データアナリストのキャリアパス【AI時代のロードマップ】

データアナリスト・データサイエンティストという分析に関わる仕事に興味を持つ人にとって、どうすればなれるのか、学歴や職歴、そして将来的にどんなキャリアプランを描けるのかというのは気になる点でしょう。
本記事では、就職・転職などを通じたそれぞれのキャリアパスを解説します。
データアナリストからデータサイエンティストへのキャリアチェンジの方法も見ていきましょう。
そもそもデータアナリストとはどのような役割なのか、また自分自身がデータアナリストに向いている人なのか気になっている方は、まず適性を確認しておくことが大切です。

目次
データアナリストのキャリアパス
まず、データアナリストになるまでの道のりとその先のキャリアパスについて解説します。
データアナリストになるまでのキャリアパス
データアナリストのキャリアをスタートさせるきっかけとしては、以下の3パターンが考えられます。
- 新卒でデータ分析の部門に配属される
- 研究職や技術職として採用されたあとで分析職に配置換えされる
- 本人の希望で部署異動する
最近では、他の専門職と同様に、職種別採用でデータ分析職を募集する会社もあるため、そのような求人を中心に就職活動して、最初からデータアナリストとして働くケースも徐々に増えています。
同じ会社内での異動だけでなく、別の職種からキャリアチェンジする場合もあります。
企業でのデータアナリストの需要に対して、人材の供給は不足しており、研究や化学分析、金融工学、マーケティングなど別のジャンルで分析の実務経験がある候補者は採用の内定を得やすい傾向にあり転職もしやすいといえるでしょう。
◯未経験から目指す場合のルート
一方で、分析実務の未経験者がいきなりデータアナリストを目指すのは、新卒や第二新卒を除くと、かなり難易度が高いといえます。
中途採用のデータアナリスト求人では、即戦力の経験者を募集する職場がほとんどで、未経験者を歓迎する求人は、そう多くありません。
統計の知識や何かしらの分析経験を必須とする企業も多いことから、まずはそうした業務を経験できる関連職種に就職して経験を積むことから始めましょう。
未経験からデータアナリストになるにはどのようなロードマップが必要なのか、学習の助けとなるデータアナリストに役立つおす すめの資格についても今のうちに把握しておくとスムーズです。
未経験からデータアナリストへの道のりとして、主に以下の2つのルートが考えられます。
◯エンジニアへの転職ルート
仕事ではプログラミングやデータベースに関するスキルは必須ですので、まずはシステムエンジニアやプログラマーとしてそれらのスキルをしっかりと身につけておきましょう。エンジニア出身の人は、後からマーケティングや経営の視点を補う必要があります。
◯コンサルタント・マーケターへの転職ルート
市場調査やマーケティングリサーチ等のビジネススキルもまた、データアナリストの仕事に関わるものです。こちらの出身の人は、プログラミングやデータベース、クラウド(AWSなど)を使いこなすスキルなど、自身に欠けているものを補っておく必要があります。
どちらのルートをたどるにしても、それらの職業で身につけるスキルだけでは決して十分とはいえません。
データアナリストの主たる仕事はデータ分析ですから、統計や数学の知識も必要です。
データアナリストからのキャリアパス
次に、データアナリストになった後のキャリアパスについても見ていきましょう。
大きく分けて以下の方向性があります。
- スペシャリスト:現場での実務を担い、高度な分析を極める
- マネージャー:管理職として分析チームのマネジメントを担う
- 他職種への転身:分析経験を活かして独立・起業、コンサルタントや事業企画、営業などへ進む
データアナリストには大きく分けて「コンサル型」と「エンジニア型」の2つのタイプがあります。
| タイプ | 特徴・業務内容 | 需要が高い領域 |
|---|---|---|
| コンサル型 | データ分析の結果から戦略を構築する | ベンダー企業でのクライアント支援、DX推進 |
| エンジニア型 | 機械学習などを利用して経営に役立つデータ分析を行う | 高度な数値演算・データ解析、自社内の分析業務 |
なお、最近では組織に属さないフリーランスのデータアナリストとして独立したり、現在の仕事を続けながらデータアナリストの副業で実績と収入を積み上げたりする人も増えています。
