フリーランス

2020/11/26

ITコンサルタント案件の単価は?フリーランスで独立する前に

IT戦略の立案や導入支援を行う職業に「ITコンサルタント」があります。DX推進や社内のIT化などで安定した需要があり、正社員として働いた後、独立してフリーコンサルタントとなる人材も増加しています。

独立後の年収やフリーランス案件に参画した際の、報酬単価の金額が気になる会社員の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ITコンサルティング案件のフリーランス単価相場や収入目安、未経験から転職・就職などで目指す方法などを解説します。

フリーランスのITコンサルタントという働き方

ITコンサルタントは、企業の問題をIT技術で解決するアドバイザーの役割を果たします。ITに関する戦略策定や導入計画の立案、実現化などの支援を行います。

会社員ではなく、フリーランスのITコンサルタントとして働くスタイルにどのようなメリットがあるか、収入の目安や仕事の就き方なども合わせて紹介します。

ITコンサルタントは独立しやすい職業

ITコンサルタントは、フリーランスとして独立しやすい職業です。SIerやコンサルティングファームなどでの経験を活かせるため、自身の得意分野で活躍できるのが理由の1つ。専門的な知識を求められる割に資格を必要とせず、1人で活動しやすいのもフリーランス向きの職業といってよいでしょう。

自分の持つプロジェクト推進、業務効率化、ベンダー選定などの知識や経験をクライアントに売り込むことができれば、すぐにでも仕事をスタートできます。

ITコンサルティングのフェーズと支援例

ITコンサルティングには、クライアントの問題を解決に導くための複数の段階があります。必ずしも同じフェーズで進められるとは限りませんが、プロジェクトがどのようなフェーズを踏むのか、支援例を紹介しましょう。

戦略策定

企業の目的は、ビジネスの成功と継続です。目的を達成するには、業務を効率よく運営する必要があります。経営判断の助けとなる正確なデータを提供するためや、デジタルマーケティングで新たな顧客の開拓が必要な場合もあります。

クラウドコンピューティングやAI、IoTなどIT戦略は様々なテクノロジーの観点からも合理的なシステムの実現を目指さなければなりません。

戦略次第で、この先のフェーズの成否も左右されます。慎重な策定が求められるステップです。

計画策定

策定した戦略をスムーズに実行するために、導入に関する計画を立てる必要があります。新たに取り入れる施策を成功させるには、現状の業務の流れを無視するわけにもいきません。

現状の業務を維持するのか変更するのが判断しながら新しい業務手順を検討し、手順とタイミングに配慮した計画を立てることが大切です。

要件定義

要件定義のフェーズでは、業務に必要な条件を決めていきます。ここまでの段階で決められた戦略と計画を実行するために何が必要かを決めるのです。IT戦略の実現に必要な条件は、クライアントとも合意することが大切。

戦略を実行してから認識の食い違いが発覚するようなことを避けるためにも、確認作業をおこなう意味があります。

戦略通りに業務を実現できるかの検証も重要で、検証を踏まえてITコンサルタントがシステム要件まで定義できると存在感が高まります。

実現化

戦略を実現化するフェーズは、SEが担当する分野です。ITコンサルタントは、REP作成やITベンダー選定のサポート、PM支援などをおこなうのが一般的です。

戦略策定したシステムを導入するにあたってどのITベンダーを選ぶか手助けしたり、選ばれたベンダーに具体的な依頼文書を作成します。

計画が正しく実行されているか確認し、マネジメントをおこなうPM支援もITコンサルタントの役目。実行中にトラブルが発生すれば、その対処もおこないます。

移行&リリース

新しいシステムに移行するにあたって、クライアントの利用者にはトレーニングが必要です。移行と同時か移行後にスムーズに利用者が活用できるように、テスト・検証などをして準備しておかなければなりません。

リリースする準備ができたら、システムを本格的に稼働させます。

本稼働定着化

リリース後、システム運用と業務の運営がスムーズにおこなわれているか、しばらくは監視する必要があります。トラブルや疑問が発生したら、速やかに対処しなければなりません。改善すべきことをまとめて、対応する必要も出てきます。

フリーコンサルタントのメリット

こなすべき業務の範囲が広いフリーコンサルタントですが、独立するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

高額な報酬

ITコンサルタントがフリーランスになれば、実績や交渉次第で高額な報酬を得ることが可能です。企業の一員としてクライアントからの報酬を給与分配されていたときとは異なる収入の得方になり、上手くすれば年収も会社員時代より上を目指すことができるでしょう。

クライアントから依頼を受けた仕事で実務を重ねて信頼を得ることで、起業のための資金調達も狙えます。

仕事の裁量が増える

参加するプロジェクトを自分で選べるのも、フリーコンサルタントのメリットです。気が進まない案件を割り振られて、納得のいかない結果になる心配もなくなります。

モチベーションが高まり、新たな分野を開拓して自信をつけることもできます。相性の良いクライアントを選べるのも、フリーランスの醍醐味と言えます。

選択の幅が広がる

仕事を自分で選べることで、自分の将来設計やキャリアプランの幅も広がります。得意な分野のスキルをさらに磨いたり、やりたくてもできなかった分野にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

