フリーランス

2020/11/16

PMO案件の単価相場は?フリーランスで独立する前に

Project Management Office(プロジェクト・マネジメント・オフィス)を省略した言葉がPMOです。近年フリーランスとして、業務委託で働くPMOも増えています。

PMO案件には、プロジェクトの進行管理や資料作成、PM(プロジェクトマネージャー)を補佐するプロジェクト管理業務などがあり、高単価な報酬の仕事も見られます。

この記事では、フリーランスPMOの単価相場や年収、コンサルタントとして独立する方法などを解説します。キャリアパス、将来性なども見ていきましょう。

フリーランスのPMOという働き方

デジタル化の推進や新規事業などのイノベーションが求められる昨今において、プロジェクトの品質向上や迅速化を担うPMOの求人需要はますます拡大しています。それに伴い、コンサルティング業界やIT業界を中心に、業務委託で働くフリーランス(個人事業主)のPMO人材と企業とを仲介するエージェントやプラットフォームも増加しています。

個人で案件を獲得する環境が整った結果、コンサルティングファームやSIerに所属する会社員PMOのキャリアプランとして、正社員で出世を目指すばかりではなく、独立・起業を目指すという選択肢も現実的になってきたのです。

裁量や収入などの点でフリーランスのPMOには会社員では得られないメリットがあり、近年、注目を集めています。

フリーランスPMOのメリット

PMOがフリーランスで働くメリットとしては、「案件が高単価」なことや「自分でプロジェクトを選べる」こと、また「PMOにとってフリーランスという働き方は、そもそも相性が良い」ことなどが挙げられます。

案件が高単価で収入をあげやすい

PMOがフリーランスになる利点のひとつに、月の報酬が高単価な点があげられます。単価相場として、一般的なPMOで80~120万円、大手コンサルティングファーム出身のPMOコンサルタントで150万円や200万円程度と他のIT職種と比べても高い収入が見込まれるのです。

会社員PMOの平均年収である600万円から700万円程度と比べると、フリーランスPMOはより稼げる可能性があります。年収で換算すると1,000万円以上になることも珍しくなく、これはPMOがフリーランスとして独立する大きな魅力といえるでしょう。

自分でプロジェクトを選べる

会社員だとしてもプロジェクト単位で働くことの多いPMOですが、会社に所属しているとPMOとしてアサインされるプロジェクトは基本的に会社や上司の裁量で決定されます。若手のうちは経験が積めるという点で悪いことと言い切れませんが、志向する業界や分野が明確に決まっている場合においては、自身のキャリア形成を阻害してしまうケースがあります。

キャリアプランがしっかりとしており、それに向けて重点的にスキルアップを図りたいのであれば、自分で携わるプロジェクトが選択できるフリーランスとして働くのも、一つの手段といえるでしょう。

フリーランスとPMOの相性が良い

基本的に、よほど大規模なプロジェクトでもない限り、一つのプロジェクトに配属されるPMOは少人数である場合がほとんどです。そのため、必要に応じてフリーランスのPMOに業務委託で仕事を依頼するというのは、企業にとっても都合の良い人材リソースの調達方法といえます。

またフリーランスとして活動するためには、「企業が自分に依頼する理由」として専門性やスキルを保有している必要があります。そうした面からみても、プロジェクトマネジメントに関する高い専門性を持ち、一人の働きでプロフェッショナルとしての価値を創出しやすいPMOという職種は、フリーランスに向いているといえるでしょう。

また数十人規模のPMOが携わる大規模プロジェクトにおいても、フリーランスのPMOコンサルタントは独自の立ち位置を作りやすいといえます。なぜならその会社に所属していないため、より俯瞰的な視点からプロジェクトを補佐していくことが可能となるからです。

PMOの業務と役割

PMを補佐し、プロジェクトを成功へと導くのが、PMOに求められる役割です。その業務内容は、ポートフォリオマネジメントとプログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントの、大きく三通りに分類することができます。

ポートフォリオマネジメント

デザイン業界などでは、単に「作品集」の意味合いで使われることの多いポートフォリオという言葉ですが、PMOは「集団」という意味合いでこの言葉を用います。ここでいう集団とは「企業が戦略的目標を達成するために組織するグループ」のことで、ポートフォリオマネジメントは、その振り分けを行う仕事ということになります。

経営リソースを戦略的な視点から分配し、企業が円滑に目標を達成できるようにすることが、PMOがポートフォリオマネジメントを行う目的です。

プログラムマネジメント

企業では、複数のプロジェクトが同時並行的に進行することも珍しくありません。しかしそうした際に組織が縦割り構造だと、プロジェクト間の連絡がうまくいかず、トラブルが発生してしまうことがあります。そうした事態などが起こらないよう「各プロジェクト間の調整を行う」のが、PMOのプログラムマネジメントという業務です。

