キャリア

2021/07/29

SESからの転職先でおすすめは?脱出成功のコツ・選考から内定、入社の流れ

「客先常駐での仕事に疲れた」「下請けのため給料が少なく不満」「会社がブラックで待遇が悪い」などの理由でSESからの転職を考えている方も多いのではないでしょうか。

また、SES企業だけでしかエンジニア経験がないと、SIerやWeb系自社開発の書類選考や面接で求められるスキルレベルや経歴に不安を感じることもあるでしょう。

この記事では、そんなSESエンジニアの転職先や中途採用の事情、求人探しから入社までの流れについて紹介します。キャリアプランや対策についてもみてきましょう。

SESからの転職先

システムエンジニアやプログラマーとしてSESで働くうちに、会社や客先に対して様々な不満を感じたり、将来に対する不安を抱いたりして転職を考える人も多いかもしれません。

IT業界で働くならどこも同じと思うかもしれませんが、所属する会社によって仕事内容や待遇、給与レンジも大きく変化します。せっかくこれまでIT業界で培ってきたスキルや経験があるのですから、転職するのであればそれを活かせるところを選ぶべきでしょう。

また、これまでの経験をもとに即戦力と評価されれば転職活動も有利に進められるはずです。そこで、最初にまずSESからの転職先としてどのような会社があるのか、以下におすすめを紹介します。

SIerなどの受託企業

SESからの転職先としてまず候補にあげられるのが、システムインテグレーターやSIer(エスアイアー、エスアイヤー)などに代表される受託系の会社です。情報システムやソフトウェア、IT製品の導入では、ユーザー企業から直接仕事の依頼を請け負う「一次請け(元請け)」、一次請けから発注を受ける「二次請け(下請け)」、二次請けから発注を受ける「三次請け(孫請け)」というヒエラルキーが存在しており、上位に位置する大手SIerやそのグループ会社、中堅SIerなどの求人は人気があります。

業界の構造として三次請け、四次請けといったいわゆる下流に属するSES企業から上流に位置するSIerへの転職というのは、キャリアアップという意味でも福利厚生などの待遇向上という意味でもメリットの多いケースです。受託開発の元請けとなるSIerはシステムの開発・導入から保守管理まですべてを請け負っており、案件の規模も大きいため、SESエンジニアの中には憧れを持っている人も多いでしょう。もちろん年収アップも望めます。

Web系などの自社開発

自社内でのサービス開発を本業とする企業への転職は、SESエンジニアに限らず人気があります。自分で手をうごかしてプログラムのコードを書く仕事を続けたい、プロダクトの開発や運営に技術者として関わりたいという方向性なら、WebサービスやIT製品、スマホアプリ、ゲームなどを自社で開発する企業のエンジニア求人に応募してみるとよいでしょう。

Webの世界では新たな技術が次々と取り入れられており、スピード感が何より重視されています。そのためアジャイル開発が中心となっており、エンジニアとして思う存分腕を振るいたい人にとってはやりがいのある仕事です。ただ仕事は属人的でSESとはやり方が大きく異なり、戸惑う人もいるかもしれません。

事業会社の社内SE

長く働ける職場に転職したいと考えるSESエンジニアの転職先として選ばれるのは、事業会社に所属し、自社のITプロジェクトやベンダー管理に関わる社内SEです。下請けではなく自社で働く安定した身分であること、また時にはIT戦略の企画・立案に参画することもあるなど上流工程に関わり経営的な視点が持てるというのが魅力となっています。

社内SEの職場は自社の情報システム部門です。社内システムの開発から保守運用、ネットワークや備品管理、セキュリティ対策、トラブル対応など社内のIT全般を受け持ちます。いわばシステムのなんでも屋ともいうべき仕事です。開発やプログラミングの仕事以外の事務的な仕事も多いため、注意しましょう。

別のSES企業

SESを辞めたいエンジニアからすると、転職先の候補からは除外してしまいそうですが、仕事を変えることで実現したい条件次第では、別のSES企業も次のキャリアに進む選択肢のうちに入ってくるでしょう。一口にSES企業といっても、いわゆるブラックなところもあればホワイトなところもあり、大手・中小・零細といった会社の規模や得意な技術領域、社風も様々です。

客先常駐やプロジェクト毎の稼働に対して不満はないけれど、給料や待遇が悪く、今の職場では長く続けていくのは厳しい、もっと経験を積みたい、SIerやWeb系企業の中途採用選考を受けても内定がなかなかでない、という場合には、SES業界のなかで別の会社へ転職するというのも一つの方法です。同じSES企業ということでこれまでのスキルや経験がそのまま活かせますし、即戦力として好待遇で受け入れられることもあるでしょう。

SESから転職する前に

転職先の選び方や転職のタイミングなど、転職に当たって気になることがあり不安に思っている人もいるのではないでしょうか。ここでは転職希望者が悩みがちないくつかのポイントについて説明します。

常駐先に転職してもよい?