そして、データアナリストの上位職種とされるものにデータサイエンティストがあります。
どちらもデータ分析を行う職種のため仕事内容に重複する部分もあり、データ解析や統計のスキルがそのまま役立つため、データアナリストからデータサイエンティストを目指す人は少なくありません。
また、機械学習やデータマイニングなど膨大なデータに対応する能力があればAIエンジニアとして活躍するのも夢ではないでしょう。
ジュニアからシニアへの成長ロードマップ
データアナリストとしてのキャリアは、経験年数に応じておおよそ次のような段階を経て成長していきます。
あくまで目安ですが、自分が今どの段階にいて、次に何を身につけるべきかを把握するための指標として活用してください。
| 段階 | 経験年数 | 役割 | 要求スキル |
|---|---|---|---|
| ジュニア | ~2年 | 指示を受けたデータの抽出・集計・簡易レポート作成 | ・SQL・Excelの基礎 ・分析ツールの操作 |
| ミドル | 3~5年 | 案件の主担当として仮説立案から報告まで一貫して遂行 | ・統計知識の応用 ・業務知識 ・資料作成力 |
| シニア | 5年以上 | 複数プロジェクトの統括、分析方針の設計、後輩の指導 | ・ビジネス課題の設計力 ・プレゼン・折衝力 |
| マネージャー | 7年以上 | 分析組織のマネジメント、経営層への提言 | ・チームマネジメント ・経営視点での意思決定支援 |
データアナリストがキャリアパスを考える重要性
AIやBIツールの進化により、データアナリストに求められる役割は大きく変化しています。
単にデータを集計・分析するだけでは市場価値を維持しにくくなっており、将来どのようなスキルを身につけ、どのようなポジションを目指すのかを意識したキャリア設計がこれまで以上に重要です。
ここでは、データアナリストがキャリアパスを考えるべき理由について、現在の市場動向を踏まえながら解説します。
データドリブン経営が進んでいるため
DXの推進や生成AI・BIツールの普及により、多くの企業がデータを根拠に意思決定を行うデータドリブン経営を推進しています。
従来のデータアナリストは、データの収集・加工やレポート作成が主な役割でした。
しかし近年では、分析結果をもとに経営課題や事業課題を明らかにし、改善施策の立案や意思決定を支援する役割へと期待が広がっています。
そのため、単に分析スキルを磨くだけではなく、将来的にどのような分野で専門性を高めたいのか、どのような立場で事業に貢献したいのかを見据えてキャリアパスを設計することが重要です。
自分に合う理想の仕事内容や職場を見極めるため
データアナリストは業界や会社の方針で仕事内容が大きく変わるため、自分の適性や目指す方向を明確にしないまま転職するとミスマッチが起こりかねません。
- コンサル業界:クライアント企業が抱える課題を解決できるようにサポートするため提案力が必要
- IT業界:現場のデータを収集・分析し、各部門の意思決定を支援するために調整力が必要。
「データアナリストはやめとけ」という声の多くは、こうした理想と現実のズレから生まれます。
公開されているデータアナリスト案件の内容を深く読み込み、現場で求められる役割を正しく理解しておきましょう。
データアナリストとしての市場価値を高めるため
データアナリストとして市場価値を高めるためには、目指したい方向性を決めて専門性を磨くことが大切です。
- AI関連のプロジェクトに携わりたい方:Python、統計学、機械学習などを習得する
- 経営者の意思決定をサポートしたい方:KPI設計や業務改善策の立案など、ビジネス寄りのスキルを磨く
このように、キャリアパスによって磨くべき専門性は異なります。
将来目指すポジションを明確にしたうえで必要なスキルを習得していけば、市場価値を高めやすくなり、データアナリストとしての将来性や年収の向上にもつながるでしょう。
データアナリストとデータサイエンティストの違い
データアナリストとデータサイエンティストにはどのような違いがあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
仕事内容の違い
