古渡 俊明氏

AI未経験からAIエンジニアへと転向した半導体(EDA)業界出身
エンジニア古渡氏のキャリアとフリーランスのメリット

Profile
  • Name / 古渡 俊明
  • Age / 60
  • Job / AIエンジニア

今回は、半導体業界でEDAベンダーや研究所での勤務の後、起業・独立を経て
フリーランスのAI技術者としてのキャリアを歩む古渡 俊明氏に、
AI開発に携わるまでの経歴、AI未経験からAIエンジニアに挑戦する際のポイント、
弊社のエージェントサービスについて伺いました。

AIの開発・研究に携わるまでの経歴について

弊社経由で参画中のお仕事についてお聞かせいただけますか

現在はAIの中でも物体認識の分野で、自動運転に関するプロジェクトに参画しています。研究所の仕事のため、将来実現する技術の基礎研究といった段階ですが、いままで世にないものを作るための研究という点では非常に面白い仕事です。

自身が代表を務める個人事務所で請け負っている他の案件もあるので、週1日の稼働として受託しています。この歳になっても仕事でごりごりプログラムのコードを書く事ができる機会に恵まれていることはうれしい限りです。

フリーランスのAIエンジニアとして複数の案件に参画されているとのことですが、それ以前はどのような業務に 就かれていたのでしょうか

AIの案件に携わるようになったのは、ちょうど4年前からです。それ以前は半導体業界にいて、LSI(集積回路)の最新の設計手法による論理回路の合成やシミュレーションツールの研究開発、高位合成/高位設計のコンサルティング、企業のLSI設計技術者へSystemC(LSI高位設計/検証用言語)や設計技術の教育を行っていました。LSIの論理回路設計を自動化するツールは「EDA(Electronic Design Automation)」と呼ばれる分野になります。

EDAの業界では企業の技術部長を務めたり、半導体関連の研究センターで兼務研究員を務めたりした後、ベンチャー企業の立ち上げに携わったのち、個人事務所での活動を開始しました。独立してからも、企業やカンファレンスでの講演や技術教育の講師、大学とのEDA研究開発は引き続き行っています。

エンジニアとしては当初から半導体業界で働かれたのですか

大学卒業後に入社した会社は独立系のソフトウェア開発会社です。当時はその後ハードウェアもやるようになるとは全然考えていなかったですね。

若い頃は幅広い技術を身に付けたいという気持ちが強く、新卒で入った会社や、その後声をかけられて移った会社での会社員生活を2年程で辞めて、フリーランスのSEとして8年ほど働きました。その方が自由に自分のやりたい仕事の内容を選べると考えたからです。当時はPCの黎明期でもありソフトウエア技術者は完全に売り手市場でした。事務処理系、制御系、通信系、言語処理系、基本ソフト(OS)など、その時々の最新技術で話題になった分野に次々に参加しました。

一方で様々な仕事をうけるなかで、どんな開発でもそれなりのレベル以上の事はできるけれど、これが専門だと胸をはれる分野がなく自分の仕事のやり方に疑問と焦りを感じてもいました。その時ちょうどEDAに触れることになり、幸いにもこの分野で専門性を確立できたことはAIの仕事をするうえでもとても役に立っています。

ハードウェアからAIの分野へと転向するきっかけは何だったのでしょうか

人工知能の分野に大きなビジネスチャンスを感じたという事といずれAIチップの登場やFPGAへの搭載など半導体とも強く結びつく事になるので私の専門性がより生かせると思ったからです。とは言うものの、一番の理由としては、もし2045年に本当にシンギュラリティを迎える事になるとしたら、技術者としてAIが全人類の知能を超えるといった歴史的な瞬間はそれだけで恐ろしくもあり、わくわくもしますが、その事態を傍観者として外からただながめるのではなく、AIの技術者として、そして当事者としてその事態を迎えたいと強く思ったからです。

2045年というと、私自身80歳をこえることになるので、長生きしてしかも現役でいるということはなかなか大変な事だとは思いますが、実現できるよう頑張り続けていきたいですね。そのためには頭も体も健康でいなければなりませんけど。

AI未経験からAI分野へのキャリアチェンジについて

古渡さんは半導体(EDA)業界からAI業界へと転身されましたが、そのあたりのポイントはありますか

私の場合は、非常に運がよかったと思っています。当時AIについては未経験だったわけですが、ちょうど統計解析や機械学習アルゴリズムに関わる仕事に参画することができ、自分でも勉強を進めながら仕事に取り組むことで、それらの技術を身に着けることができました。

