キャリア

2021/09/14

データアナリストのキャリアパス|データサイエンティストに転身できる?

データアナリスト・データサイエンティストという分析に関わる仕事に興味を持つ人にとって、どうすればなれるのか、学歴や職歴、そして将来的にどんなキャリアプランを描けるのかというのは気になる点でしょう。

この記事では、就職・転職などを通じたそれぞれのキャリアパスを解説します。データアナリストからデータサイエンティストへのキャリアチェンジの方法も見ていきましょう。

データアナリストのキャリアパス

最初にまず、データアナリストになるまでの道のりとその先のキャリアパスについて解説します。

データアナリストになるまでのキャリアパス

データアナリストのキャリアをスタートさせるきっかけとしては、新卒でデータ分析の部門に配属、研究や技術として採用されたあとで分析職に配置換え、本人の希望で部署異動など、入社後の人材配置によるところが大きいでしょう。

最近では、他の専門職と同様に、職種別採用でデータ分析職を募集する会社もあるため、そのような求人を中心に就職活動して、最初からデータアナリストとして働くケースも徐々に増えています。

同じ会社内での異動だけでなく、別の職種からキャリアチェンジする場合もあります。企業でのデータアナリストの需要に対して、人材の供給は不足しており、研究や化学分析、金融工学、マーケティングなど別のジャンルで分析の実務経験がある候補者は採用の内定を得やすい傾向にあり転職もしやすいといえるでしょう。

一方で、分析実務の未経験者がいきなりデータアナリストを目指すのは、新卒や第二新卒を除くと、かなり難易度が高いといえます。中途採用のデータアナリスト求人では、即戦力の経験者を募集する職場がほとんどで、未経験者を歓迎する求人は、そう多くありません。統計の知識や何かしらの分析経験を必須とする企業も多いことから、まずはそうした業務を経験できる関連職種に就職して経験を積むことから始めましょう。

未経験からデータアナリストへの道のりとしてまず考えられるのが、エンジニアへの転職です。データアナリストの仕事ではプログラミングやデータベースに関するスキルは必須ですので、まずはエンジニアとしてそれらのスキルをしっかりと身につけておきましょう。

もう一つは、コンサルタントやマーケターへの転職です。市場調査やマーケティングリサーチ等のビジネススキルもまた、データアナリストの仕事に関わるものだからです。

どちらのルートをたどるにしても、それらの職業で身につけるスキルだけでは決して十分とはいえません。データアナリストの主たる仕事はデータ分析ですから、統計や数学の知識も必要です。エンジニア出身の人はマーケティングや経営の視点、コンサルタントやマーケター出身の人はプログラミングやデータベース、クラウドを使いこなすスキルなど、自身に欠けているものも補っておく必要があります。

データアナリストからのキャリアパス

次に、データアナリストになった後のキャリアパスについても見ていきましょう。データアナリストを続ける場合、現場での実務を担うスペシャリスト、あるいは、管理職として分析チームのマネジメントを担うマネージャーという大きく2つの方向性があります。

データ分析の経験を活かして独立・起業、コンサルタントや事業企画、営業など別の職種への転身といったルートを歩むこともあるでしょう。

なお、データアナリストには大きく分けて2つのタイプがあります。データ分析の結果から戦略を構築する「コンサル型」と機械学習などを利用して経営に役立つデータ分析を行う「エンジニア型」です。

タイプによって身に付くスキルが異なり、キャリアの傾向や選択肢にも違いがあります。コンサル型は、ベンダー企業でのクライアント支援やDX推進など、エンジニア型は、高度な数値演算やデータ解析、自社内の分析業務などで需要が高まっています。

そして、データアナリストの上位職種とされるものにデータサイエンティストがあります。どちらもデータ分析を行う職種のため仕事内容に重複する部分もあり、データ解析や統計のスキルがそのまま役立つため、データアナリストからデータサイエンティストを目指す人は少なくありません。機械学習やデータマイニングなど膨大なデータに対応する能力があればAIエンジニアとして活躍するのも夢ではないでしょう。

データアナリストとデータサイエンティストの違い

データアナリストとデータサイエンティストにはどのような違いがあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

仕事内容の違い

データアナリストもデータサイエンティストも、データ分析を通して問題を解決する仕事という点は共通しています。交通や産業、医療や生活、娯楽・エンタメなど様々な分野で課題を紐解く、あるいは、円滑な業務を遂行するために、目的に沿って大量のデータを収集して分析するのが主な役割です。ただし、両者において、その対応範囲は異なります。

データアナリストの役割は、目的に応じて適切な作業をおこない、データから得られた知見をビジネスに役立つ形に整えたうえで意思決定者に届けることです。

例えば、ヒアリングや調査を行って業務プロセスや課題を把握し、必要なデータの収集・分析を実行したうえで、グラフや線表など人が理解しやすい形のレポートを作成するなどが該当します。このように、データアナリストの業務は、統計を用いた分析そのものであり、データの可視化や分析結果の報告が主な仕事といえるでしょう。

それに対して、データサイエンティストの役割はより広範囲に見受けられます。データアナリストが行う分析業務に加え、機械学習や深層学習などの研究開発、AIモデルの作成、経営や事業に関するコンサルティング、データを収集・分析するための基盤設計やデータベース構築、などデータサイエンスに関わる業務全般に及びます。

データアナリストは主に構造化データを扱いますが、データサイエンティストは音声や画像といった非構造データを扱うことも少なくありません。このように、データアナリストと比較して業務範囲が多岐にわたり使用する技術も高度なため、一般的にはデータサイエンティストの方が上位の職種と考えられています。

ただし、この2つの職種について厳密な定義があるわけでなく、重複する部分も多く、あまり明確に区分されないこともあるようです。会社によっては機械学習による分析を行う人をデータアナリストと呼ぶケースもあります。