できることや得意なことが増えれば増えるほど、コンサルティングの受注も増やしていくことができます。

ITコンサルティング案件の単価相場・収入目安

フリーランスのITコンサルタントとして独立するからには、収入についても考えておかなければなりません。ITコンサルタントがどのくらいの単価報酬を得ているのか、フリーランスの場合や会社員の場合について比較してみましょう。

ITコンサルタントの単価相場(フリーランス)

フリーランスの場合、案件ごとの月額報酬である単価が重要になってきます。金額が案件と見合っているかどうかは、相場と比較して判断するとよいでしょう。案件の内容によっても差が出る単価ですが、ITコンサルタントの平均的な単価は150万~200万円といわれています。

しかし、経歴による単価の差もあり、携わってきた案件規模やプロジェクト内容によっては、コンサルタントといっても80~100万円程度が相場という見方もされています。

ITコンサルタントの平均年収(会社員)

会社勤務のITコンサルタントの場合、平均年収は600万円程度。月収に換算すると、約50万円が収入の相場と見られています。所属する企業や在籍年数、役職によっても、年収に差が出るケースはあります。

大手SIerなどに所属するITコンサルタントの年収相場は平均より高く、外資系コンサルティングファームに所属する場合は、年収1000万円を超えるコンサルタントも珍しくありません。

SEよりもITコンサルの方が単価が高い

注目しておきたいのは、ITコンサルタントのほうがSE(システムエンジニア)よりも単価が高くなりやすい傾向にある点です。IT戦略の実行にはSEの働きが不可欠ですし、上流工程を手掛けるSEであれば実質担当している内容がITコンサルタントと変わりないことも多いです。

ただし、一般的にITコンサルタントはSEより担当範囲が広く、求められるスキル要求も高めです。その点が単価の高さにつながっています。

SEの立場として考えると意外かもしれませんが、フリーランスで独立するならITコンサルタントの肩書を名乗ることで、単価が上回っても不思議ではないのです。

ITコンサルタントの種類

ITコンサルタントの仕事範囲は、幅広いのが特徴です。戦略から計画、実行、リリース後の定着化まで様々な業務があり、それぞれ個別に担当することもあります。具体的な特徴について、種類別に見ていきましょう。

IT戦略コンサルタント

IT戦略コンサルタントは、IT戦略の立案から実行支援までをおこないます。企業の経営課題を解決するために、ITシステムの改善策を提案して実行するまでを見届けるのが仕事です。経営的な視点からITをどう活用するかという専門的知識が求められ、担当する領域が幅広いのも特徴です。

CRMコンサルタント

CRMコンサルタントは、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントを前面に出したコンサルタントです。会員へのメール配信やポイント付与、既存顧客の囲い込みなど、企業の成長と存続のためにおこなわれるデータ収集・分析・マーケティング戦略を担当します。

SCMコンサルタント

SCMコンサルタントは、サプライ・チェーン・マネジメントに関わるコンサルタントです。企業間での効率的な物流システムが構築されれば、経済の流れがスムーズになります。企業から消費者まであらゆる関係者が満足できるシステムを生み出すのが、SCMコンサルタントの仕事です。

SAPコンサルタント

ドイツ発のSAP社が販売するパッケージソフトERPを導入して、ビジネスの効率化を支援するのがSAPコンサルタントです。特殊なコンサルタントのようですが、SAPは世界で高いシェア率を誇るソフト会社ですからITコンサルタントをしていると関わる機会が珍しくないでしょう。

SAPやERPの特徴について知り抜き、上手な活用法を企業ごとに提案する役目を持っているコンサルタントです。

PMOコンサルタント

PMOとは、プロジェクト・マネジメント・オフィスの略称です。プロジェクトを遂行するのに必要な資料作成・進捗管理などのマネジメント組織を指し、これをサポートするのがPMOコンサルタントです。

企業が社内スタッフで管理すればよさそうな業務ではありながら、プロジェクトの規模が大きくなるほどに管理が複雑になってくるため、専門にサポートするコンサルタントの存在が注目されています。

フリーランスのITコンサルタントになる前に

ITコンサルタントになるために資格は不要ですが、フリーランスとして独立するからには準備しておきたいこともあります。どのような準備が必要になるか、把握しておきましょう。

正社員で働いてから独立するのが基本

フリーのITコンサルタントとして生計を立てるには、仕事を獲得できる経歴や実績が必要です。そのため、未経験の場合、まずはコンサルティング会社やシステム会社に就職して数年間勤務する必要があります。IT業界での経験もないケースでは、SEやPGとして入社してから転職することも視野に入れましょう。

ITコンサルタントの仕事をこなすうえで、システム開発やツール導入など一連の流れを経験しておくことが重要です。企業が抱える課題や対処法、組織の動かし方などは、一度正社員として働いてみないと実感がわきにくい点もあります。

サーバー、ネットワーク、セキュリティなど幅広い業務の知識を体得するためにIT系の資格を取得するなどもおすすめです。同僚や取引先など会社員時代の人脈がフリーコンサルタントになってからの仕事獲得につながることもあります。

