キャリア

2019/11/19

未経験からAIエンジニアになる方法

AIエンジニアは、人工知能(AI)の開発で中心的な役割をはたす職業です。そんなAIエンジニアに未経験からなることはできるのでしょうか。また、AIエンジニアへの転職やジョブチェンジには、どのようなパターンがあるのでしょうか。

この記事では、未経験からAIエンジニアになる方法を中心に、転職の仕方やキャリアパス、機械学習やディープラーニングなどAIの勉強方法についても解説します。

AIエンジニアになる方法・キャリアパス

AIエンジニアになるためのキャリアパスには、いくつかの方法があります。理系のエリート大学や大学院を卒業して新卒入社することが王道パターンですが、転職や社内異動でもAIエンジニアになるチャンスはあります。

せっかくのチャンスをつかみ損ねないように、まずはAIエンジニアになる代表的なパターンをチェックしておきましょう。

大学・大学院を卒業後に新卒で就職

AIエンジニアとして活躍するためには、数学や統計など理数系の素養はもとよりコンピュータサイエンスの知識や専門技術が必要です。知識や技術は努力して身に付けられることも多いのですが、よりレベルの高いことを学ぶためにもエリート大学や大学院に入学するのがてっとり早いでしょう。

卒業により優れた学力があると認められると、新卒でAIエンジニアとして就職することも可能です。働きながらAIエンジニアについて学ぶ苦労をしなくてもスムーズに憧れの職業に就けるのですから、AIエンジニアとしてもエリートコースといえます。

就職後に転職してAIエンジニアを目指す場合も、情報科学系の学部・大学院卒の経歴があると採用されやすい傾向にあります。

エンジニアからAI技術を身につけ転職・社内異動

エンジニアとして活躍してきた経歴を活かしてAIエンジニアに方向転換するのも、一つのパターンです。ITエンジニアには、SE(システムエンジニア)やNE(ネットワークエンジニア)、データベースエンジニア、プログラマなど様々な種類があります。

データベースエンジニアのようにこれまで身に付けたスキルを活かしやすい職業もありますが、他のエンジニアでも数学的な知識やプログラミング技術のように基本的な力があればAIエンジニアを目指すことは不可能ではありません。

また、AIエンジニアへの異動を推奨する会社に勤務していれば、配置転換の希望を出してジョブチェンジすることも方法のひとつです。

プログラミング未経験からポテンシャル採用

中には、プログラミングが未経験にもかかわらずポテンシャルを見込まれてAIエンジニア採用されるケースもあります。AIエンジニア自体が未知の可能性を秘めている職業ですから、一から育成しようとする企業などもあるでしょう。

ポテンシャル採用といっても、数学が得意でプログラミングをマスターするだけの努力、データベースの解析や運用技術を身に付けるための根気などの素養と長期間の努力に耐え得る体力・精神力は必要です。

20代前半の第二新卒や30歳前後の年齢であれば未経験でも積極的にトライする価値があります。

AIエンジニアになるために

上記のAIエンジニアになる方法のうち、多くの未経験者は「エンジニアからAI技術を身につけ転職・社内異動」を目指していくことになるでしょう。

AIエンジニアには、向き不向きもあります。単なる憧れだけでなれそうだと思ってしまうと、後で想像と違ったということになりかねません。

せっかく人生をかけて目指すのですから、AIエンジニアになるためにどのような人が有利か、採用されるために何が必要かを知っておきましょう。

文系でもなれるが理系のほうが有利

AIエンジニアの仕事には、文系的な要素もあります。文系からAIエンジニアを目指すのも、無理なことではありません。しかし、理数系の知識がAIエンジニアの仕事に欠かせないのも事実です。

もともと理数系を勉強してきた人や数学が得意な人と比べると、スタート時点の知識やトータルの学習量の点でハンデが付いてしまうともいえます。

だからといって文系の人がAIエンジニアを目指すのをあきらめる必要はありませんが、理系出身のエンジニアに比べると相当な努力が必要なことは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

採用には素養の証明が必要

ポテンシャルを見込まれて採用されるためには、素養の証明が必要になります。これから精一杯努力しますと宣言するだけでは、採用する側としても不安要素が残るはずです。

この人なら頑張ってくれそうだと期待されるには、わかりやすい証拠となるものを示したほうがより確実なのです。例えば、AIエンジニアに必要な数学的な知識としては、微分積分学・線形代数学・確率論・統計学などが挙げられます。

