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2019/08/15

データアナリストに役立つ資格、スキルアップと勉強方法を徹底解説

今回の記事では、データアナリストに役立つ資格、転職や就職で求められるスキル、年収アップの方法やおすすめの本について説明します。

データアナリストとは

データアナリストとは、統計のスペシャリストでありデータ分析の専門家です。統計モデルの作成や分析結果の考察・レポーティングなどアナリストとしての立ち位置でビジネスに貢献します。たとえば事業運営に関するデータからは、顧客の行動パターンや商品の売れ行きの違いなど様々な傾向を読み取ることができます。データアナリストには、そのようなデータの探索や仮説を検証して消費者が何を求めているのかを把握する、あるいは過去のデータから将来の状況を予想する、そのようなデータ分析の仕組みを整えるといった役割が求められます。

データアナリストが活躍する場所としてインターネット企業、広告代理店、小売やメーカーなどがあげられます。ただし、それぞれのデータアナリストにより得意分野や専門分野は異なり、分析手法も一様ではありません。目の付け所が違えば、取り扱うデータも違うため求められる能力やスキルが担当分野によって異なる職業です。業務内容の例をあげるとBI・BAといった経営指標の可視化、各種施策の効果検証、統計モデリングなどがあります。

近年は、分析に利用できるデータ量が増大し、リアルタイム性が高まるなどの変化がありITを活用する能力の高いデータアナリストの需要が急伸しています。そのように技術力を備えたうえで、本質的なビジネス課題の解決やデータから価値を見出せる分析者は優れたデータアナリストといえるのではないでしょうか。

データアナリストは歴史が浅く、職務定義があいまいな点もあります。特にデータ分析の専門人材がまだまだ希少とされる日本においてはコンサルティングやマーケティングの流れでデータ分析を行なう担当者もデータアナリストとされることには注意しましょう。

データアナリストに役立つ資格

ここからは、データアナリストになるための資格やスキルアップに役立つ検定試験などを紹介します。データアナリストになるのに必ずしも資格は必要ではありませんがメリットもあります。資格取得に向け勉強することは知識向上に役立ち、取得した資格はスキルの証明にもなります。

統計検定

データ分析を行う上で重要なスキルに統計解析があります。「統計検定」はその名の通り、統計学に関する知識や活用能力を評価する全国統一試験です。一般財団法人 統計質保証推進協会が運営しており、4級から準1級、1級までの5段階にわかれています。履歴書に記載するのは2級以上からが一般的です。

この先ますます情報化が進んでいくことで、データ分析の専門職にかかわらずデータを活用する業務の増加が予想されています。そのような職場ではデータアナリストに限らず統計を活用するスキルが必要となるでしょう。また、統計検定はこれからデータアナリストを目指すうえでも役に立つ資格です。実際に統計学に対する社会的関心も高まっており、取得を目指す人が増えてきています。

オープンソースデータベース技術者認定資格(OSS-DB技術者認定資格)

OSS-DB技術者認定資格は、オープンソースデータベースの設計・開発・運用に関する技術力と知識を認定するIT技術者認定資格です。データアナリストとして活躍するために必要なデータの収集・処理に関する知識を証明するために有効な資格といえるでしょう。特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が運営しており、受験資格は特にないため誰でも受験することができます。

データベースの設計や構築に関する能力があれば、データ分析関連の仕事で幅広い観点から考察することが可能になります。実務でデータベースを取り扱う際には、さまざまなオープンソースソフトウェア(OSS)を使用することになりますが、OSS-DB技術者認定資格の試験内容は「PostgreSQL」を基準とした問題が出題されます。

この資格には「Silver」と「Gold」の2種類があります。「Silver」がデータベースシステムの設計や開発、導入や運用など、PostgreSQLの基本的な知識や技術を備えていることを証明する資格であることに対し、「Gold」のほうはさらに大きなデータベースシステムの運用管理やコンサルティングができることを示す資格となっています。

基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験

「基本情報処理技術者試験」および「応用情報技術者試験」も役に立つ資格の一つです。いずれも独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が提供しています。ビッグデータを解析する際などはシステム開発の知識も求められるので、情報処理に関する知識はデータアナリストの仕事にも応用できます。取得すれば採用などでも有利に働くでしょう。

基本情報処理技術者試験は、プログラマーやシステムエンジニアが多く取得している資格です。SQLやプログラミングなどの開発技術、プロジェクトマネジメント、システム設計など幅広い範囲から出題されます。IT技術者として働いた経験がない場合などは、データベースの資格よりも先にこちらを取得するとよいでしょう。