ITコンサルタントに必要なスキル

ITコンサルタントとして求められるスキルは幅広く、全てを身につけるには長年の経験や優れた頭脳が必要です。しかし、1つずつ専門知識や経験を増やしながらスキルアップしていくことができるのもITコンサルタントの良いところ。

大まかに挙げると、IT・ビジネス業務・マネジメントに関する知識、思考力、マインドが必須スキルといえます。コミュニケーション能力、責任感、常に学ぼうとする意識も重要です。

ビジネスアナリシス

IT領域に限らずコンサルティングを実施したり、プロジェクトを成功させたりするためには、クライアント上層部の意向をチームや関連スタッフに正しく明確に伝えなければなりません。その伝達役となるのが、ビジネスアナリストです。

ITコンサルタントにはビジネスアナリシスをおこなう役目もあり、業務観察やインタビューの内容を調査資料としてまとめたり、合意形成のための会議や調整役として立ち回ることも多くなります。

要件定義の成功はプロジェクトの成功に深く関わるため、ITコンサルタントのビジネスアナリシス能力が問われるところです。

ITソリューションの導入、支援経験

企業の課題をITで解決したことのある経験は、重要です。規模の大小を問わず、ERP、SCM、CRM、RPAなど何らかのITソリューション支援をした経験はフリーコンサルタントになっても役立ちます。

担当した範囲が限られていても、その経験を得意分野にしたり、他の分野への足がかりにすることが可能です。

プロジェクトマネジメント

ITコンサルタントの仕事は、フリーランスになってもチームでおこなう業務です。クライアントである企業やベンダーとの協力なくして、プロジェクトの成功はありません。

プロジェクトを指揮・サポートするマネジメント能力は、鍛えておいたほうがよいでしょう。

ITコンサルタントの仕事に就くには

未経験からITコンサルタントの仕事に就くために、どのような方法があるかを紹介します。

SIerに転職する

システムインテグレーションをおこなっている企業、つまりSIerに転職してITコンサルタントへの道を切り開く人は少なくありません。未経験の場合は、まずSIerへの転職をめざすことがおすすめです。

コンサルタントとしてSIerに入社しなくとも、SEとして働くことでITコンサルタントに必要なスキルの一部を身につけられます。

コンサルティングファームに転職する

コンサルティングファームでは、コンサルタントとしての総合的なスキルや経験を積むことができます。コンサルティングファームでは通年でポテンシャル採用をおこなっています。要求される素養は高いですが、挑戦する価値はあるでしょう。

中でも戦略系コンサルティングファームや大手ファームに転職すれば、ITコンサルタントとして独立しても強力な武器になるスキルと経験を手に入れやすいでしょう。

未経験から中途で採用されるために

ITコンサルタントとして中途採用を狙おうと思ったとき、壁になるのが採用ハードルの高さです。未経験でも中途採用されるために、どのようなスキルや経験が役立つか紹介します。

論理的思考能力

ITやマネジメント、コンサルティングの経験や専門知識がなくても、論理的思考能力が高いと判断されれば中途採用される確率は高くなります。ITコンサルタントの仕事は、提案を論理的にクライアントに展開すること。採用試験でも面接でも、理論がわかりやすいと受け止められると好印象になります。

顧客折衝とマネジメント経験

ITコンサルタントは、常に他者とコミュニケーションをとっているような職業です。顧客と折衝してきた経験が認められれば、採用になる可能性が高まります。規模の大小を問わず、マネジメント経験もあると有利です。

クライアント業界知識

どのような業種の企業がクライアントになるかはわかりませんが、この業界に強いという知識を持っていると優遇されます。幅広い業界について知識が深い場合も同様です。

案件を担当することが決まってから業界知識を仕入れることもあるとはいえ、もともと特定の業界に専門知識を持っているコンサルタントが関連の案件を振られることも少なくないのです。

ITコンサルタントの今後の動向、将来性

ITコンサルタントの今後の動向や将来性があるかどうかについて、見ていきましょう。

ITコンサルのニーズは今後も伸びる

ITコンサルタントが取り扱うIT分野は、世界的にもまだまだ市場規模が大きくなると見込まれています。ITをどう活用するか、専門家に助けを求めたい企業は今後も増えていくでしょう。

ITコンサルタントの将来性は明るいと予測できますが、優秀なコンサルタントほど引く手あまたとなっているのも現実です。

コンサルタントのニーズ自体は伸びているのですから、チャンスを活かすためにも常にスキルアップを図る努力やチャレンジ精神を忘れないようにしましょう。

小回りが利く点がフリーコンサルタントの強み

フリーランスのITコンサルタントには、小回りや融通が利くという強みがあります。柔軟な対応で、クライアントのかゆいところに手が届くようなサービスを提供すると、重宝されるコンサルタントとして活躍できます。

ITでも様々な領域のコンサルタントが必要に

ひと口にITといっても、AIやクラウドなど様々な専門領域があります。ITを必要とする企業も、それぞれに異なるニーズを持っています。専門領域を持つことで、この分野ではこの人に頼むのが一番というフリーコンサルタントになることを目指してみてもよいでしょう。

関連記事Related Posts