JavaScript(FW:CakePHP) |
案件例|社内基幹システムのリプレイス
内容 | |
---|---|
職種 | エンジニア |
単価目安 | ~¥600,000/ 月 |
業務内容 | 社内基幹システムのリプレイス |
必須スキル | VB.NETを用いた開発のご経験3年以上 |
フリーランスのVB.NETエンジニアに求められるスキルや経験

フリーランスとしてVB.NETの案件を受注・継続するには、単にプログラミングができるだけでなく、実務に役立つスキルや経験が求められます。特に業務システムに関わる案件では、カスタマイズの要望に応える技術の幅広さや、実践的な対応力が重要視されるからです。
そこで、ここからは、フリーランスのVB.NETエンジニアとして活躍するために押さえておきたい代表的なスキルや経験について説明していきます。
- VB.NETでのシステム開発経験
- JavaScriptに関する知識
- SQL・データベースのスキル
- C#に関する知識
VB.NETでのシステム開発経験
VB.NETでのシステム開発経験は、フリーランスエンジニアとして信頼を得るための最も基本的なスキルです。企業の業務システムでは、VB.NETを使用した既存アプリケーションが今なお多く運用されており、その保守や機能追加のニーズは根強く存在します。
したがって、開発経験があることは即戦力として評価されやすく、案件獲得にも有利に働きます。コーディングだけでなく、要件定義・画面設計・デバッグ対応など、実務に沿った一連の開発経験があれば、クライアントの信頼を得やすく、継続的な依頼も期待できるでしょう。
JavaScriptに関する知識
VB.NETを使用した業務システムでも、画面上の動きを補完するためにJavaScriptが使われるケースは多くあります。例えば、Webベースのアプリケーションや、WinFormsでもWebブラウザコンポーネントを組み込むような場合、役に立つのがJavaScriptに関する知識です。
JavaScriptを使えば、動的な画面制御やバリデーションの実装など、ユーザーにとって使いやすいUIの構築が可能となり、クライアントからの評価も高まります。フリーランスとしての活動において、フロントエンドとの連携やUI/UX改善に関する知識を持っていることは強みとなるため、VB.NETとあわせてJavaScriptの基本を押さえておくと有利です。
SQL・データベースのスキル
業務システムの多くはデータベースとの連携が必須であるため、フリーランスのVB.NETエンジニアにとって、SQLやデータベースのスキルが欠かせません。具体的には、データの取得・更新・削除といった基本操作から、複雑なJOINやサブクエリ、ストアドプロシージャの作成・修正などがあげられます。
特に、業務に密接に関わるデータ処理を行う場面では、効率的なクエリ設計やパフォーマンス改善の知識が重要です。扱うデータベースはSQL Serverが多いですが、OracleやMySQLなど他のRDBMSへの対応力があると、さらに仕事の幅が広がります。
C#に関する知識
.NET Frameworkをベースにした言語であるVB.NETとC#は、文法が異なるものの基本的な考え方や使用されるライブラリは共通しています。そのため、C#に関する知識を持っていると、VB.NETのコードをC#に変換するプロジェクトや、混在プロジェクトへの対応がスムーズになります。
フリーランス案件で見てみると、VB.NETで開発された既存システムをC#へ移行する案件も増えており、C#の習得は今後の案件獲得にも有利です。現在では、C#の方が新規開発における主流となってきているため、VB.NETにくわえてC#にも対応できるエンジニアは、幅広い案件に対応できる柔軟性を手に入れることができます。
VB.NETエンジニアのフリーランスが高収入を目指すポイント

