キャリア

2020/10/12

ネットワークエンジニアの平均年収・給料事情

コンピュータネットワークの構築・運用・保守などの仕事で活躍する技術職が「ネットワークエンジニア」です。IT技術者として転職や独立などのキャリアチェンジを考える際にもネットワークの仕事で稼げる給料や生涯賃金は気になりますね。

この記事では、ネットワークエンジニアの平均年収や給料を、年代別や経験の有無などの切り口で紹介します。役立つ資格や年収アップでの転職方法なども解説します。

ネットワークエンジニアの給料事情

通信回線やネットワークなどITインフラの構築や運用、保守や監視などといった仕事に携わるのがネットワークエンジニアです。人材不足で需要が高いこともあり、ネットワークエンジニアを目指している方も多いのではないでしょうか。

就職や転職を考える際、大事なポイントとなり得るネットワークエンジニアの給料事情は、次のようになっています。

実は高収入なネットワークエンジニア

一般的にSE(システムエンジニア)は他の職種よりも高収入なものですが、ネットワークエンジニアも負けてはいません。IT業界は人材不足ということもあり、ネットワークエンジニアの年収は一般的な会社員の平均よりも高めです。特に30代を過ぎてからは、その傾向が強まります。

ただし、同じネットワークエンジニアでも、会社の規模や携わる工程によって給料の額は変わります。より多くの給料や賞与を得るためには、一定の条件と努力が必要です。

資格を取得すると給料が増える

ネットワークエンジニアになるために、必ず取得しておかなければならない国家資格や免許はありません。とはいえ仕事に役立ったり、転職やフリーランスで働く際に有利となったりする資格があることは事実です。

CCNAやAWS認定、IPAなどの資格を取得すれば上流工程を担当する可能性が広がりますし、より大きな企業へ転職する道も開けます。

実務経験も重要な要素

ネットワークシステムや通信回線などのITインフラは、目的や用途によって設計や構築方法が異なります。また、スイッチやルーターなど物理機器も扱うため仕事上で予期せぬトラブルが発生することも起こりえます。豊富な実務経験があれば、クライアントや会社上層部の望むネットワークを構築したり、運用や保守を行ったりする際に役立ちます。

そのようにネットワーク、サーバーなどの業務経験があり、環境や要件に応じてネットワークを適切に構築・運用できる人材の年収は平均よりも高くなるものです。

ネットワークエンジニアの給与相場

ネットワークエンジニアの給料事情を知った後で気になるのは、実際の給与相場ではないでしょうか。ここからは、ネットワークエンジニアの平均年収や残業代、初任給などについてご紹介します。

全国平均との比較

国税庁の平成30年分民間給与実態統計調査結果によると、給与所得者の年収の全国平均は440万7,000円となっています。平均年齢は46.4歳で、平均勤続年数は12年と2ヶ月です。これに対しネットワークエンジニアの平均年収は、450万円ほど(求人情報誌調べ)となっています。

全国平均の収入と比較すると、若干高めであることが分かります。

ネットワークエンジニアの手取り収入

求人情報などに掲載されている月給はあくまで額面です。そのまま給与の全額が手に入るというわけではありません。社会人には税金や社会保険料といった、毎月支払わなければならないものがあるのです。給与収入を得ている会社員が支払う税金としては、所得税と住民税が挙げられます。また社会保険料の中には、健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料や雇用保険料などが含まれます。

尚、社会保険料の支払いは基本的に会社との折半です。支払う金額は年収や住んでいる地方によっても変化しますが、月給から数万円ほど引かれると覚えておけばよいでしょう。たとえば月給が25万円の場合、手取りは20~21万円ほどとなります。

ネットワークエンジニアの残業代の目安

ネットワークエンジニアは、比較的残業の多い職業です。というのは、トラブルが発生した場合、復旧するまで帰宅できないものだからです。また納期前も忙しく、定時ではなかなか上がれません。