SES企業で働くエンジニアが常駐先の募集する中途採用の求人に応募したり、あるいは常駐先から転職を誘われることについて、躊躇する人も多いかもしれません。採用募集に応募すること自体について法的な問題はありません。なぜなら職業選択の自由は憲法で保障されているからです。ただし、現在所属する企業との契約や自身の立場によっては後々トラブルとなるケースもあります。また、SESから常駐先への転職は、派遣元のSES企業にとってはあまり歓迎できないことでもあります。

結局はケースバイケースなため、同じ会社の上司や同僚に確認して、過去の似た事例で会社がどのような対応をとったか調査して判断することが大切です。SES企業と常駐先企業との関係もありますから、禍根を残さない形で円満に転職しましょう。

契約期間中でも退職してよい?

転職のタイミングとして、プロジェクトの終了時期や契約更新・切り替えなど一つの区切りとなる時期が望ましいことは間違いありません。ただし、契約を理由に転職を躊躇していると、契約期間の長いプロジェクトにアサインされてしまったり、契約終了したと思ったら次の仕事が決まり、いつまでたっても会社を辞められない、という状況も想定されます。

契約があるためプロジェクトの途中では退職できないと思い込んでいる人がいるかもしれませんが、そのようなことはありません。契約というのはあくまで企業と企業の間で交わされたものであり、個人に責務はないからです。法律では最短で退職の2週間前に申し出れば良いことになっています。

ですが、急に会社を辞めるとなると同僚に迷惑がかかることも事実です。実際にはチーム内での仕事の調整や引継ぎ等があるため、少し余裕を見て離職の意思を伝えた方が良いでしょう。

失踪はやめたほうがいい?

労働時間が長くパワハラが横行しているなどあまりにも職場環境が悪く、心身ともに疲弊して危機的状況にあるときには、今すぐにでも職場から逃げたいと思うかもしれません。ですが、会社に何も伝えずバックレたり、音信普通となることはやめたほうが良いでしょう。

ハローワークや次の職場での手続きに必要な離職票や源泉徴収票がもらいにくくなったり、最悪懲戒解雇ということになれば経歴にも傷が付きます。どうしても、元の職場に顔を出したくないという場合は退職代行サービスに相談するのも一つの方法です。

SESでも優良企業はある?

SESはブラック企業が多い、と思っている人も多いかもしれません。実際、IT業界のピラミッド構造のなか多重下請けの下流にあるため給料が安く、経歴の改竄や新人一人での派遣、常駐先から自社に戻って作業を強制され残業代も出ない等、零細・中小のSESではブラック企業が生まれやすい状況にあることは確かです。

しかし、SES企業のなかにもホワイトな会社は存在します。客先常駐だからこそ残業がなくワークライフバランスに優れていたり、研修制度がありスキルアップに繋がるなどです。中には元請け・2次請けの仕事が多く自社開発も行っているというSES企業もあり、その場合は年収や待遇にも満足しやすいでしょう。

転職活動の開始から入社までの流れ

ここからは、SESエンジニアが転職活動をはじめて、応募、書類選考、面接を経て内定をもらい、次の会社に入社するまでの流れについて解説します。

転職活動を始める

転職活動は現在の職を辞して自由の身になってから始めたい、と考えるエンジニアもいるかもしれません。確かに退職してからの方が平日の日中も活動できるというメリットはありますが、一旦無職になるというリスクもはらんでいます。雇用保険による失業手当の給付が始まるまでは収入がゼロになりますし、無職の間は貯金を取り崩して生活費に充てることになりますが、その期間が長引けば生活は困窮し、精神的にも追い詰められて正しい判断ができなくなる、ということにもなりかねません。

