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2021/10/12

AIエンジニアの将来性は?この先ヤバい?やめとけ・オワコンと言われる理由

AIの研究や開発に取り組む技術者が「AIエンジニア」です。データ分析やDXの需要が拡大するなか、求人数が増加傾向となり人気の職業ですが、この先将来も安泰なのでしょうか。

この記事では、そんなAIエンジニアの将来性について紹介します。仕事がなくなる心配をされたり、やめとけ、オワコンなどと言われる背景もみてきましょう。

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AIエンジニアの現状

AIエンジニアとは、新しいAI技術の研究開発や収集されたデータの解析、システム開発など人工知能(AI)に関わる技術者全般を指す言葉です。コンピューターに様々なデータを与えて学習させる「機械学習」や「ディープラーニング」といったキーワードが社会に浸透し、識別や認識、予測などの分野で実用化が進んでいます。

将来的には定型的な作業をAIで代替するだけでなく、より複雑で非定型の業務にも活用することが期待されており、ここ数年の市場の成長性は著しいです。一方、急激な需要拡大に対して人材の供給は間に合っておらず、新しい製品やサービスを作り出すプランナーや開発者などAI人材の不足が懸念されています。

まずは、そのようなAIエンジニアを取り巻く現状について確認していきましょう。

AI市場の規模は拡大傾向

コロナ禍によるプロジェクトの中止や撤退などで新規受注に苦戦するAIベンダーも多かったものの、全般的な傾向としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や在宅勤務など効率化への投資意欲が高まっています。クラウドコンピューティングが普及し大量のデータを高速に処理できるようになったことで、画像や音声、テキスト、時系列データなどをリアルタイムに解析するような取り組みもみられるようになりました。

AI関連の市場規模は年々拡大を続けており、AIシステムやソリューションの提供が活発におこなわれています。アイ・ティ・アール(ITR)が行った「AI主要8市場規模推移および予測」での調査によると、機械学習プラットフォーム市場が牽引した2020年度のAI主要8市場の売上金額は513億3,000万円でしたが、2025年度には1,200億円にまで到達する見込みとされています。

AI人材の需要に対して供給は不足

AI市場は年々拡大している一方で、AIエンジニアの供給は追いついていないのが現状です。2019年に「情報処理推進機構」が発表した調査によると、IT企業の約70%以上がAI人材不足を感じていると回答しています。AI技術者には、プログラミングなどシステム開発の技能に加え、数学やデータ解析の専門知識、アルゴリズム選定や精度向上など学習工程に関するノウハウも必要です。そのように、AIエンジニアは高度な専門性とスキルが求められる仕事のため、素養を持つ人材の母数が少なく育成に時間がかかるのです。

統計学や機械学習に関する高等教育を受講し、データ分析のバックグラウンドを持つ大学卒業生の人数は2008年の時点で国内に3400名といわれています。世界でも100万人の需要に対して、AI技術者及び研究者は30万人しかいないという試算があるなど、慢性的なAI人材不足が課題となっているのです。

AIエンジニアは好待遇

あらゆる産業においてデジタル化が加速するなか、高度なIT技術に精通する人材の確保を急務とする企業が増加しており、デジタル人材の待遇改善や給与体系の見直しが図られるようになっています。NECやNTTドコモ、ソニー、DeNAといった各社がAIやデータサイエンスなどを専攻した技術系の大学院生の採用に関して、新卒の初任給を引き上げるなどの施策を発表しています。

AI技術は急速に普及しており、中途採用で経験者を受け入れたい企業は多く、求人の募集条件に好待遇を提示して優秀なAI人材を確保しようと動いているのです。専門性の高い研究職や技術職では特に高収入・好待遇の求人が多く、安定した需要が見込まれています。AIエンジニアとしての経験が積める職場は少ないため、入社の難易度が高い職種ではありますが、経験を積めば希少性が高く将来性のある仕事だと言えます。

