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2021/04/26

システムアナリストとは?なるには?仕事内容・スキル・年収・資格・将来性

IT導入・開発の最上流工程を担当する職種が「システムアナリスト」です。平均年収が高くシステムエンジニアやプログラマーからのキャリアパスとしても注目の職業といえるでしょう。

この記事では、そんなシステムアナリストの仕事内容やスキル、年収・給与、将来性について紹介します。役立つ資格や転職方法についてもみてきましょう。

システムアナリストとは

システムアナリストは、情報システムの開発に関する分析や評価をおこなう職業です。経営戦略や事業課題、システムアーキテクチャ、業務の流れなどの状況を顧客にヒアリングしたうえで、情報戦略の立案、システム導入計画の策定などのプロジェクトを支援します。最上流工程を担当する立場として、技術的な視点から手法を探求するだけでなく、ビジネスの観点から採算や効果にも配慮することが求められます。

システムアナリストと似た職種に「システムコンサルタント」や「ITストラテジスト」があります。所属する組織によって業務範囲が異なるため一概には言えませんが、役割の違いについて以下で把握しておきましょう。

システムコンサルタントとの違い

システムコンサルタントは、企業の経営課題に対してシステムによる解決策を提案します。また、導入するにあたって要件の整理や問題点の抽出、部署間の連携などをサポートし経営陣へのプレゼンテーションや予算に関する承認作業なども行います。

一方、システムアナリストは、既存の情報システムの構造や業務フローに関しての分析を実施したうえで最適な利用方法を検討します。さらに、導入前の試算や導入後の結果から情報システムが企業にとってどのようなメリットやデメリットを生み出しているのか評価します。

システムコンサルタントとシステムアナリストは、どちらも企画や提案などの上流工程を担当するポジションです。業務分析や課題把握をおこない顧客へシステム化を提案するという点において役割が重複する箇所も多く、現状、この2つの職業に明確な区別はありません。ただし、同じ企業内に両方のポジションがある場合はシステムコンサルタントよりもシステムアナリストの方がより専門的なタスクを担当するのが一般的でしょう。

ITストラテジストとの違い

ITストラテジストは、その名の通り情報戦略に関するスペシャリストです。システム化の進行状況と企業の経営戦略に基づいて情報戦略を策定するのが主な仕事です。ストラテジスト=戦略家、アナリスト=分析家という意味を理解しておけば、両者の違いが覚えやすいでしょう。

しかし、情報戦略の策定は、システムアナリストとして担当することも多いプロジェクト内容です。以前あったシステムアナリスト試験が上級システムアドミニストレータ試験と合併して、ITストラテジスト試験になったことからも分かるように、やはりこの2つの職業にも明確な違いはありません。

システムアナリストの仕事内容

システムアナリストは、まずはクライアントにあたる企業の責任者と面談して効率化に関するニーズや売上拡大を実現するうえでの問題点をヒアリングします。そして、検討すべき事項や調査する項目について設計をおこないます。そのうえで、業務観察や調査をおこないネットワークやデータベースなどの情報基盤、システムの利用状況などについて詳細まで把握します。

ヒアリングの実施後は既存の情報システムの分析と評価を行います。そこから課題を見つけ出し、それを解決できるような企画をおこないます。システム設計や導入計画ができたら、それをプレゼンテーションする必要もあります。

さらに、顧客の承認に必要とされる資料作成や合意形成のための打ち合わせも行います。場合によっては、担当プロジェクトの進捗確認もシステムアナリストが行うことがあります。

システムアナリストに必要なスキル

専門的な業務を担当するシステムアナリストには、求められるスキルも多くあります。どういったものがあるか、ここで確認しておきましょう。

ITプロジェクト経験

企業の業務フローやシステム利用状況を把握したうえで分析や評価などの業務を担当するには、IT技術に関する幅広い知識や経験が一番に求められます。システムアナリストになる以前に、要件定義や企画などの上流工程を担当するシステムエンジニア(SE)として、いくつものプロジェクトを経験しておく必要があります。

経験年数の目安として10年の下積みが必要と言われるほど深い知見が求められます。要件定義、設計、開発、テスト、リリース、運用・保守などプロジェクトの一連の流れに慣れた上で、プロジェクトマネージャーも経験しておくのが望ましいです。

情報戦略立案と計画策定

システムアナリストには、企業の経営戦略を踏まえた情報戦略を立案し、さらにそれに基づいたシステム開発の計画を策定することができるスキルが求められます。システム導入や開発に関する知識だけでなく、経営的な視点から事業の問題点を指摘したり、業務の流れや企業の経営戦略を正しく理解して、それを情報システムでどのように支援するのか考える必要があります。

システム化のスケジュールを作成して現実的な予算に落とし込むには、事業部門との協調も欠かせません。経営とITの両方に関する知識を必要とします。

プレゼンテーションスキル

どんなに優れた企画や計画ができたとしても、それを上手くクライアントに伝えられなければ意味がありません。そのため、システムアナリストには専門的な内容でも決裁者が納得できるよう、プロジェクト体制やシステム概要、業務フロー、計画などを分かりやすくドキュメントにまとめ報告する能力も求められます。

