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フリーランスの仕事は儲かる?稼げる職種と年収例、仕事の探し方・受け方・断り方

フリーランスの仕事は儲かる?稼げる職種と資格、仕事獲得の 流れ

正社員からフリーランスに独立したいと考えたとき、「実際、フリーランスの人たちってどんな仕事をしてるんだろう」「どうすればフリーランスになっても安定的に仕事を獲得できるんだろう」など、疑問に思うことがあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「フリーランスの職種」「仕事獲得に役立つ情報」を紹介していきたいと思います。

目次

フリーランスの仕事で稼げる職種と資格

フリーランスと言っても稼げる職種と稼ぎにくい職種があります。資格についても、取得しておくと高収入に繋がりやすいものと、取得しても収入アップに直結しないものがあります。ここでは、どの職種がフリーになっても稼ぎやすいのか、どの資格を取得すると有利なのかなど、フリーランスの職種と資格について説明していきます。

フリーランスで稼げる職種と仕事内容

まずはフリーランスとして働く場合に稼ぎやすい職種と仕事内容を見ていきましょう。

ITエンジニア・プログラマー

稼げるフリーランスとして最初に挙げられるのは、IT系のエンジニア職種です。エンジニアというと、アプリやソフトを開発するようなプログラマーのイメージが強いですが、以下にあげるような様々な仕事があります。

  • システムエンジニア(システムの設計・開発)
  • データベースエンジニア(データベースの設計・開発)
  • ネットワークエンジニア(ネットワークの構築・保守)
  • インフラエンジニア(ITインフラの構築・保守)
  • セキュリティエンジニア(情報セキュリティの専門家)
  • バックエンドエンジニア(Web開発のサーバーサイドを担当)
  • フロントエンドエンジニア(Web開発でユーザーと接触するフロント箇所を担当)
  • 組み込みエンジニア(ハードウェアを制御するシステムの設計・開発)

IT業界では慢性的な人材不足が懸念されています。2020年には約37万人のエンジニアが不足するという予想がされるほどで、需要に対して供給が足りていない状況です。そのため、エンジニア需要が高まり年収も高くなる傾向にあります。需要が大きいことから正社員だけでは供給が足りず、フリーランスの求人も増加しています。実務経験が1年程度あれば、比較的容易にフリーエンジニアとして案件の獲得が可能です。それぐらいエンジニアの人手不足は深刻なのです。

分析職

分析職

ここでいう分析職とは、データサイエンティストやデータアナリストと呼ばれるデータを分析する職業のことです。IT技術が進歩した現代では大量の情報(ビッグデータ)を企業が利活用するようになりました。データサイエンスの知見を業務にいかし、機械学習や深層学習などのAI技術を活用する仕事に注目が集まっています。統計解析やデータ分析はコンピュータサイエンスとも密接に関わるため、さきほどのITエンジニアとも近い状況にあります。

データサイエンティストは仕事上で、ビッグデータ分析や機械学習に取り組みます。また、そのような技術を役立てる前段階として「企業内のデータを適切に整理していくこと」や「機械学習をどのようにビジネスに適用していくか」が企業の課題になっています。こういった背景があり、データサイエンティストの需要は非常に高まっています。しかし、エンジニアと同様に、データサイエンティストも需要に対して供給が追い付いていません。

そのため、データサイエンティストの収入も高くなる傾向にあります。データサイエンティストは、機械学習や統計学など幅広いスキルを求められます。そのため、実務経験なしでフリーランスとして仕事をするのは非常に困難です。まずはWeb系の企業などでデータ分析に関する業務経験を積んでからフリーランスとして独立するという流れが一般的です。

マーケター

専門知識や高度なスキルを持ちマーケティング実務に携わるマーケターの仕事もフリーランスとして稼ぎやすい職業です。マーケターの実務は、オンライン、オフライン、BtoC、BtoBなど対象顧客やジャンル毎に細分化されており、求められるスキルや仕事内容も多岐に渡ります。業務範囲、職務の定義も案件ごとに異なります。

マーケターが行っている業務の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • マーケティング戦略の立案・実行
  • コミュニケーション戦略の立案・実行
  • デジタルマーケティング実務
  • 広報/PR実務

