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Android案件の単価は?フリーランスのAndroidエンジニアになる前に

スマホのネイティブアプリやゲーム、組み込みソフトウェアなどAndroidアプリの開発や運用を担当するエンジニアは求人数が多く人気の高いポジションです。フリーランスエンジニアの不足も叫ばれる領域ですが、業務委託の案件では、月にどの程度の単価が期待できるのでしょうか。

この記事では、KotlinやJavaなどの言語を用いてアプリケーションの開発をおこなうAndroidエンジニアの報酬金額、スキルの目安などを紹介します。今後の将来性についてもみていきましょう。

Android案件のフリーランス求人動向

日々新しくリリースされるスマホアプリの開発や運用を支えるエンジニアが「Androidエンジニア」です。ネイティブアプリ開発のプロジェクトにおいて、企画からコーディング、デバッグ、テストまで一連の工程を担当します。

元々AndroidアプリではJavaでの開発が主流でしたが、近年はKotlinでの開発がメインとなっており、Kotlinの開発経験を持つフリーランス求人が増加しています。スマートフォン・タブレット端末だけでなく、IoT機器など組み込み系のニーズが増加している点もトレンドといえるでしょう。

Android案件に対応するフリーランスエンジニアに最も求められるのが、即戦力として柔軟にアプリ開発を進めることです。ゲーム開発ではクリエイターやプランナーなどと共同で作業することも多く、ECやメディア運営、マーケティングなどビジネスに関する知識を持つエンジニアは希少価値が高く、評価も良い傾向にあります。

Androidとは

Androidは、Google社が中心となり開発しオープンソースとして提供するモバイル端末に特化したOS(オペレーティングシステム)です。スマートフォンやタブレットなどタッチスクリーン式の端末で動作するソフトウェアを開発するためのプラットフォームとして世界でナンバーワンのシェアを誇ります。元々はAndroid社が独自に開発していたOSですが、2005年にGoogle社がAndroid社を買収し、2007年に規格団体の「オープン・ハンドセット・アライアンス(OHA)」から公開されました。

Android案件の報酬・単価相場

Androidエンジニアの年収や単価相場は、仕事内容や過去の経歴などによって変動してきます。またAndroid案件の場合、マネジメント的なスキルよりも、クライアントの要件に沿って実装できるスキルの方が要求されてくる傾向にあります。そのため、報酬や単価相場をアップさせるにはAndroid案件に必要なスキルの向上は必要不可欠です。

Androidエンジニアの単価相場(フリーランス)

KotlinやJavaでの開発経験を持つAndroidエンジニアを募集するフリーランス案件で平均的な単価の相場は、月額で50~60万円です。報酬の金額は経験年数によっても異なり、例えばAndroidアプリの開発経験が1年程度であれば、ひと月あたり30~40万円、5年以上あると70~80万円と言われています。

Android以外のiPhoneアプリやWeb開発での経験などによりエンジニアとしてのスキルが認められれば、Androidの経験自体は短くとも高単価のオファーを得られることもあります。

Androidエンジニアの平均年収(正社員)

求人ボックスの給料ナビによると、正社員のアプリエンジニアの平均年収は549万円です。現在では、iOS/iPhoneとAndroidの違いによるアプリ開発者の年収差は殆どないため、Androidエンジニアの年収もこれに準ずると考えてよいでしょう。正社員ではたらくITエンジニア全体の平均年収は約470万円といわれており、Androidエンジニアの方が全体よりも収入が高い傾向にあります。

正社員エンジニアも経験年数により給料の金額が上下します。ただし、フリーランスと比べて、40代・50代のベテランと若手で給与金額の差が大きい傾向にあります。若くして高収入を得たいならフリーランスを目指してみてもよいでしょう。

Androidエンジニアの案件例

フリーランスのAndroidエンジニアの案件として多いのが、「アプリ開発」と「ゲーム開発」、「制御・組み込み」の3種類です。新規開発のほか、JavaからKotlinへの移行、iOSからAndroidへの移植などの需要もあります。

アプリ開発

業務委託のAndroid案件で中心となるのが、スマートフォン向けのアプリ開発です。設計や企画、技術要素の検討、プログラム実装のほか、テスト・検証や運用の効率化に取り組むこともあります。BtoB及びBtoC向けにサービス提供をおこなう事業会社やベンチャー・スタートアップの社内に参加する案件ではチーム開発の経験が求められます。

システム会社など開発を受託した企業からの依頼では、AndroidとiOSを並行して開発するケースもあり、両方の開発をおこなえるエンジニアの需要は高いです。

ゲーム開発

Google Playで配信されるAndroidアプリのジャンルとして非常に人気がある「ゲーム」も、企業の開発需要が高くフリーランスのAndroidエンジニアが多く必要とされる領域です。ゲーム開発では、運営会社の社内での常駐やリモート/在宅ワークなどの環境で開発に取り組むことが多いでしょう。

スマートフォン向けのソーシャルゲームでも1タイトルで数億円の費用がかかるケースも珍しくなく、大規模なプロジェクトではタスクを分担して作業をすすめることになるでしょう。

制御・組み込み開発

Android OSはスマートフォン以外のインターネットに接続して使用する様々なガジェットやハードウェア製品の開発にも利用されています。組み込み系の開発でもユーザーインターフェースを通じて機器を操作する必要性が出てきており、Androidエンジニアが求められる現場が増えているのです。

