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2019/10/11

IoTエンジニアとは?仕事内容・年収からスキル・資格・将来性まで徹底解説

IoT(Internet of Things)の普及が進むなか、IoT機器やソフトウェアを開発する技術者のニーズも高まっています。毎日の生活が便利になればなるほどそれを実現する職業の重要性も強まります。

制御・組み込みシステム、ネットワーク・インフラ、アプリ開発、セキュリティ、機械学習・AIなどエンジニア・プログラマーとしての経験を活かしIoT分野への挑戦を検討する方も多いのではないでしょうか。

今回は、そのような「IoTエンジニア」の仕事内容、年収、必要なスキルを解説し、転職や独立に役立つ資格についても紹介します。

IoTエンジニアとは

IoTエンジニアは、IoT製品やIoT技術を利用したシステムの開発をおこなう技術者です。あらゆるモノとインターネットを接続することで遠隔操作やモニタリングが可能となり、クラウドやAI技術の発展とともに需要が高まっています。

IoTとは

IoT(Internet of Things)を日本語に訳すと「モノのインターネット」です。PCやスマートフォンなど情報端末に限らずあらゆるデバイスがインターネットと接続するといった意味になります。センサーなどから取得した情報をネットワークを介してクラウドに保管したり、離れたところにいながら情報を把握し、利便性の向上や危機管理などをスムーズに行うことが期待されています。

例えば家のドアや窓、ガス・電気の状況をインターネットを活用して遠隔から把握できるIoT環境を整えておけば、ドアの施錠をしっかり行ったかどうか、不審者の侵入がないか、子供がちゃんと帰宅しているかを把握することができます。またガス漏れなどの問題が出てないかを確認することも可能です。これは火事を防ぐだけではなく、高齢者や幼い子供がいる家庭の安全を保つ上でもとても重要な機能です。

ただこうしたIoT技術に関するソフトウェアの開発やデバイスの設計、ネットワークの構築には専門家の技術と知識が欠かせません。その役割を担うのがIoTエンジニアというわけです。

IoTエンジニアが不足している理由

多くの業界でIoTの開発が進められていることに対して人材の供給が不足していることが最大の原因です。成長市場であるIoT市場は2019年で16.4兆円ともいわれており、簡単に言ってしまえば急速な需要の増加にIoT技術者の供給が追いついていないわけです。さらにIoTそのものがまだ新しく、これからシステムやソフトウェアの開発体制を整備していかなければならない側面があります。

そのため豊富な経験を持つエンジニアが少なく、各業種・企業の間で優れた人材の争奪戦を繰り広げているような状況になっているのです。

IoTエンジニアの仕事内容

IoTの開発では、組み込み、アプリケーション、ネットワーク、セキュリティなど様々なバックグラウンドを持つエンジニアが協力して作業を進めます。そのため、ひとくちにIoTエンジニアといっても職場や担当する工程によって業務内容は異なるでしょう。共通しているのは、IoTの特性上、端末やデバイスなどのハードウェアとネットワークやセキュリティ、OSなどの幅広い知見が問われる点です。

ですから当然ハードウェアとソフトウェア両方の開発知識が欠かせませんし、さらにその知識を元に新たな技術やIoT環境の可能性を広げていく発想力・想像力も求められます。逆に言えば発想力・想像力を備えた人材ほど成功できる可能性を秘めていることになります。

IoTエンジニアは、企画や設計などの上流工程を担当することも多く、新たな技術を生み出していく役割も担っています。一般的なエンジニアは既存のシステムをベースにしたメインの開発業務にプラスしてシステムの維持・管理を行っています。しかしIoTエンジニアは、日々新たな技術が生まれるIoTの動向を探りながら、失敗を糧に新たなサービスや製品を生み出していく役割も求められているのです。

IoT製品の開発需要が伸びる

この新しい技術を次々とを生み出す必要があるというIoTの特徴がとくに現れているのが家電業界です。小型化や多機能化がどんどん進んでいるこの業界のなかでいかにうまくIoTのシステムを導入することができるか。いくら優れたIoTのソフトウェアを開発できてもそのために価格が高くなりすぎたり、サイズを大型化しなければならないといった問題を抱えていると商品としてよいものとはいえないからです。