なかでも、フリーランスとしての活躍が期待される分野としてデジタルマーケティングがあります。デジタルの知見を持った人材は企業内にまだまだ少なく外部パートナーを活用する企業が多く存在するためです。検索エンジン対策(SEO)、インターネット広告、ウェブサイト、スマホアプリ、SNS、動画などいずれかのジャンルで専門家になれば稼ぐチャンスは大きいです。他の専門職と比較して、デジタル分野のマーケティング職は、未経験でも就職しやすいことが特徴です。そのため、未経験者がフリーランスのマーケターを目指す場合も、一度就職して経験を積むというステップを踏みやすいです。

マーケターは一般的に需要が高い職種で、特にベンチャー企業からのニーズが高い傾向にあります。ニーズが高いことから年収も比較的高いです、さらに、在宅フリーランスとして働くことができるぐらい時間の融通が利きやすいこと、マーケターとして活動していく中で蓄積していく知識が副業に使いやすい点も稼ぎやすいポイントです。本業の収入の他にアフィリエイトの収入があるなど、多額の副収入を得ているフリーランスマーケターも存在します。

コンサルタント

独立前の実務経験を積むのが大変ですが、フリーランスで稼げる職業としてコンサルタントがあります。コンサルタントは企業に所属している会社員であっても、実力さえあれば1,000万円以上の高収入を得ることができます。特に外資系のコンサルティングファームに勤務する場合はより年収が高額になりやすい傾向があります。

コンサルタントの仕事内容もジャンルにより、非常に多岐にわたります。一般的には、企業の課題発見とそれを解決するための助言をする仕事であると言われています。「コンサルタント」と言っても、扱う分野、専門とする領域によって様々な肩書があります。以下にコンサルタント職の例をあげます。

  • ITコンサルタント(ITを切り口としたビジネスコンサルティングを提供)
  • 技術コンサルタント(機械、電気、建設などの技術分野に関するコンサルティングを提供)
  • 観光コンサルタント(ホテル、ブライダル、地域活性化など観光業に関するコンサルティングを提供)
  • カラーコンサルタント(科学や心理学に基づき、色に関するコンサルティングを提供)
  • キャリアコンサルタント(職業選択や能力開発に関するコンサルティングを提供)
  • 経営コンサルタント(経営に関するコンサルティングを提供)
  • 公共政策コンサルタント(政策の立案・分析・実施に関するコンサルティングを提供)

フリーランスのコンサルタントとして独立するには、経験とスキルを保有している分野でコンサルのニーズがある必要があります。多くの場合はクライアントと半年から1年程度の長期で契約を結び、継続してコンサルティングを行いますが、需要のある分野で独立できれば、1,500万円以上の高収入を得ることもできます。

PMOナビ
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また、近年は「Proffit」「ハイパフォコンサル」などフリーランスのコンサルタントと企業をマッチングするサービスが数多く出てきています。コンサルタント、PM、PMOのフリーランス案件情報サイトとして「PMOナビ」がおすすめです。

注意する点としては、エージェントサービスを利用して案件を探す場合は、週5日企業に常駐して仕事をするケースがほとんどです。そのため、会社員時代と働き方自体の変化はほとんどありません。その点に問題なければ、比較的高収入を得られること、独立しても仕事を受注できないリスクが低いことなどのメリットがありますから、こういった形のフリーランスも検討してみる価値があります。

営業

営業職というと、企業に所属しているイメージが強いですが、フリーランスの営業職も存在します。営業担当者が社内にいないなどの理由で、代わりに商品を売って欲しいという企業と契約を結び、その企業の商品を販売するのが、フリーランスの営業職の仕事です。

取引先の企業との契約は「業務委託契約」の形態で結びます。業務委託契約とはどのようなものかについては後述します。仕事は、自分で企業に営業して見つけてくるか、業務委託の形で契約できる案件を紹介している人材紹介会社に登録して探す方法が一般的です。

フリーの営業職は、企業側からすると出来高で給料を支払えばよいというメリットがあるためニーズは高いです。フリーランスであれば年齢制限もありませんので、シニア世代であっても1,000万円以上の年収を得ている人もいます。

職種別フリーランスの年収例

ここまで紹介してきた職種はどの職種も人によっては1,000万円以上の年収を得ています。

ただし、フリーランスなので、稼ぐ年収は人によって大きな幅があります。紹介してきた職種で年収が1,000万円未満のフリーランスももちろん存在しますし、逆に他の職種のフリーランスとして1,000万円以上を稼ぐ人もいます。稼ぎやすい、稼ぎにくいはありますが、どの職種であっても自分次第でいくらでも稼ぐことができます。

