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2019/09/06

AIエンジニアの資格と勉強方法

今では機械学習やディープラーニングなどの人工知能技術が様々なシステム開発の現場で用いられており、大量に蓄積されたデータの中から規則性を見つけてそのデータをもとに業務を自動化したり、サービスにAIを実装して利益向上を目指す企業が増えています。

そのようなAI開発で活躍する職業として「AIエンジニア」があります。Pythonをはじめとするプログラミング言語や機械学習や統計について学びAI技術者を目指すITエンジニア・プログラマーの方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、AIエンジニアになりたい方向けの資格と勉強方法について解説します。

AIエンジニアとは

AIエンジニアとは、機械学習及び人工知能技術に関する開発をしたり蓄積されたデータをAIで解析するなどの業務に携わる技術者のことを言い、機械学習エンジニアとデータサイエンティストの2つに分けることができます。

機械学習エンジニア

AIは、データを元に反復的な学習をおこないますが、そのようにAIを制御するためにはプログラムが必要です。また、本番環境にAIを適用するにも一連の処理を実行するシステム群が必要です。そのため、全体のシステム構成を考慮しながらデータの流れを設計したり、AIをトレーニングする指示内容を描いたプログラムを用意するなど、機械学習やディープラーニングを実践するために必要なシステムを開発・構築するのが機械学習エンジニアの仕事です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、AI開発ではモデルの作成やトレーニングなどデータ解析を担当します。また、データ分析の結果をもとに、利益向上のための提案なども業務に含まれます。データ分析は統計学など様々な面から行われ、分析したデータを可視化してデータサイエンスの知識を持たない経営層や事業部門の担当者にわかりやすく説明するのもデータサイエンティストの仕事です。

AIエンジニアに必要なスキル

AIエンジニアとして働くには「機械学習」「ディープラーニング」といったAI技術を読み解いたりデータを解析するための統計・確率・数学などの知識に加え、システム開発やエンジニアリング経験が求められます。

機械学習エンジニアに求められるプログラミングなどの技術的なスキルはもちろん、データサイエンティストには、データを様々な面から分析する論理的な能力やチームで業務を行うにあたって必要なコミュニケーション能力・人に自分の意見を伝える能力なども必要です。

以下では、そのようなAIエンジニアを目指すために有用な資格について紹介します。

AIエンジニアに役立つ資格

AIの資格として有名なのが、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)の主催するG検定・E資格という試験です。ディープラーニングの実装に関わる資格は現在ほかになく、この2つの資格がAIエンジニア向けとして認知されています。民間資格でありながら大手企業が日本ディープラーニング協会の賛助会員になっているので、今後AIエンジニアとして働きたいと思っているもしくはAI人材としてスキルアップを目指したいと思っているなら取得しておきたい資格と言えるでしょう。

G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)

G検定(ジェネラリスト検定)は、毎年2回G検定受験サイトから申し込むことができます。受験料は一般が12,000円+税、学生が5,000円+税となっており、オンライン実施なので自宅で受験することが可能です。G検定の試験内容では、ディープラーニングを実務に活かすための知識が問われます。具体的にはそもそも人工知能・ディープラーニングとは何なのか、ディープラーニングの手法にはどんなものがあるのかなどが出題されます。

制限時間が120分なのに対し、選択式ではありますが200問以上の問題が出題されるので、自宅受験とは言え教科書を読みながら試験を受けることが難しく、ディープラーニング入門向けの資格ながらもしっかりとした基礎知識が求められる資格と言えるでしょう。合格率は50~60%程度となっています。

E資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)

G検定よりもワンランク上のディープラーニングの資格がE資格(エンジニア資格)です。日本ディープラーニング協会が認定しているプログラムを試験日の2年前までに修了していることが受験条件となっています。プログラムの受講料に加えて受験料も一般だと32,400円+税、学生だと21,600円+税、日本ディープラーニング協会正会員・賛助会員だと27,000円+税と受験料の面でも、E資格はG検定よりハードルが上がっていると言えるでしょう。

また、E資格はG検定と違って会場にて試験が行われます。120分以内に100問弱の問題を解くスピードが求められるうえに、G検定よりも実務に近い問題が出題されるため、ITエンジニアやプログラマーとして働いていてキャリアアップを狙っている人向けの資格です。

日本ディープラーニング協会(JDLA)とは

日本ディープラーニング協会はディープラーニングを事業の核としている企業・有識者が中心となって設立され、日本のディープラーニングの技術力の向上を目指す団体です。2017年に設立された以降はAIエンジニアの資格であるG検定・E資格の運営だけでなく、ディープラーニングの普及を目的としたセミナーも開催しており、日本のAI技術者の育成に注力しています。https://www.jdla.org/

AIエンジニアの資格を取得すべき人は?

ディープラーニングの資格であるJDLAのG検定やE資格を紹介しましたが、これらの資格取得に向け勉強するとAIに関して幅広く学ぶことができます。そのため、これからAIに仕事で関わる人、もしくはこれからAIエンジニアをはじめとするAI関連の仕事を志望する人向けの資格と言えます。

G検定はAI入門的な立ち位置の資格であり、資格の勉強をするだけでAI人材として活躍するうえでの基礎的な知識が身につくでしょう。それに対してE資格はPythonなどプログラミング言語に関する知識が多く出題されることから実務に役立てる可能性が高いので機械学習エンジニアを目指す方にもおすすめの資格です。

AIエンジニアに資格は必要ない?

