バックエンドエンジニアの求人案件

バックエンドエンジニアのフリーランス求人動向

バックエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの構築・運営で活躍するエンジニアのことです。基本的に新機能や新サービスなどの開発業務にとりくみますが、サーバーやデータベースなどインフラ環境の構築やシステムが問題なく動作するための運用・保守に関する役割を担うこともあります。

現在業種を問わずオンラインでサービスを提供する企業が増えており、複数のデータベースを統合して一元管理する。さらにはクラウド化を推進する傾向が見られます。こうしたIT環境を整えることで業務の効率化やセキュリティの強化などのメリットが得られるのですが、その分構築・運用に専門的な知識が求められるようになります。

また、既存システムの改修や新規開発のスピードアップなど突発的なエンジニアリソースの需要がうまれることもあり、必要に応じて業務委託や派遣エンジニアの雇用でまかなう傾向も見られます。このようにWeb開発の需要が増加している情勢からフリーランスのバックエンドエンジニアの求人需要も増加しているのです。

エンジニアは専門職だけに転職エージェントやIT関連職に強い求人サイトに情報が集中している傾向もあり、求人探しの際には工夫が必要な面もあります。

バックエンドエンジニアとは

バックエンド（裏側）という名前が付けられているように「縁の下の力持ち」的な役割を担うのがバックエンドエンジニアです。ユーザーからは見えないシステムでの処理を開発します。逆にWebサイトのUIのデザインや動作をおこなうシステム開発を担当するエンジニアやデザイナーは「フロントエンド（表側）」や「マークアップ（装飾）」エンジニアと呼ばれており、その対極に位置する存在とも言えるでしょう。

ECサイトを例にあげると、商品の検索や会員登録、決済などの機能を利用するためには、Web上の画面だけでなくそれらの機能を実際に動作させるためのプログラムが必要です。バックエンドエンジニアは、データベースを用意して商品データを登録し、検索が実行された際は該当する商品のデータを返すプログラムを開発します。また、ユーザーが買い物をできるために、買い物かごに入れた商品情報を決済システムと連携し、お届け先や購入者の情報をシステムに蓄積しつつ、セキュリティにも配慮したサイトに仕上げます。

いくら魅力的なレイアウト、センスの良いウェブサイトを作っても肝心のシステムやサーバーが安定して機能していなければ意味がありません。顧客情報のデータベース化などによる業務の効率化にしても実現するためにはシステムの開発が必要です。顧客には見えない大事な部分を担当しているのがバックエンドエンジニアなのです。それらの開発を1人でおこなうこともありますが、多くの場合複数のエンジニアが集まりチームで開発を進めます。

サーバーサイドエンジニアとの違い

バックエンドエンジニアと似たような職業としてサーバーサイドエンジニアがあります。両者を別の職種として区別する場合もありますが、仕事内容にはっきりとした違いはなく、担当する領域はほとんど共通しています。あえて区別するとするなら、サーバーサイドエンジニアはもともとIT開発の分野で活躍している傾向があるのに対し、バックエンドエンジニアはWeb領域に特化している点が違いとして挙げられます。また、バックエンドエンジニアはWeb領域においてフロントエンドの業務も一部担当することもあります。領域は共通していても活躍する場が違うといったところでしょうか。

バックエンドエンジニア案件の種類

バックエンドエンジニアを募集する案件としては、やはりWeb系の開発案件が多い傾向にあります。なかでもPHP、Ruby、Perlなどスクリプト言語での開発エンジニア募集はよく目につきます。数は少ないですが、PythonやScalaの開発案件も出てきています。

PHP

PHPは、プログラミングの分野では比較的扱いやすく、バックエンドエンジニアがキャリアを積んでいくうえで非常に重要になるプログラミング言語です。バックエンドエンジニアになりたい場合にはまずこの言語を学ぶことからはじめるのもよいでしょう。比較的容易に扱えるうえに国内のシステム開発で広く活用されているため、フリーランスに外注の形で依頼する案件も多く見られます。WordPressなどのカスタマイズ案件で少しずつ経験を積みながら他の言語や領域へと手を広げていくというパターンでキャリアアップを目指していくこともできます。