具体例として、先ほど紹介した職種の年収例を紹介しておきます。

エンジニア 700万円~1,200万円
分析職 250万円~1,000万円
マーケター 500万円~1,200万円
コンサルタント 700万円~2,000万円
営業 1,000万円程度

それぞれの年収相場を参考に、フリーランスになった際に稼ぐ金額のイメージを持ちましょう。

フリーランスに必要な資格

次にフリーランスと資格について見ていきましょう。

資格が必要な職種

資格が必要な職種としては、

  • 医療系(医師、薬剤師、看護師など)
  • 士業系(弁護士、税理士、建築士など)

などがあります。 また、もっと身近なところでは美容師も国家資格が必要です。

こういった職種は、その仕事をするためには必ず資格が必要な職種のため、当然無資格ではフリーランスになることはおろか、会社などの組織に所属してその仕事をすることもできません。

資格が役立つ職種

資格を持っていると役立つ職種としては、エンジニア職があります。インフラエンジニアの募集で見かけるのが、LPICやCCNAなど、サーバーやネットワークの資格を持っている人限定の募集です。このタイプの募集は、資格を持っていることが応募条件になっているため、資格を持っていないと応募はできません。しかし、その職種自体は資格を持っていることが必須の職種ではないため、同じ職種でも他の求人であれば資格を取得していることが必須ではなく、無資格でも応募できるものがあります。

フリーランスには、実績を積み重ねていくことで、資格を取得しなくても信用を得て仕事をもらっている人が数多くいます。資格を取得するにしても、全く戦略なく、ただ闇雲に、自分が仕事をしていくのに不要な資格を、時間とお金をかけて勉強して取得しても、あまり意味はありません。

資格を取得する際には、どの資格を取得すれば自分の仕事に役立つかを事前に吟味してから取得を目指しましょう。ここで参考までに、取得しておくと役に立つと言われている資格を職種ごとに紹介しておきます。

フリーランスエンジニアに役立つ資格
資格が役立つ職種
  • 情報処理技術者試験(情報技術の基礎となる知識・技能を測る試験)
  • HTML5プロフェッショナル認定資格(主にフロントエンドと呼ばれる部分の技術力・知識を認定する資格)
  • ORACLE MASTER(データベースの管理運用に関する知識を問う試験)
フリーランスデザイナーに役立つ資格
  • ウェブデザイン技能検定(Webデザイナーに関する最もポピュラーな国家資格)
  • DTPエキスパート(DTP関連の知識を問う資格試験)
フリーランスライターに役立つ資格
  • WEBライティング能力検定(ライティングの技術を測る試験)
  • WEBライティング技能検定(一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会運営の資格)

稼げる人と仕事がない人の違い

仕事があって稼げるフリーランスになるためにはどうしたらいいのでしょうか。フリーランスに求められることは、プロフェッショナルとして技術力を提供できることですから、まずはスキルを磨く必要があります。磨くべきスキルは、提供する専門的なスキルはもちろん、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、ビジネスマンとして一般的に求められる能力もです。特に最近は専門スキル以外の人間的な部分を評価している傾向があります。

磨いていくスキルの組み合わせ次第でオンリーワンになることができます。どの技術・スキルを磨いていくかは戦略的に考える必要があります。また、スキルがあっても全く営業をしなかったり、選り好みしすぎたりすると仕事を得られません。

営業が苦手であればエージェントを利用する、自身の仕事の状況によっては多少嫌な仕事でも受けるなど、自分で考えてバランスを取っていく必要があります。仕事がもらえるかどうかは、スキルだけではなく、人間関係も重要です。人との繋がりを大切にし、少しずつでも付き合いを広げていく努力をすることが重要です。

エージェント利用で実績さえあれば稼げる時代に

フリーランスとしてスキルや実績を身につけられているのであれば、エージェントを利用すれば営業力に自信がなくても仕事を得られる時代になりました。個人の営業活動では取ることが難しい大手の案件や高単価の案件を紹介してもらえたり、そのとき持っている案件の終了に合わせて次の仕事を紹介してもらうことで途切れることなく仕事ができたりと、営業力に自信があるフリーランスにとってもメリットがあります。

