フリーランス

2019/11/06

フリーランスエンジニアの年齢に限界はある?40代・50代フリーランスの実態

フリーランスエンジニアとして仕事ができる年齢に限界はあるのでしょうか。35歳定年説など高齢エンジニアが敬遠されるIT業界では、50代・60代で受注できるプログラマー案件は少なくなり、フリーランスで仕事を続けるためには工夫が必要になります。

今回の記事では、 40代、50代、60代高年齢フリーランスエンジニアの実態や、20代・30代エンジニアがとれる選択肢・準備などについて解説します。

フリーランスエンジニアに定年はないが年齢の影響はある

20代・30代と仕事を通してスキルや経験を積んでいくなかで、将来の働き方について考えることもあるでしょう。エンジニアは、企業などに属して働く方法だけではなく、フリーランスとして活躍することも可能です。複業、パラレルワークなどは最近になって提唱された働き方であるため、フリーランサーは若い世代が中心となって活躍しているような印象を持つ人も少なくありません。

しかしながら、個人商店や一人親方といった働き方は古くから日本社会に根付いており、実際には50代・60代のフリーランスも多く存在します。

フリーランスに定年は無い

そもそも、フリーランスとは企業などに属さず、すべてを自分個人の判断で行う働き方です。どの仕事を請け負うかを選択したら、納品をして報酬を受けるところまで自らの責任で管理することが求められます。さらに、仕事の内容ややり方だけではなく、退職のタイミングについても自身で決めなければいけません。定年がないとはいえ、リタイアの目安は定めておくべきでしょう。

少子高齢化に伴い、将来の生活を年金だけに頼ることに不安を持っている人は多くいます。ただし、定年のタイミングで独立しても仕事を獲得できるとは限りません。現在勤めている会社の定年年齢に不安があれば、高年齢でも収入を得られるように早めにフリーランスにシフトしておくのも方法です。

また、仕事が好きな人であれば、可能な限り長く働き続けたいと考えることもあるでしょう。フリーランスであれば定年がないので、もっと働きたいという意思があり、請け負う仕事さえあれば、何歳まででも働くことができます。

40代・50代での独立は可能だが、注意が必要

定年のないフリーランスエンジニアにとって、40代・50代は、まだまだ働ける将来が長く残っている年代です。そのため、20~30代を企業などに勤めても、40代以降で独立し、新たな働き方にチャレンジすることも可能となります。

ただし、現実問題として、40代以降のフリーランスエンジニアに対して、雇用側の求人需要は急速に少なくなるため、注意が必要です。50代で独立することができるといっても、実際に、責任を持って仕事をこなし、生活できる収入を確保できると保証されるわけではありません。IT業界には35歳定年説といった言葉もあり、20代・30代が優遇される傾向は意識しておきましょう。

また、健康や家族などミドル世代ならではの悩みにも直面します。年齢とともに体力なども落ちやすくなるなかで新たな働き方にチャレンジするためには、年齢的な限界や課題を事前にしっかりと把握して、対策を講じておくことが大切となります。

フリーランスエンジニアで働く年齢に限界があるといわれる理由

実際に年齢に関わらず活躍している人がいる反面、フリーランスエンジニアは働く年齢に限界があるともいわれています。なぜ、そのようにいわれているのでしょうか。ここでは、年齢に限界があるといわれている主な理由を3つ紹介します。

プロジェクトに年齢制限があり、受けられる仕事が減る

実際に仕事ができるできない以前の問題として、そもそも仕事を発注する側がエンジニアの年齢に対して制限を設けていることがあります。プロジェクトメンバーを構成するにあたり設定された年齢が20代・30代など若い世代に限定されていると、高年齢者はどれだけ本人にやる気があっても仕事を請け負うことはできません。

一般的なフリーランスエンジニアでは、30代をピークに、40代、50代、60代と年齢を経るごとに参画できる対象の案件数は減っていきます。また、特殊技術を保有している場合や本人の知名度が高いなどの例外を除き、高年齢になるほどフリーランス報酬の単価相場も下落する傾向にあります。

発注側となる企業などがプロジェクトに年齢制限を設けるのにはいくつかの理由があります。たとえば、仕事量が多く、プロジェクトを遂行するためには体力が必要と判断される場合です。このようなケースでは、体力のある若い世代に依頼したほうが安心と考えられ、40代以降は敬遠されてしまうことがあります。また、ほかのメンバーが若い人ばかりで構成されていれば、同世代を入れたほうがお互いに仕事をしやすいと判断されることもあるのです。

最新技術についていけなくなる

エンジニアにとって、日々進化する技術を習得し、新しい情報をきちんと把握しておくことは必須です。最新技術を理解しておかないと、システム構築を最適に実行することは難しくなります。積極的に情報収集を行い、日々最新技術の習得に努めているかどうかは必ずしも年齢によるものではありません。

しかし、年齢を重ねるほど保守的な考えを持つ人が多い傾向にあるため、企業側からエンジニアとしての活躍に不安を覚えられてしまうこともあるのです。さらに、年齢とともに覚えが悪くなりやすい現実は否めず、最新技術が重要となるソフトウェアエンジニアの世界では一定の年齢を過ぎると仕事に限界があると考えられてしまうこともあります。