残業時の時間給は、基本給の1.25倍と定められています。毎月の残業が50時間ほどとなるネットワークエンジニアも多く、残業代が10万円を超えることも珍しくありません。

ネットワークエンジニアの初任給

初任給は、最終学歴によって変わるのが通例です。ネットワークエンジニアも同様で、大卒の場合の初任給が22万円ほどであるのに対し、大学院卒の場合には23~24万円ほどとなります。またこれは企業によって異なり、大学院卒の初任給がさらに高くなることもあります。

ネットワークエンジニアの平均年収

ネットワークエンジニアの平均年収は450万円ほどですが、特殊な職業であることから年代や勤務先、雇用形態によって差があるのが実情です。年収についてより正確なことを知るために、それぞれの項目ごとに詳しく見ていきましょう。

年代別

ネットワークエンジニアは経験がものを言う職業です。そのため年代によって、平均年収も大きく異なります。それぞれの年代別の平均年収は、次のようになっています。

20代

20代前半はまだ経験が浅い場合が多く、他の職業と比較してそれほど違いはありません。20代の全国平均年収は340~345万円であり、ネットワークエンジニアは339~370万円です。ところが20代後半となってくると話は変わります。ネットワークエンジニアの場合20代後半では410~460万円ほどと、同年代の全国平均を大きく上回るようになってきます。

30代

ある程度経験を積み重ねてきたであろう30代では、平均年収が500万円を超えてきます。30代前半が520~550万円ほどであり、30代後半が580万円ほどです。また30代は、上流工程の仕事を徐々に受け持つようになる年代。職種が変化することも、平均年収が多くなる要因の1つです。尚、30代の全国平均年収は435~445万円ほどです。

40代

40代ともなれば、ネットワークの設計を担当することも増えてくるもの。職種が上になるに伴い年収はアップするので、40代では平均年収が600万円を超えてきます。前半と後半とでも差があり、前半が650万円ほどなのに対し後半では700万円をオーバーします。40代の全国平均が500~510万円であることを考えても、ネットワークエンジニアの40代の年収は魅力的です。

50代以降

40代後半には平均年収が700万円を超えるネットワークエンジニアですが、50代になると伸びが鈍くなってきます。50代の前半は平均780万円で、後半が775万円です。また、60代以降になると平均500万円ほどにまで下がります。年収が伸びない、あるいは下がってしまう要因の1つは加齢です。

常に最新のIT関連知識が必要となるのがネットワークエンジニア。特に60代以降となると、そういった新しい情報を追うのが困難になるものです。ちなみに50代以上の全国平均年収は620万円です。

勤務先別

ネットワークエンジニアの平均年収は、勤務先によっても違いが生じます。ここでは大手企業、中小企業、外資系企業の3つに分けて平均年収をご紹介します。

大手企業

IT関連分野が広がり続けていることにより、大手IT企業が増えています。また、IT部門の立ち上げを画策している既存の大手企業も多く、大企業で働くことは決して夢物語ではなくなってきています。

そういった大手企業での、ネットワークエンジニアの平均年収は760~800万円。また、大手企業にはボーナスがよい、という傾向も見られます。

中小企業

IT関連の中小企業には、会社によって規模や成長具合が大きく異なるという特徴があります。これはネットワークエンジニアの平均年収に関しても同じで、急成長を遂げている企業の場合には大企業以上の年収になることも。その反面、全国平均以下の年収に留まる企業も多く見られます。

そのため中小企業の平均年収は、400以下~620万円と企業間で差があるのです。

外資系企業

外資系企業の年収は全国平均を上回ることが多いものですが、ネットワークエンジニアの場合も同様です。会社によって差はありますが、平均年収が800万円を超えることは珍しくありません。中には1,000万円をオーバーする例も。成果主義の外資系ならば、実力によってはさらに年収が増えることもあるでしょう。

形態別

企業規模によって年収は上下するものですが、同じ規模の企業であっても、雇用形態が違えば年収もまた変わってきます。仕事に就きたいのであれば、雇用形態別の平均年収を押さえておくのが肝心です。