自身の営業や人間関係で仕事をもらえている場合であっても、エージェントを上手く利用することで、より安定的にフリーランスとして活動していくことができます。

フリーランスとして働くメリット

フリーランスとして働くことには、次のようなメリットがあります。

スキルや成果によって高収入が期待できる

フリーランスは個人事業主なので、一般的なサラリーマンのような「給料制」ではなく、「成果報酬制」で報酬が支払われます。報酬体系は、たとえばWebライターなら、記事1本あたり〇〇円、デザイナーならロゴ1個あたり〇〇円といった内容です。

報酬に上限はないため成果の分だけ収入を得られます。頑張った分だけ高収入を得られ、なかには50万円以上稼ぐフリーランスもいます。初心者がいきなり大きな金額を稼ぐのは難しいですが、スキルを磨き、適切に営業を行うことで、案件の単価も上がっていきます。

自分に合った仕事を選べる

自由に仕事を選べるのもフリーランスのメリットです。企業勤めの場合、本来自分のタスクではない仕事を任されたり、好きではない仕事をやらなければならなかったりする場面も多いでしょう。

その点フリーランスは自由です。クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサービスでは、多くの案件が公開されています。ライティングやデザイン、プログラミング、文字起こし、翻訳などさまざまです。

簡単なアンケートやモニター募集といったタスクもあります。膨大な数の中から自分に合った仕事を選べるので、モチベーションも上がりやすいでしょう。

働き方を自由に選べる

働き方を自由に選べるのも、フリーランスの魅力のひとつです。Webライターやプログラマーの場合、PCやスマートフォンなどのデバイスと、インターネット環境があれば、場所を問わず作業ができます。

旅しながら働く「ノマドワーカー」や、決まった住居を持たない「アドレスホッパー」と呼ばれる人も。会社員のように毎日オフィスに出勤しなければならない、通勤電車に乗らなければならない、といったストレスはほぼありません。

ミーティングも、定期的にオフィスで会議が必要な案件もありますが、クライアントと直接会わずにチャット上だけで行える業務も多いです。自分の生活ルーティーンに合わせて働くことができるため、その分やりがいも大きいでしょう。

クライアントと直接やり取りが可能

フリーランスは個人事業主なので、クライアントとなる企業や個人と直接やり取りを行います。上司がいるわけではないため稟議や決裁も必要なく、判断はすべて「自分自身」です。何か疑問がある場合はクライアントに直接聞き、相手の意向に沿いながら業務を進めていきます。

あらゆる判断や責任を自分で背負わなければなりませんが、その分働き方は自由です。自分で舵を切りながら仕事を進められるため、「自分で裁量をもって働きたい」「自由な働き方を実現したい」という方には向いているでしょう。

定年がなく長期間現役で働ける

フリーランスには会社員のように定年がなく、自分の好きなタイミングまで働くことができます。始める時期も決まっていません。会社員であれば「〇〇歳までにキャリアアップのために転職したい」「40を超えたら転職が難しそう」と考える方も多いでしょう。

フリーランスは何歳からでも、何歳まででも働くことができます。なかには、就職せずに新卒でいきなりフリーランスになる人や、定年退職してからフリーランスになる人もいます。会社からの縛りがなく、自分の人生を自分で切り開けるという意味で、素晴らしい働き方といえるでしょう。

フリーランスとして働くデメリット

フリーランスにはメリットがある反面、デメリットもあります。特に以下のデメリットは覚えておきましょう。

収入が安定しづらい

フリーランスは高収入が狙える反面、努力しなければ「収入ゼロ」もあり得ます。報酬に上限や下限がない分、努力を積めば稼げますが、努力を怠れば稼げないハードな働き方です。

会社員のように「毎月、基本給20万円が絶対にもらえる」といったセーフティーネットがないため、とりわけ独立当初は不安定な中で生活しなければなりません。スキルや経験を磨いて、多くの案件を納品したり、単価を上げたりすることで、少しずつ稼げるようになっていきます。

確定申告や保険の手続きをする必要がある

フリーランスは「個人事業主」なので、確定申告や保険の手続きも自分で行わなければなりません。

会社員であれば税金の申告や年末調整などすべて会社がやってくれますが、フリーランスはすべて自前対応です。売上や所得、経費、減価償却など、確定申告に必要なお金の知識も押さえておかねばなりません。