教育改革とAI人材育成の推進

デジタルによって事業やサービスを変革するDXの必要性が盛んに呼びかけられるなか、政府からも産業の競争力強化に向けたAI人材の育成が提唱されています。「AI戦略 2019」では、デジタル時代の「読み・書き・そろばん」にあたる数理・データサイエンス・AIの基礎を育む教育改革とAIの研究開発体制の推進による「未来への基盤作り」として、年間2000人のエキスパート創出が目標として掲げられました。

また、大学・高専卒業者全員にあたる年間50万人と、小中高の卒業者を合計した年間100万人に対して、カリキュラム開発や授業の充実を通した学習内容の強化を実施してプログラミング教育がおこなわれる見込みとなっています。

AIエンジニアの需要

ここまでは、現在のAI業界の状況について解説しました。ここからは、AIエンジニアに対する社会のニーズについて見ていきましょう。

AIの需要が高まる産業

AIは様々な分野での応用が期待される技術です。これまでは主に金融やインターネット広告、ITなどの分野を中心にAIシステムが導入されてきましたが、今後は幅広い業界にその技術が広がっていくと予想されます。では、どのような業界で需要が見込めるのでしょうか。以下で、いくつかの例を紹介します。

医療・介護

医療や薬学、介護に代表されるヘルスケア業界では、積極的にAI技術の導入が進められています。例えば、富士フィルムでは、医療現場で活用できるAIを使った画像処理技術を開発しました。診断しにくい画像をより分かりやすく加工することで、医師の診断をサポートする目的で生み出されたものです。

今後もレントゲンや胃カメラ、電子カルテなどのデータを活用することにより、医師や看護師などの医療関係者をサポートする技術が普及していくと予想できます。高齢化が進む日本では、医療分野でのAI需要はこれまで以上に高まっていくでしょう。

製造業

工場内に設置したカメラやセンサーから読み取った情報をAIに判断させるなど製品の生産や加工をおこなう製造業でもAI技術が広まってきています。高品質な製品を提供するためには、市場に出回る前に厳しい品質検査を行うことが重要です。

しかし、製品によっては、熟練者しかできない作業もあり、高度な品質検査を安定的に行うのが難しいという問題がありました。オムロンでは、AIと撮像技術により外観検査の自動化を実現しています。熟練者が持つ技術を広く活用できれば、日本のモノづくりが廃れることはないでしょう。

農業・漁業

農業や漁業、畜産業といった第一次産業でもデジタル技術の活用が試みられています。農業ではハウス栽培での温度管理や水やりなどにAI技術を導入することで、生産性の向上や農家の負担を減らすことが期待されています。

漁業では養殖場の状況に応じてデータ解析を行えば、最適な飼育プロセスなどを詳しく研究できるようになるでしょう。また、企業の中には、AIの画像認識技術を使い、大きな労力が必要とされる収穫作業を手伝えるロボット開発を進めているところもあります。

物流・インフラ

倉庫での保管や貨物の運搬をおこなう物流・インフラ分野でも、AIエンジニアの需要が高まると考えられています。内閣府が実施する「統合イノベーション戦略推進会議」では、物流・インフラ分野でのAI戦略が発表されています。

AI技術を活用し、人的要因の事故を減らす自動運転の研究や、AI画像解析を活用した交通障害の自動検知・予測システムの導入などが推進されています。

需要が見込める仕事

AIエンジニアとして需要が見込める仕事として「DX」「AI技術を用いた製品開発」「AI/IoTなどシステム開発」「保守運用」が挙げられます。それぞれの詳しい内容について以下でみていきましょう。

DX

企業内でのデータ利活用の推進やAIによる業務削減などDX(デジタルトランスフォーメーション)は、今後もAIエンジニアの需要が期待できる分野のひとつです。デジタル技術を活用したビジネス変革の必要性が高まり、大手を中心にDX組織を立ち上げる企業が増えてきました。

