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2021/08/11

SAPコンサルタントとは?なるには?仕事・スキル・年収・資格・将来性

SAP製品の導入やシステム刷新・統合などのコンサルティングに携わる仕事が「SAPコンサルタント」です。ITベンダーやコンサルティングファームにおいて求人需要が高まっており、転職や独立でも人気の職種といえます。

この記事では、そんなSAPコンサルタントの業務内容やスキル、年収・給料について紹介します。仕事の魅力や将来性についてもみてきましょう。

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SAPコンサルタントとは

SAP社のERPパッケージを活用し、業務の効率化や改善といった企業が抱える経営課題の解決を図るのがSAPコンサルタントの仕事です。ITコンサルタントの一種ですが、SAPの導入支援に特化しているのが特徴となっています。

SAPとは

SAPはドイツに本拠地を置くIT企業であり、また同社の提供するERPパッケージの名称でもあります。SAP社はビジネスソフトウェアの分野において世界でも指折りの企業として、マイクロソフト、オラクル、IBMにつぐ売上規模を誇っています。世界190カ国に約44万社の顧客を抱えており、1992年に日本法人を設立して国内でも大手企業を中心に高い導入実績と市場シェアを実現しています。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業内の様々な情報を一元管理するシステムを指す言葉です。企業には生産や販売、会計や人事など様々な部門があり、それぞれに最適化された独自のシステムでデータを管理しています。企業全体としてみればこれらのデータは互いに密接な関係がありますが異なるシステムで管理されているため、データをやり取りするためには人の手を介して流し込みや再入力を行わなくてはなりません。これでは非効率ですし、ミスも起きやすくなってしまいます。

そこでこれらのデータを統合的に管理するために開発されたのがERPです。異なる部門のデータを統合データベースとすることで一元管理が可能となり、人の手によるデータのやり取りが不要になることに加え、企業の経営状況がリアルタイムで確認できるようになり、経営判断にも大いに役立つようになりました。

SAPエンジニアとの違い

SAPコンサルタントと混同されやすい職種にSAPエンジニアがあります。コンサルタントとエンジニアで仕事内容や役割が大きく異なりそうですが、会社によっては単に呼び名が違うだけで、SAP製品の開発や提案をおこなう点で業務内容がほとんど変わらないというケースもあります。

一般的には、システムの設計や開発、運用などの実作業を担当するSAPエンジニアに対して、SAPコンサルタントは、クライアントへのヒアリングや提案なども担当する点が違いと言えるでしょう。

SAPコンサルタントの仕事内容

ここからは、SAPコンサルタントは具体的にどのような仕事をしているのか見ていきましょう。

導入支援

SAP製品の導入に関するコンサルティングや実行支援は、SAPコンサルタントのメインとなる業務です。新規導入やシステム刷新・統合の背景を理解し、クライアントの課題を解決できるよう適用箇所の選定から開発・テスト、データ移行、運用体制の構築など導入に必要なタスクを明確化しプロジェクト内容や予算を整理するとともに、最適なERPパッケージを提案します。

SAPの導入は業務や経営の合理化を目的としていますから、まずはクライアントの業務フローや既存のシステム構成についてヒアリングを行い、経営課題やIT戦略を理解したうえで期待される効果やコスト削減などの分析をおこない改善提案を実施します。さらにクライアントの要望も踏まえて要件定義を行い、必要な追加機能を判断して設計・開発をマネジメントします。

導入後のサポート

SAPコンサルタントの仕事はSAPを導入すれば終わりというわけではありません。稼働中のSAPシステムに対する改善提案や運用に関するアドバイザーを担当することもあります。研修・トレーニング、さらには手順書・マニュアルの作成など開発したシステムとあわせて導入後のサポートまで行うこともあり、まさにプロジェクトマネージャーともいえる立場です。

稼働開始直後は顧客企業の社員も操作に不慣れなのでサポートの人員を派遣することもありますし、不具合が起きた場合に備えてヘルプデスクを設けることもあります。さらにはその後の追加開発や保守も含めて長期的に関わっていく場合も想定されます。

カスタマイズ

SAPにはテンプレートが豊富に用意されているため、標準で様々な業種の企業に対応が可能です。しかし企業によってはそれだけでは足りないということも起こり得ます。足りない機能があれば独自開発言語「ABAP」を使ってカスタマイズし、機能を付加するなどの提案を行うのもSAPコンサルタントの業務といえるでしょう。このようなアドオン機能はバグの発生やアップデート対応などで問題になることもあるので、その必要性は十分に考慮しなくてはなりません。