エンベデッド開発の案件例としては、カーナビやデジタル家電などのIoT機器のほか、自動車や医療機器、産業用機械などがあげられます。

Android案件の参画に必要な知識・スキル

フリーランスエンジニアとしてAndroid案件に携わるには、KotlinやJavaなどのプログラミングスキルを身に付けてアプリ開発に関する一連の作業を担当できるようにしておく必要があります。コーディング・テストなど実装作業のほかに、設計や要件定義、マネジメントなどの経験を積んでおくと高単価の案件を受注しやすく、フリーランスになっても安定した収入が得られやすいでしょう。

アプリの開発

Androidエンジニアの案件で活躍するには、アプリケーションの構造やAndroidの仕組みを理解して仕様に沿った開発をおこなえるスキルが必要です。KotlinやJavaといったプログラム言語を扱えることに加え、統合開発環境のAndroid Studio、React Native、Flutterなどのフレームワークも経験しておくとよいでしょう。

Kotlin

KotlinはAndroidアプリの開発に特化した比較的新しいプログラミング言語です。実行する際、一時的にJavaのソースコードに変換される事から、Javaとの互換性がある点が大きな特徴です。またコードの記述が簡潔にできる所もKotlinの特徴の一つであり、クラスの定義などが容易にできるようになっています。

Androidアプリの開発にKotlinを使用するメリットとして挙げられるのが生産性の向上が期待できる点です。より簡潔にコードを記載できるKotlinでの開発はJavaを使った場合と比較して2倍以上に生産性をアップさせる事も可能と言われています。

Java

Javaは多くの開発者に利用される世界でユーザー数の多いプログラミング言語です。Androidはもちろん、様々なWebサービスやハードウェア、情報システムなどの開発で使用されています。そのようにJavaは多様な分野の開発案件で使用されており、企業からの求人募集も多い傾向にあると言えます。

そのため、Javaを身に付けておけば、フリーランスになっても仕事探しに苦労する可能性は少ないでしょう。またサンプルコードやドキュメントが多い点もJavaの特徴です。市販の参考書やネット上の情報量も多く、学習しやすい言語です。

アプリの保守運用

開発だけでなく日々のメンテナンスや運用などアプリを維持管理するためのスキルもAndroidエンジニアに必要です。アプリに問題が生じた場合に、どこに原因があるかをみきわめ素早い復旧に努めます。大規模サービスで障害が発生すると機会損失の金額も大きく、安定稼働はエンジニアとして重要なミッションです。

サーバーやデータベースなどのログ監視、バージョン管理などインフラ環境を整える、テストやデプロイなどを自動化し効率化する、などの業務も保守や運用に関わる仕事です。

高単価のAndroidエンジニアを目指すために

Androidエンジニアが高単価な案件を獲得するにはどのようにすればよいでしょうか。エンジニアが単価をあげていくために技術的なスキルレベルの向上はもちろん必要ですが、その他にも軽視できない要素はいくつかあります。より良い報酬の仕事を受注するために必要なポイントをみていきましょう。

マネジメントや上流工程の経験

ネイティブアプリの開発においてマネジメント又は設計など上流工程の経験があるという方は、クライアントとの打ち合わせのタイミングでこれらの経験をアピールしてみましょう。上手くアピールできれば、プログラミングといった開発だけでなく上流工程も任せてもらえる可能性があり、そうなれば必然的に報酬の金額は高くなります。

業界・業務知識などの専門性

プロジェクトに関連した業界知識や専門知識を持っている場合は、隠す事なくクライアントに対してアピールしていくと良いでしょう。特にゲームや組み込みといった専門知識があると大きな強みとなり、仕事の範囲が広がって結果的に高単価な案件が期待できます。

コミュニケーションスキル

高単価な案件を多く獲得できるようにするためには、コミュニケーションスキルも必要不可欠です。大規模なスマホアプリの開発では、チームを組んで開発を行うケースも多いですし、技術者以外のメンバーとも密に連携をとって情報を共有する必要があります。そのためには、エンジニアといっても連携した対応が求められます。

意思疎通に関する能力が欠如していると、チーム内の情報共有が上手くいかず、開発に影響を及ぼす可能性もあります。より高い報酬のAndroidエンジニアを目指すのであれば、交渉や営業などの対人スキルもアップさせていくという意識を持つ事が重要でしょう。

Android案件の需要と将来性

順調に成長を遂げるモバイルアプリの市場ですが、Androidエンジニアの需要は今後も高いのでしょうか。ここからは、Androidアプリ開発のフリーランスについて将来性を解説します。Androidアプリの開発において主要な言語となるKotlinは2017年に正式な開発言語に採用されたばかりということもあり、技術者の人材は不足している状況です。

一方で、Androidアプリのインストール数は世界中で拡大しており、リリースされるアプリの数にも増加の傾向がみられます。ゲームや占い、映像、音楽、SNSなどのエンターテイメントだけでなく、勉強、健康管理など様々な分野においてアプリ開発者の求人需要は継続するでしょう。

iPhoneやApple製品のシェアに左右されるiOSと異なり、Androidは様々なメーカーやデバイスにも採用されており、 今後減少していく心配はほとんどないとの見方もあります。そのため、エンジニアの将来性は明るいと言えるでしょう。

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