フリーランスのVB.NETエンジニアとしてより高い報酬を得るためには、開発スキルにくわえて、付加価値のある経験や知識を身につけることが重要です。そのためには、エンジニアとしての専門性を深めるだけでなく、プロジェクト全体を見渡せる視点を持つことが大切です。
本章では、VB.NETエンジニアがフリーランスとして高収入を目指すために、押さえておきたいポイントについて解説します
上流工程やマネジメントの経験・スキルを身につける
フリーランスのVB.NETエンジニアが高収入を目指すうえで重要なのが、要件定義や設計といった上流工程の経験を積むことです。上流工程では、クライアントとの打ち合わせを通じて業務課題を把握し、システムの方向性を決める役割が求められます。
また、チームをまとめるマネジメント力も重視されるスキルのひとつで、進捗管理や人員調整ができる人材は、報酬面でも高い評価を受けやすくなります。開発スキルに加えてこれらの経験を持つことで、フリーランスとしての市場価値は確実に高まるはずです。
大規模プロジェクト開発の経験をする
大規模開発では、複数人のエンジニアが連携しながら進めるため、設計の整合性やコードの品質・スケジュール管理などはより高い厳密さが必要です。そうした環境で培った経験は、技術力だけでなく、チーム内での役割理解や協調性・リーダーシップといったスキルの証明にもなります。
大規模な案件への参画は、高度な技術や幅広い業務知識に触れられる機会を増やすため、結果として高単価案件への挑戦に結び付きやすくなります。実績としての信頼性を高める効果も期待でき、次の案件獲得にも良い影響をもたらすでしょう。
VB.NETのフリーランス案件を探す方法

VB.NETエンジニアとして継続的にフリーランス案件を得るためには、自分に合った案件探しの方法を知っておくことが重要です。現在はインターネットを活用したサービスの普及により、案件を探す手段も多様化しているため、自分の強みを活かせる方法を選ぶことでより効率的に仕事を見つけられます。
ここでは、VB.NETのフリーランス案件を探すために有効な4つの主要な方法について紹介します。
- フリーランスエージェントの利用
- クラウドソーシングサイトの利用
- 企業へ直接営業を行う
- 知人からの紹介
フリーランスエージェントの利用
フリーランスエージェントは、ITエンジニア向けの案件紹介を専門とするサービスで、VB.NETエンジニアにも多くの案件を提供しています。エージェントを利用するメリットは、希望する条件に合った案件を効率的に見つけられることや、営業・契約手続きを代行してくれる点です。
案件内容から単価・期間・リモート対応の有無など、細かい条件をエージェントが調整してくれるため、開発に集中しやすい環境を整えやすくなります。実績がある人ほど好条件の案件を紹介されやすくなるので、利用の際はスキルや経験を明確に伝えるようにしましょう。
VB.NETスキルを含むITエンジニア向けの案件紹介サービスとして、BIGDATA NAVI(ビッグデータナビ)があります。ビッグデータ関連の求人サイトでは業界最大級の案件数を誇り、機械学習・AIなどの先端案件が豊富であることが魅力です。
ITエンジニアやプログラマー、データサイエンティスト、コンサルタント・PM・PMOといったIT系人材は一度登録して案件紹介を受けてみるとよいでしょう。
クラウドソーシングサイトの利用
クラウドソーシングサイトは、仕事を依頼したい企業や個人と、案件を探しているフリーランスをオンラインでマッチングするサービスです。VB.NETを活かせる案件も掲載されており、初心者でも始めやすいのが特徴です。
登録後すぐに仕事を探せる手軽さや、短期間から継続的な案件まで幅広く選べる点が魅力ですが、単価は比較的低めなことが多いので内容はしっかり確認しましょう。実績を積むことで、より高単価な案件に応募しやすくなるため、ステップアップの場として活用するのもひとつです。
企業へ直接営業を行う
企業に対して直接営業を行う方法は、フリーランスとしてより高単価の案件を獲得できる可能性がある手段です。他のフリーランスやエージェントとの競合を回避でき、マージンを取られることもないため、手取り額を増やせるからです。
しかし、営業活動には時間と労力が必要であり、継続的な案件確保のためには信頼関係の構築が欠かせません。ポートフォリオや過去の実績を提示し、自分のスキルがどのように企業の課題解決に役立つかをわかりやすく伝えることが成功のポイントとなります。
知人からの紹介
知人や過去の職場の同僚、取引先からの紹介によって案件を得る方法は、信頼関係を基にした有効な手段です。紹介での案件は、事前に人柄やスキルを理解してもらえていることが多く、スムーズに仕事が始められるだけでなく、長期契約や継続的な依頼に繋がるケースも少なくありません。
また、紹介を通じて得た仕事は報酬交渉がしやすい傾向があり、条件面でも有利になる可能性があります。人間関係を大切にした信頼の積み重ねが、新たな案件獲得のチャンスを広げてくれるはずです。
VB.NETエンジニアがフリーランスになるメリット