正社員

正社員ではあったとしても所属するのが大企業か中小企業かで、ネットワークエンジニアの年収が大きく異なるのが現状です。一流企業の正社員の場合は800万円を超えてきますが、小さな企業はそこまでいかないのが一般的。

とはいえ正社員になれば各種保険料が折半になりますし、福利厚生の恩恵を受けることも可能です。安定した生活を送りたいのであれば、正社員を狙うのがよいでしょう。

派遣社員

ネットワークエンジニアの派遣社員の求人をチェックしてみると、2,000円から3,000円ほどの時給で募集しているケースが多く見られます。月収にすると30万円ほどとなり、一般的な派遣社員のイメージよりも高いと感じるのではないでしょうか。

また特別なスキルを有している場合には、派遣社員とはいえさらに高給となることもあります。

アルバイト

正社員と比較して派遣社員の年収は低いものですが、アルバイトの場合はさらに低くなる傾向が見られます。これはネットワークエンジニアでも変わりはなく、時給2,000円ほどで月収が25万円くらいという求人が多いのが現状です。

フリーランス

フリーランスの年収を左右するのは、その個人が有する知識や経験、人脈や技術力です。また、ネットワークのどの部門を担当するのかでも年収が変わります。

監視や保守では全国平均と同じくらいの年収に留まりますし、構築や運用となると月収が60万以上になることもあります。

ネットワークシステムに関する高度なスキルを持っており、設計や管理にも携わるようになれば月収100万円以上も夢ではありません。

ネットワークエンジニアの給料は高い?低い?

ネットワークエンジニアの平均年収は、全国平均とそれほど異なりません。とはいえ職種や勤め先によって、大きな差があるのがネットワークエンジニアの年収です。つまり給料が高いこともあれば、低いこともあるというわけです。ではどういった事情によって、給料は変化するのでしょうか?

担当する工程で給料が変わる

ネットワークエンジニアの給料は、ネットワークに関する仕事のどの工程を担当するかで変わってきます。設計や構築といった上流工程が担当ならば高い給料が貰えますし、運用や保守ではそれほどでもありません。また、監視の場合はさらに安くなることも。少しでも給料を上げたいのであれば、上流工程の担当を目指す必要があります。

監視・運用保守から抜け出せないと給料が低い

一般的に未経験者や、新入社員が担当する場合が多いのがネットワークの監視や運用・保守業務です。トラブルが発生しない限りはルーティンワークが主体となる仕事のため残業代もあまり稼げません。いつまでも監視業務を担っているようでは、IT技術者としてのスキルが身に付かず給料はなかなか上がらないものです。

年収1000万円を超えることも可能

一方で、ネットワークシステムの設計や企画といった上流工程の給料は高いです。また、いくつかのプロジェクトでマネジメント業務を経験すると、コミュニケーション能力やプロジェクトマネジメントなどといったスキルも身につくことでしょう。そのようにしてキャリアアップを重ねていけば、ネットワークエンジニアで年収1,000万円を超えることも可能です。

ネットワークエンジニアが年収をあげる方法

ネットワークエンジニアが年収を上げる方法は1つだけではありません。現在の立場や職種、年齢やスキル、ライフプランに合わせて自分に適した方法を選ぶのが大事です。

出世して管理職になる

ネットワークエンジニアも会社員である以上、出世してPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)などといった管理職になれば、自ずと年収もアップします。ただしPMやPLになるためには、技術や知識だけでなく対人スキルを身につけなければなりません。管理職という目標に向けてプランを立て、地道に取り組むのが肝心です。

スキルや知識を増やす

自分の性格や生き方的に、リーダーとしてよりも1人の技術者の方が向いている、そういった方もいることでしょう。その場合はネットワークに関する知識を増やしたり、新しい技術領域に挑戦したりして、スペシャリストを目指すのが賢明です。スキル次第では、より好待遇な条件で転職することが可能となります。

