キャリア

2019/11/14

サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容・スキル・年収・資格・将来性

ITエンジニアとしてサーバーサイドの開発業務を遂行するにはどのようなスキルセットが必要でしょうか。また、まったくの未経験からサーバーサイドエンジニアとして就職することは可能なのでしょうか。

この記事では、Web系の転職やキャリアチェンジを検討中の方に向けて「サーバーサイドエンジニア」の仕事内容、スキル、年収、将来性などを解説します。

サーバーサイドエンジニアとは

サーバーサイドエンジニアとは読んで字の如く、サーバー側で動作するプログラムの開発やデータ処理などをおこなうエンジニアの事を指します。Webサービスやショッピングサイト、業務システムなどが動作する裏側のシステムを開発するためバックエンドエンジニアとも呼ばれます。

表側の目に見える部分(フロント)を担当するWebデザイナーやフロントエンドエンジニアと協力して、ユーザーがWebサイトやWebアプリケーションを快適に利用するために重要な役割を担います。

私たちが普段利用するWebサイトや業務システムが動作するために必要な、サーバー側での処理(サーバーサイド)とクライアント側での処理(フロントエンド)の違いにも留意しつつ、サーバーサイドエンジニアの役割を紹介します。

仕事内容と具体的な業務

サーバーサイドエンジニアは、設計や要件定義から携わり新規の開発を行うこともありますが、既存システムにおける変更の実装や機能追加、Webサービスなどの安定稼働に関わる運用業務を担当することもあります。そのため、OSSや最新ツールの調査やハードウェアの更新に合わせた新しいソフトウェアのインストール・アップデートなども業務内容にふくまれます。

例えばECサイト(通販サイト)における注文処理・新商品データの追加などが具体例として挙げられるでしょう。一般的にサーバーに対する不正アクセス処理を行うセキュリティ管理も、サーバーサイドエンジニアとしての業務内容に含まれるなど、業務範囲は多岐にわたります。

Webサイトやアプリケーションとデータベースの連携や、APIなどを介した外部システムとの連携に関する開発のほか、インフラ環境の構築、バックアップや定期メンテナンスの実行などを行うこともあるでしょう。

開発業務が基本となる事は確かですが、サーバーサイドエンジニアの中にはバグの修正に多くの時間を割く人も少なくありません。先々の運用を視野に入れて、分かりやすいコード記述や他のシステムへも移植しやすい実装処理を心がける事もサーバーサイドエンジニアに求められるのです。

フロントエンド技術との関係

WebサイトやWebアプリケーションにおいて、表面的なインターフェースや実際に操作出来る部分の事をフロントと呼び、こうした領域の開発を行うエンジニアをフロントエンジニアと言います。

サーバーサイドエンジニアが比較的小規模なプロジェクトに参加する場合、フロントエンドとサーバーサイドの業務を兼任するというケースも珍しくありません。

通常、サーバーサイドエンジニアがこなす業務領域はバックエンドと呼ばれますが、優秀なサーバーサイドエンジニアとして活躍するためにはフロントエンドの技術・知識を習得する事も必要なのです。

バックエンドエンジニアとの違い

フロント業務を担当する技術者をフロントエンジニアと呼ぶのに対して、バックエンド業務をこなす技術者はバックエンドエンジニアと呼ばれるのが一般的です。

サーバーサイドエンジニアの業務領域もバックエンドなので混同されがちですが、バックエンドエンジニアは「Web領域を中心としたバックエンド業務」を主に担当します。

一方、サーバーサイドエンジニアはWeb以外のソフトウェア開発に関わるエンジニアも含めているのです。企業によっては担当領域が曖昧なケースも少なくないので、定義上の違いとして覚えておくのが良いでしょう。

やりがい・喜び

サーバーサイドエンジニアが組んだシステムは、実際にユーザーが操作して利用されています。インターネット環境やモバイルデバイスの普及によってSNSやECサイトなどが市民にとって身近な存在となり、エンジニアの働きも目に付きやすくなりました。