プログラムマネジメントでは、人材や予算、スケジュール、製品規格、仕事での決まりごとなどについて、複数のプロジェクトを横断して管理・調整することを行います。プログラムマネジメントが行われることで、プロジェクト間での軋轢がなくなることや、仕事がスムーズに行えるようになることなどが期待されます。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトが大規模化すると、プロジェクトメンバーだけでは、品質、予算、納期、その他の内容について調整や議事録作成、意思決定の履歴などをカバーしきれなくなることがあります。そうした際にサポートを行い、プロジェクトの成功を支えるのが、PMOのプロジェクトマネジメントという業務です。

プロジェクトマネジメントでは、プロジェクトメンバーのスケジュール調整やリスクマネジメント、商品の品質管理など、メンバーの専門業務以外の部分を手助けしていくこととなります。また時には書類作成や表計算などの事務作業を請け負う場合もあり、仕事全般に関する総合力が試される業務といえます。

PMOとPMの違い

PMOとPMは両者ともプロジェクトの管理者側に位置する役職であり、混同される機会も多いです。しかしPMOが「プロジェクトの成功を支える立場」だとすると、PMは「プロジェクトに関する意思決定を行いメンバーを先導していく立場」といえ、その役割には明確に違いがあるといえます。

昔の軍隊でいうなら、PMOは軍師、PMは将軍と例えられるかもしれません。PMOには仕事に関する実務的な能力が求められますし、PMには部下を導くためのリーダーシップが必要となってきます。

PMOとPMOコンサルタントの違い

PMOの雇用形態には、主に二通りがあります。一つが正社員として雇用するケース、もう一つが嘱託雇用するケースです。一般的には前者のケースが多いですが、大規模なプロジェクトを遂行しなければならない時などは、それだけでは人手が足りなくなる場合があります。

また中小企業などでは専任のPMOを雇用していないことも多く、必要に応じてPMOを雇わなければなりません。そうした際に派遣され、企業の外付け装置としてPMO業務を行うのがPMOコンサルタントです。

企業所属のPMOコンサルタントはそのほとんどが、IT系コンサルティングファームやPMO派遣サービスを行っているIT関連企業に所属しています。またフリーランスのPMOについては、本質的にすべての人がPMOコンサルタントといえます。

PMO案件の単価相場・収入目安

PMOはフリーランスであるか会社員であるかで、収入が大きく変わる職業です。ここではフリーランスPMO案件の単価相場や、PMOの収入目安について紹介します。

フリーランスPMOの単価相場・年収

フリーランス向け案件情報サイトなどの情報を参考にすると、PMO案件のフリーランス単価相場としては、約80~100万円程度が平均となっています。

フリーランスPMOの年収は、個人個人の仕事の仕方によって大きく違うこともあり、全体の平均を示すことは難しいといえます。しかし先にも述べたように、仕事内容によっては200万円以上の報酬が得られる案件もあり、1000万円以上の収入があるフリーランスPMOも珍しくありません。

会社員PMOの平均年収

会社員のPMOの場合、基本的に報酬は給料というかたちで支払われるため、仕事の単価相場というものはありません。先にも述べましたが、収入の目安としては年収600万円~700万円程度といわれており、これは日本全体の平均年収が436万円(令和元年度 平均年収.jp調べ)であることを見ると、相当高めであることが分かります。

PMOコンサルタントで独立する前に

フリーランスのPMOコンサルタントとして独立する際は、事前に知っておきたいことがいくつかあります。ここではPMOコンサルタントの案件形態やキャリアパス、必要なスキルなどについて紹介していきます。

PMOコンサルタントの案件形態

PMOコンサルタントは、基本的に企業所属のPMやPMOと連携・調整しながら、仕事を行っていくこととなります。企業側の扱いとしては派遣社員に近く、一日当たりの拘束時間や就業期間は長めなのが特徴です。

PMOコンサルタントの案件は、サポート型と管理型、主導型の、大きく3パターンに分けられます。仕事量としては、基本的にサポート型、管理型、主導型の順に増えていき、得られる報酬も後者になるほど高くなります。

サポート型

サポート型の案件では、PMOコンサルタントは企業のプロジェクト遂行を補助していくこととなります。具体的な仕事内容としては、会議の資料作成や議事録の作成、仕事内容の平準化作業や社内教育などが挙げられます。

管理型

管理型の案件では、PMOはサポート型案件の内容に加え、プロジェクトの管理業務を行っていくこととなります。具体的にはプロジェクトの進捗が順調であるかを監視し、滞っている作業がある場合は、その原因の解決やスケジュール調整などを行います。