データアナリストもデータサイエンティストも、データ分析を通して問題を解決する仕事という点は共通しています。
交通や産業、医療や生活、娯楽・エンタメなど様々な分野で課題を紐解く、あるいは、円滑な業務を遂行するために、目的に沿って大量のデータを収集して分析するのが主な役割です。
◯データアナリストの役割
データアナリストの役割は、目的に応じて適切な作業をおこない、データから得られた知見をビジネスに役立つ形に整えたうえで意思決定者に届けることです。
ヒアリングや調査を行って業務プロセスや課題を把握し、必要なデータの収集・分析を実行したうえで、グラフや線表など人が理解しやすい形のレポートを作成するなどが該当します。
◯データサイエンティストの役割
アナリストが行う分析業務に加え、機械学習や深層学習などの研究開発、AIモデルの作成、経営や事業に関するコンサルティング、データを収集・分析するための基盤設計やデータベース構築など、データサイエンスに関わる業務全般に及びます。
ただし、この2つの職種について厳密な定義があるわけではなく、重複する部分も多く、あまり明確に区分されないこともあるようです。
スキルの違い
データアナリストとデータサイエンティストで、スキル面の違いについてみていきましょう。
◯データアナリストに必須のスキル
- 統計のスキル
- 仮説を立てるうえでの業務知識(ドメイン知識)
- SASやSPSSといった統計ソフト、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールへの習熟
- 結果を可視化・ダッシュボード化するためのBIツール(Tableauなど)の操作
◯データサイエンティストに必須のスキル
- AIモデルを作成するための高度な数学や機械学習・深層学習の知識
- TensorFlowやPyTorchなどのフレームワーク・ライブラリを使いこなすスキル
- データの前処理やモデルのチューニングに関する知識
- AWSやGCPなどのクラウド環境、データベースに関するソフトウェア開発の知識
- 経営陣や事業責任者へプレゼンを行うためのコンサルティングスキル
なお、どちらの職種もデータ分析という点では共通しており、必要なスキルにも共通する点があります。
統計学の知識や大学教養レベルの数学や、データベース言語のSQL、機械学習で使われるPythonといったプログラミング言語は、どちらの職種であっても勉強しておきたいところです。
社会人(未経験)からデータアナリスト・データサイエンティストに転職できる?
データアナリスト・データサイエンティストは高度な専門性が求められる職種ですが、社会人からキャリアチェンジすることも十分可能です。
ただし、転職のしやすさはこれまでの経験によって大きく異なります。
まずは、自身がどの立場に当てはまるかを確認してみましょう。
【経歴別】転職の難易度とポイント
| 経歴 | 転職の難易度 | ポイント |
|---|---|---|
| 研究職・金融などの分析経験者 | 目指しやすい | 分析経験を活かして直接転職しやすい |
| 現役エンジニア・マーケターなど | 比較的目指しやすい | SQL・BIツール・統計知識を補強するとより転職しやすい |
| データ分析未経験者 | 難易度が高い | エンジニアやマーケターとしてデータ関連業務を3年程度経験してから転職すると有利 |
未経験から転職を成功させるポイント
実務未経験からデータ分析職への転職を成功させるには、単に学習するだけでは十分とは言えません。
下のような、面接官に「実務で活躍できるポテンシャルがある」と納得させる行動が必要です。
| ポイント | 具体的な取り組み |
|---|---|
| ポートフォリオを作成する | Kaggleや公開データを使い、課題設定から分析・考察までをまとめた成果物を用意する |
| 実務で使われるツールを習得する | SQL、Python、Tableau、Power BIなどを実際に操作できるレベルまで学ぶ |
| ビジネス視点を身につける | 分析結果を示すだけで終わらせず「結果からどのような課題が見えたか」「どのような施策を提案するか」まで考える |
| 学習内容を言語化できるようにする | 面接で「なぜその分析を行ったのか」「どのような価値を生むのか」を説明できるようにしておく |
評価されやすいおすすめの資格