そうした事態を防ぐために、転職活動は前職の在職中から進めておくのがおすすめです。もちろん仕事と並行して行うのですから、面接や書類の準備をする時間にも制約があります。限られた時間の中で転職活動をするには、効率よく進めていくことが必要です。

転職エージェントに登録してカウンセリングを受けたり、SESからの転職経験者に話を聞いたりして、不明な点について質問してみるのもよいでしょう。

職務経歴書など応募書類の準備をする

企業が募集する中途採用の求人に応募したり、書類や面接などでの選考に進むには、職務経歴書や履歴書などの書類が必要となります。職務経歴書はこれまでの経験や身に着けてきたスキルをアピールするために大切なものです。SESから自社開発のエンジニアへの転職を希望する際は、過去の開発実績がわかりやすいようスキルシートやポートフォリオを整理しておくとよいでしょう。

応募した求人の選考内容によってはSPIやプログラミングテストなどが出題されることもあります。事前に書籍などで対策をおこなっておきましょう。

転職活動では、会社を志望する理由や転職の理由、技術に関する考え方、会社のカルチャーとフィットするか、など様々な点が選考基準になります。この機会に徹底した自己分析を行い、スキルの棚卸をしましょう。自分は何をしてきたのか、何ができるのかをあらためて知ることで、今後進むべき道もおのずとはっきりしてきます。

応募して面接を受ける

転職先の業界や職種、今後のキャリアパスなどを整理して、業界研究、応募書類などの準備ができたら、これはと思う企業に応募し、面接を受けてみましょう。まだ在職中なのですから焦る必要はありません。少しずつ転職活動を始めてみて、良い出会いがあれば、というくらいのリラックスした気持ちで臨むのがおすすめです。

応募する求人は、エンジニア向けの求人情報サイトや転職エージェントなどで探すとよいでしょう。求人に応募しても書類選考を通過できず、お祈りメールばかりを受け取っている場合や、書類は通っても面接で不採用となってしまうことが多いなど課題を感じた場合は、対策も必要です。職務経歴書の添削や面接対策などを依頼するとよいでしょう。

内定が出たら退職日を調整する

退職日は1次選考が何社か通ったぐらいの段階から意識していくと良いでしょう。入社日までどれだけ余裕があるのかも忘れずに確認し、大体2~3カ月後ぐらいを目安に調整していきます。

複数社から内定が出たなら、いよいよ退職の準備です。年収や仕事内容、待遇などの条件を比較し、入社承諾を行う会社を決めます。また、現在の会社にも離職の意思を伝え、退職日と入社日を調整します。

まずは、退職したい旨を直属の上司に伝えましょう。仮に引き留められたとしても、退職の意志が固いことをきちんと示し、ずるずると引き延ばされないように手続きを行うことが肝心です。

引継ぎを実施して入社する

退職する際は、途中になっている仕事を残るメンバーにしっかり引継いでいくことが大切です。引継ぎがきちんとなされていないと、転職してから問い合わせが来るという困った事態になることもあります。自分のためにも周りのためにも引継ぎは重要です。立つ鳥跡を濁さずの精神で、すっきりしてから新しい職場に向かいましょう。

SESからの脱出を成功させるには

SES企業を脱出して、新たなキャリアへの転身を成功させるためには求人を探すことももちろん重要ですが、その他にもしっかりと考えておきたいことがいくつかあります。ただ単に今の環境から抜け出したい、転職できればいい、という気持ちだけで突っ走るのではなく、この機会に自分がどのようなスキルや経験を持っているのか確認しましょう。

そして、これまでの勤務経験がどのような組織や企業で役立つのかも考えて、転職可能性や将来のキャリアプランに沿った仕事選びをすることが必要です。

転職してからこんなはずではなかった、と後悔することのないように、以下のポイントを押さえ、転職活動を進めていくとよいでしょう。

スキル・経験を洗い出す

面接を突破して入社にこぎつけるには、採用する側の担当者から役立つ人材と認められ、一緒に働きたいと思われることが重要です。そのためには自分の持っているスキルや経験を洗い出し、武器になるものを見つけ出す必要があります。

また、企業から中途採用の内定を勝ち取るだけでなく今後どのように働いていくかのビジョンを描くためにも人生の棚卸しは役に立ちます。得意不得意や好き嫌い、業務への取り組み方などを振り返り、自分の長所・短所を知っておきましょう。