体力・気力の低下

年齢の積み重ねとともに衰えやすいものには、体力や気力もあります。エンジニアの仕事はパソコンを使うデスクワークが主であり、体を激しく動かす作業はありません。しかし、長時間パソコンに向かうことは想像以上に体力を消耗します。さらに、細かい設定なども行うため、集中力が必要です。

フリーランスエンジニアとして需要の多いプログラマーの仕事でおこなうコーディング作業で、体力や気力を長時間維持することができないとミスをしてまったり、生産性が落ちたとみなされる場合もあるでしょう。

高年齢フリーランスエンジニアの実態

年齢によって不安視されやすい高年齢のフリーランスエンジニアですが、実際にはどれくらいの人が活躍できているのでしょうか。次は、高年齢とされる40~60代のフリーランスエンジニアの実態について紹介します。

フリーランスエンジニアの半数以上は40代・50代

フリーランス協会が調査し発表した「フリーランス白書2018」によると、フリーランスとして活躍している人のうち半数以上が40代・50代です。さらに、職種別にみると半数以上がITやクリエイティブ系であることから、フリーランスエンジニアも40代・50代が半数近くいることが予想されます。体力も気力もある20代のフリーランスは経験なども少ないことからごく少数に過ぎません。年齢への評価が厳しいと思われるフリーランスエンジニアですが、ミドル世代でも活躍している人は多くいるのです。

60歳以上は全体の13.5%

一般的な企業に働いている場合、定年を60代に迎えるケースは少なくありません。しかし、中小企業庁が調査した「2015年版小規模企業白書」の報告を見ると、フリーランスとして働いている人の数全体のうち、60代以上は13.5%を占めています。最も割合が多いのは40~50代ですが、60代はそれに次ぐ多さです。40~50代だけではなく、60代ですら、30代よりも多くの人が活躍している実態があることは、フリーランスが必ずしも若い世代を対象とした働き方ではないことを物語っているといえるでしょう。

50代は増加している

エンジニアやクリエイター職を専門にフリーランスや転職の支援を行っているレバテックの調査によると、フリーランスエンジニアとして活躍する50代は増加傾向にあります。この調査は、レバテックのエージェントサービスと契約中の50代のエンジニアを対象として行われたものです。2017年から2019年にかけての人数の動向をチェックすると、1.6倍も増えています。収入やスキルアップ、ワーク・ライフ・バランスの実現をキャリアチェンジのきっかけとしている人が多く、ミドル世代でも将来の働き方を考えて行動を起こしている人がより増えているのです。

40代・50代フリーランスエンジニアが抱える課題

40代や50代でも活躍しているフリーランスエンジニアがすでにいることは、これから独立を目指す人にとって希望となるでしょう。ただし、実際に活躍している人たちも、さまざまな不安や問題と向き合っています。ここでは、40~50代のフリーランスエンジニアが抱える3つの課題について紹介します。

収入が不安定

企業などで正社員として働く場合とは異なり、フリーランスには基本給などがありません。仕事を継続的に確保できなければ収入は減ってしまいます。長期的な契約の仕事ばかり請け負うことができるとは限らず、フリーランスエンジニアは仕事を確保できるかという不安と常に隣り合わせです。

契約が終了すれば、次の仕事を探さなければなりません。当然ながら仕事探しの間は、報酬は発生しないため、別の仕事をしていない場合には無収入となってしまいます。

社会保障(医療保険、年金等)

日本には、さまざまな社会保障を受けることができる制度があります。たとえば、医療機関を利用した際に医療費を一部負担してもらえる医療保険や、加入して積み立てたお金を一定の年齢になると給付として受けられる公的年金などです。日本では、すべての国民に対してこれらに加入することを義務付けていて、保障を受けるためには社会保険料を納めなければなりません。

社会保険料は人によって個人で納める負担額が異なり、企業に属していると、会社が社会保険料の一部を負担してくれます。しかし、フリーランスの場合には、全額本人負担となっていて、収入の金額に関わらず、社会保険料の支払いをすべて自分で捻出することが必要です。

健康面の不安

フリーランスは結果を出さなければ収入につながらないというプレッシャーが特に強いため、深夜まで仕事をするなど、体に無理をしてしまうこともあります。また、パソコンを使うエンジニアの仕事は自宅などの室内に長時間こもりやすく、運動不足になりやすいのも特徴です。生活習慣の乱れや運動不足、睡眠不足などに年齢による体力の衰えが重なれば、健康を崩しやすくもなります。

しかし、病気などをしてしまって仕事ができなくなると、フリーランスは収入を得ることができません。健康上のリスクや両親の介護といった問題も、加齢とともに高まっていきます。40~50代のフリーランスエンジニアは、特に健康面への不安が大きくなりやすくなっています。

高年齢フリーランスエンジニアが仕事を獲得するには

収入を維持できる安定した生活を目指すためには、まず仕事をしっかりと確保することが基本です。高年齢であっても仕事を獲得するためのポイントや方法を紹介するので参考にするとよいでしょう。