保険も同じく、会社員なら必ず入っている「厚生年金」やそのほか社会保険もなく、自分で入る必要があります。

孤独を感じる事もある

フリーランスは、文字どおり「フリー」として仕事を請け負い、基本的には一人で活動します。会社員のように上司や部下、同僚がいないので、孤独を感じる場面もあるでしょう。

仕事の進め方やノウハウを教えてくれる人もいないため、スキル無しで始めた結果、挫折してしまう人も少なくありません。フリーランスのコミュニティに参加したり、SNSで同業者とのつながりを作ったりと、人によっては孤独を解消する工夫が必要でしょう。

フリーランスとして働くための準備

フリーランスとして働くための準備として、次のものがあげられます。

スキルや経験などを洗い出しておく

今の自分が持っているスキルや経験を洗い出しましょう。フリーランスとしてのスキルはなくても、前職でのキャリアや経験を思い出してみてください。

たとえば営業マンなら新規開拓でのアポイント獲得経験や資料作成なども立派なスキル、経験です。事務職でExcelを使いこなせたり、簿記や会計に関する資格を持っていたりするのも役立つでしょう。

「フリーランス初心者だから何もない」と思うかもしれませんが、深掘ってみれば意外と出てくるものです。今までのキャリアを振り返って、自分にできることを徹底的に洗い出しましょう。

独立資金を貯める

フリーランスになったからといって、最初から満足のいく収入を得られるとは限りません。場合によっては「半年間月収が2〜3万円」というケースも考えられるでしょう。

WebライターやWebデザイナーといったIT系のフリーランスであれば、そこまで大きな資金は必要ありません。ただ、もし仕事がうまくいかなかった場合の、数ヶ月分の生活費用は用意しておく必要があるでしょう。

必要に応じて開業届を提出し、個人事業主になる

フリーランスになる際は、開業届を出すのが一般的です。基準は「所得48万円以上」とされており、月収ベースで4万円以上の収入がある場合、開業届を出す必要があります。

会社員をやりながら副業でフリーランス的な働き方をしたい場合は、収入が48万円未満であれば開業届は必要ありません。フリーランスとして完全に独立するのか、副業として始めるのか、ご自身が思い描く働き方に合わせて判断してください。

健康保険と年金の切り替えと加入手続きを行う

会社を退職してフリーランスになる場合、さまざまな手続きが必要となります。その中でも、とくに重要なのが「健康保険」と「年金」です。まず健康保険では、会社を退職してから原則14日以内に「国民健康保健の切り替え」を行わなければなりません。

年金も同じく14日以内に切り替えが必要です。どちらも会社員の時点で加入している制度ですが、会社員からフリーランスに職業が変わった時点で、切り替え手続きが必須となります。「すでに入っているから大丈夫」と思わず、各自治体の窓口にて手続きを進めてください。

フリーランス同士が交流できるコミュニティに加入する

先述のように、独立後に孤独を感じるフリーランスも少なくありません。しかし今ではコミュニティやSNSにおける交流も盛んなので、そのような輪に入ってみるのも手です。

同じ志や悩みをもつ同業者と話せるのはもちろん、コミュニティに参加することで仕事につながる可能性もあります。参加者同士で仕事を紹介しあったり、コミュニティの中で講師を募集していたりといったケースも多いです。

フリーランスになる前準備として、コミュニティへの参加も検討してみましょう。

フリーランスの仕事/求人案件の探し方

エージェントを利用した受注について書きましたが、フリーランスの仕事の探し方にはどのようなものがあるか、もう少し詳しく見ていきましょう。

自ら営業する

まずは、フリーランスが自分で営業して仕事を取ってくる方法について書いていきます。

知り合いや人脈から紹介をうける

会社員として働いているときから独立することを意識して人脈を築いていれば、独立後にその人脈を使って仕事をもらうことができます。ただし、会社に迷惑がかからないように気を付ける必要があります。また、会社を円満退社できている場合には、週2日や在宅など、フルコミットではない形で、前職の会社から仕事を貰うことができる場合があります。

紹介や前職の会社から仕事を得るスタイルは、仕事を発注する側、受注する側双方ともに好条件で契約を結べるというメリットがあります。仲介業者などを挟まず直接契約を結ぶため、中間マージンが発生しないためです。発注する側から見ると安価に発注でき、受注する側から見ると高単価で仕事を受けることができます。

