キャリア

2021/01/26

業務コンサルタントとは?なるには?仕事内容・スキル・年収・将来性

クライアントの業務プロセス改善や業務フロー策定などに関するコンサルティングを行う職業が「業務コンサルタント」です。現在ではDXに関連した業務効率化の依頼も増えており、SE(システムエンジニア)などIT業界からのキャリアパスとしても人気があります。

この記事では、業務コンサルタントの仕事内容やスキル、将来性について紹介します。平均年収や転職などキャリアチェンジの方法についても見てきましょう。

業務コンサルタントとは

業務コンサルタントとは、「業務の効率化・リスク排除など、業務にまつわる課題を見つけ出し、助言や実行支援などのコンサルテーションをおこなう」ことを担う職業です。事業の全体像を把握し、業務の流れや課題を整理したうえで、具体的な提案を実施します。

業務改革やシステム導入、事業再生、新規事業の展開などテーマは様々ですが、企画を検討するにあたって必要な知見を外部から取り入れたいという企業も増えています。

コンサルタントは、一般的にはある事柄についての専門家であり、個人や企業に助言する立場の人のことを言います。それでは、業務コンサルタントと「IT」「戦略」「経営」など他のコンサルティング領域とではいったい何が異なるのでしょうか。一つ一つ以下で詳しく見ていきましょう。

ITコンサルタントとの違い

まずは、業務コンサルタントとITコンサルタントとの違いについて考えてみましょう。ITコンサルタントは、現代社会に欠かせない「IT戦略」や「情報システム」の専門家です。ソフトウェアやクラウドなどの最新技術を駆使して、クライアントの課題を解決する役割を担っています。

業務を改善する・サポートするという意味では、ITコンサルタントも先ほど述べた業務コンサルタントの定義に内包されていると考えることができます。

しかし、テクノロジーの発展とともにIT技術が高度化し、クラウドやセキュリティなどより専門性が求められるようになってきました。そのような専門分野におけるITコンサルタントは、業務コンサルタントとは切り離して考えることが多いです。

また、ITコンサルタントはコンサルティングファームのほかに、アクセンチュア、IBMなどのSIerやITベンダーなどにも活躍のフィールドがあります。つまり、ITコンサルタントは、広義の業務コンサルタントにも含まれますが、それぞれの専門性の違いにより区別して考えるのが一般的だということです。

戦略コンサルタントとの違い

戦略コンサルタントは、経営戦略や事業戦略など最上流の工程に特化してコンサルティングをおこなう職業です。BCGやマッキンゼーなど外資系のコンサルティングファームが有名ですが、PwCやデロイト、アクセンチュアにも戦略コンサルティングを担当する部門が存在します。

事業内容や財務状況、人事制度などから企業の全体像を把握する点は業務コンサルタントと同様ですが、戦略コンサルタントはグローバル規模のプロジェクトに携わることがあるなど、より案件規模も大きくなる傾向にあります。

基本的に、戦略コンサルタントは企業全体の経営戦略を立案することを専門に業務をおこないますが、近年は実行支援や業務改革などより業務に近い領域を担当することも増えています。

これもまたITコンサルタントと同様、広義の業務コンサルタント、あるいは後述の経営コンサルタントとの区別を曖昧にしている点です。しかしながら、戦略コンサルタントの顧客は大手企業に特化している点、さらに最重要である戦略についてを担当するなど、専門性の違いから区別して考えるのが基本となっています。

経営コンサルタントとの違い

経営コンサルタントは、財務・人事・IT関連など、経営にかかわることすべてに関してコンサルティングをおこなっています。つまり、企業競争の中で生き残れるようなブランディング・マネジメントを具現化する任務を担っています。

業務コンサルタントとは、一部重複するところもありますが、コンサルティングの主な対象が経営改善なので、業務改善を主とする業務コンサルタントとは異なるものであるといえます。

業務コンサルタントの仕事内容

ここまで業務コンサルタントとは、どのような職業なのかわかったと思いますが、以下では業務コンサルタントは具体的にどのような流れで仕事をしているのか見ていきましょう。