日本ディープラーニング協会のG検定・E資格はどちらも民間資格であり、AIエンジニアを目指すにあたって必ず取得する必要はありません。ただ、IT業界は国家資格よりもベンダー資格の種類の方が圧倒的に多い業界です。未経験からAI技術者を目指すなら、自分のエンジニアとしてのスキルをアピールするためにもベンダー資格だからと疎かにせずに積極的に取得すると良いでしょう。

AI分野に行きたいITエンジニアにおすすめ

AIは需要が高い技術であり、IT業界でもかなりハイレベルな知識が求められる分野なのでITエンジニアとして働いていてもAI分野へ進もうとすることはかなり難しいです。そこでAI関連の資格を取得していれば、履歴書や職務経歴書に記載するなどして自分の実力をある程度企業にアピールすることができます。Github上のソースコードやQiitaなどへのアウトプットをあわせて用意すれば、AIエンジニアとして採用してもらえる可能性も高くなるでしょう。エンジニアとしてAI分野を狙っているならE資格を取得してみましょう。

完全未経験の場合は、実務経験を積むことが重要

IT業界の中でもAI分野は今人気が高い分野です。それに先ほど解説した通りITスキルだけでなく、統計や数学など機械学習を使いこなすための知識が求められます。そのため、大学や大学院で統計や機械学習を専攻していたなどのケースを除き、完全未経験のAIエンジニアの需要は少ないのが現状です。したがって、完全未経験で転職に苦戦する状況ならまずはITエンジニアとして実務経験を積み、IT業界における開発手法や仕事の流れなどを理解してからAIエンジニアへの転職を目指すことも視野にいれるとよいでしょう。

AI資格の試験対策と勉強方法

それでは、AIエンジニア資格の取得を目指すにあたってどんな勉強をすれば良いのでしょうか。G検定・E資格それぞれの勉強法をチェックしましょう。

G検定は書籍中心に対策する

G検定に合格するにはAIに関する幅広い知識が必要です。AIの基礎を学ぶにあたってインターネットで調べるのも良いですが、情報量が多すぎて、どの情報をインプットすれば良いかわからなくなってしまう可能性が高いです。そのため、試験対策にはディープラーニング関連の書籍を読んで勉強を進めるのが良いでしょう。それではG検定の受験対策におすすめの書籍を紹介します。

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

こちらの書籍はG検定を受験するに関係なくディープラーニングに初めて触れる人なら読んでおきたい書籍と言えます。AIの歴史やどうしてAIが流行したのか、そしてディープラーニングと機械学習はどう違うのかなど、人工知能について学ぶにあたって必要な基本的な事柄が丁寧に解説されています。

AI関連の仕事をしている人でもAIができることの範囲を理解していない人は少なくありません。そこでこの書籍を読んでAIの基本中の基本を理解しておくことでAIに関する用語などを把握するだけでなく、AIエンジニアとして働くうえでの心構えも身につくでしょう。

G検定公式テキスト

G検定を運営している日本ディープラーニング協会が発行している公式テキストはディープラーニングを学ぶにあたって押さえておきたい重要なキーワードがまとめられています。専門用語に関する解説がしっかり用意されており、コンパクトにまとめられているので、初めてAIを学ぶなら読んでおきたい書籍です。

ただ、G検定公式テキストではありますが、AI入門の要素が強く、この書籍だけで合格するのは難しいと言えます。そのため、G検定を受験するにあたって必要な基礎知識を補うための書籍として読んでおくのが良いでしょう。

AI白書2019

日本ディープラーニング協会の推薦図書に指定されており、現代におけるディープラーニングの実用化に向けた取り組みや活用例などがまとめられた書籍です。ページ数が500ページ近くあり、初心者向けにしては分厚い参考書に思えるかもしれませんが、実際に企業でどのようにAI・ディープラーニングが活用されているのかという例が250件以上紹介されており、表や図を多く使ってまとめられているのでディープラーニングの手法などを学ぶのに便利でしょう。

ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

ディープラーニングの仕組みを理解していてもAIエンジニアを目指すにあたって実用化までできないと意味がありません。そこでAIに用いられる代表的な言語であるPythonを使ってディープラーニングを実装するまでに必要な内容がまとめられているのがこちらの書籍です。実践的な内容が多いのでAIエンジニアとして実務を行うにあたって必要な知識・スキルが身につきます。

E資格の受験にはJDLA認定プログラムを受講する

先ほど解説した通りE資格を取得するにはJDLA(日本ディープラーニング協会)認定のプログラムを受講する必要があります。複数のプログラムが用意されており、内容も異なるので自分にあったプログラムを選びましょう。

JDLA認定プログラムとは

JDLA認定プログラムは、高等教育機関や民間事業者が提供するAI教育講座のうち、日本ディープラーニング協会が定める基準及びシラバスを満たすと認定された講座です。カリキュラムにPythonによる実装演習を多数含むものとなっており、ハンズオン形式で対面受講が可能なスクールと全国どこからでも受講できるオンライン形式の講座の両方があります。

JDLA認定プログラムでは本では学べないような現場で使われるディープラーニングに関する知識を学ぶことで、G検定よりもより実践的な内容が問われるE資格の試験において必要なスキルも身につけることができます。

AIジョブカレ「ディープラーニング講座」

E資格を取得するうえでの難点が受験費用の高さです。受験費用が2~3万円程度必要なうえに、講座によって異なりますがJDLA認定プログラムの受講に20~45万円程度の費用がかかります。

そこで少しでもE資格を取得する際の予算を抑えたいならエッジコンサルティングが運営している「AIジョブカレ ディープラーニング講座」を選ぶと良いでしょう。

また、35歳以下のエンジニアは、特待生制度を利用する方法もあります。「AIジョブカレPRO」に参加すると機械学習講座とディープラーニング講座を無料で受講することができます。

JDLA認定プログラムでAIに関する講義を行っている講師は実際にAIエンジニアとして働いている人が中心であり、もちろん最も低価格で受講できるジョブカレの講座でもハイレベルな講義が受けられます。

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