主導型

主導型の案件では、PMOはPMの直接的な補佐として、プロジェクトの統轄に関わることとなります。主導型案件の具体的な仕事内容としては、プロジェクトが適切な方向に進んでいるか第三者の視点から監査し、場合によっては軌道修正を主導することなどが挙げられます。

PMOコンサルタントのキャリアパス

PMOコンサルタントは、プロジェクトに足りない部分を適切に支援するための総合力が求められる職業です。未経験の状態からPMOコンサルタントを目指すなら、早い段階からしっかりとキャリアパスを描いておく必要があります。

エンジニアからPMOへ転職

PMOの使命はプロジェクト全般の支援を行うことであり、仕事上、エンジニアとしての知識・経験が必要になる場面も多いです。そのため、実際にSEやチーフエンジニアとして活躍してきた経験があるなら、PMOに転職する上で有利に働く可能性が高いといえるでしょう。

コンサルファームで経験を積んで独立

もう一つ、PMOへのキャリアパスとして挙げられるのがコンサルティングファームです。PMOはアドバイザーとしての側面を持つ職業であり、コンサルタントとしての実績は、そのままPMOとしての信頼に繋がる傾向があります。仕事内容によっては、エンジニアとしての実務経験がなくても、PMOの仕事を受注できる場合があります。

PMOコンサルタントに必要なスキル

PMOコンサルタントとして活躍するためには、高い実務能力が求められます。特にプロジェクトマネジメント力とコミュニケーション能力に関しては必須のスキルといえるでしょう。

プロジェクトマネジメント力

PMOの目標として最も重要なものに、「プロジェクトを滞りなく円滑に遂行させる」というものがあります。納期や予算について問題が発生しないよう、PMOにはプロジェクトの進捗を適切に管理するマネジメント力が必須となります。

コミュニケーション能力

PMOはプロジェクトにおける実務面での管理者であり、企業の外部、内部を問わず、様々な人々と交渉や調整を行っていく必要があります。そのため他社と円滑に意思疎通ができるコミュニケーション能力は、PMOとして活動していく上で非常に重要です。

高単価なPMOコンサルタントになるために

PMO案件には様々な単価のものが存在しており、特に高単価の仕事を受けるためには、それまでの経験が重要視されることも少なくありません。

大手コンサルファームでの経験

高単価のPMO案件を受けやすくなる条件として真っ先に挙げられるのが、大手コンサルファームでの実務経験です。先にも述べたように、PMOはプロジェクト遂行におけるアドバイザーとしての役割も持つ職業であり、大手コンサルファームでの実務経験はアドバイザーとしての力量を裏付ける、分かりやすい証明となります。

指揮型・主導型のプロジェクト経験

PMOとして以前に指揮型・主導型のプロジェクトに関わった経験があるというのも、高単価PMO案件の受注に繋がります。PMOとしての実績は、そのまま次のPMOの仕事へと繋がるため、そうしたプロジェクトに関わる機会を逃さないことが大切です。

プロジェクトの成功率を高める

当然ですが、企業側はプロジェクトの成功率を高めるためにPMOを雇用します。関わったプロジェクトの成功率を高めるよう努力することは、PMOとしての信頼度を高めるための第一歩といえるでしょう。順調にプロジェクトを完了させることができたなら、同じ企業から再び案件を受注することにも繋がります。

PMO案件の今後の動向、将来性

IT技術の発展やグローバル化などによって、企業プロジェクトはますます複雑化が進んでおり、PMO案件は今後も増大していくことが予想されています。そうした視点から見ても、PMOコンサルタントは非常に将来性の高い職業といえます。

PMO設置の狙いはプロジェクトの品質向上

企業がPMOを設置する主な狙いは、プロジェクトの品質を上げ、その成功確率を高めることにあります。企業プロジェクトの複雑化に伴いPMの負担はより大きくなっており、それを補佐するPMOは需要の高い職業となっています。

PMOのアウトソースとコンサルタントニーズは高まる

特に大規模プロジェクトを複数抱えるような大企業では、数十人規模のPMOを設置することも珍しくありません。しかしPMOの数は枯渇気味であり、そうした大企業でも必要数のPMOを集めるのは難しい現状があります。これに中小企業のコンサルタントニーズの高まりまでを加えると、フリーランスPMOへのアウトソース(外部委託)は、これからますます増えていくことが予想されます。

今後は業界知識や専門知識が求められる

従来はIT業界での需要が高かったPMOですが、近年、業界を問わずPMOを設置する企業が増えてきています。これまでは特にエンジニアリングの知識が重要とされてきたPMOですが、これからのPMOにはより幅広い、業界に沿った知識が求められる可能性が高いといえるでしょう。

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