企画・検討

まず、おこなわなければならないのが、業務改革プロジェクトをスムーズに立ち上げるための企画策定です。プロジェクトの背景や目的を理解した後、その実施手順や影響範囲、効果などを検討する必要があります。必要に応じて有識者や専門家へのヒアリング、マーケット調査なども実施します。このような下準備はないがしろにされがちですが、プロジェクトの方向性を定める作業となるため、慎重におこなわなければなりません。

現状分析・課題設定

業務を改善するためには、理想的な業務プロセスと現実とのギャップを明確化する必要があります。クライアントの業務観察やヒアリングを通して真の問題はどこにあるのかを把握することが重要になってきます。業務上の課題を洗いざらい探し出すには、クライアントの現状だけでなく効率化した後の業務フローも想定しなくてはなりません。その際に、一つの事柄に注目するではなく、業務の効率性、チーム間の連携などを総合的に判断することが求められます。

業務設計

業務コンサルタントの任務は、業務改善を通して事業を推進することです。そのため、業務上の課題を発見するだけではなく、その課題をどうやって解消・改善するのかという案を提示する必要性があります。財務、人事、営業など職務領域や製造、小売、飲食、通信、エンタメなど業界などの知識も必要です。業務フローやタスクを明確にし、新しい業務に必要なシステムや設備も含め設計を行います。この作業が業務コンサルタントの主な仕事の一つになります。

実行支援

業務コンサルタントの最終目的はあくまで、クライアントの業務を効率化することですから、改善案を提示しただけでは任務は完了したとは言えません。発案者であるコンサルタントが積極的にクライアントに対して、業務の実現を支援しなくてはなりません。

モニタリング・評価

必ずしも業務コンサルタントが提案したプランが正しいとは限りません。あるいは、理論上では正しかったとしても、事実上実行不可能である場合もあります。そのため、業務コンサルタントは、新しい業務体系に移行した後もモニタリングをおこない、実際に業務が改善したのかどうか評価する必要があります。業務の改善が見られない場合や、予期せぬ問題が生じた場合にはその都度また課題解消に向けて案を考えなくてはなりません。

業務コンサルタントの支援テーマ

上記のように、業務コンサルタントは、業務の改善案の策定や業務プロセスのモデリングをおこなう職です。その際に、業務パッケージを導入することがあります。業務パッケージとは、業務の効率化を図るために別々の業務プロセス・ドキュメントなどをまとめたパッケージのことです。業務パッケージにはERPやSCMなどがあります。

ERP

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略称で、日本語では、統合基幹業務システムとなります。部門によって異なっていた業務システムを統合することで、データの一元化を実現しています。そのため、何らかの判断が必要となったときでも、判断材料となるデータを即時に入手することができます。ERPは主に製造・物流・販売・人事・財務会計といった基幹業務に用いられます。

SCM

SCMは、Supply Chain Managementの略称で、日本語で言うと供給連鎖管理となります。物流のシステムを企業内、あるいは関連グループ内に限定させるのではなく、複数の企業・グループ間で統合的な物流等のシステムを構築するというマネジメント手法です。SCMによって、部品・半製品・製品の需給バランスが取れ、業務の無駄が最小化されます。結果として売上の最大化、在庫の最適化、リードタイムの削減などを見込むことができます。

CRM

CRMは、Customer Relationship Managementの略称で、顧客関係管理と訳されます。顧客満足度や、顧客ロイヤリティを向上させるようなはたらきかけをおこなうことで、自社の競争力の向上を目指すマネジメント手法です。顧客情報のデータベースを、各事業で共有・管理しておくことで各顧客に対しての対応を最適化することができます。このCRMシステムに加えて営業支援のSFA(Sales Force Automation)やコールセンターのCTI(Computer Telephony Integration)などを統合したシステムをCRMということもあります。

業務コンサルタントのスキル

業務コンサルタントの役割などについて見てきましたが、この役割を遂行するには、どのような能力が求められるのでしょうか。また、どのような人が業務コンサルタントの適性があると言えるのでしょうか。

ロジカルシンキング

上述のとおり、業務コンサルタントは業務上の課題を発見し、複数のステップを踏んで課題解消に導かなくてはなりません。そのため、物事を理路整然と考えられる人が向いていると言えます。改善案作成の際、課題解消が難しければ難しいほど、柔軟な発想力も求められることが多いです。ロジカルシンキングができていれば、課題をより整然と、簡単にとらえることができるので、発想力を活かす下地を作ることができます。

