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フリーランスの履歴書・職歴の書き方を完全ガイド!【テンプレート情報あり】

フリーランスの場合でも、履歴書や職務経歴書の作成を求められる場面は意外に多くあるというのをご存じでしょうか。実際に履歴書を作る段階になって、フリーランスという立場ならではの書き方に悩んでしまうといった声もあるようです。そこで今回は、フリーランスの方に向けて履歴書や職務経歴書の書き方について解説していきたいと思います。履歴書のテンプレート情報もあるので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

フリーランスや業務委託で履歴書が必要なケースとは

フリーランスや業務委託で履歴書が必要なケースとは

フリーランスや業務委託の場合、一見履歴書が必要なケースはあまりないように思われがちです。ですが、新規案件を獲得する際、履歴書の提出が求められるケースは意外と多く発生します。ここでは、履歴書が必要になる3つのシーンをご紹介します。

エージェントを利用する場合

フリーランスが案件獲得にエージェントを利用する場合、サービス登録時に職務経歴書とともに履歴書の提出が求められます。エージェント側で案件をマッチングするためにも、履歴書で過去の実績や経歴を判断することが重要になります。

クライアントから求められた場合

エージェントを利用せず、個人で仕事を受注する際も、クライアントから職務経歴書・履歴書を求められることがあります。特に、クライアントが大企業の場合や、月・年単位の長期間継続する案件の場合に多いです。人気の案件で多数の応募がある場合は、クライアントが履歴書を見て書類選考を行うこともあります。履歴書の内容を充実させることが、案件獲得への近道と言えるでしょう。

正社員やアルバイトに応募する場合

フリーランスから正社員・派遣社員に転職する場合、またはフリーランスを続けながらパート・アルバイトで働く場合も、面接時に履歴書の提出が必要です。フリーランスで得られたスキル・経験を志望先の企業で活かせることをアピールするためにも、履歴書の内容は大切です。

フリーランスが履歴書に記載するべき項目

フリーランスが履歴書に記載するべき項目

フリーランスの履歴書は一般の履歴書と内容はあまり変わりませんが、職歴の書き方などがやや異なります。ここでは、履歴書に記載するべき項目を解説します。

基本情報

氏名・生年月日・性別・住所・連絡先・証明写真などの項目があります。基本的には一般の履歴書と同じ書き方です。証明写真は撮影から3か月以内のものを使用するのが一般的ですが、企業によっては6か月でもOKとする場合があります。

学歴と職歴

学歴に関しては、一般的な履歴書の書き方と同様です。職歴については、今までの職歴、フリーランスとしての業務経歴の開始日・終了日を分かりやすく記載します。具体的な業務内容やスキルは職務経歴書に別途記載するため、履歴書では詳しい記述をする必要はありません。

なお、フリーランスの業務経験の書き方に関しては、後ほど詳しくご紹介します。

資格

資格は業務に関連性の高いものから優先的に書きましょう。また、一見業務とは関係なさそうな資格でも間接的に役立つ可能性があるので、「○○1級」のような高難易度のものも積極的に記載しましょう。一方、「○○3級」など、取得難易度が低いものは省いても構いません。

志望動機

志望動機は、案件での業務やクライアントに対して、自分がどのように貢献できるのか詳しく記載しましょう。同様に、その仕事での目標や結果を書くのも効果的です。

自己PR

自己PRでは、スキル面とコミュニケーション面をアピールすることが特に重要です。スキル面では仕事で即戦力として役立てるということを実績と共にアピールしましょう。具体的な数字を添えられると好印象です。また、複数人で働く場合、メンバー間で円滑にコミュニケーションできることも大切なポイントです。メンバーの多いチームで働いた経験や、営業での顧客折衝の経験があれば積極的にアピールするとよいでしょう。クライアントに訴える自己PRを書くには、そのクライアントのWebサイト、求人情報を閲覧して求められる人物像をイメージすることも有効です。

業務実績

履歴書のテンプレートによっては、これまでの業務実績を記入する欄があります。クライアント名、案件内容、期間、プログラマーの場合は使用した言語などを書きましょう。クライアント名を出せない場合は、「某IT企業」などと記載すれば問題ありません。

フリーランスの職歴の書き方(タイプ別)

フリーランスとしての業務経験を職歴に書く場合、「入社」「退社」といった表現は使いません。どのように働いていたかで書き方のパターンが異なるため、代表的なものを説明します。

開業届を出していた場合

開業届を出し個人事業主として活動している、もしくはしていた経験がある場合は、必ず開業日を明記しましょう。開業手続きを行ったことが、事務処理能力があると好意的にみなされる可能性があります。また、従業員がいた場合はマネジメント経験・経理知識もあると判断されやすいため、従業員人数とともに省略せずに記載しましょう。開始日は「開業」、終了日は「廃業」「事業売却」などの単語が用いられます。