この分野は未経験ながらも仕事を受ける事ができた理由としては、半導体(EDA)業界出身という点やこれまでの経歴を参画先企業の担当者から信頼いただけた部分もあるかもしれないと思っています。EDAツールの研究開発というのは難しい分野であるため、異なる分野であってもスキルとしての評価は高いように思います。

AIの案件に参画後は、どのように技術をキャッチアップしていったのですか

ネット上のあらゆる関連情報を調査する事と、あとは書籍ですね。また、AIや機械学習は先端技術のため海外の論文にも目を通すなどして勉強しました。新しいことを学んだり、先端技術について勉強すること自体は趣味のようなものなので、まったく苦にならないのです。

もともと専門としていた半導体の高位合成、高位設計といった領域についても日本語の書籍はほとんどなく、海外の書籍や、論文を読み解くことが必須でした。その点は、AIを学んでいくうえでも共通しており非常に役立っています。

これからAI分野での就業を目指される方にアドバイスをいただけますか

どのように企業にアピールするかという点では、仕事でAIに関わった経験がまだないとしても、趣味としてまずは自分で始めることで知識と経験を身に付けておくことをおすすめします。もしAIを使って物体認識や画像認識がやりたいのであれば、YOLOのdarknetやTensorFlow(テンソルフロー)といったフレームワークをまず使ってみる事です。

最初のうちは、本に出ている、あるいはネットで調べた内容そのままでも、プログラムを実際に動かしてみることが大事です。きちんと動作するようであれば(それでさえ最初は大変かもしれません)、次に認識率をあげるための調整をしていく、アルゴリズムを調べるなど、順をおって理解を深めていくことで知識と技術が身に付きます。

まずはディープラーニングが自分でできる様にGPU搭載マシンを購入してはじめてみると良いのではないでしょうか(お財布に余裕があれがGPUインスタンスのあるクラウドを使っても良いですね)。とにかく悩んでないでまずは始めろと言いたいです。そして好きになれ! です。すべてはそこからだ… と。

仕事ではなくとも、やった事が有る。やった事は無い。どちらが有利かは明らかです。

エッジコンサルティングについて

弊社にご相談いただいた経緯についてお聞かせください

AIの分野で仕事をしようと決意したものの、それまでは半導体(EDA)というハードウェアを扱うまったく別業界にいたため営業先や案件についてのツテもなく、具体的にどのように動いていくかなどまったく決まっていませんでした。

ちょうどそのような話をまわりにしていたところ、知人がエッジコンサルティングさんのエージェントサービスを利用しており、AIの案件を豊富に抱えているということを聞き、その方の紹介でキャリアコンサルタントにお会いすることになったのが、ご相談したきっかけですね。

興味関心の高いAIや人工知能に携われることのほかに、稼働日数などの点でいくつかこちらから提示をさせていただいた条件があったのですが、それらをクリアした案件をご紹介いただき、参画することになりました。

ご参画された案件やフリーランスで働くことのメリットについてお聞かせください

最初に参画した案件では、オンラインでの購入に至る導線を最適化するためのアルゴリズムを構築しました。その時点では、統計学やAIについては完全に独学だったのですが、案件への参画をきっかけに理解を深めることができました。

フリーランスとして働くメリットとしては、自分の興味のある案件に都度参加できるという柔軟性のほか、時間や稼働日数などの融通が聞く点だと考えています。私の場合、仕事は趣味の延長戦上にあるのですが、しっかりと自分の勉強時間なども確保したいと考えています。

フリーランスの場合にも、納期や時間は決められている部分があるのですが、現在参画している案件のように週1日のアドバイザリー業務など、他の仕事の兼ね合いなどから調整できる点は自身の趣向とマッチしていると考えています。

エージェントサービスを検討中の方に伝えたい点はございますか

エッジコンサルティングさんは、AIを専門にしているだけあって、人工知能の分野でも様々な仕事を紹介してもらえる点にとても満足しています。

現在は、AIの分野でも物体認識や画像認識を中心に仕事をしていますが、今後は音声認識や自然言語処理などに挑戦していきたいですね。

担当の長谷川さんをはじめ働くみなさんの人柄もよく、安心して利用できるエージェントだと思います。