自分にしかできない付加価値を持つ

付加価値を持つことは、年代に関わらず必要とされるポイントですが、特に、高年齢のフリーランスエンジニアにとっては重要となります。年齢による不利な傾向があるうえにフリーランスエンジニアとして活躍するライバルが多数いるなかで、その人でなければと思わせるようなアピールポイントを持つことは大切です。

過去の経験だけを強みとするのではなく、常にスキルアップに努め新しい付加価値を付けておくことが大事となります。また、仕事を円滑に進めるためにはクライアントとの関係が良好であることも必要です。クライアントとの関係構築に生かせるコミュニケーション能力の高さも付加価値となります。

エージェント・クラウドソーシングを活用する

一般的には、フリーランスエンジニアは働く年齢に限界があると考えられがちであるため、高年齢の仕事の獲得は難易度が高い傾向です。しかし、エンジニアとしての実力は高くても、仕事を探して獲得できる営業力などを十分に持ち合わせていない場合もあるでしょう。どうにか自分の力で仕事を探そうと無理に努力を続けると、その期間の収入を得られないだけです。

そのようなときには、エンジニア向けの案件を取り扱っている専門のエージェントやクラウドソーシングを上手に利用したほうが、効率よい仕事探しができて賢い選択となる場合もあります。

講師やアドバイザーなどで活躍する

講師やアドバイザーは、50代・60代でも年齢制限となりずらい仕事です。エンジニアとしてスキルや経験が豊富にある場合には、現場で働く方法だけではなく、若手を育てるのもやりがいのある道といえるでしょう。

講師には、知識が豊富にあるだけではなく、経験値が高いことも求められます。これまでの長いエンジニア生活のなかで得たさまざまな経験は、高年齢だからこそ持つことができる付加価値です。

40代・50代フリーランスエンジニアで活躍する人

年齢的には不利と思われるなかでも実際に活躍している人たちには、とのような特徴があるのでしょうか。ここでは、40~50代でフリーランスエンジニアとして活躍している人に多く見られる特徴を紹介します。

顧客との長期的な信頼関係を築く

仕事を任せたい、依頼したいと企業に思わせるためには、信頼関係を持つことが大事です。実際に、顧客との間に長期的な信頼関係を築けている人は、安定的な仕事を維持できている傾向にあります。このようなことからも、フリーランスエンジニアとして安定的な仕事を確保したいなら、一度、契約した顧客は逃さないようにしなければいけません。

長期的な信頼関係を築くことが安定した収入につながります。相手から高い信頼を得ることで別の仕事の依頼を受けられる可能性もあるため、既存の顧客は特に大事にしましょう。

リーダーポジションを経験している

40代・50代は一般企業でも管理職に就くなど、部下やグループをまとめたり引っ張ったりする役割を求められやすくなります。フリーランスエンジニアとして参加するプロジェクトにおいても同様です。

エンジニアとしてのスキルを生かせるだけではなく、過去にリーダーポジションの経験があり、プロジェクトの進行を導き、メンバーを統制する力がある人は働く際の強みとなっています。

スキルアップを継続している

IT業界の技術の進化は日進月歩です。これまでの仕事のなかで高い評価を受けた仕事がある人でも、過去に満足せず、常に新しい技術や知識の習得に努めている人は、年齢による不安を忘れさせ、企業からの信頼も厚くなります。日々スキルアップに努めることが仕事の獲得にもつながるのです。

20代・30代フリーランスエンジニアが選べる選択肢

将来の自分の道を考えたときに、20~30代はどのような選択をすればよいのでしょうか。ここでは、若い世代から準備しておきたいポイントや働き方の選択肢を紹介します。

将来に向けてお金の備えを万全に

フリーランスエンジニアとして働き続ける場合、どうしても収入の不安定さに対する不安はつきまといます。仕事が途切れてしまったり、健康を崩してしまったりしたときのことを考えて、将来のお金の備えは万全にしておくことは大事です。

30代のうちに長く稼げる仕組み作りを目指す

多くのフリーランスが活躍するなかで生き残れるような仕組みづくりを早いうちから構築しておくこともポイントです。セミナーなどに積極的に参加してスキルアップをしたり、資格を取得しておいたりして自分の付加価値を高めておくことも方法となります。また、需要が変わってもさまざまな仕事に対応できるように技術の領域を広げておくのも手段です。

さらに、万一のときには、人のつながりが仕事探しの助けとなることもあります。関係者が集まる場に顔を出したり、顧客との関係を大事にしたりして、若いうちから広い人脈を作っておくことも重要です。

40代・50代になる前に正社員になる

収入の不安定さに不安を感じるなら、40代になる前に正社員に戻るのも選択肢です。正社員になれば、安定した収入を得ることができ、仕事探しに悩むこともありません。フリーランスになると仕事以外の税金や保険のことなどの諸手続きも自分で行わなければなりませんが、正社員であれば業務にだけ集中することができます。

ただし、一般的には年齢を重ねるごとに正社員への転職は難しくなるものです。エンジニア市場の年齢の需要を考慮したうえで計画的に転職活動を行うようにしましょう。

WriterAI drops編集部
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