採用選考時になんらかの試験を受けることもあるかもしれませんし、職務経歴書・履歴書とあわせスクールや学習サイト、書籍などでの学習履歴、QiitaやGit、ポートフォリオなど実績をまとめたものを提示するのも一つの証明方法となります。

Kaggleや競技プログラミングなどでの入賞、JDLAのG検定やE資格などの資格を取得しておき、提示するのも一案です。

未経験からAIエンジニアになる手順

AIエンジニアはニーズの高い職業でありながら、まだまだ人材不足です。需要と供給のギャップから未経験の人にもチャンスがある職業といえるでしょう。

社会人がキャリアの途中でAIエンジニアに転向する場合は、同じ会社内で部署異動に成功するか転職に成功するかがメインの方法です。ただし、AI職種として配置転換が叶うケースは少なく、基本的には中途募集のAIエンジニア求人に応募して採用されることが主な手段になります。

AIエンジニアになる手順
  • STEP1.エンジニアに転職して実務経験を積む
  • STEP2.実務経験を積みながら、AIを勉強する
  • STEP3.AIエンジニアになるために就活する

ここからは、上記3つのステップにそって未経験でAIエンジニアを目指すための手順について紹介していきます。STEP1のエンジニア転職は、非エンジニアの方向けの内容となっています。すでにITエンジニアとして働いている方は、読み飛ばしてしまって大丈夫です。

STEP1.エンジニアに転職して実務経験を積む

AIエンジニアへの転職活動をしてすぐに入社できる人もいれば、まったく内定がでない人もいます。いずれにせよ未経験から、すぐにAIエンジニアになろうとするのはハードルが高いです。

書類選考に通らない場合など、すぐの転職に失敗した場合は、まずはITエンジニアを目指しましょう。いきなりAIではなく、エンジニアとして実務経験を積むのがむしろ近道です。

急がば回れの精神で、着実に力をつけていきましょう。エンジニアにも様々な職種がありますから、中でもAIエンジニアに近いスキルをつけられる職種について解説します。

IT職種

ITエンジニアの代表格としてSE(システムエンジニア)やPG(プログラマ)が挙げられます。SEにはシステムの設計をする役割があり、顧客のニーズを汲み取って設計したシステムの実現をプログラマに指示する役目も担っています。

プログラマは、SEが作った設計書に従ってプログラミングやテストを行う役割です。小規模な開発会社や受託企業は未経験でも就職がしやすいでしょう。

Web系職種

Webアプリやスマホアプリなどのアプリケーション開発からエンジニアとしてのキャリアをスタートするのも一つの方法です。Web系エンジニアは、サーバサイドの処理を担当するバックエンドエンジニアとWeb制作を担うフロントエンドエンジニアの2つに分類されます。

開発スキルをみにつけるためにも、バックエンドエンジニアとしての就職を目指すとよいでしょう。

インフラ職種

インフラ系のエンジニア職種も未経験から挑戦する際に、就職しやすいです。サーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった求人が未経験可で募集されており、サーバやネットワークの設計・構築から、運用・保守までこなします。

システムの改善を目的としてソースコードの修正をおこなうSRE(サイト・リライアビリティ・エンジニア)、セキュリティシステムの設計・実装・テストをおこなうセキュリティエンジニア、システムの保守・点検・修理を担当するカスタマーエンジニアなどもインフラ職種です。

データ分析職種

データ分析職種は、正にAIで注目されている職種です。データアナリストやBIエンジニアなどアナリティクスが中心の仕事も未経験での募集はありますが、どちらかというとデータエンジニアやデータベースエンジニアといった、データベースやSQLを扱うエンジニア職種に就職するとよいでしょう。

データ分析や解析をおこなうエンジニアは、顧客の抱える課題解決のためにデータを活用して役立つシステムを作り出します。例えば工場などで機械学習プログラムを実装するシーンでアルゴリズムを調整したり、データ環境を整えるデータサイエンティストといった職種もあります。