自分の仕事がユーザーや社会の役に立っている事が実感出来るという点は、サーバーサイドエンジニアの仕事の大きな魅力と言えるでしょう。

また、サーバーサイドエンジニアは自社のシステム開発・管理を行う他にも、クライアントからの依頼を受けてシステムの開発・管理を任されるというケースも少なくありません。社会全体でエンジニアが不足している現代ビジネスシーンでは特にこうした受託が増えていると言えます。

クライアントからの要望は自社で開発する際の仕様と異なる事も多く、サーバーサイドエンジニアとして成長するチャンスでもあるのです。納期や仕様をクリアしてクライアントが満足してくれた時の喜びは、エンジニアとしてのやりがいと言えます。

さらにサーバーサイドエンジニアという仕事は実力社会であり、自分のスキルを磨いていけば若くして高収入を実現する事も可能です。自分の実力が給与という分かりやすい形で評価されるという点は、モチベーションの維持に有効と言えるでしょう。

サーバーサイドエンジニアに必要なスキル

サーバーサイドエンジニアに必要なスキルは大きく「プログラミングスキル」「開発フレームワークの知識」「データベースの知識」の3つに分ける事が出来ます。ここではそれぞれのスキルについて具体的にどのような技術が必要とされるのかを見ていきましょう。

プログラミングスキル

サーバーサイドエンジニアにとってプログラミングスキルは欠かす事の出来ない技術です。正確なプログラミング技術はもちろんのこと、担当する案件によって必要になるプログラミング言語が異なるので複数のプログラミング言語を習得しておく事も求められます。

なお、プログラミング言語は「インタプリタ型言語」と「コンパイラ型言語」の2種類に大きく分けられるので、まずはそれぞれの概要を押さえておきましょう。

インタプリタ型言語

インタプリタ型言語とは、「プログラム上の命令」と「機械語への変換」を同時に行うタイプのプログラミング言語です。プログラムをすぐに実行出来るため動作検証や修正を行いやすいというメリットがあります。

その反面、実行の度に機械語への変換が必要になるのでプログラムの実行速度が比較的遅いというデメリットもある事に注意しましょう。

インタプリタ型の代表的な言語にはWebアプリケーションの開発に向いている「Ruby」「PHP」や、機械学習やデータ分析に用いられる「Python」などが挙げられます。

コンパイラ型言語

コンパイラ型言語はすべてのプログラムを機械語に変換した後で命令を実行するタイプのプログラミング言語です。この一連の流れ自体を「コンパイル」と呼ぶ事も併せて覚えておきましょう。

コンパイラ型言語は早い実行速度を誇る一方で、実行するためには毎回コンパイルを行う必要があるので手間隙がかかるという難点があります。

代表的なコンパイラ型のプログラミング言語は、様々なシステムに利用されて高いシェアを誇っている「Java」と言えるでしょう。Googleが開発した「Go」というプログラミング言語も注目を集めています。

開発フレームワークを扱うスキル

開発を効率的に進めるためにまとめられた機能群の事を「開発フレームワーク」と呼びます。開発フレームワークは各プログラミング言語に用意されており、サーバーサイドエンジニアはこれらの各種開発フレームワークに対する知識や取り扱いスキルが要求されるのです。

有名な開発フレームワークにはRubyの「Ruby on Rails」、PHPの「Laravel」、Javaの「Spring」といったものが挙げられます。

データベースを扱うスキル

サーバーサイドエンジニアの仕事はサーバーのデータベースと連携する事も多いので、データベースの取り扱いに関する知識が必要になってきます。データベースにもいくつかのタイプがありますが、データを表形式で関連付けて管理する事の出来る「リレーショナルデータベース(RDB)」というタイプが最も一般的になっていると言えるでしょう。データベースの取り扱いにはSQLと呼ばれる言語を習得する事が必要になります。

一般的に普及しているデータベースとしては「MySQL」「SQL server」「Oracle」などを覚えておくと良いでしょう。オープンソースであるMySQLは、RubyやPHPといった言語でのWeb開発によく利用されるデータベースです。OracleとSQL serverは商用のデータベースなので、一般的には企業の業務システムに用いられています。