しかし、DXの重要な部分を担うAI人材を十分に調達できず、社内のリテラシー不足から、思うような取り組みを進められていない会社も多いのが現状です。

製品開発・研究

カメラやセンサーなどの認識技術や需要予測、チャットボットなどAI技術を用いた新製品や新サービスの開発は、引き続きAIエンジニアの需要がある仕事といえます。大学や研究機関などでの基礎研究は、さらに難易度が高い仕事といえます。

上手くいけば特許を取得できるような技術を開発できるため、大きな達成感を感じられるはずです。製品開発を希望する場合は、大手企業の新規事業部門やAIベンチャーなどで働くのが良いでしょう。

システム開発・SI

AI/IoTなどのシステム開発やコンサルティング、ソリューションを提供するシステムインテグレーションでもAIエンジニアの求人需要は高いです。企業がデータを活用する基盤を整えたうえで、目的に応じたAIの提供方法を考え、システムの実装面についても提案します。

工場や店舗などの物理機器と連動してデータ分析や最適化をおこなうには、IoTデバイスから集めたデータを収集します。IoT分野で活躍するなら、制御・組み込み系の知識も身につけておくと仕事の幅が広がります。

保守運用

AI技術を使った製品やサービスを維持していくためには、稼働後のアフターフォローも重要な業務となります。AI開発の増加に比例して、監視やメンテナンスなどの運用担当者が必要とされるケースも増えてくるはずです。最先端のスキルや技術は求められないので、比較的初心者でも働きやすい業務だと言われています。

一定のAI知識やプログラミングスキルを保有していれば、問題なく仕事を行えます。今後はデータ整備や点検などの業務から仕事を始めて、AI開発に進むというキャリアアップを目指す人も増えていくかもしれません。

AIエンジニアの活躍の場

これまでのAIエンジニアは、IT業界やコンサルティングファーム、一部の大手企業などの限られた環境で働いている人が大半でした。しかし、今後はデータを活用する様々なシーンでAI技術が扱われるようになり、AIエンジニアの活躍の場が増えてきています。AIエンジニアは、どのような就職先で働けるのでしょうか。

民間企業

AIエンジニアは、企業に就職してAI開発に携わることが一般的です。AI技術を扱う会社の技術部門や研究開発などの部署で活躍します。統計の知識や技術を活用して、企業が抱える課題を解決することが求められるでしょう。例えば、データを分析し顧客ニーズを把握することで、顧客が求める新たな製品を開発できます。

大学・研究機関

企業に就職するだけでなく、大学や研究機関でAI分野の研究をするキャリアも考えられます。純粋にAI分野を発展させたい、先端分野に関わる仕事に就きたいと考えている人におすすめの職場です。研究分野に進む場合は、既存の技術を発展させるだけではなく、新しい技術の応用に関する研究も多くなるでしょう。

AIエンジニアはなくなる?やめとけと言われる理由

ここまで、AI技術が発展しており、将来の明るい見通しについて述べてきました。しかしながら、この先もAIが発達することで逆にAIエンジニアが不要になるという考え方もあります。AutoMLのような手法もあり、プログラミングやパラメータ調整などの作業はAIで代行しやすいと言われています。そのため、この先もテクノロジーが進化していけば、AIエンジニアの仕事がなくなる可能性もゼロではありません。

今後数年で、すぐにオワコンとなったり、社会から必要がなくなる訳ではありませんが、20年・30年後にはエンジニア職自体がなくなっている可能性もあるのです。ここからは、そのような心配がされる理由をみていきましょう。

レベルの高い志望者が急速に増えている

やめとけと言われる理由のひとつに、新卒入社など若くて経歴のよい優秀層のAIエンジニアが増加していることがあげられます。競争原理が働くことで、市場環境の二極化が予想されるからです。優秀な人材は好待遇を維持できますが、そうでない人材の待遇は相対的に悪くなると思われているのです。

大学・大学院で数理やデータサイエンスを専攻したレベルの高い人材が増加し経験を積んでいくと、中途半端な経歴やスキルレベルの低いAI人材にとっては脅威になるとみられています。ただし、AIの仕事でも役割分担や棲み分けは進んでいます。マネジメントなどの仕事に就くことができれば、直接若い世代との競争を避けることもできるでしょう。