応用情報技術者試験は、基本情報処理技術者試験の上位にあたる資格です。期待される技術水準や出題範囲も、経営戦略・情報戦略の策定・評価、システムの設計・開発・運用などについてより応用的な知識を問うものとなっています。 時代はどんどんITに傾倒しており、あらゆる企業がITシステムを基礎に事業を押し進めているのでぜひ取得しておきたい資格です。

オラクルマスター

「オラクルマスター」とは日本オラクル社によって制定されたデータベース試験です。「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4段階のランクがあり、積み上げる形で試験を受ける仕組みになっています。オープンソースデータベース技術者認定資格と性質は似ていますが、扱うソフトウェアがOracle Databaseとなっている点が異なります。

統計データ分析士

「統計データ分析士」は一般財団法人実務教育研究所が制定する認定資格で、データを扱うスキルを判定します。出題内容は初歩的なものとなっていますが、データアナリストを目指しているが何から手をつければいいのか分からないという場合に、統計の基礎的な技術や知識を得られることができるので、初心者の人は取得しておいて損はないでしょう。

データアナリストの年収

データアナリストの年収は、およそ平均すると600万円程度です。人により給与の額はさまざまなので一概にはいえませんが、第二新卒のような若手のケースでおよそ400から500万円、中堅クラスで600から800万円。外資系企業に勤務するデータアナリストやデータサイエンティストと呼ばれる高スキルの人材の年収は1000から2000万円程度が相場といわれています。専門知識や経験があるほど目的や状況に応じた柔軟なデータ分析が可能になりますが、Python、R、SQLなどのITスキルがそれほど備わっていない場合は分析手法も限定されてしまいます。ひと言にデータアナリストといっても、人によってできる仕事の範囲に差が出てくるため、年収に大きな開きが出てきます。

経験の有無も給与を決める要素となります。データアナリストは求人によって年収の幅がひろく、未経験で応募できる求人の年収は300万円程度ですが、実務経験がある場合は600〜1500万円で募集がかけられているケースもあります。データアナリストを名乗るために資格は必要なく、資格を取得したからといって仕事に就けるとは限りません。また、データアナリストになるために未経験からの明確なキャリアパスは定まっていません。そのため、データアナリストを目指す際や、年収アップにつなげるには、仕事に生かせるような資格を取るだけでなく、実務経験や実績をつみ高い能力があることをいかに証明できるかが重要になってきます。

部署異動や転職で苦戦することも多いです。そのような場合にオンライン上のコンペティションに参加することも一つの方法です。データ分析職の採用にKaggle枠を設ける企業もあり、能力やスキルの証明としてKaggleに取り組む未経験者も増えてきています。

データアナリストのスキルアップ・勉強方法

データアナリストとして活躍していくためにも資格取得のためにも勉強が欠かせません。知識や経験の差は収入の差になり、生活やステータスにも大きく影響するので、学習を怠らないようにする必要があります。ここでは、データアナリストとして就職・転職に必要なスキルや勉強におすすめの書籍を紹介します。

データアナリストに求められるスキル

データアナリストは膨大なデータをもとに分析を行いますが、精度の高い分析を行うには結論を導き出すためのプロセスや思考過程が重要になってきます。分析力を高めるには統計知識やITスキルだけではなく、データを現実の事柄と結びつけられるイメージ力も問われるでしょう。また、ビジネスに役立つ分析を行うには仮説が重要です。課題や問題に対して適切な分析を設計するには順序立てて論理的に考えられなければなりません。さらに、事前に想定した通りの結果がでないことも多いため、いかに物事を客観的に捉えて分析を実施できるかが重要になってきます。中途採用の面接では、ロジカルな思考や分析力などをみられます。

それら分析者の前提となる能力をおさえたうえで、データアナリストにはPythonやRでのコーディングスキル、SQLを使ったデータ集計・データ加工、機械学習、統計などを仕事でおこなうスキルが必要です。データ基盤などに分析に使用するデータが格納されている職場であれば、データアナリストは分析業務に集中できますが、最初から分析に必要なデータが揃っていることばかりではありません。そのような場合にも、目的や状況に応じて分析手段や解析手法を選定し、適切な提案や分析が実施できるようになれば、データアナリストとして一人前といえるでしょう。