STEP2.実務経験を積みながら、AIを勉強する

未経験からエンジニアへの転職や就職に成功したあとは、ITの実務経験を積みながらも、AIについての知識や技術は別に勉強する必要があります。学習しておくべき範囲は広く、より深い知識をつけておいたほうがAIエンジニアになってからの活躍に役立つでしょう。どのような分野の知識をつけておけばよいか、以下で紹介します。

AIエンジニアの転職に必要な知識・スキル

Python

Pythonエンジニアとしての実務経験を積んだ後、AIエンジニアになるパターンは珍しくなくなっています。Pythonは汎用性が高いプログラム言語でありながら、文法をマスターしやすいというメリットがあります。そのため、未経験からPythonエンジニアとして採用され、プログラミングを一から学んだという人が増えているのです。

アプリケーション開発や統計解析に用いられるというPythonは、AIエンジニアとして役立つスキルも含んでいるうえ、多くのWeb系企業で採用されている言語である点も見逃せません。

機械学習・ディープラーニングの知識

機械学習についての知識も、AIエンジニアとして欠かせない要素です。機械学習の知識は基礎だけでも領域が広く、マスターするのは容易ではありません。中には、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる学習手法の一種も含まれています。

人間が自然におこなっている課題をコンピュータに学習させることで、既に実用化されている技術もあるディープラーニング。自動運転や音声認識など、人の神経細胞の仕組みを再現するシステムには極めて高い精度が求められます。

数学知識

数学や統計学の知識は、大学卒業程度のレベルが求められます。中学や高校で数学が得意だった人が、さらなる高みを目指して学ぶのが大学数学ですから、文系より理系のほうが有利とされるのも納得がいくでしょう。

数学で必ず学んでおきたいことは、微分積分・線形代数・ベクトル・行列・確率の分野です。これらの科目は、もれなく力を入れて学習しておきましょう。

おすすめの書籍

AIエンジニアを目指す人におすすめの書籍も、チェックしておきましょう。書籍にも向き不向きがありますが、多くの人が使用している専門書に一度でも触れておくことで学習のヒントが得られることもあります。まずは手に取って、めくってみてください。

Python3 入門ノート

Python3 入門ノートは、非常に評価の高いPythonの学習書です。入門者向けで、とにかく多くのコードを読んで書くことにこだわっています。準備・基礎・応用と3つに分かれたパートには、全部で538本のサンプルコードと154本のPythonファイルが使われています。丁寧な解説とわかりやすい図解が、初心者にも理解しやすい内容です。

Python 機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践

初版から2年を経て第2版が出ている書籍で、最新版はさらに評価が高まっています。Pythonコーディングの実際を学びながら機械学習についても専門的な知識をつけられるのが特徴で、AIエンジニアを目指す人が入門より一歩進んだ学習をするときに大きな助けとなってくれるでしょう。

AIが学べるプログラミングスクール

おすすめ書籍でAIエンジニアリングの初歩的知識をつけたら、プログラミングスクールで本格的な学習を始めてみるのもよいでしょう。

専門家から直接教えを受けられることに加えて、勉強仲間と切磋琢磨しながら自分1人では思いつかなかったような問題点に気付くチャンスも得られます。AIが学べるプログラミングスクールについて、紹介します。

AIジョブカレ

AIジョブカレは人工知能専門のプログラミングスクールで、日本初のAI仕事紹介も誇っています。講座終了後に、未経験でもAIの仕事を紹介してもらえるのは期待できます。経験豊富な講師による実践的なカリキュラムに加え、実践を意識した勉強会でのフォローも魅力的です。

AIジョブカレを経由して仕事が決まれば、受講料が無料になるのも大きな特典です。

TechAcademy

TechAcademyは、プログラミングやアプリ開発を学習できるオンラインスクールです。多忙な人でも時間や場所を選ばず学習できるメリットがあり、短期集中プログラムがある点も特徴の一つ。現役のプロがマンツーマンでサポートしてくれるうえに、チャットサポートでは随時質問が可能です。

AIコースでは、AIの構築に欠かせない機械学習・ディープラーニングを学ぶことができます。

Aidemy

AIエンジニアになるための学習ができるAidemyは、オンラインスクールです。プログラミングを学ぶための環境を自分で用意する必要はなく、たった10秒で学習をスタートできるのが最大の魅力といえるでしょう。