記入例①

令和2年8月□□制作事務所開設個人事業主として開業
(「屋号:〇〇」)職種:Webデザイナー

令和4年10月株式会社△△へ事業売却

記入例②

令和2年5月個人事業主として開業
(「屋号:〇〇」)コンサルティング事業を展開

令和3年6月一身上の都合により廃業

開業届を出していない場合

開業届を出していない場合、開始日には「活動」「従事」、終了日には「活動停止」と記載しましょう。また、面接時に「開業届を出して活動していたのか?」と問われることもまれにあるため、なぜ開業届を出さなかったか説明できるよう準備しておくとベストです。

記入例

令和元年5月個人事業主として従事 エンジニアとして活動

令和4年2月一身上の都合により活動停止

クラウドソーシングサービスを利用していた場合

クラウドソーシングで活動している場合は、開始日に「登録」、終了日に「退会」という表現を使いましょう。同時期に別の活動をしていた場合は省略しても構いませんが、明確な職歴がない場合や、面接先の事業に関係する案件を受けていた場合は記載しましょう。

記入例

令和元年7月個人事業主としてクラウドソーシング○○○○登録Web開発の受託

令和3年5月クラウドソーシング○○○○を退会

令和3年5月一身上の都合により活動停止

家事手伝いや家業の社員、家族従業員だった場合

家族が営んでいた事業を手伝っていた場合、その家業が法人化されていたか否かで書き方が変わります。法人化された家業で社員として働いていた場合、一般的な会社員と同じく開始日は「入社」、終了日は「退社」と記載しましょう。個人事業主の家族の元で家族従業員として働いた場合、「家業である○○に従事」と記載しましょう。

記入例①

※法人化されている場合

令和2年1月○○株式会社に入社Webデザイン業務に従事

令和3年3月一身上の都合により退職

記入例②

※家族従業員の場合

令和2年1月家業である○○設計事務所に従事CADオペレーション業務を行う

令和4年2月一身上の都合により退職

NDA(秘密保持契約)で実績を公開できない場合

フリーランスとして履歴書に実績を書きたいけれど、NDA(秘密保持契約)の都合で具体的なクライアント名や成果を公開できないケースはよくあります。

このような場合は、実績を抽象的に記載してアピールする方法があります

たとえば「某大手企業」「業界名」「プロジェクトの種類(Webサービス、アプリ、AIモデル構築など)」といった曖昧な表現でクライアントを特定できないようにした上で、期間、役割、自身が使ったスキルや技術、得られた成果(例:処理速度が×%改善、ユーザー数を増加させた、エラー率を低下させたなど)を数値ベースで記載するとよいです。

また、職務経歴書やポートフォリオで非公開実績の概要を説明できるように準備しておくと、面談時の信頼感が高まります。

フリーランスが履歴書を書くときの注意点

フリーランスが履歴書を書くときの注意点

履歴書を書く機会は少ないので、いざ書こうと思ったらつまずくことも多いでしょう。この項目では、よくある注意点に関してまとめています。

指定された様式・形式の履歴書を利用する

企業からあらかじめ履歴書の様式・形式が指定されている場合は、必ずそれに沿ったものを用意しましょう。一般的には、履歴書の様式は「JIS規格履歴書」、用紙のサイズはA3版を2つ折りにして使用する場合が多いです。

手書きかPCでの作成かで迷う場合もあるかと思いますが、応募先から特に指定が無ければPCでの作成がおすすめです。メリットとして、書き損じた際の修正が楽であること、また履歴書をメールでやり取りする場合に便利であることが挙げられます。

履歴書の文字サイズやフォント

文字サイズは10.5~11pt(氏名のみ14~18pt)が目安です。フォントは明朝体などに統一し、カラーも黒に揃えましょう。手書きの場合、「黒か青の筆記用具で記載せよ」と指定されるケースもありますが、黒を選択するのが無難です。

修正液や修正テープは使わない

手書きで書き損じた場合、修正液や修正テープは使わずに書きなおしましょう。修正箇所があると、採用担当者からの信頼度が下がる原因になります。提出直前に書き損じに気づいた場合、二重線を引いて訂正印を押す方法もとれますが、なるべく書きなおすほうがベターです。

働いていない期間がある場合の書き方

働いていない期間に関しては、正直に履歴書に記載しましょう。ただ、採用担当者から「何か働く上でトラブルがあったのか」と疑疑問を持たれるため、自己PRや志望動機で仕事への意欲を示すようにしましょう。働いていない期間の明確な理由、または学習していたことなどを伝えられると効果的です。

「現在に至る」と「以上」の使い分け

職務歴の最後には、「現在に至る」または「以上」と記載します。

「現在に至る」は、引き続き就業中である場合に用います。例えば、履歴書提出時点でも以前からフリーランスで働き続けているという方は、「現在に至る」を使用します。一方、「以上」は「ここまでの内容に相違ない」「これ以上書くべき職歴はない」ということを示すため、就業中の方も離職中の方も用います。

まとめると、現在も就業中であれば「現在に至る」「以上」両方を用い、離職中であれば「以上」のみを記載します。なお、「現在に至る」は職歴蘭に左揃えで、「以上」は次の行に右揃えで記載するので注意しましょう。