またスマートスピーカーのようにAIの発展とリンクした機器の需要が伸びているのも大きな特徴です。これは音声操作に対応したAIアシスタント機能を備えたスピーカーで、人間が話した言葉を音声として認識したうえで家電を遠隔操作するシステムです。

スマート家電ではこのスピーカーに向かって話しかけることでさまざまな操作が可能になることが求められているのです。音声で扉を開くように命じる、膨大なデータの検索を行うなど。こうした高度な技術を小型化・多機能化が進んでいる電気製品の中でどう組み込んでいくのか?優秀な人材による開発需要が急速に伸びているのです。

IoTエンジニアが活躍する業界

IoTを推進するメリットは先ほど挙げたような生活の利便性の向上だけでなくビジネス面にもあります。企業が抱えている膨大なデータをクラウド環境で一元化することで大幅なコストダウンが可能になるだけでなく、業務の効率化も可能になります。それだけに多くの業界でこの職種が求められている状況です。

活躍する余地が大きい業界では家電業界がまず挙げられるでしょう。先ほど挙げた一般家庭におけるIoT環境の導入の基本となるのが「スマート家電」とも呼ばれる家電たちです。ネットと結びつくことで遠隔操作が可能になる機器を搭載する家電などの電化製品の開発が急ピッチで進められています。

それから物流や商品管理の分野でもIoT環境が求められています。これらの業界はそれこそ膨大なデータを扱うことになりますし、単にデータを関するだけでなく共有などの管理も必要になります。複数の支社や倉庫における商品やその出入りの状況、物流ルートなどをクラウド環境で一元化したうえでリアルタイムで把握できるようになることで大幅な業務の効率が可能になります。

またこれまでなかなかリアルタイムでの把握が難しかった遠隔地の支社・倉庫同士の情報の共有もスムーズに行うことができるようになります。Aの地域の店舗で注文を受けた商品をBの地域にある倉庫から出荷する…といった業務をこれまでよりもコストや人員を費やすことなく迅速に行うことができるようになるのです。

膨大なデータを一元管理できる点から、複数の業種を手がけている大企業からのニーズも多いですし、もちろんIT業界でもつねによい人材が求められている状況です。

IoTエンジニアの年収

IoTエンジニアの年収に関して、経験や業種によって大きく異なるので一概にはいえない面もあるのですが、やはり売り手市場ということもあり他のエンジニア職に比べると高めの水準になっています。全体的な相場では300万~700万円と幅広い求人を見かけることができますが、同じ勤続年数や年齢なら他のエンジニアと比べて100万円程度高い水準からスタートできることが多いようです。

まだIoTエンジニアで活躍している人材が少ないこともあり、未経験可の求人募集もあります。未経験のIoTエンジニアの給料相場は、年収300万円から400万円程度です。3年以上の経験者であれば、500万円から700万円、場合によっては1000万円をこえる求人もだされています。

未経験からIoTエンジニアになれる?

まだ新しい分野のためIoTに求められる知識と経験を備えたエンジニアは限られています。逆に言えばこれから知識とスキルを身に付けて活躍できる余地が多いともいえるわけで、未経験でも活躍できる可能性を秘めています。

とはいえ、扱う技術領域が広いIoTエンジニアになるには、フルスタックエンジニアに近い要件の求人がだされることも多く中途採用では、即戦力の人物像を期待されることもあります。そのため、まずはITエンジニアやWebエンジニアとして就職したうえで、経験を積みIoT分野に転職する方法もおすすめです。

IoTエンジニアに必要な知識・スキル

それでは、IoTエンジニアに求められるスキルや経験はどのような内容でしょうか。スキル要件や募集要項は職場により異なりますが、ITエンジニアに必要な知識はひと通り備えていることが望ましいでしょう。

