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2021/10/14

AIエンジニアに転職するには?業界動向や年収、スキルなど徹底解説

AI開発の市場が拡大するなか「AIエンジニア」を積極採用する企業も増えてきました。20代・30代の若手人材のなかには、AI・データサイエンス業界への転職を考える方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AIエンジニアの転職事情のほか、求人の探し方などを解説します。未経験から挑戦する際の勉強方法や役立つ資格もみてきましょう。

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AI業界の動向

AIエンジニアは時代の花形、というイメージがあるかもしれませんが実際のところはどうなのでしょうか。ここではまず、AIエンジニアへの転職を考える人にとって気になる業界の動向を見ていきます。

AI業界は市場規模が拡大

経験により自ら認識・学習し、判断・予測能力を高めていくことのできるAI(人工知能)は、21世紀に入って急速に進歩した技術です。コマンドを与えなければ動くことのできないコンピュータと違い、人間の脳と同じような学習能力を持ち知的な振る舞いが可能なAIは、その可能性も幅広く、市場規模は急速に拡大しています。

技術の進歩が現在進行形で進んでいることもあり、2030年度には国内だけでもその市場規模は2兆1286億円になるという予測も出ているほどです。

AIの事例や活用分野が広がる

AIはいまや人々の生活に身近なものとなっています。例えば、お掃除ロボットは障害物を検知して避けたり、家具などのレイアウトを学習したりすることで、自律走行しながら掃除をすることが可能となっており、家庭はもちろんビル清掃でも大いに活躍しています。

自動運転や自動会計システム、スマートホームにもAIが搭載されていく傾向にありますし、クレジットカードの不正利用検知にも利用されるなど、AIが生活を便利、かつ安全にするために活用されている事例には枚挙にいとまがありません。さらに、ビッグデータの分析にもAIは欠かせないものとなっています。

高まるエンジニア需要と人材不足

デジタル化が進み社会の様々な場面でAIが普及するようになると、当然のようにAIエンジニアの必要性も高まります。ですが、需要の急激な増加に対し人材育成がなかなか追いつかないこともあり、AIに関連する技術者・研究者の不足は日本だけでなく世界的な傾向として顕著となっています。

経済産業省の調査によると、2018年時点ですでに3.4万人のAI人材が不足しており、2030年には12.4万人~14.5万人の人材不足が予想されているのです。従って、AIエンジニアの「売り手市場」は当面続いていくと考えられます。

AIエンジニアの仕事内容

ここからは、AIエンジニアの仕事内容を具体的に紹介します。

AI開発

AIは導入される場面によって必要とされる要件が異なります。様々なAIのアルゴリズムや技術の中から目的を達成するのに最適な手段を選び出し、データの整理や試行錯誤をして、それぞれに合ったAIモデル(システム)を構築するのはAIエンジニアの重要な仕事です。

クライアントがどのような機能を求めているのかをヒアリングで明らかにし、商品やサービスの特徴を理解したうえで最適なAIを開発します。

PoC

PoCは「Proof of Concept」の略で、日本語では概念実証と訳されます。AIは試作品の段階で様々な検証を行い、その結果によって本格的な開発に入るかどうかを決めますが、この試作品の検証がPoCです。

ここで検証されるのは想定した精度で正しく動作するか、実装化は技術的に可能であるか、費用対効果はどうか、といった項目です。

システム実装

PoCの結果、試作したAIの有効性が認められると本格的な開発に入ります。この業務ではシステム開発を担当するエンジニアと協力してプロジェクトを進めます。試作品をベースに仕様やタスクを洗い出し、細部を調整しながら本番反映までのスケジュールを組みます。

小さな単位で完成した毎にテストを行って仕様を満たしているかどうかを確認し、バグがあれば修正していきます。実際のデータをAIで解析してモデルの調整などもおこないます。

データ分析

AIエンジニアは開発だけではなく、ビッグデータを使った分析を行うこともあります。財務会計や営業・マーケティング、製造、店舗などに関するデータを分析することにより、経営改善や課題解決、店の売上アップなどに寄与します。

社会でのAI利用はまだまだ始まったばかりなので、手探りの分野も多いですが、認識や予測に関する処理は有用です。ビジネスで応用できそうな手がかりを探したうえで、必要に応じてAIシステムの改善を行います。

研究・リサーチ

AIの世界は日進月歩で常に新しい技術が登場しており、学術的な研究も欠かせません。大学や民間の研究施設で数理と向き合う研究者も働き方のひとつです。最新の研究に目を配り、論文のリサーチをして情報を仕入れ、論理的な仮説の検証をおこないAI技術の発展に活かしていくことが必要です。このような科学技術の探求もAIエンジニアの重要な仕事の一つと言えます。

