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データサイエンティストは副業できる?案件獲得方法や必要スキル、注意点まで解説

データサイエンスや機械学習などの仕事が世の中に浸透してきました。フリーランスとして業務委託で働くデータサイエンティストも増えていますが、正社員が副業で統計やAI開発の仕事をすることはできるのでしょうか。

この記事では、データサイエンティストの副業に必要なスキルや、データ分析で稼げる副業の例、仕事の探し方、収入相場などを解説します。

データサイエンティストは副業できる?

そもそもデータサイエンティストは副業できるのかという疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

近年、データサイエンティストが活躍できる領域が拡大しています。大量のデータを効率的かつ正確に処理して分析し、様々な分野に応用するデータサイエンティストの仕事は、業界を問わず求められている状況です。データの有効活用が求められる昨今において、データサイエンティストが活躍できる場所は多く、副業向け案件にも十分な需要が期待できます。

データサイエンティストの副業需要

データサイエンスは需要が高いものの、スキルを身につけているエンジニアがまだまだ貴重な分野です。システム開発やアプリケーション開発を担当するエンジニアに比べると、まだまだ人材不足の業界と言えるでしょう。例えば、2022年3月の調査では、2021年にデータサイエンティストを目標通りに確保できた企業は37%にとどまり、実に6割以上の企業でデータサイエンティストが不足していることが分かります。(データサイエンティストの採用に関するアンケート

こうした事情から、データサイエンティストの副業需要も今後高まると考えられています。同調査ではデータ分析業務を外部委託している企業は全体の15%にとどまりますが、データサイエンティストが在籍している企業では30%の企業が外部委託を行っており、データサイエンスに力を入れている企業での副業需要が期待できます。高レベルなスキルさえあれば、データサイエンティストとして副業案件を獲得するのは難しくはないでしょう。

データサイエンティストが副業するメリットって?

それでは、データサイエンティストが副業することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、以下の3つのメリットについて解説します。

  • 収入アップに繋がる
  • 経験や実績を積める
  • 独立への足がかりになる

収入アップに繋がる

データサイエンティストに限りませんが、収入アップに繋がるというのが副業の大きなメリットです。本業として企業に勤めている場合、年収はそう簡単には上がらないものです。限られた昇給・昇進の機会を待つしかないため、なかなか年収が上がらないという方も多いでしょう。

副業に力を入れれば、短期間で年収を大きく上げることも不可能ではありません。もちろんん稼働時間は増えるため無理は禁物ですが、収入を上げたい方はぜひデータサイエンス分野での副業を検討してみましょう。データサイエンスをはじめ、IT系の副業は専門性が高く、他分野の副業よりも単価が高くなる傾向にあります。中でもデータサイエンティストは需要が高く、副業の中でも稼ぎやすい職種と言えるでしょう。

経験や実績を積める

副業を活かして、さまざまな経験や実績を積めるのもメリットの1つです。企業に勤めているだけでは、なかなか自分がチャレンジしたい案件に参画できず、自分が関心のある分野について学ぶ機会が得られないということもあるでしょう。副業であれば、自分がチャレンジしたい案件を自分で選ぶことができるため、スキルアップにも活かせるはずです。

案件によって必要なスキルやレベルもさまざまなので、自分のスキルレベルに合わせた案件を選べるのも、副業のメリットの1つです。

独立への足がかりになる

データサイエンティストとして将来的な独立を考えている方にとっては、副業が足がかりになることもあります。副業として実績を積むことで、独立した後で案件を受注するのにも役立つはずです。

副業として幅広い案件に携わった経験がある方が、案件の選択肢の幅が広がり、ポートフォリオやスキルシートも充実させることができます。副業の段階からフリーランスエージェントを利用したり、フリーランスのデータサイエンティストとの交流を広げたりと、独立に向けた準備ができるのもメリットの1つです。