スキルの違い

データアナリストとデータサイエンティストで、スキル面の違いについてみていきましょう。目的に応じたデータ分析の手法を選択でき、データの収集や加工、分析結果をわかりやすく報告するスキルは分析職として両者に共通して求められる能力です。それに加えて、それぞれの職種で必須とされるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。

データアナリストには統計のスキルに加え、仮説を立てるうえでの業務知識が必要です。そして業務で用いるツールとしてSASやSPSSといった統計ソフトやGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを使用することがあるため、これらに習熟することも求められるでしょう。

分析結果を誰もが直感的に理解できるよう可視化することもデータアナリストの重要な仕事ですが、ダッシュボードの構築などでBIツールを使用するシーンも増えています。

次に、データサイエンティストはAIモデルを作成することもありますから、高度な数学や機械学習・深層学習に関する知識が必須です。実際に機械学習を行うためにはTensorFlowやPyTorchなどのフレームワークやライブラリを利用することも多く、それらを使いこなすスキルに加え、データの前処理やモデルのチューニングに関する知識を身につけておかなくてはなりません。

データ分析の基盤を構築するという仕事もあるため、大量のデータを保管するAWSやGCPなどのクラウド環境、データベースといったソフトウェア開発に関する知識も必要です。そして、経営陣や事業責任者などへプレゼンを行うこともありますのでそのためのスキルも不可欠となります。

なお、どちらの職種もデータ分析という点では共通しており、そのために必要なスキルにも共通する部分は多々あります。データサイエンティストにも統計学の知識は必要ですし、大学教養レベルの数学はどちらも身につけておくべきでしょう。データベース言語のSQLや機械学習で使われるPythonやRといったプログラミング言語も勉強しておきたいところです。

社会人からデータアナリスト・データサイエンティストに転職できる?

ここまでお話したように、データアナリストもデータサイエンティストも高度な専門性が求められる職業ですが、別の職種からキャリアチェンジすることはできるのでしょうか? その問いの答えは、Yesです。

未経験からデータアナリスト・データサイエンティストへの転職は、実際の成功例もあり決して不可能ではありません。ただし、データ分析職は求人そのものの数が少なく、採用の難易度はかなり難しいという点には注意しましょう。

中途採用では、データアナリスト・データサイエンティストともに職種別に採用されるケースがほとんどです。そのため、どの部署に配属されるかわからない新卒時よりも社会人の方がむしろ目指しやすいとも言えます。

しかしながら、分析職では即戦力を求める企業が多く、多くの求人募集で対象は関連する業務経験がある人に限られるでしょう。逆に、研究職や金融分野などで分析業務の経験がすでにある人は、積極的に転職を目指してみても良いでしょう。

まったく関係のない仕事をしている人がデータアナリスト・データサイエンティストになるためには、いきなりデータ分析職を目指すのではなく、エンジニアやマーケターとして、データ関連の業務を3年程度経験してから転職するのもひとつの方法です。

データサイエンティストのキャリアパス

では、データサイエンティストになるには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。その後のキャリアパスも含めて解説します。

データサイエンティストになるキャリアパス

データサイエンティストで多いのは、理数系の大学や大学院を卒業して、新卒で入社するパターンです。データアナリストと同様に、入社後の配置転換や異動でデータサイエンスの部署に配属されることもあるでしょう。就職先としては、コンサルティングファームやSIer、広告、金融、医療、製造、サービス、インフラなど各業界の事業会社があります。

数学や物理学、コンピュータサイエンスなどを大学院で専攻し数学の素養がある場合、第二新卒や既卒枠の採用において未経験からでも比較的入社しやすい傾向にあります。また、コンサルタントやエンジニアといった親和性の高い職種からの転職例も増えています。

それ以外の場合は、独学やスクールに通うなどして実力を高めたうえでも、未経験からの就職は大変難しいといって良いでしょう。データサイエンティストには高度な専門知識とスキルが必要だからです。その場合、エンジニアやマーケター、あるいはコンサルタントといった職を一度経験して就職先での実績を作ってからデータサイエンティストへの転職を目指すことになります。

データサイエンティストは入社してから社内で育成するということがほとんどなく、即戦力としての活躍が求められるということは覚悟しておいたほうが良いでしょう。そういった意味でも最もおすすめなのは、データアナリストからの転職です。

データサイエンティストからのキャリアパス

データサイエンティストになった後のキャリアパスとして、大きくは現場でプレイヤーとして活躍するか、マネジメントとしてチームを導くかという2つの方向性があります。会社員は、それなりの年齢に達するとマネジメントになることを求められる傾向もあり、プレイヤーを続けたい場合は、独立してフリーランスのデータサイエンティストになるパターンもみられます。

データサイエンティストとしての経験を積むと、その上級職とも言えるシニアデータサイエンティストとなり、プロジェクトマネージャーへの道が開けます。プロジェクトの責任者として、企画・立案からマネジメントまでを行う職種です。また、ビジネスの課題を分析して戦略を立てるITコンサルタントとして活躍する場合もあります。

マーケティング分野出身のデータサイエンティストは、データドリブンマーケティングのスキルを活かしてグロースハッカーとして活躍したり、CDOやCMOを目指すという道もあります。そのようにデータサイエンティストの仕事は会社の経営戦略に直接関わるものであるため、経営層の信頼を勝ち得ることができ、行く行くは自身が経営幹部となることも可能です。

研究方面に行きたい場合は、研究職やAIエンジニア、データ処理を極めたい場合は、データエンジニア、ビジネスやコンサルティングを伸ばしたい場合は、起業や事業部門へ転身など、分析経験をいかして別の職種へとキャリアチェンジすることもできるのです。

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