サーバーサイドエンジニアに必要な知識

サーバーサイドエンジニアは関わる案件や業務内容によって、必要になる知識が様々です。幅広い業務に対応出来るように、必要となる可能性の高い知識をここでしっかり把握しておきましょう。

フロントエンドの開発知識

サーバーサイドエンジニアとして勤務していても、ユーザーが直接操作する画面を作成するためのフロントエンド開発に関わる知識が求められる場面は少なくありません。

具体的にはWeb上で表示される画面の骨組みを作るためのHTMLや、その骨組みに対してデザインを施すCSS、ユーザーがWeb上で入力したアクションに対して動的な処理を行うJavaScriptなどを習得しておくと良いでしょう。

設立から比較的日の浅いスタートアップ企業などでは規模が小さめなプロジェクトが起ち上がる事も多く、そうした場合にはサーバーサイドエンジニアがフロントエンド業務を兼ねるケースも珍しくありません。

サーバー、ミドルウェアの知識

サーバーサイドエンジニアの仕事がサーバーに関するものである以上、サーバー自体の知識も必要になるでしょう。システムやアプリケーションの多くはサーバー上で稼動するものですが、ハードウェアにインストールされているOSだけでは動作させる事が出来ません。

そこで必要になるのがサーバー環境の構築であり、こうした処理を行うソフトウェアをOSとアプリケーションの中間にあたる事から「ミドルウェア」と呼んだりします。

Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーなどはミドルウェアの一種なのです。サーバーサイドエンジニアが関わる機会の多いWebサーバーでは、オープンソースの「Apache」や「Nginx」といったものが代表的である事も覚えておきましょう。

開発環境(OSと仮想環境)の知識

開発環境の構築やプログラムのリリースにあたって必要になるのが、OSと仮想環境に関する知識です。開発環境のOSとして代表格と言えるのが「Linux」であり、RubyやPHPを用いたWeb開発では頻繁に利用されています。

Linuxで作った仮想環境に、Linuxコマンドを用いてプログラミング言語をインストールして開発を行うのです。こうした仮想環境の構築には仮想化サービスと呼ばれるものを利用するのが一般的であり、「VirtualBox」「Docker」といったサービスが代表的となっています。

利用するサービスは案件によっても異なるので、必要に応じて柔軟に学習を進めましょう。

Web関連の技術の知識

Web開発へ積極的に参加していきたい場合には、「通信プロトコル」「クッキー」「キャッシュ」などweb関連の技術や知識を習得しておく必要があります。サーバーではHTTPという通信プロトコルを用いてユーザーのデバイスと通信を行っており、このHTTPは画像・テキスト・動画の転送に必要な技術です。

ユーザーが同じサイトでいちいちログインを繰り返さなくても良いように、一時的にパスワードやユーザー情報を保存しておくために用いられる技術がクッキーと呼ばれています。また、ユーザーが訪れたページ情報を保存して、再訪問時の表示速度を向上させるのがキャッシュです。

こうした技術を組み合わせる事によって、ユーザーが快適に利用する事の出来るWebサービスが構築されます。

サーバーサイドエンジニアの年収

サーバーサイドエンジニアの年収は他業種よりも比較的高いと言われています。大手転職サービスの調査によれば正社員サービスエンジニアの平均的な年収は20代が約388万円、30代では約504万円、40代になると約575万円だと発表されました。

なお、同じエンジニア職であるWebサービスエンジニアの場合は20代が約362万円、30代で約495万円、40代では約558万円となっています。サーバーサイドエンジニアの平均年収はエンジニア職の中でも比較的高い方であると言えるでしょう。

サーバーサイドエンジニアになる方法

サーバーサイドエンジニアとして就職するには、一般的に「新卒採用」「プログラミングスクール」「独学で就職・転職」といういずれかの道を通る事になります。それぞれの方法でメリットやデメリットが異なるので注意しましょう。