Ruby

Rubyは日本で開発されたプログラミング言語です。そのため学習リソースが豊富で学びやすいメリットを持ち合わせています。PHPをはじめとした他のプログラミング言語を学ぼうと思っても英語の情報ばかり…といった悩みが少ないのです。また汎用性・自由度も高くさまざまなシステムで活用できます。国内企業限定の案件となりますが、PHPの次に学ぶと対応できる案件の幅を広げることができるでしょう。

Java

世界中でもっとも普及しているのがJavaです。プログラミングに興味がない人でも名前だけは知っていることが多いほど有名です。OSに依存することなく使うことができるので非常に汎用性が高いのが特徴です。Androidなどのアプリ開発でも使用されます。Javaは難易度が高く、プログラミングの経験がないと身に着けるのが難しい言語です。ただ逆に言えばこれを身に着ければバックエンドエンジニアとしての活動領域が大幅に広がります。ひとつのターニングポイントとも言えるでしょうか。

Perl

Perlは実用性と多様性を重視して開発されたプログラミング言語で、Web・アプリケーション、システム管理などの分野で広く使用されています。新規のPerl案件は少なくなってきましたが、既存システムの改善や機能追加などの需要はある言語といえます。そのためWeb領域で活躍するバックエンドエンジニアにとっては重要な言語でもあり、身に着けておいて損はないでしょう。

バックエンドエンジニアに必要なスキル

プログラミング言語をはじめとした開発スキルや知識のほかにも、バックエンドエンジニアとして求められるスキルがあります。

サーバーの構築

まず基本中の基本とも言えるのがサーバーの構築。社内サーバーは安定して動き続けるのが絶対条件、負荷にも耐えられる環境を構築する必要があります。これができることがバックエンドエンジニアの大前提といえます、最近ではAWS、GCPなどのクラウドサービスを利用する案件もふえているため、勉強しておくとよいでしょう。

データベースの構築

そしてデータベースの構築。年々企業が扱うデータの量が膨大なものになっており、問題なく機能できるデータベースの構築が求められます。このあたりはデータベースエンジニアとも共通する部分ですが、データを長期的に保存するためのストーレージ・サーバーの最適化、効率の向上といった役割も求められます。

システムの開発と運用

専門的な知識も活用したうえでのシステムの開発と運用のスキルも必要です。これができるようになると本格的なフリーランスのバックエンドエンジニアとして活躍できるといってもよいでしょう。システムの開発の段階からかかわることで全体を俯瞰したうえで環境を構築していくことができる一方、クライアントの要望に合った形で開発を行い、円滑に運用していくことができる環境を作り上げていく柔軟性や対応力も欠かせません。

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バックエンドエンジニアに必要な知識

こうしたスキルを発揮するためにはプログラミング言語の知識だけでなく、ミドルウェアやフレームワークといった知識も求められます。このあたりは経験を積みながら身に着けていく面もあるためキャリアアップの一環として重要な部分でもあります。

ミドルウェアの知識

ミドルウェアとは基本となるサーバーやシステムにソフトウェアをインストールすることです。基本となるシステムだけでなくこうした現場で使うソフトウェアやアプリケーションがしっかり機能しなければ意味がないわけから、バックエンドエンジニアはここまでカバーする役割が求められるのです。

このミドルウェアではLinuxのようなサーバーを構築するOSに関する知識、サイトとサーバーの橋渡しをするApacheなどのソフトウェア、先ほども触れたデータベースの構築に活用するMySQLなどのデータベースソフトなどの知識が必要になります。とくにデータベースソフトの知識は必須と言えるでしょう。

フレームワークの知識

アプリケーションを活用できる環境づくりで欠かせないのがフレームワークの知識です。この分野では先ほど挙げた日本産のプログラミング言語、Rubyで開発する際に必要なRuby on Railsがとくに重要です。ほかにはCakePHP、Expressなども身に着けておきたいスキルとして挙げることができます。

バージョン管理

目まぐるしい勢いでデータが増量し、アップデートが繰り返されている現在のIT業界。それだけに社内システムの定期的なアップデートも必要で、そのための管理も大きな意味を持ちます。アップデートによってバージョンが変わると一部のソフトが動かなくなり、システムの動作が不安定になるといったリスクも出てきます。