向上意識や好奇心を持つことも大切です。移り変わりの激しいIT業界の波にのまれないようにするには、変化を楽しめるようでなければなりません。最近では機械学習やBIツールを利用した分析の仕事なども増えており、あまり保守的な考え方をしていると、将来のビジネスシーンや最新のデータサイエンスをキャッチアップすることが難しくなってしまいます。データアナリストの仕事のなかで、後輩の育成や人材教育に取り組むこともあるでしょう。新しい物事を常に歓迎する姿勢でいることがデータアナリストで成功するうえで非常に大切です。

そして、忘れてはならないのがコミュニケーション力です。どれだけ的確な分析ができたとしても、その結果を伝えたり、アドバイスを送ったりするには相手の気持ちを考慮しながら話さなければなりません。また、難しいことを分かりやすく伝えられる能力も求められます。例え話を用いてイメージを持たせやすくするなど、話術を磨くことも時に必要になるでしょう。

データアナリストのスキルアップにおすすめの本

スキルや知識の向上にはインプットとアウトプットが必要です。まずは、オンラインでの情報収集とあわせ書籍を読む習慣をつけるとよいでしょう。統計やプログラミングなどについて体系的な知識を得る場合、読書に勝る学習方法はありません。データアナリストにはさまざまな知識が必要ですが、どのような本を読めば効率的に学習できるのでしょうか。ここからは、スキルアップにおすすめの本をいくつか紹介していきます。

Pythonによるデータ分析入門

Pythonはプログラミング言語の一つで、他の言語に比べ初心者でも学びやすいのが特徴です。科学計算や統計分野で高いシェアを誇り、機械学習やAI開発においてもスタンダードになりつつあります。この書籍ではサンプルコードを通してPythonでのデータ分析についてわかりやすく解説されています。これからデータアナリストを目指す場合の入門書籍としておすすめです。

ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ

大規模なデータを処理する場合などSQLに関する高い知識が求められます。SQLが書けなければデータアナリストは務まらないといっても過言ではありません。「ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ」という本では、オープンソースデータベース技術者認定資格に必要なPostgreSQLをはじめとする、RDBやNoSQLなどさまざまなデータベースの知識を存分に学習することができます。SQL中級者〜上級者の人はぜひ手にとってみることをおすすめします。

データ解析のための統計モデリング入門

データを正確に分析するには統計モデリングに対する深い理解が必要です。統計学にはさまざまな考え方がありますが、この本を読めば統計モデリングがどのような過程を経て発展してきたのかが分かるようになっています。一般化線形モデル、階層ベイズモデル、MCMCとあらゆる考え方が網羅されており、実戦に役立つ知識も得ることができる非常に万能な一冊となっています。

はじめてのパターン認識

パターン認識に対する知識の有無もデータアナリストを目指すうえでは非常に大きな影響を及ぼします。特に現代では速やかなデータ分析を実現するためにコンピューターの力を活用するので、機械学習に対する理解が不可欠になっています。この本は機械学習における代表的なアルゴリズムを一通り学習することができるということで多くの人から支持を集めています。

スキルアップにはKaggleに挑戦

データアナリストのスキルアップにはKaggle(カグル)を利用するのがおすすめです。Kaggleは世界中のデータアナリストが集うコミュニティーサイトであり、企業・政府などの組織とデータアナリスト個人を繋げるプラットフォームとしての役割も果たします。Kaggleの一番の特徴は、企業や政府などの組織がコンペ形式で課題を提示する「Competition」と呼ばれる機能でしょう。この課題で出されたデータをデータアナリストたちは競って分析を行いますが、最も精度の高い分析モデルには賞金が支払われます。Competitionに参加し結果を残すことができれば、データアナリストとしての力が身につくだけでなく、仕事のオファーなどを得ることができるので、データアナリストを目指すのであればぜひ挑戦してみることをおすすめします。

まとめ

この記事では、データアナリストにおすすめの資格とスキルアップのコツや勉強法を紹介しました。データアナリストには、統計、ITスキル、データベース、クラウドに関する知識などデータ分析に関する様々な能力が求められます。ただし、未経験からデータアナリストになるための明確な資格といったものはなく、データ分析の方法も実に多様なので、資格取得はあくまで目安と考えましょう。

また、的確な学習ができなければスキルアップを実現することはできません。実務で活躍するイメージを持つためにもデータアナリストに求められるスキルは何なのかを正確に把握しておくことが大切です。

データアナリストの需要は今後もますます増えることが予想されており、実務経験を積むことで高収入が期待できる職業です。未経験からデータアナリストを目指す方も、すでにデータ分析職として活躍する方もスキルアップに取り組むことで今後のキャリアにいかしましょう。

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