資格を取得する

年収アップが期待できる方法の1つが、CCNAやAWS認定など資格の取得です。というのは、資格は自分が有している知識やスキルをある程度まで保証してくれる存在だからです。取得難易度の高い資格であれば、転職の際に有利に働くものです。また、資格によっては社内での昇進に役立つこともあるでしょう。特に次の3つの資格は、できるだけ取得しておくことをおすすめします。

LPIC

国内のインターネットサーバーの約50%が、Linuxだとされています。そしてそのLinuxを扱える技術者であることを証明してくれるのが、LPICという資格です。この資格は世界共通基準であり、海外で働きたい場合にも効果を発揮します。3つのグレードがあり、合格率はそれぞれ70%ほどとなっています。

AWS認定

AWSとは、世界的なネット通販業者であるAmazonが展開しているクラウドサービスです。クラウドサービスの代表的な存在であり、利用する企業が増え続けています。AWS認定は、そのAWSに関する知識やスキルがあることを証してくれる資格です。まずはアソシエイトを取得し、次にプロフェッショナルや各種専門知識認定資格を目指しましょう。

CCNA

世界最大手のネットワーク関連機器メーカーと言えば、シスコシステムズ社。CCNAはそのシスコシステムズ社が実施している資格試験です。ネットワークエンジニアとしての基本的技能を有していることを証明してくれる資格であり、フリーランスとなった後にも役立ちます。

英語力を身に着ける

ネットワークエンジニアとしての実力を身につけたのであれば、海外で働くのも夢ではなくなります。IT業界が進歩しているアメリカや中国では、日本での年収以上に稼ぐことも可能です。しかしそのためには、英語力が欠かせません。英語力を身につけ、海外で働くチャンスを狙いましょう。

クラウド知識

社内に物理的サーバーを置かず、クラウドサービスを利用する企業は増える一方です。クラウド上でのネットワーク構築には様々なメリットがあり、ネットワークエンジニアにとってもクラウド知識は必要不可欠となってきています。物理的ネットワークだけではなく、クラウドにも対処できるようになれば、年収も増えていくことでしょう。

転職して年収をあげる

企業によっては上が詰まっていて、なかなか上流工程を担当できないこともあるものです。そういった場合に有効なのが、転職によるキャリアアップです。構築や運用、さらには設計や管理者の求人がないかチェックし、チャンスがあれば積極的に応募してみましょう。

とはいえ転職するには、スキルや経験の有無がものを言います。資格を取得したり、スキルアップに励んだりしておくのが賢明です。

大手企業に転職する

様々な分野でデジタルが普及したことにより、IT人材を求める大企業が増加してきています。ネットワークエンジニアも同様で、中小企業よりも大企業で待遇がよく、年収も高い傾向にあります。ただし、大企業への転職には競争相手が多いことは覚えておきましょう。

競争相手となるライバル候補者に勝つためにはより多くの知識と経験が必要であり、クラウド知識などといった転職に有利となるものを身につけるのが肝心です。

メガベンチャーに転職する

IT業界は技術の進歩や変化が激しく、大企業よりも小回りの利くベンチャー企業を志望する転職者は珍しくありません。特にメガベンチャーは新たな分野への挑戦と安定性を兼ね備えており、ネットワークエンジニアが活躍できる場面も増えています。

大規模なサービスやITインフラを抱えるWebサービス運営などのベンチャーに転職し会社の役に立つことで年収アップも期待できるのです。

フリーランスとして独立する

ネットワークエンジニアとしてのスキルや知識に自信があるのなら、会社員から個人事業主として独立してフリーランスを目指すのも有効な方法です。

独立することにより、有利な条件の業務を受託したり、スペシャリストとして重用されたりする可能性が生じます。正社員としてよりも高収入を狙えるのが、フリーランスになるメリットです。

しかしその反面、収入が不安定になることも。フリーランスになるのであれば、事前にしっかりと準備をしておくのが大事です。

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