データサイエンティストの稼げる副業案件

データ分析などのデータサイエンティスト案件で稼げる副業の仕事には、どのような種類があるのか具体的に見ていきましょう。講師や顧問などの案件は通勤が必要なものも多いです。在宅・リモート勤務を希望する場合は、開発の仕事を探しましょう。

データ分析

データサイエンティストのメイン業務といえばデータを分析することですが、クライアントの課題を解決するためにサポートするべきことは他にもあります。

副業の場合は、総合的に分析の仕事を引き受けるのではなく、会議参加やコンサルテーションのみを請け負うこともあるでしょう。データサイエンティストが持つ統計解析のノウハウや知見を共有して欲しいというクライアントのニーズが高いためです。

AI開発

データサイエンスの歴史は、ビッグデータが一般的なビジネスに関係していなかった時代から始まっています。ビッグデータが注目されるようになった時代を過ぎ、2010年代末からはAIやディープラーニングがデータサイエンスに関わるようになってきています。

膨大なデータの分析をコンピュータに任せることも可能になりましたが、データからビジネスバリューを生み出すシステムがあればさらに便利です。そのようなことを実現するAI開発も、データサイエンティストが副業としてできる案件です。

Web開発

副業としては、ECサイトやマッチングアプリなどWeb開発の仕事も可能です。ただし、Web開発にはJavaScriptやPHPといったプログラミング言語が必要となる場合も多いのです。

Pythonさえできれば副業で仕事ができると思っていると、通用しないこともあるのがWeb開発の世界。ときにはサーバの設定が必要となることもあり、新たにスキルを習得しなければならない可能性もあります。

プログラミングスクール講師

Pythonをはじめとしたプログラミング言語のスキルが、データサイエンティストには欠かせません。データサイエンティストの人材不足で教育が叫ばれているときだからこそ、プログラミングスクールの講師のニーズも高まっています。

将来の人材を育成する責任はありますが、データサイエンスそのものの案件を請け負うよりは単純な副業といえるでしょう。

講師というと大勢の生徒の前で教壇に立つイメージがありますが、インターネットを活用してオンラインで1対1の講義をおこなうスクールも増えています。

技術顧問

データサイエンス技術を活かしたビジネスプロジェクトで、スムーズな業務遂行のために技術顧問としてアドバイスをする副業案件もあります。他のデータサイエンティストと協力して技術に意見を出すことになるかもしれませんし、プロジェクトのリーダー的な立場で技術顧問を務める可能性もあります。

ハイスキルなデータサイエンティストほど専門業務に特化して短時間で業務を進めていけることもあり、本業を邪魔する心配もありません。

データサイエンティストの副業に必要なスキル

副業であっても、データサイエンティストとして仕事を受けるからにはそれなりのスキルが必要です。どのようなスキルが必要になるか、見ていきましょう。

Python・R

データサイエンティストとしてプログラミングのスキルは欠かせないものですが、特に習得しておきたいのがPythonとR言語です。かつてデータサイエンスの領域ではR言語が採用されることが多かったとされていますが、現在はPythonが採用されるケースが非常に増えてきています。特にPythonはデータサイエンスに関わらずWeb開発などにも使用されており、汎用性の高さも魅力の一つとされています。

データサイエンティストの副業にも欠かせないスキルとなりますので、習得しておくことをおすすめします。

データベースの知識・スキル

データベースの知識は、データサイエンティストに不可欠なスキルです。大量のデータを効率よく分析する必要があるため、HBase・Hive・pigなどのデータベースに関する知識は深めておきましょう。さらに、クエリを効率よく作成する技術も重要です。

機械学習の知識

機械学習の知識も必要なスキルです。データサイエンティストとしてデータ分析に関わる際、効率的な分析作業のために機械学習を用いるケースも少なくはありません。よりレベルの高い案件をこなそうと思ったら、機械学習の知識も深めておいたほうがよいでしょう。