AIエンジニアの転職事情

売り手市場と言われるAIエンジニアですが、転職はしやすいのでしょうか。経験者と未経験者で異なる転職事情を解説し、合わせて年収相場も見ていきます。

中途採用の求人は経験者募集が中心

AIエンジニアは専門性の高い職種なので、転職では経験者が圧倒的に有利です。中途採用で見かけるAIエンジニアの求人では大多数が経験者を募集する内容と言っても良いでしょう。AIエンジニアを募集する企業においても未経験者を指導できるようなマネージャークラスの人材は特に不足しているため、マネジメント経験者やシニアエンジニアは引く手あまたとなっています。

名のある民間企業でAIの開発を経験した人なら、そのスキルや知見は他社でも役立つので即戦力として歓迎されます。

未経験での転職なら年収ダウンも覚悟する

未経験からAIエンジニアへの転職を目指す場合は、そもそも募集する求人数が少ないため狭き門となっています。AI領域でも未経験OKの募集がないわけではありませんが、その場合は即戦力ではなく社内で育成することを前提としているため、年収のレンジは300~400万円と低めです。

人によっては年収ダウンになるかもしれませんが、その分会社で勉強させてもらえるので良しとするのであれば、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。

AIエンジニアの年収相場

AIエンジニアは希少な人材ということもあって、平均年収は650万円程度と高めです。企業によっても異なりますが、日系企業では多くが500万円~1,000万円の中に収まっているのに対し、外資系企業では800万円~1,500万円とやや高めになっています。

また、AIエンジニアにはフリーランスとして活躍する道も開けており、正社員で会社から雇用されるよりも高い収入が期待できます。

未経験からAIエンジニアに転職できる?

では、実際にAIエンジニアに転職するにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは必要とされるスキルや未経験からの転職方法などについて解説します。

AIエンジニアに必要なスキル

AIエンジニアになるためにはどのようなスキルセットが必要なのでしょうか。以下で具体的に挙げていきます。

プログラミング

AIエンジニアはシステム開発を行うので、プログラミングのスキルは必須です。特にAI開発でよく使われている言語「Python」や「R」の習得は欠かせません。Pythonはシンプルで読みやすくライブラリも豊富なので、AIエンジニアから絶大な支持を集めています。解説書も多く出版されているので学習しやすいでしょう。その他に、JavaScriptやRuby、C言語なども習得しておくと良いです。

数学・統計の知識

AIによるビッグデータの解析やアルゴリズムの検討など、AIエンジニアの仕事では数学や統計の知識が必要となる場面が多々あります。特にAIで認識や推論をおこなう仕組みを理解するためには数学の知識が欠かせません。最低でも微分積分と線形代数、そして確率統計については理解しておくことが必要です。

機械学習とディープラーニング

機械学習はコンピュータに大量のデータを与えて分析させ、それを繰り返すことでパターンを見出し、情報の解析や結果の予測ができるようにする技術です。機械学習の中には人間の脳をモデルにしたニューラルネットワークや、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニングという手法があり、これらについても知っておきたいところです。

データ管理・運用

AIエンジニアは大量のデータを扱いますから、それらを管理・利用しやすくしたデータベースの設計や構築、クラウド上での環境整備などの運用スキルも求められます。データの収集や追加・更新などのデータ加工をスムーズに行うためにはSQLの知識が必要ですし、セキュリティや障害対応などITインフラに関する知識も重要です。

未経験で転職するのに有利な人

未経験での転職はそれ自体厳しいものであるだけに、少しでも有利な条件を持ちたいものです。ここでは、未経験からAI技術者へのキャリアチェンジで有利になるのはどんな人かを解説します。

第二新卒・新卒枠に挑戦できる若手人材

既卒や新卒者の場合、ポテンシャルを買われて採用される求人枠に挑戦することができます。特に理系学部出身で数理統計学の知識がある人は有利です。第二新卒の場合はある程度のスキルとエンジニア経験が求められることも多いので、スクールに通うなどして勉強しながら大手だけでなく、ベンチャー・スタートアップやSES企業の求人も含め狙っていくのが良いでしょう。

研究職や分析職などの経験者

エンジニアとしての経験がなくても研究者や分析者として働いた経験のある人なら、AIエンジニア候補として採用されることは十分あります。ですが、転職活動に苦戦する場合は、やはりITエンジニアとしてのスキルがあった方が有利なので、まずはIT企業でエンジニアとして働き、スキルを身につけてからAIエンジニアへの転職を図るのが得策でしょう。

エンジニア経験者

すでにプログラム言語での開発スキルは身に付いているITエンジニアからAIエンジニアに転身する場合、あとは、統計や数学、機械学習に関する知識を身につけることで転職が可能になります。また、IoTなどの分野では、組み込み・制御系ソフトウェアの開発経験も有利です。