数学の知識がなくても、理論より実践重視の教材でサポートしてくれる点は文系の人に注目のポイントです。もちろんPython入門者が始められるコースが用意され、実際にコードを書きながらスキルアップしていけます。

STEP3.AIエンジニアになるために就活する

エンジニア転職に成功して、独学やスクールなどでの学習によりAIの知識やスキルをみにつけたあとは、ITエンジニアからAIエンジニアになるための就活が必要です。転職活動では、どのような採用方法があるのか、求人に対してどのような応募手段が効果的かについて見ていきましょう。

ビジネスSNSを活用する

データサイエンティストやAIエンジニアなどの人材はグローバルで活躍する人もおおく、採用媒体としてLinkedIn(リンクトイン)やWantedly(ウォンテッドリー)などのビジネスSNSが活用されています。

LinkedInは、世界最大級を誇るビジネスに特化したSNSです。世界中で5億人以上ものメンバーが登録しており、日本だけでも200万人以上の登録メンバーがいます。メンバーはビジネス専用のプロフィールを公開することができ、ビジネス上のつながりを探せます。LinkedIn経由で採用をしている企業も増えてきていて、日本ではパナソニック、楽天、DeNAが有名です。米国マイクロソフト社の傘下になった点も、AIエンジニアを目指すうえで見逃せないでしょう。

一方、日本企業が設立したビジネスSNSがWantedlyです。大手企業が活用しておりグローバルでの利用が活発なLinkedInに対して、国内のベンチャー・スタートアップ企業を中心に求人を掲載するのがWantedlyです。厚生労働省から職業紹介事業として認可されており、インターンや若手エンジニアなど未経験可の求人も多く掲載されています。大手Web企業から出資を受けてきた経緯からも、Web企業からの期待の高さがうかがえます。

転職サイトから応募する

エンジニア求人の掲載される転職サイトにも登録するとよいでしょう。Greenやdoda、AMBIといった転職サイトにAIエンジニアの求人が掲載されています。

dodaは、総合人材紹介会社のパーソルキャリアが運営している転職情報サイトです。転職情報誌としての前身から歴史が長く、一度は求人情報をチェックしてみたことがある人も多いのではないでしょうか。企業が掲載する求人広告に直接応募することができる一方で、キャリアコンサルタントによるサポートを受けて企業との仲介をしてもらえる点がメリットです。非公開求人もあるため、登録しておいて損はありません。

エン転職やエン派遣を運営するエン・ジャパンの若手ハイキャリア向け転職サイトが、AMBIです。求職者の合格可能性を人事担当者などが判定するツールやポテンシャル採用求人など、ユニークな求人情報が提供されています。

転職エージェントに相談する

転職サイトでの応募と並行して、エージェントも2・3社活用するとよいでしょう。職務経歴書の作成や面接対策など採用選考を通過するためのアドバイスを無料でうけることができます。

また、エージェントでは、求人サイトに出ていない非公開求人やエージェントのみ取り扱いの求人情報を保有している場合があります。

エンジニア転職に強い大手エージェントとAI転職に特化した専門エージェントに登録して紹介をうけましょう。

AI関連の企業イベントに足を運ぶ

エンジニア採用の難易度があがっており、優秀な人材を確保するため在籍する社員などからの紹介や自社主催の採用/エンジニアイベントなどを中心としたリファラル採用をおこなう企業がふえています。そのため、そのような人とのつながりから採用チャンスを掴むためにもイベント参加は重要です。

AI関連のイベントは、毎月のように数多く開催されています。企業が自社の技術を発表するイベントもあれば、AI技術の勉強会といったイベントもあります。こうしたイベントに足を運ぶことで、実際の企業がAIを活用して何をしているのかわかったり、企業側からよく勉強に来ている有望な人材として認識されることもあり、参加しておくのが何かと有利です。

サイト上の求人に直接応募する

就活は、スムーズに就職先が決まることもあればなかなか決まらないこともあります。不採用が続けば、落ち込んでやる気すらなくしてしまうかもしれません。確かにAIエンジニアとして採用されるためには実力やポテンシャルが重視されますが、運の良し悪しがあるのも事実です。絶対にAIエンジニアになりたいと思ったら、会社サイトに求人掲載する企業をピックアップしてローラー作戦でしらみつぶしに応募するのも一つの手です。

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