コミュニケーション能力

業務コンサルタントは、コンサルタント業務の中でも特に業務内容の幅が広いため、外部の人間を含め多くの人とコミュニケーションをとる必要性があります。そのため、どうしてもコミュニケーションの能力が必須となってきます。

業務/ITの知識・スキル

ITコンサルタントほどではないにせよ、業務コンサルタントはIT関連の課題を任せられることも少なくありません。また、IT以外の業務についても決してわかりやすいものではないことが多いです。そのため、ITを含め、業務内容についてある程度の専門的な知識やスキルは必要となります。

業務コンサルタントの年収

業務コンサルタントの年収は、所属するファームのランクにより異なりますが、入社3年目までは500万円程度、5年目以降では700万円程度、さらに昇進していくと場合によっては1500万円から2000万円程度受け取ることができるというのが一般的です。自身でコンサルティングを成功させると、ボーナスがつく可能性がある上に、コンサルティングファームの評判も高くなるので、さらなる昇給を見込むことができるようになります。

業務コンサルタントになるには

以上までで業務コンサルタントの概要について見てきましたが、業務コンサルタントになるには、いったいどのようなプロセスを踏めばよいのでしょうか。

通年で中途採用の募集がされている

近年、ビジネスの多様化が進んできており、それに伴ってコンサルタントの需要も高まり続けています。そのため、コンサルティングファームは基本的には積極的に中途採用の募集をかけています。金融・物流などの需要が高い職業について専門的な知識を持っていて、コンサルタントを目指す場合は、ファームに連絡してみると良いでしょう。

ITコンサルタントから業務コンサルタントへ

業務コンサルタントを目指すために、まずITコンサルタントを目指すという道もあります。情報システムやソフトウェアを用いた業務効率化が普通になった今日では、業務コンサルタントでもITの知識やスキルは必須です。ITコンサルタントを経験することで、ITの知識やスキルを蓄えることができます。将来業務コンサルタントになったとしても、実務経験・スキルによって他のコンサルタントと得意領域で差別化を図ることができます。

SEのキャリアパスとしても人気

SE、つまりシステムエンジニアとして働いていると、IT系の知識やスキルを積むことができます。そのため、意図せずともITコンサルタント、あるいは業務コンサルタントに必要とされている経験値を得ることができているということになります。先ほど紹介したように、業務コンサルタントの年収は比較的高いので、SEのキャリアパスとしても業務コンサルタントは人気となっています。

業務コンサルタントの将来性

いくら、年収が高くても、これからの需要が見込まれない職業は需給の関係で、どうしても不安定になってしまいます。業務コンサルとの将来の需要はどうなっていくのでしょうか。

継続して多くの求人がある人気市場

コンサルタントは、近年継続して不足気味です。というのも、ビジネスモデルの変容により、多様化が進んだことで、より専門的なコンサルタントが必要となってきたためです。よりコンサルタントの区分が細分化されたことにより、コンサルタントの需要は高止まりしており、各ファームが積極的に採用をおこなっていますが、いまだに市場は拡大傾向を見せています。

IT業界出身者は業務設計の経験を積む

IT業界から、コンサルタントに転職してくる人は、IT関連のスキルには不足はありませんが、業務分析やロジカルシンキング、リサーチなどの業務については経験を積まなければならない状態です。ITコンサルタント、あるいは業務コンサルタントとして働くことで、業務設計の経験を積むことができ、さらにSEなどと強調して働くすべを身に着けられます。そのため、コンサルタント業務に従事することで、社会のニーズに合った人材となることができます。

専門職としての区分が進む

ビジネスの細分化・専門家が進むにつれてコンサルタントの区分もより細かくなってきています。その中でも、業務コンサルタントは各専門業務を包括的に管理し、効率化を図るという独自の存在価値を見出しています。そのため、今以上に各分野の専門性が高くなると予想される今後は、よりコンサルタント業界全般、特に業務コンサルタントの価値は維持、あるいは高まっていくものだと考えられます。

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