SAPコンサルタントに必要なスキル

SAPコンサルタントになるためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

問題解決・提案力

企業がSAPを導入しようと考えるとき、そこにはデータを一元管理し経営上の課題を解決するという目的があります。従って、SAPコンサルタントには企業の抱えている問題を見抜き、論理的にそれを解決する改善策を導き出して提案する力が必要です。本質的な課題を把握するには分析力ももちろんですが、財務経理、人事、販売などのビジネスプロセスやクライアントの所属する業界に対する理解、ヒアリングや観察などから情報を収集するスキルも必要不可欠です。

SAPシステム導入・ERP製品の知識

ERPパッケージの導入に当たってIT全般の技術的な知識が必要なのはもちろん、SAPという製品そのものやFI/CO /SD/MM/PPなど各種モジュールに関する知識が必要です。そして、クライアント企業の業種や目的に応じて最適な形でシステムを導入した経験や、SAP以外のERP製品についての知識もあればより重宝されるでしょう。

コミュニケーション力

SAPをどのような形で導入するかを決めるためには、クライアントの抱えている課題や要望を的確に聞き出すことが欠かせません。クライアント側でもある程度現状分析はできているものの、それを整理し形にしていくのはSAPコンサルタントの仕事です。クライアントからうまく話を引き出し、ともに解決策を導き出して行くためには、高いコミュニケーション力が重要になります。

認定コンサルタント資格

「SAP認定コンサルタント資格」は、SAPの開発や保守・運用に関する知識を有することをSAP社が認定する資格です。3つの分野と3段階の難易度があり、さらにバージョンごとに資格が設定されているなどかなり複雑になっているのが特徴です。SAPコンサルタントとして働くために必須の資格というわけではありませんが、持っていれば顧客からの信用につながりますし、有資格者を条件とした求人もあるため転職に有利です。また、将来フリーコンサルタントとして独立や起業を考えている人なら、ぜひとっておきたい資格といえるでしょう。

SAPコンサルタントの年収

ここからはSAPコンサルタントの給料や年収について紹介します。SAPコンサルタントとして働く場合に想定される年収は企業により異なりますが、おおむね500万円~1,500万円程度の給与レンジとされています。日系のコンサルティングファームやSIerに所属するよりも、外資系企業の給与水準のほうが高い傾向にあり、マネージャーやシニアコンサルタントとして勤務すると年収1,500万円~2,000万円となる例もあるようです。

SAPコンサルタントの魅力

SAPコンサルタントという職業にはどんな魅力があるのでしょうか。3つのポイントに絞って紹介します。

製品のシェアが高い

ERPの分野でSAPのシェアは非常に高く、日本はもちろん海外も含め多くのグローバル企業で導入されています。ソフトウェアのシェアが高いということはそれだけSAPコンサルタントの需要が高いということでもあり、むしろ市場への人材供給が不足気味なため、まさに引く手あまたという状況です。世の中から需要があるということは、転職にも有利なのでSAP導入の経験やスキルを保有していることで年収アップも狙えるでしょう。

クライアントが大企業

SAPは高額なソフトであるため、主に大手企業を中心に導入が進んでいます。有名な会社を相手に仕事をしたい、規模の大きなプロジェクトに携わりたい、という人にとっては、やりがいのある職業といえるでしょう。また、SAPの導入では国内のみならず海外も含む全拠点を対象とするケースも多いので、海外と外国語でやり取りすることも多くなります。国内にとどまらず仕事の幅を広げたいという人も手ごたえを感じることができるでしょう。

フリーランスコンサルタントとして独立できる

SAP製品に関する知識や経験はIT業界の中でも特殊なものであり、さらに高いコンサルティング能力も必要とされるとあって、SAPコンサルタントは希少な人材として評価されやすいです。独立後に案件を斡旋するエージェントなどの仕組みも整っているため、独立開業には向いている職種といえるでしょう。フリーランスで仕事を請け負う際にも法人が受け取る人月単価に近い報酬を得ることができます。そのため、会社員時代の年収より高い収入も狙えるでしょう。ただし個人事業主として働く以上、請求業務や帳簿作成などの事務作業、仕事獲得のための営業活動などをコンサルタント自らおこなう必要があります。

SAPコンサルタントになるには

では、実際にSAPコンサルタントになるにはどうすればよいのでしょうか。就職先や就職に有利となる経験などについて解説します。

SAPコンサルタントの就職先・活躍する場所

SAPコンサルタントには最終的に独立開業という道もありますが、まずは企業に就職して経験を積むことが大切です。そこで、SAPコンサルタントの代表的な勤務先を紹介します。