転職活動において、実務経験が浅い段階でもスキルを客観的に証明できる資格には、以下のようなものがあります。
- 統計検定(2級以上):データ分析の根拠となる統計学の基礎から応用までを体系的に証明できる
- G検定 / E資格:AIやディープラーニングの体系的な知識を学べるため、AIツールを活用する際のリテラシー向上に役立つ
- OSS-DB技術者認定試験:データベースシステムの設計・運用に関する深い知識を証明し、データ基盤の理解度をアピールできる
- 基本情報技術者試験 / 応用情報技術者試験:IT全般の基礎知識を網羅的に証明できる
データサイエンティストのキャリアパス
では、データサイエンティストになるには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
その後のキャリアパスも含めて解説します。
データサイエンティストになるキャリアパス
データサイエンティストになるルートとして多いのは以下のパターンです。
就職先としては、コンサルティングファームやSIer、広告、金融、医療、製造、サービス、インフラなど各業界の事業会社があります。
理数系の大学や大学院から新卒で入社
数学・統計学・情報科学・物理学などを専攻し、新卒採用でデータサイエンティストを目指すルートです。研究活動で培った分析力やプログラミングスキルを活かすことができるため、未経験からでも比較的入社しやすいのが特徴です。
配置転換や異動でデータサイエンスの部署への配属
エンジニアやデータアナリストなどとして実務経験を積み、社内のデータサイエンス部門へ異動するルートです。自社の業務知識を活かせるため、スムーズにキャリアチェンジしやすいと言えます。
コンサルタントやエンジニアといった親和性の高い職種からの転職
システム開発やデータ分析、業務改善などの経験を活かして転職するルートです。PythonやSQL、機械学習の知識といったスキルギャップを埋められれば、即戦力として評価されやすくなります。
データアナリストからのキャリアアップ
データ分析や統計の実務経験を土台に、機械学習やAIモデル開発、クラウド環境などのスキルを習得して転身するルートです。分析業務との親和性が高く、未経験から目指す場合と比べても成功しやすいキャリアパスといえます。
近年は、生成AIを用いたモデル開発の効率化が進んでおり、基礎的なコーディングを生成AIに任せつつ、モデルの評価設計や事業への実装判断に注力できる人材の価値が高まっています。
専門知識に加えて、こうしたAIツールとの協働スキルも意識しておくとよいでしょう。
データサイエンティストからのキャリアパス
データサイエンティストになった後のキャリアパスとして、大きくは現場でプレイヤーとして活躍するか、マネジメントとしてチームを導くかという2つの方向性があります。
企業においては、一定のキャリアを重ねるとマネジメント層への移行を求められる傾向があり、現場での分析業務を続けたい場合は、フリーランスとして独立するケースも見られます。
また、分析経験を活かして、自身の志向に合わせた別職種へのキャリアチェンジも可能です。
- 研究やAI開発を極めたい場合:研究職、AIエンジニア
- データ基盤や処理を極めたい場合:データエンジニア
- ビジネスやコンサルティングを伸ばしたい場合:事業部門への転身、起業
まとめ
データアナリストのキャリアパスは、実務経験を積みながらスペシャリストとして専門性を極める道、マネジメントとして分析組織を率いる道、独立して事業会社を横断的に支援する道など多岐にわたります。
そして、その延長線上にはデータサイエンティストという上位職種への転身という選択肢もあり、統計・SQLといった共通スキルを土台にしながら、機械学習やAIモデル開発、データ基盤構築といった専門性を積み上げていくことでキャリアの幅はさらに広がります。
関連職種での経験を積み、資格取得で基礎知識を証明し、職種別採用の求人を狙っていけば、未経験からのスタートであってもデータアナリストを目指すことも可能です。
自身がジュニア・ミドル・シニアのどの段階にいるのかを把握し、次に身につけるべきスキルを明確にしながら、データアナリスト・データサイエンティストとしてのキャリアを築いていきましょう。
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