ブログやSNSで見込み顧客をあつめる

FacebookやTwitterなどのSNS、もしくは個人のWebサイト、ブログなどを使って見込み顧客をあつめながら、お問い合わせ経由で継続的に仕事を作っていく方法もあります。Webサイトにフリーランスとしての活動内容やこれまでの実績、サービスの料金などを記載して、クライアントからの相談を待ちます。お問い合わせを受け付けるためのフォームを必ず設置するようにしましょう。

また、SNSで自分の仕事のことを投稿したり、他人の投稿にコメントしたりすることで、ふとしたタイミングで、相談されたり仕事に繋がったりします。直接つながっている人からの依頼だけでなく、つながっている人がお客さんを紹介してくれる場合もあります。SNSは、ただ無目的に利用するのではなく、こういった先々のことまで想像して活用していく必要があります。

勉強会などのイベントに参加する

士業、小規模Web案件、デザイン関連案件のフリーランスなど、個人や小規模事業者をターゲットにしている場合であれば、勉強会や交流会などのイベントから仕事に繋がる可能性があります。最初から仕事につなげる目的でイベントに参加するのであれば、どのような人が集まるイベントかを想像して参加するイベントを決める必要があります。

マッチングアプリで交流する

ビジネス系のマッチングアプリで最も有名なのは「yenta(イエンタ)」です。アプリに表示されるおすすめの人の中から興味がある人を選択していき、お互い「興味がある」となる(マッチングする)とメッセージを送ることができます。

yenta以外のアプリとしては、経営者同士のつながりを持ちたい場合は「COLABO」や「Linker」があります。ファッションビジネスを行っている人同士のつながりを持ちたい場合には、「fatch」というアプリを利用できます。

wantedlyで営業する

「Wantedly」はいわゆる求人サイトです。ベンチャー・スタートアップ企業が多く利用しており、IT/Web系の仕事に関して営業をするにはおすすめです。ただし、Wantedlyでの求人募集は正社員を想定しているものが多いです。すぐに仕事に結びつかなかったり、返信がこない会社も多い点は認識しておきましょう。

Wantedlyの特徴として、いきなり面接というよりは気軽に一度あってみてというスタンスがあります。そのため、経験やスキルを保有しているフリーランスであれば担当者との面談は割と入りやすいです。また、正社員や契約社員のほか、インターンや業務委託などのフリーランスが入っていける案件もあるため、そのような求人に絞って応募してみてもよいでしょう。

クラウドソーシングを利用する

フリーランスが仕事を獲得できるプラットフォームとして、クラウドソーシングがあります。クラウドソーシングとは、「ランサーズ」や「クラウドワークス」など、オンラインで完結する業務受発注の仕組みです。

  • ライティングの仕事に特化した「サグーワークス」「Shinobiライティング」「Repo」
  • Webの仕事に特化した「クラウディア」「Bizseek」
  • 翻訳の仕事に特化した「ゲンゴ」「Conyac」
  • イラストの仕事に特化した「SKIMA」
  • マーケティングの仕事に特化した「Skets」

など、特定のジャンルに特化したクラウドソーシングもあります。オンラインですぐに仕事を得ることができるメリットがありますが、比較的案件単価が低い点がデメリットです。

エージェントから求人の紹介をうける

先ほども簡単に説明したフリーランス求人を対象としたエージェントを使う方法も有効です。代表的なフリーランス向けエージェントサービスとしては、以下のようなサービスがあります。

ビッグデータナビ
ビッグデータナビ
 

エンジニア系だと

 
PMOナビ
PMOナビ
 

など。 コンサルティング系だと、

  • PMOナビ
  • フリーコンサルタント.jp
  • BTCエージェント for コンサルタント
  • PATIO

などです。

職種に特化していない総合系であれば、

  • CARRY ME
  • Waris

などを利用することができます。

案件を探す際の注意点

フリーランスが案件を探す際には、少なくとも以下の点については注意しておく必要があります。

発注先の連絡先

仕事を完了した後なかなか支払いがされないというとき、依頼主の連絡先がわからないとどうすることもできません。たとえば名刺をもらっている場合であっても、その会社が本当に存在するかの確認、記載されている電話番号に電話が繋がるかの確認ぐらいは最低限おこなっておきましょう。

契約期間、納期

いつからいつまで仕事を受ける契約なのかが曖昧になっているのはトラブルの元です。 「△日から10日間」といった場合、△日を含むか含まないかで何日までの契約かが変わってきます。 「納期:×月〇日まで」となっている場合、時間が書いていないため、その日の何時までに納品すればいいのかがわかりません。 細かい部分まで明確にして契約しておくことが必要です。