SAPを扱うコンサルティングファーム

コンサルティングファームの中にはSAPシステムやツールに関連するソリューションを扱っているところが多くあります。SAPコンサルタントの仕事場としては最上流に位置し、年収も高いので非常に人気があります。ただしその分倍率も高く、また仕事も多忙なうえ周りには優秀な人ばかり、とかなり厳しい環境であることは覚悟しなくてはなりません。高収入にこだわりのある人や熱意の高い人におすすめの職場です。

SAPを扱うSIer企業

SIer企業でもSAPを取り扱っているところは多いです。SAPのバージョンアップに伴いニーズが急増していることから、比較的狙いやすい転職先といえるでしょう。SIerの場合、一時請けと二次請けで業務内容が異なるので注意が必要です。SAPエンジニアを目指すのであれば現場で関われる二次請けが良いですが、SAPコンサルタントとしてマネジメントをやりたいのであれば一時請けの方がおすすめです。

未経験からSAPコンサルタントに転職できる?

新卒や第二新卒などを除き、まったくの未経験からSAPコンサルタントになるのは難しいでしょう。専門性の高い職業なので、システムやITに関する知識と経験がどうしても必要になるからです。SAPコンサルタントを目指すのであれば、まずはエンジニアとしてSAPを使用する業務を経験することが近道でしょう。ただし人材が不足しているため、Oracleなど他のパッケージソフトの経験があれば採用されることもあるようです。

目指すうえで有利な経験

これからSAPコンサルタントを目指す人にとって、どのような経験があると有利になるのか解説します。

ERPパッケージ導入・運用経験

SIerやITベンダーに勤務してERPパッケージの導入や運用に携わった経験があると、未経験であっても採用される可能性は高まります。会計や人事といった基幹業務のパッケージ導入経験も高く評価されるようです。

ユーザー企業でのSAP導入経験

SAPコンサルタントを目指すなら、ユーザー企業でのSAP導入経験も有利に働きます。SAPを導入するというのはどういうことかを知っており、また実際に利用した経験があるというのはもちろんですが、クライアント企業側の立場でSAPの導入を経験したということも、SAPコンサルタントとなる上では評価の対象になります。

SAPコンサルタントの需要と将来性

SAPコンサルタントを目指す人にとって気になる現在の需要と、将来性について見ていきましょう。

SAPの2025(2027)年問題

多くの企業に導入されている「SAP ERP 6.0」のサポートが2027年で終了しますが、それに当たってユーザーは後継の「SAP S/4HANA」へ移行するか、あるいは別のERPに乗り換えるかの選択を迫られています。元々「SAP ERP 6.0」のサポートは2025年で終了予定となっており、2025年問題といわれていましたが、ユーザーの要望により2年延長されたという経緯があり、2027年問題と呼ばれるようになっています。

「SAP S/4HANA」は後継といっても現行のものとはシステムが大きく異なるため、バージョンアップは簡単には行きません。こうした状況からSAPコンサルタントのニーズは大きく高まっており、まさに活躍のチャンスが近づいているといえます。

豊富なSAP製品群

SAPといえばERPが有名ですが、実はそれだけではなく豊富な製品群を取り揃えており、それがSAPコンサルタント需要の一つの要因ともなっています。ここではSAP社の様々な製品を紹介します。

ERP

SAP社のERPには大企業向けの「SAP S/4HANA」と、中堅・中小企業向けの「SAP Business One」「SAP Business ByDesign」があります。「SAP Business One」はビジネス管理を強化するもので、「SAP Business ByDesign」はプロセス全体を合理化してビジネスの成長に対応するものです。

ERP以外

ERP以外では「SAP BW」「SAP APO」「SAP CRM」といったものがあります。「SAP BW」はスピーディーな経営判断を助けるデータウェアハウス、「SAP APO」はサプライチェーンを管理するシステム、「SAP CRM」は顧客情報管理を行うシステムです。その他にも財務管理やマーケティング、人材管理など様々なシステムを手掛けています。

根強い需要

SAPコンサルタントに根強い需要があるのは他にも理由があります。

海外展開やロールアウトでの導入

SAPはグローバル対応が可能なため、SAPを国内で導入している大手企業の中には海外展開、いわゆるロールアウトを行うことが増えています。現地向けのカスタマイズといった需要もあるので、英語ができ海外の地域に関する知識もあるSAPコンサルタントが求められています。

中小企業のニーズ

先に紹介したようにSAP社では中小企業向けのERPパッケージも扱っています。国内の中小企業ではこれまでSAPを導入していなかったところが多いため、まさにこれからの市場といえます。SAP日本法人では中小企業向けのビジネスにも力を入れており、SAPコンサルタントにとっては活躍の場がますます増えそうです。

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