また万一アップデートによって不具合が生じた場合には元のバージョンに復元する作業が必要になることもあります。こうした状況に適応するためにもバックエンドエンジニアはバージョン管理を日ごろからしっかりと行うことが求められています。

バックエンドエンジニアの年収

バックエンドエンジニアの年収は所属する企業や保有スキルなどによってかなり異なっています。PHP言語での開発を外注する案件と、社内システム全体の構築・開発に携わる案件では当然仕事内容も単価も異なるので年収の平均を出すのも難しいのです。年収相場としては400万～500万円とそれほど高い水準ではありませんが、高い評価を受けフリーランスで活躍しているエンジニアともなると年収1000万円を超えることもあります。

正社員の平均年収

正社員のバックエンドエンジニアは、開発以外の役割も担当することが多く、ある意味「システムの便利屋」的な立ち位置が求められる一方、安定した就業環境で平均年収も高めになります。年齢にもよりますが年収の相場は500万～600万円程度でしょうか。

フリーランス案件の単価相場

フリーランス案件は数万円程度のプログラミングの外注から100万円を超えることもあるシステムの構築・運用までかなり幅広くなっています。バックエンドエンジニアの報酬単価としては、月額で60～80万円程度が相場となります。基本的には低めの単価でコツコツと経験を積みながら、少しずつ重要な役割が求められる案件へとステップアップしていく形になるでしょう。

エンジニアもポートフォリオを作成しよう

ポートフォリオ、つまり過去に自分が手掛けた仕事や作品を集めたものをうまく活用しましょう。デザイナーなどのクリエイティブ職でよく活用されますが、バックエンドエンジニアにおいても「過去にこんな仕事をした」ポートフォリオを用意しておくことで自己アピールに役立てることができます。バックエンドエンジニアはなかなか自分のスキルやキャリアをアピールするのが難しいだけにうまく活用したいところです。

経験者

経験が豊富な方が当然就職にも案件の獲得にも有利になります。しかし先ほども触れたようにデザインナーのようにはっきりとわかりやすい形で過去の自分の仕事をアピールするのが難しく、単に勤続年数や過去に担当した企業のネームバリューに頼ったアピールになりがちです。

ですから具体的にどの分野で経験を積んだのか、どういった領域を得意としているのかをエンジニア以外の人、具体的には採用担当者にもアピールできるような「自己プロデュース」の手腕が求められる職種とも言えます。

未経験者

一方で未経験からバックエンドエンジニアになるのは難しく、やはりまずIT関連の企業に就職し、エンジニアとしての経験を積んでから独立するというのが一般的なルートとなるでしょう。ほとんど経験がない環境でいきなりバックエンドエンジニアになっても、単価の安い簡単な仕事ばかりでなかなかキャリアを積めないという状況に陥ってしまいかねません。

バックエンドエンジニアの将来性

需要があるという点では将来性は豊かと言えますが、Web環境の状況の変化にどれだけ対応できるかが問われます。

Webサイト構築のエンジニア作業は減っている

例えばクラウド化の推進などでWebサイト構築のエンジニア作業が減っています。また、社内サーバーを設置する企業も減少傾向を見せており、その意味では仕事そのものが減っているのです。ただし、開発全般の需要は年々上昇しており、改修や変更のニーズもすぐになくなることはありません。そのため、バックエンドエンジニアの需要は今後も続くといえるでしょう。

フロントエンドの知識も重要になる？

バックエンドエンジニアの業務をつづけていくにあたり、サーバー側のプログラムを極めていく方向性は多くのエンジニアが目指すものです。一方でバックエンドに加えてフロントエンドの仕事も一部担当することで評価を高めているエンジニアも増えています。基本はバックエンド、しかしフロントエンドにも柔軟に対応可能、そんな「使い勝手の良さ」を備えたエンジニアが活躍しやすい時代になりつつあります。

Webエンジニアで生き残るには？

このようにWebエンジニアは需要そのものは増えている一方、目まぐるしく進化と変化が進んでいく業界に柔軟に適応していくことが求められています。基礎となる専門的な知識はもちろん重要ですが、つねに学び続け、時代の需要に応えられるスキルと知識を持ち続ける向上心が生き残るうえで求められるでしょう。