文章だけのフォーマットで誰でも理解できるように説明するのは難しいため、図やグラフなどを利用してわかりやすく説明する能力を身に付けている必要があります。

論理的思考力

システムアナリストにとって、論理的思考力も重要です。クライアント企業に出向いて業務を観察したり、提供されたデータを確認して問題点を洗い出すことができたとしても、適切な解決方法に辿り着くには問題点の原因を知る必要があります。さらに、課題の中には情報システムを導入した後に発生するタイプのトラブルなどもあるでしょう。このようなことを論理的に判断するには、理路整然と考える習慣が必要となります。

システムアナリストが仕事をしていく上ではコンサルティングや問題解決が必要となる場面が多々ありますので、ロジカルシンキングは身に付けていた方が良いスキルと言えます。

システムアナリストの給料・年収

システムアナリストの年収は、600万円から1,000万円ほどです。これは、日本人の平均年収が400万円台であることを考えると高いと言えるでしょう。さらに、一般的なSEの年収と比べても、およそ100万円ほど高くなっています。キャリアや業務内容によっては、年収2,000万円を超えることもあります。

例えば、プロジェクトマネージャーの経験や大手コンサルティングファームでの実務経験を求人の条件として提示しているような企業に就職すれば、高収入になることが多いです。

システムアナリストになるには

システムアナリストになることを目標にして学部を選ぶ場合、選択肢はいろいろ考えられます。例えば、情報処理やコンピュータ関係のことを学びたいならば情報系の学部、コンサルタントのことを学びたいならば経営学部を選ぶのが適切でしょう。では、自分が主に学びたい分野を選択した後、システムアナリストになるにはどうすれば良いのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

SEの経験が必要

未経験からいきなりシステムアナリストになることは難しいです。高度なスキルが求められるため、業務経験がない場合はIT業界への転職活動から始めましょう。まずは、プログラマーやシステムエンジニアとして入社後に地道に経験を積んでいく必要があります。それから、プロジェクトマネージャーやリーダーなどの管理職も経験しておくことが望ましいです。もしできるだけ早くシステムアナリストになりたいという場合は、システム開発の上流工程を早い段階から経験できるような企業に就職するのが良いでしょう。

システムアナリストの就職先

システムアナリストは、大手システム開発会社やITコンサルティング会社などSI関連の会社に就職するのが一般的です。システム開発会社に就職した場合でも、営業ではなくシステムエンジニアリングやプロジェクトマネジメントなどの受注後の工程を担当する部署への配属を目指しましょう。

ITコンサルティング会社に就職した場合は、経営課題の解決を情報システムの導入やITソリューションの側面から行うことになるでしょう。また、これらのコンサルティングを実施する企業の中には外資系企業も多くあるため、語学力を身に着けておくと役に立ちます。

金融業界や製造業などのユーザー企業でも、会社によっては情報システム部門でシステムアナリスト経験者の採用をしていることもあります。

システムアナリストのキャリアパスとして、就職した企業での出世したり、転職によるキャリアチェンジのほか、企業に就職してある程度の経験を積んで、最終的にはフリーランスとして働くというパターンもあるでしょう。

システムアナリストに役立つ資格

システムアナリストに必須資格はありませんが、自身のスキルを証明するためにも持っていた方が良い資格は多いです。その中でも、特に役に立つ資格であるITストラテジスト試験についてご紹介します。

ITストラテジスト試験とは

情報処理の国家試験の最上位と言われているのが、ITストラテジスト試験です。IT技術の知識だけでなく、それを使った経営戦略を考えるスキルも必要な試験となっています。

合格率と難易度

合格率は毎年14%ほどとなっており、2019年は15.4%という結果でした。高度な知識が必要となるため、他の情報処理の試験と比べても難易度は非常に高くなっています。実際に情報処理技術者試験のレベルとして、最上位にあたるレベル4に分類されています。

勉強方法

一番効率的な勉強方法は、過去問を解くことです。参考書もたくさん出版されているため、それを活用しながらなるべく多くの過去問を解くようにしましょう。実務経験が豊富な人の場合は、独学で1ヶ月ほど勉強すれば合格の可能性があります。合格の可能性を上げたいならば、通信講座を利用するのも良いでしょう。適切な教材が届き、計画に沿って効率的に勉強ができますので、手間を省けるというメリットがあります。ただし、費用がかかるため、事前に調べて自分に合った講座を選ぶことが重要です。

システムアナリストの将来性

世界規模でIT化はどんどん進んでおり、それに伴い多くの企業が情報システムを導入しています。そして、それを最大限経営に活かすためには、システムアナリストの存在が必要不可欠です。

しかし、高度な知識や技術、さらに豊富な経験も求められるシステムアナリストの経験を持つ人材が少ないのが現状です。今後IT分野の成長が止まることは考えにくく、需要はますます増えると予想できるため、システムアナリストの将来性は高いと言えるでしょう。SEとして経験を積んでさらなるキャリアアップを目指すならば、視野に入れる価値のある職業です。

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