統計学の知識

データ分析をするうえで必要になるのが数学ですが、特にデータサイエンスの世界では確率統計・微分積分・行列などの知識が活かされます。

データの統計処理や数理モデルの作成をしたうえでビジネスの判断材料として情報提供しなければならないため、統計学の知識が必要になるのです。

ビジネススキル

データサイエンティストに仕事を依頼するクライアントが求めているのは、ビジネスの課題解決です。そのためには、どうすれば経営を上向かせることができるのか、継続的な経営改善をするには何が必要なのかといった基本的なビジネススキルが必要です。

データサイエンティストが作成した分析結果がレポートとして使われることもあるため、クライアント側が活用しやすいようなデータを提供するビジネススキルも大切です。

データサイエンティスト副業の獲得方法・探し方


ここからは、データサイエンティストの副業求人の探し方や受注の仕方を紹介します。いくつかの方法があるため、自分に適した方法を試してみてください。

エージェント経由で副業求人を探す

データサイエンティストのニーズが急激に上昇していることから、専門のエージェントの活動も目立ってきています。在宅・リモートなどの副業案件を提供するところも増えてきていますので、当たってみる価値があります。

クライアントとの仲介になってくれるエージェントが役立つ点は、適任の副業求人を探してくれるうえに契約面での複雑な手続きを代わってくれることです。

Kaggleなどの賞金付きコンペに挑戦する

データサイエンティストの優秀者を決める大会のようなものに、Kaggleがあります。Kaggleでは様々なコンペを開催しており、データサイエンスの技術を磨くのにもよいと人気です。コンペには賞金がついているタイプもあり、勝ち抜けば賞金を手にできます。それだけでも収入になりますが、Kaggleのコンペで上げた実績を企業にアピールして副業案件を得ることも可能になります。

クラウドソーシングで案件を受注する

データサイエンスの案件を提供しているクラウドソーシングは、都合のよいときに仕事を請け負いやすいシステムです。中にはデータサイエンスと他の技術を組み合わせた案件もあり、スキルがマッチすれば対応できます。クラウドソーシングのシステムが仲介しているので、クライアントとデータサイエンティストの間で案件のやりとりがスムーズに進むのがメリットです。

データサイエンティストの副業案件探しにおすすめのサービス

データサイエンティストの副業案件探しには、フリーランスエージェントや副業紹介サイトなどのサービスを有効に活用するのがおすすめです。ここでは、データサイエンティストの副業案件探しにおすすめのサービスを3つご紹介します。

  • BIGDATANAVI
  • ITプロパートナーズ
  • Workship

BIGDATA NAVI

「BIGDATANAVI」は、データサイエンティストに最もおすすめのフリーランスエージェントです。エージェントの中では珍しく、AIやデータサイエンス分野に特化しているため、他のエージェントよりも効率的に案件を探せます。

サポートを担当してくれるスタッフもAI・データサイエンス業界に詳しいため、業界事情をふまえた手厚いサポートを提供してくれます。独立や副業を支援する無料サポートを受けられるため、案件に集中できるはずです。

フリーランスエージェントではありますが、副業向け案件も多数提供されており、週1日から稼働できる案件も多数あります。データサイエンティストとして副業を探している方は、ぜひBIGDATANAVIに登録してみてください。

案件数 1,100件(20233月現在)
副業向け案件(稼働日数週1日・2日)数 約70件
福利厚生・サポート スタッフによる案件サポートなど
特色 AI・データサイエンス特化
運営会社 エッジテクノロジー株式会社
公式サイト https://www.bigdata-navi.com/

ITプロパートナーズ

ITプロパートナーズは、IT系の副業に特化した案件紹介サービスです。週2日から働ける案件の数はフリーランスエージェントの中でもかなり多く、リモートワークに対応している案件も豊富に提供されています。IT副業に特化したフリーランスエージェントなので、データサイエンティストとして副業を探している方にもおすすめです。

また、ベンチャー企業やスタートアップ企業の募集が多いため、最新技術を用いた案件が多いのも特徴です。トレンドを活かして高単価な案件を受注できると評判で、データサイエンティストとしての高い技術力を活かせるサービスと言えるでしょう。