契約形態

請負契約か委託契約かを明らかにしておく必要があります。 請負契約は契約期間途中での契約解除ができない、委託契約はクライアントからの要求があったとき進捗の報告をする義務がある、など法律上の違いがあります。

経費について

たとえば契約した業務を行う際に交通費が発生したとき、この交通費は発注者が負担するのか、受注者が負担するのか、契約する際に決めておかないとトラブルになってしまいます。

納期遅延、不完全な納品

契約書に「期間満了により、本契約が終了する場合には、甲乙協議のうえ、本業務に関する清算業務を行う」という記載がある場合、納期を遅延したときや不完全な状態で納品したときには報酬の支払いの対象外になる可能性があります。 この場合、契約書を作り直してもらう必要がでてくることもあります。 事が起こってからではなく、納期遅延、不完全な納品の場合にどのように対処するかについても契約前に確認し、契約内容に盛り込むようにしましょう。

最低限以上の点については明確にしてから仕事を受けるかどうかの判断をし、契約するようにしましょう。明確な条件を契約書として残しておくことが、後々のトラブルを防ぐことになります。

フリーランスの仕事の受け方・流れ

次に、フリーランスになった際、どのように仕事を受けたらいいのか、仕事の受け方について説明していきます。フリーランスは会社員と違って、自分で自由に受ける仕事を選ぶことができます。 会社員が他の仕事をしたいとなると転職をするしかありませんが、フリーランスの場合は受注できるスキルや経験さえあれば、さまざまな仕事にいつでもチャレンジすることができます。こういった意味で、フリーランスは会社員よりもキャリア形成を自由に行うことができるというメリットがあります。

それでは、実際に仕事を受けたいと考えたとき、どのようにすればいいでしょうか。

契約の種類と受注の流れ

フリーランスが仕事を受ける契約を結ぶ際、基本的には請負契約と委託契約の2種類があります。それぞれどのような契約なのかを説明します。

請負契約

請負契約とは、ある仕事を完成させることを約束する契約です。これではわかりにくいので、具体的な例で説明します。ライターとして記事を10記事書く請負契約を結んだ場合、約束した10記事を完成(納品)する責任が生じます。

委託契約

委託契約とは、何らかの役務を提供することを約束する契約です。たとえば、フリーランスエンジニアとして委託契約を締結した場合、契約期間中に時間とスキルを提供することになります。請負契約とは違って、成果物を納品する必要はありません。

業務委託契約を結んで働くフリーランスは労働者に含まれないため、労働者を守るための法律である労働基準法の対象になりません。そのため、フリーランスは契約書を使って、自分の身を自分で守る必要があります。

在宅・リモートワーク

契約の形態ではありませんが、会社員と比較してフリーランスに特徴的な働き方のひとつとして、在宅・リモートワークがあります。客先に出向くことなく、自分で選んだ自由な場所で働くことができる点が、フリーランスの魅力のひとつです。

契約する際の注意点

ここで、フリーランスがクライアントと契約を結ぶ際の注意事項について説明しておきます。先ほども触れましたが、仕事を受注する際には必ず契約書を作成しましょう。会社員と違い、フリーランスは自分の身を自分で守る必要があります。

契約書で

  • 納期
  • 報酬額や支払い方法
  • 業務範囲
  • 途中キャンセル、解除になった場合の取り扱い
  • 契約延長に関する取り決め

などを明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

契約と収入印紙

収入印紙とは、取引の際に発生する手数料の支払いに使うことができる紙です。

領収書を発行する際、法律上収入印紙を貼ることが必要な場合があります。どのような場合に収入印紙が必要になるか、簡単に説明します。 現金で支払いを受ける場合、金額が5万円未満の場合は収入印紙不要、5万円~100万円の場合は200円分、100万円~200万円の場合は400円分の収入印紙が必要です。

クレジットカード支払いの場合は、原則収入印紙の貼付は不要、デビットカードでの決済の場合は、現金支払いと同様のルールになります。振り込みでの支払いの場合は、金額が5万円以上で領収書を発行する場合は収入印紙の添付が必要。領収書の代わりとして金融機関発行の振り込み明細書を利用する場合は、収入印紙不要です。