制御・組み込み系のスキル

センサーをはじめとしたIoTのための機能を家電やシステムに組み込む必要がありますから、デバイスを操作する組み込み系の開発スキルは欠かせません。組み込みシステムの開発では、C言語やC++、Javaなどのプログラミング言語、Linux、Window、iOS、AndroidなどOSの知識が必要です。

ネットワークの知識・スキル

IoTでは、インターネットとクラウド環境の活用が大前提ですから、ネットワークにつなげるための知識も必須です。Wi-Fiやモバイル通信のほか、Blutoothなど無線系の通信も活用します。リアルタイム通信などの処理をおこなう場合は、単につなげるだけでなく効率よくデータの送受信ができるような環境を築き上げる知識も必要でしょう。

アプリケーション開発のスキル

IoT端末で取得したデータをデスクトップ端末で確認したり、操作をする際にiOS/Androidのスマホアプリと連動することも多いです。そのため、IoTエンジニアがタスクとして、スマートフォンやパソコンなどで利用できるアプリケーションの開発を行う場合もあります。ただこのスキルは基本的にアプリケーションの開発を行う職場に転職を目指すときに求められることになります。

機械学習・AIのスキル

取得したデータを可視化して特徴をつかんだり、AIでの認識や予測をシステムに組み入れてうまく役立ていくことができるか。このIoTの重要なテーマをクリアするためにはデータ基盤や機械学習・AIに関するスキルも欠かせません。そしてIoTエンジニアとして成功する上で求められるもっとも高度なスキルともなるでしょう。

セキュリティの知識

ネットワークと接続することは、外部からの攻撃や情報漏洩の対象となるということです。そのため、IoT開発でも情報セキュリティへの配慮は欠かせません。ネットワークやシステムに関しての安全性はもちろん、安定してシステムを機能させるためのインフラ知識も必要となるでしょう。

IoTエンジニアに役立つ資格

IoTは、まだまだ新しい分野で経験を積む機会が少ない業界です。これから就職・転職やフリーランスでの活躍を目指す上では関連する知識・スキルを証明できる資格の取得も視野に入れたいところです。

IoT検定

この検定は技術的な知識だけでなくIoTに関連するマーケティングやサービスに関する知識も求められるのが特徴です。それだけに就職に役立つ資格といえるでしょう。

IoTシステム技術検定試験

IoT検定に対して技術面の知識を問うのがIoTシステム技術検定試験です。システムの構築、運用、改善などのほか企画面の知識が問われるのが特徴です。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

IoTと直接関係がある試験ではありませんが、情報処理に関するスペシャリストとしての知識を問うのがエンベデットシステムスペシャリスト試験です。とくに組み込み系システム開発に関する高度な知識が問われるため、家電や情報・通信機器の分野でIoTエンジニアとして活躍した人に向いています。

IoTエンジニアの将来性

これまで触れてきたように将来性は間違いなくあり、しかもこれから新たに知識を学び、経験を積みながらキャリアを重ねていくことができる分野です。それだけに分野を問わずすべてのエンジニアに門戸が開かれている分野といってもよいでしょう。

このように将来性・可能性の点では非常に魅力がある職種ですが、一方でこれからIoTの環境がどういった方向に行くのか未知数という面もあります。技術がどれだけ進化していくのか、IoTに何が求められるようになるのか、どれだけ一般家庭の日常生活に浸透していくのか。未知の可能性を秘めている分野ともいえます。

スマートグリッドをはじめとした環境問題、電力問題とも深く関わってくる分野だけに、今後どういった形でIoTが活用されていくのか利便性やビジネスの観点だけでなく社会全体の状況も含めて変化していく可能性があります。

こうした点から見ても将来性を秘めている一方、今後めまぐるしい進歩と変化が見られることが予想されているため、IoTエンジニアはそれに対応できる柔軟性が求められることでしょう。知識・スキルが一定の水準に達すれば安定した就業環境を得られるわけではなく、常に学び続け、時代のニーズにアンテナを張り続ける必要があります。

またこれからキャリアを積んでいく過程で職場を変える機会も多くなることが予想されます。その中で自分に合った職場を見つけることができるか、自己評価なども求められるでしょう。

WriterAI drops編集部
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