 
案件数(データサイエンス分野) 100件(20234月現在)
副業向け案件(稼働日数週1日・2日)数 約30件
福利厚生・サポート スタッフによる案件サポートなど
特色 リモートワーク案件の多さ
運営会社 株式会社Hajimari
公式サイト https://itpropartners.com/

Workship

Workshipは、フリーランス・副業人材専門の案件検索プラットフォームです。データサイエンティスト向けの案件は少なめですが、手軽に利用できるのが魅力のサービスです。

副業やフリーランス向けのサポートを多数用意しています。報酬の前払いやトラブル相談窓口、賠償責任保険などがあり、副業する際に心配なクライアントとのトラブルにも対応してもらえるのが魅力です。副業をはじめる際にぜひ有効活用してみてください。

案件数(データサイエンス分野) 40件(2023年4月現在)
副業向け案件(稼働日数週1日・2日)数 約30件
福利厚生・サポート 報酬前払い・トラブル相談など
特色 副業特化
運営会社 株式会社GIG
公式サイト https://goworkship.com/portal

データサイエンティストが副業を始める際の注意点

データサイエンティストとして副業をスタートする前には、心得ておきたい注意点があります。副業を自由にしてよい立場なのか、税金はどうなるのかなどについて解説します。

:就業規則の確認は必須

副業は、本業があってこそ成り立つ仕事です。本業も問題なく続けていきたいのであれば、就業規則を確認してから副業探しを始めましょう。副業可能としている企業が多くなってきているとはいえ、本業に支障をきたさない程度であることは基本です。

中には副業を禁止している企業もあるでしょうし、細かく規定がある企業もあるかもしれません。本業の職場での就業規則は、事前に確認しておくようにしてください。

確定申告や税金について調べよう

副業から得た所得も、金額によっては確定申告をしなければなりません。データサイエンスのように1つの案件の報酬が高額になりやすい仕事では、副業といっても確定申告が必要になる所得に達する可能性が高いです。

所得税・住民税・社会保険料などにも影響がおよぶため、確定申告や税金についてを事前に調べておくようにしましょう。

データサイエンティストの副業でよくある質問

最後に、データサイエンティストの副業でよくある質問を紹介します。実務経験やどのくらい働くのが適当か、収入についても知っておきましょう。

どのくらいの実務経験が必要か?

実務経験は多いほど、質の良い案件を得やすくなります。ただし実務経験が少ないからといって、データサイエンティストの副業案件が全くないわけではありません。様々な案件があり、ジュニアレベルのスキルに適した案件も見つかります。まずは、どのような案件があるかを実際に探してみることをおすすめします。

在宅/リモートワークで働ける?

データサイエンティスト・データアナリストとしてデータ分析に取り組む仕事内容で在宅の副業案件は少ないです。外部にデータを持ち出すことを禁止する企業が多いからです。開発やWebスクレイピングなどオープンデータを活用する案件は在宅可の仕事も多く、クラウドソーシングサイトなどで探せるでしょう。ただし、案件の単価は低く抑えられがちなので注意が必要です。

週どれくらい働けば良いのか?

週にどのくらい働けばよいのかは、人それぞれの都合によります。本業の休日にのみ副業に取り組みたい人もいれば、平日に本業の終業後から副業したい人もいるでしょう。あくまでも副業ですから、本業に支障が出るほどの副業を抱えてしまうのは問題です。心配であれば、はじめは本業の1割以下程度から副業に取り組んでみてはいかがでしょうか。

稼げる?収入はどのくらい?

データサイエンティストの副業で得られる収入は、案件によって多様です。スキルにもよりますが、時給2,000円程度からの収入を目安にしてみると予測がつきやすくなるかもしれません。プログラミング講師などはそのくらいの時給が多く、中級・上級の大型案件になってくると50万円以上の報酬も珍しくありません。

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