未経験から目指す際の勉強方法

未経験の人がAIエンジニアに転職するには、独学やスクールで勉強してポートフォリオを作成しながら転職活動をすることになります。では具体的にどうやって知識やスキルを磨けば良いのでしょうか。おすすめの勉強方法を紹介します。

書籍で勉強する

AIはトレンドということもあり、関連する書籍が数多く出版されています。まずはそういった書籍を読んで理解を深めていくのが良いでしょう。イラストを交えた初心者向けのわかりやすいものから実践的な解説書まで様々なものがあるので、徐々に難易度を挙げていくのがおすすめです。

オンライン学習を利用する

ネット上にはオンラインでAIについて学べる学習サービスがあります。いつでも好きなときに好きな場所で学習できるので、スクールに通いたいけれど時間がないという人におすすめです。基礎的な内容なら総務省統計局が提供する「社会人のためのデータサイエンス入門」、必要に応じてプログラミングなどの講座を幅広く学ぶなら有料の「Udemy」などがあります。

資格を取得する

AIエンジニアは資格の必要な職業ではありませんが、転職の際に持っているとアピールできる資格があります。AI関連の仕事に必要な知識も身に付くので、ぜひ挑戦してみましょう。

E資格/G検定

一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催する試験に「E資格」と「G検定」があります。E資格(エンジニア資格)はディープラーニングの知識と実装技術を持っていることを認定するもので、G検定(ジェネラリスト検定)はディープラーニングを事業に適切に活用するための知識と能力を持つことを証明する資格です。どちらもAIエンジニアに必要な知識を問うものなので、勉強のためにも取得しておくのがおすすめです。

統計検定

一般財団法人 統計質保証推進協会が運営する「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。データに基づいた客観的な判断や科学的に問題を解決する能力を問うもので、1~4級と統計調査士、専門統計調査士、データサイエンス(CBT)の4種類があります。AIエンジニアにおすすめなのはCBTです。これはコンピュータ上で高度なデータ解析を行う能力があることを認定するもので、基礎・発展・エキスパートの3段階があります。

実際に動かしてみる

書籍などで一通り学んだら、実際にAIのプログラムを組んで動かしてみましょう。プログラミング技術は経験を積むことで向上します。本を読むだけでなく、手を動かしてみることが習得への早道です。

AIエンジニアに転職する方法

ここからは、具体的な転職活動の方法について解説していきます。

求人サイトで応募する

他の職種と同じく、AIエンジニアに転職する際にも求人サイトが役に立ちます。特にIT専門の求人・転職サイトであれば件数も多く、自分に合った職場を探すことができるでしょう。その際には具体的な業務内容や待遇についてよく確認し、入社してから後悔することのないようにしたいものです。

転職エージェントを利用する

転職エージェントではAIエンジニアを募集する企業の情報を数多く扱っており、カウンセリングを行ったうえで最適な企業を選んでくれるので、ミスマッチの心配が少ないでしょう。求人サイトに出てこない非公開案件を持っているのも強みです。面接対策や提出書類の添削など、サポートが充実しているので安心して転職活動ができます。

プログラミングスクールに通う

特に未経験の人の場合、効率よくスキルを身に付けるにはプログラミングスクールに通うのが得策です。統計学なども含めAIエンジニアに必要な知識を体系的に学ぶことができます。オンライン学習やメンターサポートに対応していたり、転職支援に力を入れたりしているところもあるので目的に合ったスクールを選びましょう。

AIエンジニアの転職で成功するために

最後に、AIエンジニアへの転職を成功に導くためにはどのような点に注意したら良いのか、そのポイントを紹介します。

経歴やバックグラウンドに応じたキャリアを選ぶ

AIエンジニアへの転職では経験・実績が特に重視されます。したがって、他の職種からの転職では、ITエンジニアとしての経験がありキャリアアップとしてAIエンジニアへ転職する、というケースが最もスムーズでしょう。

他業種からの転職では、例えばコンサルティングファームで働いた経験のある人なら、エンジニアよりもむしろAIコンサルタントの方が適任といったケースもあります。

転職活動と並行して学習をおこなう

転職活動を始めるのは知識を身に付けてから、と思う人も多いかもしれませんが、学習と転職活動は並行して行うのがおすすめです。実際に様々な企業を見ることで学習のモチベーションアップにもつながりますし、現在精力的に勉強中であるということでやる気のアピールにもつながります。

特に未経験の人の場合は伸びしろを評価されることも重要ですから、勉強中でも積極的に転職活動を行っていきましょう。

書類選考や面接対策を欠かさない

転職エージェントでは書類の添削と面接対策を行っていると説明しましたが、この二つは一般的に転職活動において自身の印象と評価を決める重要なものです。AIエンジニアという専門性の高い職種であっても、この点においては例外ではありません。

やはり、企業で働く以上社会人としての基本的な素養は求められます。最初に良い印象を持ってもらうためにも、書類選考と面接に関してはしっかりと対策をしておきましょう。

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