経費と税金

フリーランスは、経費や税金の取り扱いについても、注意すべき点があります。業務委託の場合、支払われる報酬は源泉徴収がされていないケースがあります。源泉徴収がされていなければ、自分で計算して確定申告をする必要があります。契約先企業からの報酬が源泉徴収されている場合も、それ以外の所得があったり、経費がかかっている場合には、自分で確定申告しなければなりません。

所得税がかかる「所得」は、収入から経費を引いた額のことです。そのため、企業からの報酬が源泉徴収をされているとしても、経費がかかっているのであればその分は課税対象になりませんから、確定申告をした方が得になります。

フリーランスの仕事の断り方

フリーランスの仕事の断り方

フリーランスになると様々な仕事の依頼を受けることになります。 依頼の中には、 「報酬が安すぎる」 「案件の内容が自分の技術的に厳しいのではないか?」 「なんとなくこの仕は事受けたくない」 などの理由で受注を断りたい場合が出てくると思います。また、中には受けるべきではない仕事もあります。仕事を断りたいときどのように断ればいいのか、断り方について説明していきます。

仕事を断りづらい理由

「受けたくない」と思っていても、ついつい仕事を断れずに受けてしまう最も一般的な理由として、「相手に悪い印象を持たれたくない」ということがあります。特に依頼主が友達や知人、お世話になっている先輩、頻繁に仕事をくれるクライアントなどであれば、より一層断りにくくなってしまいます。

しかし断るからといって、必ずしも悪い印象を持たれてしまって関係が終わってしまうわけではありません。

「次回は受けたいと考えております」 「今回は対応できませんが、今後も宜しくお願いします」

など、今後も付き合いを続けたいクライアントであるならば、その気持ちをしっかり伝えた上で断りましょう。

断るべき仕事と理由毎のメール例文

それでは、どのような場合に仕事を断るべきかを見ていきます。

納期が短い

納期が短い場合、断らざるを得ないことがあります。受けたくても他の案件で手一杯ですぐに着手できず、納期に間に合わない場合もあります。納期に間に合わないのであれば、結果的に先方にも迷惑をかけてしまうため、その仕事は断るべきです。

こういった場合は、素直にそれをそのまま伝えた上で断るのがベターです。

「大変残念なのですが、現在、手が一杯で対応できません」 「是非受けたいところなのですが、△月はスケジュールが埋まっております」 など、自身の状況を正直に話し、自分勝手に仕事を断っているわけではないということが相手に伝わるようにしましょう。

予算が少ない

予算が少なすぎる案件を甘んじて受ける状態が続いてしまうと、いつまでも低単価の案件を大量にこなす状態から抜け出すことができません。

「ご依頼の内容は、ご提示いただいた報酬額では対応外です」 「提示いただいた予算では、△△まで(依頼内容の一部)しか対応できません」

フリーランスは自分の仕事をいくらで売るかを自分で決めることができます。 低単価で仕事を受け続けると受注する仕事数が増え、身体への負担も増えてしまうため、気をつけましょう。

条件があわない

自分自身がその案件の依頼内容を対応できるだけのスキルを持っていない場合も、受注すべきではありません。

多少背伸びをして受注して、努力で解決していく姿勢もスキルや経験のためには重要ですが、あまり無理して受けると相手に迷惑をかけてしまうだけでなく、自分自身も必要以上に苦しい思いをします。

「提案いただいた仕事内容は、残念ながら私では対応しかねます」 「こちらの内容の案件は私の専門ではなく、対応が困難です」 など、その仕事が感情的に嫌で断っているのではなく、自分の実力的に困難であると判断していることが伝わるようにしましょう。

まとめ

今回、フリーランスの職種や仕事を獲得する方法を解説してきました。フリーランスとしての働き方のイメージを持つことはできましたでしょうか。社会人の方がフリーランスとして稼ぎやすい職種を目指すには、今の職場から転職したり、キャリアアップのために勉強することも大切かもしれません。

すでにフリーランスの方は、今よりもっと稼ぐためにどうやって仕事を獲得していくのか考えるきっかけにもなったかと思います。まだしていない営業手法があれば試してみましょう。限られた時間の中で、稼いでいくためには、働きに合わない仕事は断らないといけません。そのコツもご説明致しましたので、角を立てずにうまく断ってみましょう。

この記事があなたが正社員から独立への一歩を踏み出すきっかけのひとつになれば嬉しいです。

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