技術のハードルが高く未経験者に厳しい

AIエンジニアとして働く際に、職場から要求される技術レベルや知識水準の高さも未経験者からするとハードルとなっています。業界未経験で転職やキャリアチェンジに挑戦した多くの候補者が挫折してしまうことから、どうせ無理なのでやめておいたほうが良いという意見もあるのです。

しかしながら、AI業界は慢性的な人材不足のため、必ずしも未経験者が採用されないという訳ではありません。求人を募集する企業によっては最低限のスキルでも採用してくれる会社もあります。しかし、プログラミング経験は求められる職場も多いため、就職が難しいと感じたら、エンジニアやプログラマーとして就職することを考えてもよいでしょう。

市場環境が変化するリスク

将来的に市場環境が変化するリスクが、AIエンジニアが必要なくなると考えられる要因として大きいでしょう。ただし、これは他の職業にも共通する事柄で、AIのみに関連する話とは限りません。AIブームの終焉はいたるところで言及されていますし、開発・普及が進むことで研究などの仕事は減少するとみられているのです。

ただし、稼働するAIシステムが増えれば、運用や保守の人手は必要ですし、創造的な仕事をAIに代替させることは難しいと考えられています。そのため、エンジニアの仕事が極端に少なくなることは当面の間はないはずです。

とは言え、将来的にAI技術が発展することを考えて、市場の潮流を見定めていくことが求められます。業界の最新情報に気を配り、その時代に合った技術を習得しましょう。

AIエンジニアの将来性

最後にAIエンジニアの将来性について見ていきましょう。ここまでお話した通り、現在のところAIエンジニアは、一定の求人数や年収が見込まれる職業です。政府にもAIに関連する知識を学校の教育カリキュラムに組み入れようとする動きが出てきているなど、大きな流れとしては十分将来性のある仕事だと言えるでしょう。

今後も多くの人材が必要とされる

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはAI人材の需要が24.3万人に増加すると推測されています。しかし、2030年時点の人材供給の見通しは12万人となっており、需要と供給にギャップが生じています。AI領域で産業上の発展が見込めることは有力視されており、今後も多くの人材が必要になると考えられています。

ただしスキル・経験を求められることが多い

AIエンジニアは専門性が高い職種のため、就職時には高いスキルや実務経験が求められることが多いです。AIエンジニアを育成できない現場が多く、スキルがあり即戦力となる人材が重宝されるのです。では、AIエンジニアにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

プログラミング

AIエンジニアとして働くなら、プログラミングは必要不可欠です。APIが公開されているクラウドAIサービスなどがリリースされたことにより、プログラミングスキルがあれば、より簡単にAIを活用できるようになりました。AIシステムによく活用される「Python」から習得するのが良いでしょう。

機械学習・ディープラーニング

機械学習やディープラーニングの知識も欠かせません。機械学習は画像認識や結果予測の技術などで活用できます。ディープラーニングは機械学習に応用性を持たせた技術で、膨大なデータから規則性などを発見し、そのデータを元に作業を行います。機械学習とディープラーニングはAI技術の重要な分野で、様々な業務で必要とされています。

統計学・数学

AIで使われているデータ分析などには、統計学や数学の知識が必要です。微分積分や線形代数、数理統計などを学習し、AIの基礎知識を身につけましょう。統計学や数学の学習範囲は広いので、基本知識を学びながら少しずつ勉強を進めていくと良いでしょう。

世界で活躍できる可能性も

AI技術は日本だけでなく、世界中で需要が見込まれる分野です。国内でエンジニアリングや研究の経験を積み実績を残せば、海外で活躍することも夢ではありません。

欧米では機械学習エンジニアやデータサイエンティストの収入は高く、国内よりもさらに高い収入を目指せるでしょう。英語に自信がある人なら、海外就職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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