新卒採用

大学の情報系学部・IT系専門学校に通っている人であれば、そのまま新卒採用を目指すというのが一般的な方法です。採用試験は基本的に将来性のある新卒者が有利と言われているので、若さが大きな武器になるとも言えるでしょう。学校の先輩に志望企業に入社した人が居れば、現場の雰囲気などを教えてもらう事も出来ます。

ただし、この場合は学校に入学する時点である程度将来設計を固めて、「その学校からの就職先」と「自分の希望就職先」がマッチしているかを見極める事が重要です。

プログラミングスクールで学習

情報系学部以外に在籍中、もしくは卒業してからサーバーサイドエンジニアを目指す場合にはプログラミングスクールへ通うというのがベターでしょう。関東圏にスクールが集中しているというのがネックですが、オンライン授業に対応しているスクールも少なくありません。

学費がかかるというデメリットもありますが、体系的にプログラミングを学べる他にも学習や就職についてサポートが受けられるなどメリットも多いです。

カリキュラムのクオリティやサポート体制はスクールによってまちまちなので、見学や資料請求で優良スクールを見極めましょう。

独学で就職・転職

経済的にスクールに通う余裕がないのであれば、独学でサーバーサイドエンジニアを目指すというのも一つの手段です。実際、社会人生活を続けながら独学でサーバーサイドエンジニアになったという事例は少なくありません。

市販の参考書やネット教材を利用すれば、独学でも十分に技術と知識は身に付ける事が出来ます。基礎を身につけるには、ある程度まとまった時間を確保して集中的に学習するのがおすすめです。まずはとっつきやすいHTMLやCSSから学習を始めると良いでしょう。

独学は分からないところやプログラミングのエラーでつまずきやすいので、身近な有識者を頼ったり勉強会に参加するなどしてモチベーションを維持する事も大切です。

サーバーサイドエンジニアの資格

サーバーサイドエンジニアを目指すにあたって、関連資格が気になるという人も多いでしょう。サーバーサイドエンジニアは必要不可欠な資格というものはありませんが、資格は取得するプロセスで知識や技術が身に付くだけでなく自分のスキルに自信を持つ事が出来ます。

ここでは「プログラミング言語の資格」と「国家資格」に分けてご紹介します。

プログラミング言語の資格

プログラミング言語の資格であれば、まずは「LinuC」を押さえておくと良いでしょう。LinuCはサーバーOSとして高いシェアを誇っているLinuxについての知識・技術を証明するための資格です。レベルは1~3まで段階的に設けられているので、まずはレベル1から順番に学習していくのがおすすめです。

Windowsの開発環境であれば、マイクロソフト認定資格である「MCP」の取得を目指すのも良いでしょう。世界共通資格なのでグローバルに評価されるというのもポイントです。MCPも「MTA」「MCSA」「MCSD」「MCSE」の4段階にグレードが分かれています。

国家資格

サーバーサイドエンジニアの業務内容に関わる国家資格としては、IPAの「基本情報技術者試験」というものが挙げられます。テクノロジー系・マネジメント系・ストラテジ系の3つで構成されており、幅広くIT技術者に必要な知識が問われる試験です。上級資格として応用情報技術者試験というものも設けられていますが、サーバーサイドエンジニアが取得するには試験内容がやや情報過多と言えるでしょう。

サーバーサイドエンジニアの将来性

現代社会はIT化が進み、様々なものが情報として処理されるようになりました。しかしその一方で、それを支えるための技術者は慢性的に不足していると言われているのです。こうした社会的な背景を踏まえるとサーバーサイドエンジニアの需要は高く、将来的にも雇用機会は多いと言えるでしょう。

ただし、サーバーエンジニアとして必要とされるスキルや知識は時代の流れと共に変化していく可能性もあります。多くの情報を多くの人と共有するためのクラウドに関する知識や、場合によってはAI技術に関する知識が求められるかも知れません。

将来的にサーバーサイドエンジニアとして長く活躍していくためには、基本的なスキルを身に付けるだけではなく新しい知識を積極的に取りいれる姿勢も重要であると言えるでしょう。

関連記事Related Posts