企業に所属せず、自分の裁量で働けるフリーランスは、エンジニアにとって魅力的な働き方のひとつです。VB.NETエンジニアとして一定のスキルや経験を持っている場合、フリーランスへの転身によって収入増加や、さらなるスキルアップが期待できます。
ここからは、VB.NETエンジニアがフリーランスとして活動する際に得られる具体的なメリットを4つの観点から説明します。
- 働く時間や場所にとらわれない
- 収入アップに繋がる
- 経験・スキルアップに繋がる
- 好みの案件を選べる
働く時間や場所にとらわれない
働く時間や場所にとらわれない自由度の高さは、フリーランスのVB.NETエンジニアとして働くメリットのひとつです。会社に出社する必要がなく、自分の好きな環境で作業でき、クライアントとの合意があれば、平日の日中以外の時間帯にも仕事を進められます。
これにより、育児や介護との両立・副業との併用・自分のペースでのスキルアップなど、柔軟性の高い生活設計が可能になります。時間や場所の制約が少ないことで、よりストレスの少ない働き方ができるのは、フリーランスならではの大きな魅力です。
収入アップに繋がる
自分のスキルや実績・営業力によって受注できる案件の単価が大きく変わるフリーランスでは、努力次第で収入を大きく伸ばせます。専門性の高い案件や、長期契約のプロジェクトでは高単価が期待でき、複数の案件を同時にこなすことで収入をさらに上乗せすることも可能です。
また、仲介を介さず直接クライアントと契約できれば、手数料が抑えられ手元に入る金額を増やすことに繋がります。自分の努力や工夫がそのまま収入に直結する点は、フリーランスならではのメリットといえるでしょう。
経験・スキルアップに繋がる
フリーランスとして活動していると、さまざまな業種や企業の案件に携わる機会を持つことができ、その都度新しい技術や業務知識を吸収できます。会社員と違い、プロジェクトの選択が自由なため、自分の成長に直結する分野を意識して選ぶことで、短期間で多様な経験を積むことが可能です。
さらに、要件定義から設計・実装・テスト・運用まで幅広く関われることも多く、全体的な開発スキルの向上にも繋がります。常に自己研鑽が求められるフリーランスは、自然に学び続ける習慣が身につき、結果的にエンジニアとしての市場価値も高まります。
好みの案件を選べる
自分の得意分野や興味のある分野に絞って仕事を選べるフリーランスは、仕事の内容に納得感を持ちながら働けます。会社員の場合は、配属先や担当業務が自分で選べないことも多く、やりたい仕事ができないという悩みを抱えることもあるかもしれません。
一方で、案件を自ら選べる働き方であれば、VB.NETを活かした開発業務の中でも、自分が挑戦したい領域や関わりたい業種を優先的に選べます。短期集中型の案件や、長期安定型のプロジェクトなど、働き方やライフスタイルに合わせた柔軟な選択も可能で、モチベーションの維持やパフォーマンスの向上も期待できます。
フリーランスVB.NETエンジニアの今後の需要や将来性
VB.NETは既存システムの保守や改修において一定の需要があり、今後も保守・運用のフリーランス案件が継続的に発生すると予想されています。くわえて、金融・製造・物流など、長年VB.NETを利用してきた業界では、VB6.0からVB.NETへの移行プロジェクトが進行しており、移行作業に対応できるエンジニアの需要は高いです。
一方で、C#やPythonなど他の言語へのシフトも増えていることから、他の言語や最新技術への対応力を身につけることも重要です。継続的なスキルアップと市場動向の把握が、フリーランスVB.NETエンジニアとしての将来性を高めるポイントになるでしょう。
まとめ
VB.NETを扱うフリーランスエンジニアは、既存システムの保守や業務システムの開発といったニーズが今なお根強く、安定した案件を獲得できる可能性があります。特に、VB.NETの経験者が減少しつつある中で、対応できる人材は重宝されやすい傾向にあり、高単価の案件に繋がることも珍しくありません。
しかし、将来的な案件数の減少も予想されるため、VB.NET以外のスキルも積極的に身につけておくことが重要です。自分のキャリアを長期的に見据え、常に市場の動向を意識しながらスキルアップを続けることで、VB.NETエンジニアとしての価値を高めていけるでしょう。

AIを仕事にするためのキャリアノウハウ、機械学習・AIに関するTopics、フリーランス向けお役立ち情報を投稿します。