フリーランスをやめる場合、ネガティブな表現を避ける

フリーランスから社員・アルバイトに応募する場合、企業側は「なぜ会社員に転身するのか」という疑問を持ちます。その場合、「収入が安定しない」などフリーランスのデメリットを理由に挙げてしまうと頼りない印象になってしまいます。「一人では実現できない仕事に携われること」「勉強会に参加してスキルを磨けること」など、前向きな要素を取り入れましょう。

フリーランスの履歴書に関するよくある質問

フリーランスの履歴書に関するよくある質問

フリーランスとして活動する中で、履歴書をどう書くべきか迷う方は多いです。正社員と異なり、案件ごとに契約形態や実績の公開範囲が異なるため、一般的な履歴書の書き方がそのまま当てはまらないケースもあります。

例えば、希望年収や単価を記載すべきか、職務経歴書やポートフォリオを一緒に提出した方がよいのか、あるいは写真はスーツで撮影すべきなのかといった疑問はよく寄せられます。

また、案件ごとにスキルや経験が積み重なっていくため、履歴書の更新頻度についても悩みやすいポイントです。これらの疑問を解消し、信頼性の高い応募書類を整えることが、フリーランスにとって案件獲得の大きな武器になります。

履歴書は単なる形式的な書類ではなく、あなたのスキルと実績を適切に伝える重要なツールであることを意識しましょう。

履歴書に希望年収や単価は書くべき?

履歴書や職務経歴書に「希望年収」や「希望単価」を書くかどうかは、案件形式や相手によって判断が分かれます。

例えば、BIGDATA NAVI の案件紹介サービスを利用するフリーランスの場合、案件契約時に単価交渉が発生することが一般的であり、あらかじめ自分の希望単価を示しておくことで案件提案のマッチングがスムーズになることがあります。

ただし、履歴書の段階で高すぎる希望を掲げると応募から除外されるリスクもあるため、自分の経験年数・スキルレベル・相場をよく調べたうえで現実的な範囲で記載することが大切です。

また、希望年収を記載する際は「案件あたりの単価目安」「月間稼働時間を想定した収入」など具体的背景を添えると、相手にとって条件の理解がしやすくなります。

職務経歴書やポートフォリオも一緒に提出するべき?

履歴書だけではフリーランスとしての実力やスタイルを十分に伝えきれないことが多いため、職務経歴書やポートフォリオを一緒に提出することを強くおすすめします。

ポートフォリオに関しては、クライアントへ具体例を見せられる形式の成果物や画面キャプチャ、ソースコードの一部など、公開可能な範囲で構成すると説得力が増します。

秘密保持契約がある案件は抽象化して記載するか省略し、それでも自身のスキルが伝わるよう構成するのがポイントです。

写真はスーツじゃないとダメ?フリーランスらしい服装は?

履歴書や自己PR用の写真については、必ずスーツでなければならないというルールはありません。

ただし、業界や応募先のスタンスによって印象が変わるため、清潔感・プロフェッショナルさを意識した服装が望ましいです。

また、フリーランスとして案件を受ける際には「信頼感」が重視されるため、第一印象を損なわない服装や背景・照明を整えることが大切です。

どのくらいの頻度で更新するべき?

履歴書・職務経歴書・ポートフォリオは、「新しい案件を終えるたび」「スキル習得や成果が出たとき」に更新するのが理想的です。

案件提案・マッチング時に担当者がスキル・実績を確認するため、最新の情報が記載されていなければ機会を逃す可能性があります。

さらに、希望する単価帯や働き方、取り組みたいジャンル(AI、 データ分析など)が変わったときも更新タイミングです。少なくとも半年から1年に一度は全体を見直して、新しい成果やツール・プロジェクト内容を整理し、見せ方も改善しておきましょう。

継続的なブラッシュアップが、クライアントに良い印象を与える鍵になります。

フリーランス向けの履歴書テンプレート情報

この項目では、履歴書のテンプレートをご紹介します。

「リクナビネクスト」履歴書・職務経歴書テンプレート

オーソドックスなタイプの履歴書、職務経歴書のテンプレートを無料でダウンロードできます。履歴書はWord・Excel・PDF形式、職務経歴書はWord形式で配布されています。

「転職Hacks」履歴書テンプレート

オーソドックスなものに加えて、初めての転職に向いたもの、経歴・経験をアピールする欄が大きいものなど、いくつかバリエーションが用意されています。Word・Excel・PDF形式でのダウンロードが可能です。

まとめ

フリーランスの方が履歴書や職務経歴書を書く際には、ただ形式を整えるだけでなく、クライアントに対して即戦力や信頼感を伝えることが重要です。

ただ、これまでどのように働いていたかで書き方が少し異なったりと、注意しなければいけないこともたくさんあります。

履歴書のテンプレートなども活用しながら、自分ならではのアピールポイントが充分に伝わる履歴書・職務経歴書を書けるようにしておきましょう。

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