プロに相談する

転職活動に行き詰ったらプロに相談してみるのもおすすめです。仕事探しといえばハローワークや求人サイトを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、書類選考のための経歴書の書き方や面接で何がダメだったのか原因を把握することを自分ひとりですべてこなすことは簡単ではなく、効率的とも言い難いものです。

また、自分に合った職場を探すなら、転職のプロであるエージェントを利用すると良いでしょう。特にITに特化した転職エージェントであれば多くの求人を抱えており、手厚いサポートもあるので安心して転職活動を進めることができます。

キャリアプランを考える

SESからの転職では、今後もエンジニアを続けていくのか、あるいは別の職種に転身するのか、という2つの選択肢が考えられます。SES企業の求人は未経験可の募集も多いので、とりあえず就職して技術を身につけようという考えで入社した人も多いでしょう。そして働いていくうちにこのままで良いのかと考えるに至ったのではないでしょうか。

そこでここからは、「SESを辞めた後もエンジニアを続ける場合」と「そうでない違う職に就く場合」、そして「フリーランスで働く場合」とに分けて、それぞれの進み方を考えていきます。

エンジニアを続ける

SES企業を辞めてからもエンジニアを続けるのであれば、これまでの経験とスキルを活かしつつ上流の仕事にも関われるような職場を選ぶと良いでしょう。スマホアプリやゲーム、ECなど自社サービスを運営する企業やシステム全体を受け持つ大手SIer、あるいはSESでも上流に近い企業であればこれまでとは違った業務に携わることができたり、年収アップにつなげることも可能です。

別職種に転職する

エンジニア以外の職種でも、SESでの業務経験を活かせるものはあります。そういったキャリアパスであれば、今までとは別の職種であっても全くの未経験という扱いではなくなります。これまでの仕事と無関係の職種ではキャリアが途絶するうえ年収もダウンする恐れが高いです。

以下では、SESエンジニアから目指せる代表的な職種をいくつか紹介します。

テクニカルサポート

サポートセンターが受けた問い合わせのうち、高度な技術的サポートが必要な部分を担当する仕事です。発生した現象や表示されたエラーコードなどについて聞き出し、仕様であるか確認したり必要な指示を行ったりします。深い知識が必要なので、エンジニアの需要は高いです。チームでの仕事になるのでチームワークが好きな人、またコミュニケーションが得意な人におすすめの職種です。

プリセールス(技術営業)

自社サービスの売り込みに当たり、営業担当と組んで技術的な解説の部分を担当する仕事です。技術営業というふうに訳されますが、営業は営業担当が行い、プリセールスは新規顧客の開拓などはしません。営業に同行して技術的な提案をしたり、顧客からの専門的な質問に答えたりするのが主な仕事です。BtoBが中心とはいえ、相手は詳しい人ばかりとは限らないのでわかりやすく説明できる能力も必要です。

ディレクター・マーケター

サービスを自社開発する企業のマーケターや、スマホゲームのディレクターといった職種もSESからの転職先にはおすすめです。ビジネス系の職種は意外だと思われるかもしれませんが、広告出稿や分析など数値を基にした意思決定にはエンジニアならではの知識とセンスが活かされます。ディレクターとしても、システム連携が必要なプロジェクトは増えており、共通言語で意思疎通ができるのは同じ技術者にほかなりません。

ITコンサル

高収入を狙うならITコンサルタントを目指してみても良いでしょう。主な業務は要件定義と設計書の作成で、実態はいわばSierです。DXが盛んになる中でITコンサルの需要も高まっており、特に技術的な知識の豊富な元エンジニアに熱い視線が注がれています。外資系での採用も多いですが、面接重視なので対策は必須です。将来的には独立も可能です。

フリーランスになる

ITエンジニアのキャリアプランとして、独立してフリーランスになるという道もあります。IT開発や運用・保守に関する案件を仲介するエージェント事業者も増えてきており、SES企業を辞めてから、すぐにフリーエンジニアになる人もいるほどです。

フリーエンジニアとして働く際にも客先常駐の仕事は多いですが、最近はリモートワークに対応した案件も増えています。週のうち働く日数や仕事内容を自由に選ぶことができ、やり方次第では会社員よりも収入を大幅にアップすることが可能です。

フリーランスは報酬の単価や年収が実力次第なので稼げない場合もあり安定性に欠けるという心配はありますが、人間関係のしがらみにとらわれず、自由に働きたいという人には適しています。

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